：アンビバレント (〆)

（「勝たなきゃ引退出来ない」と強気な相手を見て、自分は頷くことしかできなかった。二年後の今頃は、自分も彼と同じ状況に立たされるのだろうかとぼんやり考えていれば、相手と距離が縮まっていたことに気がつく。背中を叩かれたときには、再び頭が真っ白になっていた。思わず俯きその後の相手の発言を心中で反芻しつつも答えて）
は、はい。頑張ります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

なんだよ、緊張しすぎだろ。
(吃りながらの返答に思わず眉を顰めたのは、その様子が先輩の圧に怯える後輩の姿に見えたからだ。本意ではないものの、舐められるより恐れられる方が歳上としての威厳を保ててるのでまあ良い。そこまで考えたところでもう一つの可能性が脳内に浮上し。一度離れた距離を再び詰めて相手の顔を覗き込めば、真剣な面持ちで、しかしあくまで冗談のつもりで問い掛けて)
──まさかお前、俺に惚れてんの？

ほ、惚れ…！？
（距離を再び詰められ、自分より背が10センチ程高い相手に、真剣な面持ちで顔を覗き込まれた次第には咄嗟に目を逸らしてしまう。その直後には相手から尋ねられたことに対し、頓狂な声色と共に目を丸くして。更には焦りとわだかまりが残った状態せいで首を横に振って）
憧れてはいますけど…。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

（/誤字がありましたので、訂正します。申し訳ありません）

ほ、惚れ…！？
（距離を再び詰められ、自分より背が10センチ程高い相手に、真剣な面持ちで顔を覗き込まれた次第には咄嗟に目を逸らしてしまう。その直後には相手から尋ねられたことに対し、頓狂な声色と共に目を丸くして。更には焦りとわだかまりが残った状態のせいで、瞬時に首を横に振って）
憧れてはいますけど…。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

(先程からどうも緊張した様子とは言えど、違いますよと軽い調子で笑い飛ばされて終わると思っていた。調子外れな声とすぐさま逸らされた視線に、むしろこちらが笑いを堪える事になるとは。慌てて否定する姿がおかしくて「顔逸らすなよ」と相手の頬を片手で掴んで無理矢理正面を向かせ、問い詰めるように至近距離からじっと眺めて。そうして一頻り反応を楽しんだ後、気が済んだのか往生際良くすっと身体を離して、挑発するような一言を)
…なんつって、冗談だわばーか。朝吹クン、本気にしちゃった？

(/了解しました、お気になさらずです。)

（「顔を逸らすな」と頬を掴まれ、正面を向かされると必然的に相手と目が合う状況に。「こういう時はどうすれば」と頭の中で自分に問いかけるも、答えが出るはずがなく。中々手を頬から離してもらえず、居ても立っても居られなくなり、苦し紛れに目を細める。やっと距離が取れたと安堵すると、相手から挑発と取れる発言を受け取り。いくら相手が憧れの人でも、手のひらで転がされることを好む性格ではないために不服そうに少し眉を顰めて。一礼すると背を向け、ドアノブに手を掛け）
俺は戻りますね、失礼します。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

は？おい、朝吹──。
(恐らくこちらの挑発が気に障ったのだろう、踵を返して部室を出ようとする彼の背中を反射的に目で追い掛ける。眉間に皺を寄せ呼び止めようとするが判断が遅かったようで、彼の名前を呼び終わるより先に閉扉音が虚しく響いて。閉められた扉に視線を注いだまま、溜息を一つ。「…なんだよ、あいつ」静寂の訪れた部室でぽつりと溢した呟きに怒気は一切籠っておらず、むしろ口元に湛えた微かな笑みは『面白い後輩を見つけた』とでも言いたげな表情だった)

(/背後です、何度もすみません。今の距離感で食い下がるのも不自然かと思ったため、独断でこの場面は一旦ロルを回収させていただきましたが、大丈夫でしたでしょうか？もし引き続き交流が必要であれば、部室を出ようとする司くんを呼び止めた場面からロルを回し直させていただきます。
そして、取り急ぎこの後の展開について相談させていただきたいのですが、入れたいシチュエーションなどあれば全て教えていただけると大変助かります…！
一応こちらで思い付いたものを挙げさせていただきますが、前後関係や時系列、親密度はばらばらですので、「このシーンの後にこの展開を」「このシーンは付き合ってから」等のご意見や追加点がございましたら是非お聞きしたいです。)

・東堂が司くんに勉強を教える
・文化祭、体育祭などの学校行事
・クリスマスなどのイベント
・どちらかの部屋に宿泊
・合コン(司くんが人数合わせで友人から誘われて…など)
・他校との合同練習、練習試合
・部活の合宿
・全国大会

（/いつも楽しませてもらっております。はい、回収していただきありがとうございました。
そうですね…クリスマスや学校行事はもう少し仲が深まってからの方が自然なのではと思います。手始めに合宿にて仲を深められたら面白そうだと思いました。
どちらかの部屋に宿泊するというのは、規則をこっそり破って…という感じでしょうか？もしそうなら、序盤（この次）くらいの展開にしても良いかもしれません。そこから仲が深まる感じで…！
もし全国大会の場面をするのなら、朝吹がスタンディングメンバーに選出された描写を入れると面白いのではないかとも思いました。
合コンの件は、桂馬くんとはどう関連があるのかいまいち読み取れなかったので、教えていただきたいです。
他校との練習も大変面白そうですが、正直のところ、私の力量では上手く場面を描写できないかもしれません。

そのため、私なりの順番を決めるとしたらこんな感じです。

合宿→（他校との合同練習、練習試合）→部屋に押しかける→一緒に勉強→文化祭やクリスマスなど→合コン？→全国大会


以下、私の提案です。
・彼女ができたという”嘘の噂”が流れる（どちらでも）
・たまたま居残っていた二人がコーチに頼まれ、部室の掃除をする
・外出許可をもらい寮から出て、どこかに遊びに行く

長々と申し訳ありません。
上記のイベントの順番や提案はあくまでも私の意見なので、確認は参考程度でOKです）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

(/たくさん素敵なご提案をありがとうございます、それでは仲を深めるためにも規則を破って部屋に宿泊の場面を次に持っていきましょう！
とは言え現在の親密度では自然な流れでお泊まりは難しいかと思いますので、「門限を破って遅くに外出していた東堂。帰寮するが三年生の部屋は三階で、一階入り口の管理人室の前を通らねばならず、それを避けるため一階の一年(部活の他の後輩)の部屋に窓から忍び込もうとするが、間違えて隣の司くんの部屋に入ってしまった」と、少々強引ですがこういった展開はいかがでしょうか？他に案があれば遠慮なくおっしゃってください。
合宿も仲を深めるきっかけになればとのことでしたので、上記の展開の次に一旦短い場面を挟んでからか、すぐ後に合宿という流れを考えております。

合コンの件に関しまして、大変言葉足らずで申し訳ありませんでした！恋愛もののお話でよくあるシチュエーションを考えた時に真っ先に浮かんだのがこれでして、ざっくりとですが想像しているのは、
司くんが友達から合コンに誘われる→明らかに不機嫌になる東堂、結局無理を言って着いていく(悪態をつきつつも結局司くんのモンペ)→司くんにアプローチする女の子に牽制
もちろん細部は変更していただいて構いませんし、無理に採用する必要はございませんので余力があればで大丈夫です。
合同練習などは二人以外のキャラクターを動かすのが難しいそうですので、こちらもやはり余裕があればということにしましょう。

背後様にご提案いただいたシチュエーションも是非組み込んで、
宿泊→部室の掃除→合宿→一緒に勉強→全国大会(夏)→彼女の噂→二人で外出→文化祭→クリスマス 等々
一部季節を配慮して順番を変更してみましたが、いかがでしょうか…？進めていくうちに都合が悪くなれば、その都度臨機応変に順序を変更しながら出来ればと思います。こちらこそ毎回長々と申し訳ございません、お時間のある際にお返事いただけると幸いです。)

合コンの件、理解しました。宿泊の案もそれで良いと思います。
是非、提供者様考案の順番でお願いしたいです。私の案も組み込んでくださってありがとうございます！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

(金曜の夜、部活終わりに他校の友人と遊んだ後、もう少しで日付が変わろうというタイミングで帰寮して。以前同じ状況で寮長に見つかり一週間外出禁止になったことは忘れるはずもない、一階の寮長室前の通行はどうしても避けねばならず。中庭を抜けて一階に並ぶ新入生の部屋の窓の中に、カーテン越しに灯りが漏れる窓を見つけて。確かここは比較的交流の深い一年生の部屋だったはず。持ち前の身体能力で窓に手を掛け、飛び上がるようにして室内に入り込み。そこが数日前初めて言葉を交わしたばかりの、別の後輩の部屋であるとも知らずに)
わりぃな佐藤、今夜一晩泊めてくんね──、

(/諸々了解いただきまして、ありがとうございます！それでは早速ですが、司くんの部屋に押しかけるシーンから始めさせて頂きました。背後は一旦下がらせて頂きますが、何かあればいつでもお呼びください。)

（宿題やら教材やらで散らかった机上を片付け、たまたま手に取った部活の練習予定表をぼんやり眺める。ちらっと時計を見やればもうじき日付が変わりそうで。そろそろ寝ようかと思っていると、自分しかいないはずの室内で物音がした。それと同時に何やらあまり馴染みのない声が耳に入る。座ったまま反射で横を向くと、こちらを見て固まる一人の先輩がいて）
は、東堂…先輩？何でこんな時間に？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

──朝吹？ここ佐藤の部屋じゃ…。
(相手からの質問には答えることなくそこまで言って、急ぐあまり部屋を間違えたことに気がつき深い溜息を。よりによって目の前で驚愕しているのは、先日こちらの発言で機嫌を損ねてしまったかもしれないあの後輩で。とは言え自分自身は全く気にしておらず「あー…隣と間違えたっぽい？」特に気まずそうな様子も見せずに開き直って。今更隣室に移動するのも面倒だし、そもそも隣の窓は閉まっていた気がする。見たところこの部屋の間取りは自室と大して変わりなく、ワンルーム故にすぐそばにある玄関に、放り投げるようにして勝手に靴を置いて。あっけらかんとした態度で拒否権を与えないような物言いを)
まぁ、寝泊まり出来りゃどこでも良い。一晩世話になるわ。

えっ？
（ずかずか入り込んできたかと思えば玄関に靴を置き、更には「一晩世話になる」と言われ、口をぽかんと開けたまま相手を目で追うことしかできなかった。急なことに驚いたが、自分も寝るところだったためか案外すんなり受け入れていた。
しかし、戸締りをしながら一旦冷静になって考えてみる。「あの東堂先輩が自分の部屋に来ている」、自分にとって緊急事態であることを今更ながら自覚することになった。あとはもう寝るだけとなった今、相手に向かって声を掛けて）
俺、もう寝ます。先輩はベッド使って良いですよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

や、いい。俺まだ起きてるし、その辺で適当に寝る。
(先輩に気を遣ってか案外受け入れ体制の彼を見ては、一層リラックスした態度で床に荷物を下ろし。日が昇り次第すぐに自室へ戻るつもりのためそもそも眠りに就くか否かも怪しく、寝具を譲るという提案には遠慮を。ふと目に入ったのは教科書類が散らばる机。「へえ…もしかしなくても勉強中だった？真面目だなお前、まぁ一年の時はそんなもんか」一年生の教科書を懐かしそうに眺めながら、机上に置かれた一枚の紙を勝手に手に取り)
おーおー、部活にも熱心で結構なこった。

そうなんですね、分かりました。
（相手の発言に相槌を打つ。先輩は夜更かしをするつもりなのだろうか、と思いを巡らしていると、片付け途中の教科書を話題に出されて。勉強をしていたのかという問いに対しては「えぇ、まあ」と呟くように答える。何故だか、目の前の先輩と初めて話したときほどの緊張感はなく、穏やかな面持ちだった。教科書の次には予定表を掲げられ、その次の相手の発言にはかぶりを振り）
俺は天才じゃないので、ちょっとでもマシになるようにやってるだけですよ。
…それで。先輩はこんな遅くまで何してたんですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

その発言が真面目ちゃんだわー。
(予定表を机に戻しては、素行の悪い自分とはまるで違う彼の優等生ぶりに感心しているのか揶揄しているのか、いずれにせよ軽い調子で返答しながらベッドのそばで胡座をかいて。先程と同じ質問が投げかけられると「他校の奴らと遊んでた」と、ポケットから取り出した携帯電話を片手で操作しながら包み隠さず端的に答えて。視線は変わらず携帯電話のスクリーンに注がれたまま、彼の心中を想像しては自嘲気味に言い放ち)
「憧れの先輩」がこんなんでがっかりしてんだろ。お前優等生っぽいもんな。

…もしかしてからかってます？
（むっとしたような表情をして。自分の質問の答えを聞くと、想像はしていたものの「やはりか」と呆れたように少し肩をすくめる。特に投げかけてやれるような言葉も無いために腰を下ろす相手の近くで立ち尽くしていたが、その後の自嘲が含まれた相手の発言には好意のせいか、つい強めの否定をしてしまい。一回飛び出した言葉はどう足掻いても取り消すことはできず、焦ったような表情を浮かべ、言い訳をするように付け足し）
いや、そんなことで幻滅はしません！だ、だって憧れですから。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

んーなわけねぇじゃん、褒めてやってんだよ。
(不服そうな表情を浮かべる彼が面白くて、吹き出しそうになるのを堪えながら首を横に振り。こちらが何気なく零した後ろ向きな発言に、想像以上に強い否定が返ってくると、スマートフォンの画面に注がれていた視線は相手を見上げるように滑らせて。「…ふーん？」しばらく興味深そうに熟視していたが、胡座をかく脚に頬杖をつきながら訝しげな表情で意地悪な質問を)
憧れなぁ…。具体的にどういうとこが？

先輩は自信家で。副部長の重たい責任があるのに弱音を吐かないし、…なにより堂々としてる姿がかっこいいです。
（「具体的に、ですか？」と少し考え込むと、恥ずかしがる様子も見せずに淡々と答えて。「きっと、先輩は俺には持ってないものを持ってるんです」とも答える。自分なりの答えを一通り口にしたあと、座っている先輩を、立っている自分が見おろす形になっていることに今更ながら気がついて。視線の高さを合わせるように相手の横に腰を下ろし）