匿名さん 2022-05-22 01:20:09 |
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コナンの時……──ッ!!けほっ、ごほ、ごほっ…
(ヒントを貰い更に思考を巡らせればある一つの答えに辿り着く
。止めていた手を再度動かし、残りの粥を口に運んだ後という最悪のタイミングで変な所に飲み込んだ物が入ってしまい咳き込んで。急いで水を飲んで流し込むと、危なかったと胸を撫で下ろし息吐いて。
彼女が聞いている事は間違いなくあの事だろうと検討がつき。正体を明かした時、コロされるだろうなと覚悟しては背筋が凍ったと言うのに何故忘れていたのか──。呼吸を落ち着かせてから、少々気まずそうに顔を背けて)
あー!やっぱり覚えてるのね?ヤダヤダ最低~!
(突然盛大なリアクションをする彼に驚き顔を上げ、ポカンと呆気に取られながらその様子を見守っていれば、何か答えてくれるどころかそっぽを向かれてしまって。あんな事やこんな事がありすぎて彼が一体どれを想像しているのかは分からないが、この反応からして確実に彼は覚えていると確信。何も知らずにやらかしてしまった出来事が多すぎて、穴があったら今すぐ入りたい。それもこれも、彼が別人のふりなんてするからいけないのだ。真っ赤な顔をぶんぶん左右に振りながらビシッと彼を指差し、ぷんすかと怒りをぶつけ始めて)
バ、バーローッ!お、俺は別に好きで覚えてる訳じゃなくてっ、イッ──だいたい、俺はちゃんと断ってただろーがっ。
(一方的に怒りをぶつけてくるこの状況に、彼女の方を見て対抗し大きめの声を出して。途中まで言葉を紡ぎ出すも、その行動が怪我の痛みを再認識させる事となり一瞬痛みで顔を顰めて。相手に聞こえるかどうかくらいの声量で目線逸らしながら続けて。
コナンとして過ごしていた期間、聞いてはいけないであろ女子の会話を聞いてしまった事も自信に対する彼女の気持ちを聞いてしまった事も確かな事実だ。けれどそれよりも、一緒に風呂に入る事になった時や怖がりな彼女の頼みを断れず同じ布団で寝てしまった事の方が相手にとっても自分にとっても重要な事で)
は、はぁ?どーいう意味よそれ?悪かったわね。聞きたくもないもの聞かせて…見たくもないもの見せちゃってっ!
(彼は何やらボソボソと言い訳を続けているようだが、そんな事よりも自身にはとあるワードが引っ掛かり、後半はほとんど頭に入ってこなかった。好きで覚えている訳ではない…まるで嫌がっているようなその言い方。言わせてもらえば此方だって、相手が小学生の男の子だと思っていたから気を許しきっていただけなのだ。要するに彼がした事は、盗み聞きや盗み見と変わらない。勝手に見ておいてそんなに嫌がられるなんて心外だとぴくりと眉を吊り上げ、彼に目線を逸らされても構わず被せ気味に反論する。言い返しているうちに、一体自身は彼に忘れて欲しいのか欲しくないのか、言いたい事がよく分からなくなってきたような気もするのだが──その辺は複雑な乙女心というもの。そもそも、やらかしてしまった恥ずかしさを怒って誤魔化しているだけというのが正直なところで。実際は反論する度に顔の赤みは増していく一方なのだが、引っ込みがつかなくなっており)
なっ!──と、兎に角、今日はもう帰れよ。オメーの父さんも心配してんだろ。
(まだ怒りが治らず反論してくる彼女に言い返そうとした所、少し離れた場所で二人だけの空間ではなく自分も居るのだと気まずそうに咳払いをする博士。側から見れば些細なことで揉めている痴話喧嘩、と認識されてもおかしく無い。言い返す気もなくなり冷静さを取り戻して。
気が付けば暗かった空も次第に明るみを帯びてきており、朝まで帰らない娘を心配しない親などいる訳もなく。況して眠りの小五郎、彼女の父親なら焦って騒いでいるかも知れない。そんな予想が容易に出来、話の切りも良いしと帰る様に促して)
あっ…ヤバ!お父さんからいっぱい着信きてる…!
(彼に促されてようやく、そういえば父親にカップ麺と簡易的なメモのみを残してそのまま家を飛び出してきてしまった事を思い出す。カレーの鍋だって作りかけのまま放置しているし、そんな状況で自身と連絡もつかず一晩帰ってこなかったら、父親の事だから大騒ぎしているはず。慌てて携帯を確認してみれば、案の定何十件もの不在着信が。どう言い訳をしよう…なんて考えている間にも、時間は過ぎていく訳で。怪我をしている彼を残して帰宅するのはかなり不安ではあるが、さすがにここは彼の言う通り、一刻も早く帰宅するべきだろう。立ち上がって思い出したように去り際に一言付け加えると、足早に玄関へと向かって)
そうだ、玉子粥。多めに作ってるから、よかったら博士も哀ちゃんと食べてね。
蘭っ!…その、俺の事だけど…コナンが工藤新一だって事は周囲の人間には秘密にしてくれ。勿論、オメーの父さんや園子達にもだ。…約束、出来るか?
(帰宅を急ぐ彼女の名を呼び引き留め、言いにくそうに切り出す。自分から正体を明かしておいてこんな事言うのは烏滸がましいが、詳細な組織の事を話して無いにしても秘密を知る人間を彼等が生かして置く筈が無い。結果として彼女も自身の秘密を知る数少ない人間の一人にしてしまった訳だが、他に知る人間を増やせば組織に狙われる人達を増やす事になる。実際勘違いだったとは言え、毛利探偵は一度命を彼らに狙われている。そんな事態を避ける為にも、真剣な眼差しと声色で約束して欲しいと願い出て)
え…──う、うん。新一がそう言うなら…誰にも言わないよ。
(足を止めて振り返り、告げられた言葉に目をぱちくりさせながら真剣な表情の彼をじっと見つめる。普通に考えれば、こんなに有り得ない事が起きているのだから周りの全員とは言わないまでも、可能な限り多くの人の協力を仰いだ方がいいと思ってしまうのだが。警察にだって相談すべきだし、身体の事も心配だから病院で診てもらうべきだろう。結局、それでも彼が秘密を打ち明けようとしない理由は曖昧なまま分からず終い。彼は危険だからだと言っていたけれど、危険なら尚の事警察に言うべきなのだから、まだまだ自身の知らない深い事情がありそうだと何となく感じ取って。当然気にはなるが、彼が話さないと決めたのならこれ以上自身が追及する事ではない。自身は、幼馴染みが無事でいてくれればそれでいいのだ。最も知りたかった事は打ち明けてもらえた。彼のその決断を踏みにじらないよう、信じて彼の言う通りにしようと決意。ゆっくりと頷き、それから不安げに瞳を揺らし確かめるように言葉を続けて)
でも、一人で無茶したりしないでよね?新一…
──そっか、サンキューな。
(家族や友達など他人を思い遣れる彼女にとって、周りを騙さなければならないと言う責任と秘密の重みは辛いものになるかも知れない。その重圧に押し潰されないかと正直不安な面もあるが、自分を信じ約束してくれると言う彼女に礼を告げ。
しかし"無茶しないで"と言う事に対して自身は簡単に約束は出来そうに無いが、表面上だけでも安心させなければ本当に危険な所まで踏み込んでくるかも知れないと普通を装えば)
…分かってる。ちゃんと病院にも行くし心配すんな。
…それじゃ、また様子見に来るね。あ、新一にもお父さんから鬼電来てるかも!適当に言っとくから、新一は安静にしててっ。
(彼の言葉にホッとしたように柔らかく微笑み、今度こそ帰宅しようと一歩踏み出したところでふと思い至る。昨晩自身は父親に会っておらず、咄嗟に残したのは夕飯に関する簡易的なメモのみの為、コナン君が博士の家に泊まる事も当然伝わっていないだろう。一晩中戻ってこない自身の行き先が分からず連絡も取れない、更にはコナン君までいないとなれば、自身同様コナン君の携帯にも父親から大量の連絡が来ている可能性が高い。ごめんね、と言うように彼に向かって両手を合わせて眉を下げ、携帯は気にせず大人しくしているよう念を押せば、小走りで阿笠邸を後にして)
ああ、気を付けてな。
(彼女を見送った後、コナンの携帯を取り出し電源を入れる。電源を切っていた為、不在着信は無いが留守電として何件かメッセージが残されている物があり。一番上に表示されている留守電を聞いてみると、案の定連絡がつかないイラつきと心配の折混ざった声色で"連絡しろ"などのメッセージが。あまりにも予想通りだなと顔を引き攣らせ苦笑いを浮かべて電話を置いて。
──さて此れからどうするか。病院へ行くにも、自室に篭ってしまった少女を一人残して行く訳には行かない。暫し考えある1人の医師が思い浮かぶと、こんな早い時間帯に気は引けるが新出医師に連絡してくれる様に博士に頼めば再び横になり)
……って、眠れるわけないよー!
(探偵事務所まで帰りつけば、もう大分明るくなってきたとはいえ2階の事務所の明かりが点いているのが外からでも分かった。探し疲れて眠っている可能性も踏まえてそーっと静かにドアを開けた瞬間、泣きそうな顔をした父親が大声で自身の名を呼びながら駆け寄ってきて、これほどまでに心配をかけてしまった事に胸が痛むと同時に、つられて泣きそうになってしまう。一睡もせずに近所を探し回ったり、普段は積極的に仲良くしたがらない母親に連絡を取ったりもしていたようだ。それでも本当の事情を告げる事は出来ず──泣く泣く園子の家に泊まっていて、話が盛り上がりすぎた故に連絡をし損ねてしまったという事にさせてもらったが…咄嗟の言い訳に親友を使ってしまったのも、なんだか嘘に巻き込んでしまったようで後ろめたく、父親の顔が直視できなかった。帰宅が遅れた理由を、一つ誤魔化すだけでもこの調子である。幼馴染みはずっと、こんな辛い思いをしながらあんなに大きな秘密を抱えてきたのかと思えば、長年近くで見てきたはずの彼がすぐ傍で苦しんでいるのに気付けなかった自身が、どうしようもなく情けなくなってくる。とにかく父親に謝罪と説明を繰り返して何とか納得してもらい、疲れているだろうから眠るよう伝えると、住居スペースに移動して放置していた物を簡単に片付け、自身も少し仮眠を取ろうと自室のベッドに横になり。それでも色んな事がありすぎて、瞳を閉じれば怪我をした彼の姿や彼が目の前で縮んでいく瞬間が脳裏に鮮明に蘇り…まったく眠れる気配がないまま、意味もなく何度も寝返りを打ちながら思いを巡らせて)
──はははっ… ありがとう、新出先生。
(医師が来る前に新一の服からコナンの服へと、博士に手伝って貰いながら着替える。
暫くして早い時間帯にも関わらず駆け付けてくれた医師により、傷口の診断を受ける。本来なら病院へ行き、きちんと検査を受け手術して縫合すべきだと半ば怒られながら指摘を受け思わず苦笑いを溢して。医師の判断はご尤もだが、状況が状況なだけに行く事は出来ない。組織から守るべく彼自身もFBIにより一時的に身柄を保護されていたが、まさかその組織に属する一人に撃たれたなんて口が裂けても言えず。況して子供の自分が関わっているなんて知られたら、彼の性格上黙って見過ごしてはくれないだろう。
博士の協力もあり、どうにか納得してくれた様で治療を受ける事に。本来なら全身麻酔が好ましいが、場所が治療室では無い事もあって部分麻酔を打たれ治療がスタート。彼曰くどうやら神経を傷つけてはいない様で、回復後の腕の動きにも影響は無いらしい。それだけでもホッと一安心だ。
──それから傷口の縫合から包帯を巻き終えるまでの全ての治療が終わり、傷口が開かない様にする為に首から右腕を吊る形になる。最後に新出医師から"全治2ヶ月"とはっきり診断され、いくら何でも長過ぎやしないかと抗議の声を挙げれば"君は怪我が多いし、無茶ばかりするだろう?医師の忠告を無視して病院へ行かない罰だよ"とお叱りを受ける。更に続けて"完治するまでは絶対安静に無理も禁物、無理をすれば一目で分かる"などと言われ仕方なく応じる事に。帰宅する医師に再度お礼を述べ見送ると、何とかひと段落と安堵の溜息を一つ吐いて)
…新一、ちゃんと病院行ったのかなぁ。哀ちゃんの事も気になるし…
(何とか眠りにつこうと暫く目を閉じてじっとしていたが、ただ一人静かな部屋にいても次々と懸念材料を思い浮かべてしまうだけで、全く落ち着かない。あれから新一はちゃんと病院に行ったのだろうか。哀ちゃんは食事を口にしてくれただろうか──考えれば考えるほど気になって、休むどころではない。一言だけでも確認の連絡をしてみようかと携帯を手に取っては、安静にするよう言った手前、寝ている所を起こしてしまっては元も子もないと思い留まる事の繰り返し。幼馴染みを信じようと決意はしたものの、時間が経って冷静になってくるにつれて、そもそも幼馴染みが飲まされたというその毒薬に身体が縮む以外の副作用や害はないのか等、心配事は増えていく一方だ。こんな時に、知識も経験も乏しくて何の力にもなれない自分がもどかしい。居ても立ってもいられず、どうせ眠れそうにないならばせめて少しでも収穫があればと、丁度手にしていた携帯で“毒薬 副作用”、“怪我人 栄養”等の語句を検索し始めて)
──博士、もう大丈夫だから寝てくれ。ってもベッド占領しちまってるけど……。
(バタバタと色んなことがいっぺんに起こり過ぎた。時間の経過も倍以上に長く感じられ、博士も疲れたのではと気に掛ける。そんな博士から返って来たのは、先程少し寝たから大丈夫だと言うこと。ベッドを占領してしまって申し訳ないと思いつつそのまま借りる事にして。ホッとしたのも束の間、これからどうするべきか考える事もやらなければいけない事も山積みだ。
自分の正体を知る人物、つまり両親や関西の親友に対して幼馴染に明かしてしまったと伝えて置くべきか悩ましい所。まあ伝えるだけ伝えて、万一の時に備えて置くのが一番良いのかもしれない。結論に辿り着くと先ず親に連絡をと携帯を取り出して)
くっそ、打ちづれぇ…──あとは服部にも送っとくか。
(右手を吊っている為、左手を使って文章を打つも不慣れな為に打ち間違いや一文打つのに多少時間を要する。文句を言いながらも簡潔な文章ではあるものの打ち終えて片親に送信する。常に一緒にいるのだから十分伝わるだろう。
また関西の親友に送る為、新たにメッセージ作成をし始めて)
…へぇー、疲労回復…!
(調べてみると、野菜をたっぷりと入れて煮込んだスープカレーがさらりとしていて比較的食べやすい上に、バランスよく栄養が取れて疲労回復効果もあるという情報を発見。病人にカレーを差し入れするのは胃もたれしないかと心配になってくるが、どうやらそもそもカレーに含まれるスパイスは薬として用いられる事もあり、カレーは工夫次第で究極の健康食になるとの事。“これだ…!”思い立ったらすぐ行動。急いでベッドから起き上がり、必要な材料を買い足しに近所のスーパーへ直行する。丁度昨晩カレーを作りかけていたから、それをうまくアレンジ出来そうだ。携帯でレシピを確認しながら、材料を買い物カゴへ入れていく。隠し味に味噌を入れるのがポイントらしい。無事に買い物を済ませて自宅に戻ると、早速作りかけのカレーに手を加え始める。今の自身にも出来る事──昨日この家でコナン君と交わした会話を…新一が自身のカレーを大好きだと言ってくれた事を思い出す。スープカレーなら怪我をしていてもスプーンで食べられるし、食欲がなければ少し飲むだけでも、お腹が空いてきたら白米と合わせて食べてもらえるのではないかとあれこれ考えながら手を動かし、初めて挑戦するレシピではあるが様々なサイトを閲覧しながら何とか完成までこぎつける。冷凍しておけば日持ちするだろうから、自身と父親の分を確保して残りは鍋ごと持って行こう。ただただ心配で様子を見に来てしまったと正直に告げるより、差し入れという口実があった方が幼馴染みにも受け入れてもらいやすいだろう。自身にはこんな些細な事しか出来ないしありがた迷惑かも知れないが、居ても立ってもいられなかった。既に目を覚ましていた父親に今度はきちんと出掛ける旨を伝えてから、蓋付きの鍋を手に阿笠邸へと向かい、到着すれば呼び鈴を鳴らして)
……電話?──何でって、今ちょっと立て込んでんだよ。事情はさっき送っただろ?──。
(関西の親友にメッセージを送り終えた直後、電話着信を告げる音が鳴り響く。画面を見ると服部平次の文字。今出れば面倒臭い事になりそうだと直感が働き、見なかった事にしようと電話に出る事なく切り。尽かさず次の電話が掛かって来る。何度かその繰り返しで次第にしつこいと思いつつ、仕方なく電話に出る事に。出た瞬間、電話の主は案の定キレていて。実際これからの事について対策を考えなければならない為、電話なら後にして欲しいのだが──。
親友と電話でやりとりしていると、阿笠邸へ来客を知らせるチャイムの音が鳴り響く。博士がモニターを確認すると、数時間前に帰ったばかりの幼馴染だと言う。ちゃんと病院へ行ったのか確認しに来たのかもしれない。医師から絶対安静と言われているのに電話しているのを彼女が見たら、何を言われるか分からない。
ただでさえ少々面倒臭い親友と電話中という事もあり、博士には病院へ行っていると上手く伝えて貰えるように頼みベッドから降りてリビングの二階へ移動して声を押し殺.して。
その事を確認した上で、博士は玄関へ行きドアを開けて"忘れ物かのう?新一は昴くんと一緒に病院へ行っていて居ないんじゃが?"と)
あ、そうじゃなくて、差し入れ持って来たんだけど…良かった。ちゃんと病院行ってるんだね。
(暫しの間の後、ドアの向こうから博士が現れる。忘れ物かと問われれば首を振って否定し、持っていた鍋を軽く掲げて見せながら料理を渡しに来た事を伝えて。一時は病院に行くのをあんなに嫌がっていた幼馴染みだったが、きちんと行ってくれたのなら一安心だ。どことなく強張っていた表情を緩め、ホッと息を吐く。このまま博士に料理を預けて帰ろうかとも思ったが、本音としては彼の診断結果も非常に気になるところ。博士だって疲れているだろうし昨日の今日で長居し過ぎるのも躊躇われるのだが、かといってこのまま帰ったとしても、結局容態が気になって幼馴染みに連絡してしまいそうだ。あんなに高熱を出していた上に大怪我をしている幼馴染みの事を、気にするなという方が無理な話である。少し悩んでから、せめて一目会って医師の見解を聞いてから帰らせてもらえないかと遠慮がちに切り出して)
ねえ博士。新一が帰ってくるまで、待たせてもらってもいいかなぁ?やっぱり心配で…
ー阿笠ー
色々とすまんのう。
──すまんが、これから予定があってのう。すぐに出なきゃ間に合わんのじゃ。新一も診断がついたら連絡すると言っておったし、家に帰って待っておった方が良いと思うが。
(相手の幼馴染の秘密を知り、更には倒れた少年の看病から色々なことが目紛しく起こり疲れているだろうに差し入れまで届けてくれるとは。長年近くに居る幼馴染が怪我をしているのだから心配するのも分かるが当人と約束した手前、中に招き入れる事も出来ず、それとなく理由を付けて断りを。)
蘭くんも疲れているんじゃし、しっかり休まんと倒れてしまうぞい。
そっか…無理言ってごめんね。
じゃあこれ…多めに作ってあるから、余った分は冷凍しといて。
(幼馴染みの様子を見る事が出来ないのは残念だが、予定が入っているのならこれ以上無理を言う訳にもいかないだろう。申し訳なさそうに眉を下げて謝り、スープカレーが入った鍋を博士に差し出す。自身を気遣う言葉をかけられれば、どう答えたものかと一瞬悩み視線を下に落として。休まなければならないのは重々承知しているのだが、先程から幼馴染みの怪我の具合や自身が傷付けてしまったかも知れない少女の事など、気がかりな点が多すぎて落ち着かない。それでも幼馴染みは病院に行ってくれたようだし、その結果を聞けば少しは気が晴れるだろうか。周囲には秘密にするよう幼馴染みから言われているというのに、いつまでも自身がどんよりした気分でいては不審に思われてしまう可能性もある。気持ちを切り替えなければと笑顔を繕って返事をし、阿笠邸を後にして)
ありがと、博士。これから帰って休むね。
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