日常と非日常の狭間にて

いいですね。同時に食べましょう
（終始楽しそうな相手に小さく笑いつつ、相手からの提案を快く受け入れて。真剣な表情でじっとミニシュークリームを見た後「……では右を頂きます」と伝えて。相手が了承すれば自分から見て右にあるミニシュークリームを手に取って相手の方を見て掛け声がかかるのを待って。掛け声を待ちつつ、自分が勝った場合には相手に何を言おうかと考えて）


（/どっちになっても楽しそうです！さてさてどうなるでしょうか(笑)）

では、頂きましょうか。
（左のシュークリームを手に取るとせーの、と言葉を掛け。齧り付いた一口目は普通のカスタードの味。当たりかと思って安心して二口目を食べると唐突に動きが止まり、視線だけをシュークリームに落として。そこには緑色のわさびが見え、口元に片手を当ててスロー再生のようにゆっくりと咀嚼を始める。カスタードの甘さと鼻にツンと来るわさびの味。顔を顰めながら最後の一口を食べれば「負けちゃいました。ゲームを言い出した人が負けるというのはある意味お約束かもしれません。我ながら激マズです」と苦虫を噛み潰したような表情で口直しにバッグからペットボトルのお茶を出して飲み。シュークリームをもう1つ食べ終え、完全に口の中からわさび味が抜けたところで一息ついて）

（ / 偶数…！！負けてしまいました(笑)何か思いついた時にでも罰ゲームしましょうか…！）

俺の勝ちですね
（相手の掛け声にシュークリームを齧り食べ進めていると途中で様子の変わった相手に小さく笑って。シュークリームを美味しく食べた後、微笑み勝ちを宣言して。「確かにお約束ですね」ともう一つのシュークリームも美味しく食べてから自分が用意した保冷バッグを開けて中からいなり寿司の入ったタッパーを取り出して。「これが前に話した種にシーチキンとマヨネーズを混ぜたいなり寿司です」と言ってテーブルの中央に置いて）


（/罰ゲームについては上月が秋月さんにあーんをしていなり寿司を食べさせるというのを考えているのですがいかがでしょうか？上月は単純に嬉しく、秋月さんは恥ずかしいと思うので罰ゲームになるかぁと思ったのですが）

うう、ちょっと悔しいです……。えっと、それで罰ゲームでしたね。何をしましょうか？
（相手の勝ち宣言に悔しさの滲んだ瞳を机上に落としぽつりと呟きを溢し。そしてどんな罰ゲームをするんだろう、普段相手は優しいだけあって予想がつかず頭に疑問符を浮かべながら目を向けていれば、ふと机上のタッパーに気付き「あ、嬉しい。これは以前お話してたご家庭の特別メニューですね」興味津々にタッパーの中身を覗き込むように軽く身を乗り出すと「早速頂いても良いですか？」と首を傾けて尋ねて）

（ / 場に合った罰ゲーム内容でとても楽しそうです、ぜひその内容で罰ゲームしましょう！）

はい、これなら気軽に食べれますのでいい機会だと思って
（どんな罰ゲームにするかと考えているとタッパーの中身に気が付いた相手に答えて。そして相手から食べていいかと問われた時、罰ゲームについて閃きタッパーを開けると楽しそうに微笑んで「では罰ゲームです。秋月さん、あーんしてください」と言っていなり寿司を摘まんで相手の口元へ持って行って。相手がどんな反応をするだろうと期待に満ちた眼差しで相手を見つめて）


（/ご了承いただきありがとうございます！）

え……っ？
（罰ゲームの内容は予想外で驚きに目を丸くし、ほんのりと頬を朱に染めて。口元まで来た稲荷寿司をじっと見つめれば赤い顔のまま、控えめにゆっくりと齧り付く。顔を横に逸らし、片手を口元に添え咀嚼しながら外が暗くて良かったと一人思う。頭の中では相手はどういう心境なんだろうといっぱいになる中、飲み込むと唐突にハッとして「ぜ、全然味が入って来ませんでした……。えっと、次は自分で食べても……？」と気恥ずかしそうに念の為問い掛けを）

分かりました。せっかくなら味も味わってもらいたいですからね
（顔を赤くしながらも食べてくれた相手がとても可愛らしく、ニコニコしながら見守って。1個を食べ終えた相手に満足そうな様子で相手からの問いかけに了承して。「秋月さんがもし勝っていたらどんな罰ゲームを考えていました？」と自分もいなり寿司を食べ始めつつ、そういえばと気になったために尋ねて）

あ、美味しい。いなり寿司とシーチキンマヨネーズって合うんですね。
（自分で食べる許可が降りると安堵と名残惜しさの両方が同じくらい胸に満ちて来て、火照った顔を冷ますように小さく夜気を吸い込む。そしていなり寿司を口に運び、知らなかった味の組み合わせにびっくりしたように瞬きを繰り返して感想を漏らした後。相手の質問に考え込むように首を傾げると「わたしに敬語無しで、お兄ちゃんになったつもりで接して貰う、とか。それでもし癖で敬語になったら脇腹つつきます。…あ、でも上月さんには効かなそう…？」それは兄弟姉妹が欲しかったという願望を叶えて貰う内容で小さく笑って答えて）

口に合って良かった
（美味しいと口にする相手にほっとして安心したように微笑んで。相手の考えた罰ゲームについて聞けば面白そうにクスクスと笑って「それも面白いですね」と好意的な反応をして。一言、二言くらいなら兄として振る舞ってみるというのも面白そうかと考えるものの「せっかくですがそれはまた別の機会に、ですね」とここで自分がそれをするのはなと思って。自分もいなり寿司を食べながら、こうやって誰かと外で食べるのも楽しいなと考えれば「またこうやって月を見ながら食べたいですね」と月を見上げて言って）

ふふ、じゃあその時は上月さんをお兄ちゃんて呼びます、なんてね。
（悪戯っぽく冗談を言って笑うと、ふと夜空に目を向ける相手に気付いて目線を辿るように頭上を仰ぐ。「そうですね、また、いつか……」青を幾つも重ねたような空と冴えた月を相手と見ながら頷いて。……いつかまた、あなたと月が見たい。ゆっくりでいいから好きなこと、苦手なことも共有して、一緒にいられたらと思う。そして談笑しているうちにあっという間に全てのタッパーの中身が空になり、食事の挨拶をした後。顔の火照りもすっかり引けば、吹き過ぎる風の冷たさに気付いて「冷え込んで来ましたね。もうそろそろ行きましょうか？」と相手に顔を向けて）

だったら俺は楓と呼んで甘やかそうか
（相手の冗談に乗りながら口調を崩しながら微笑んで。同じように夜空を眺める相手がいることの心地よさを感じながら共感してくれもらえれば嬉しく思って。先のことはまだ分からないが、今夜のように二人の時間を重ねていければと感じて。相手と談笑しながら食べていればやがて全てを食べきって食後の挨拶をして。「そうですね。今夜はこの辺りで帰りましょう」と相手の言葉に同意して片付け始めて。こうやって出かけるのも良いけれど、家でのんびりしながらふとした時にでもこういう時間を過ごすのもありかもしれないと思えば「家の縁側で月見酒というのも良いかもしれませんね」と言って）

……甘やか、す……？
（敬語が崩れた口調で名前を呼ばれ、甘やかすとも言われると心臓が跳ねて言葉を反芻して。その後照れ隠しに視線をテーブル上に向けるも表情が締まりなく緩んでしまって「…んん…、ふふふ、何だかこういうの照れちゃいますね」と照れ笑いを浮かべ、擽ったそうな声音で返し。机上のタッパーと保冷バッグを片付け帰りの準備を始める傍ら、月見酒の話にふと表情を明るくさせ「お家でのんびりしながら楽しむのもいいですね。今度ぜひやりましょう」と頷き、このまま相手を駅まで送ろうと鞄を肩に掛けて帰り支度を終えて）

フフッ、そうですね。何だかむず痒さがあります
（一瞬だけ兄として振る舞ったものの、恥ずかしさを感じて苦笑しながら元の口調に戻して。恥ずかしさ以外にも懐かしさも感じていて少しだけ切なさを覚えて。月見酒の案が受け入れられれば嬉しそうに笑顔を浮かべえて「良かった。ぜひ今度しましょう」と言った後、ふと何か思いついたように片付けていた手を止めて口元に手をやれば「夜永さんはお酒どうなんでしょうね。今回のお礼に一緒に月を見ながら飲めたら楽しいのではと考えまして。そもそも絵から出られるのか分かりませんが」と好好爺という印象の夜永だったので一緒に何かをするということに喜んでもらえるのではと話して。帰り支度が終われば「家まで送ります」と相手を実家まで送ってから帰ろうと考えており）

また機会があったらしてね、お兄ちゃん。
（彼が敬語に戻ったら戻ったで、残念に感じて瞳に悪戯っぽさを滲ませつつ小さな笑みを浮かべて。そこで夜永の話題にどうなんだろうと少しの間考え込んでいたが「とりあえず歩きながら話しましょうか」とくるりと靴先を見晴台の出口へと向ける。帰り道、坂道を下る内に少しずつ高くなる夜空を目に映しながらふと「えっと、そう、月見酒のお話でしたね」と口を開き「夜永さんも一緒に月見酒が出来るなら楽しそうですよね。明日聞いてみます。もし出来そうなら場所は実家で大丈夫？」自分も御礼がしたいと考えていたため、彼の意見には賛成で。普段より幾らかゆったりとした歩調で歩みを進める傍ら、相手の方に顔を向けて問い掛けて）

そうだな。たまにはそういう日があってもいいかもしれない
（相手のいたずらっ子な表情に小さく笑うと再び口調を崩して兄として振る舞って。「楓がそうしたいなら俺も張り切って付き合うよ」とやぶさかではないと言って。相手に促され見晴台の出口へと向かって。「えぇ、よろしくお願いします。大丈夫ですよ」と夜永に都合を聞くことを任せ、場所については相手の実家で問題ないと頷いて。「せっかくなら行真の都合も聞いてみましょうか」と行真もお守りをもらうということ、付喪神系統の怪異であることを考えて可能そうなら誘ってみるのも面白そうだと考えて。のんびりした歩調で歩きつつ、場所は相手の実家なので問題はないかと相手の方を見て尋ねて）

ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて次も付き合ってもらうかも。
（再び敬語が崩れた相手に、お互い冗談の延長線上のやり取りと理解していても思わず表情が緩んでしまって。兄弟姉妹が欲しかったのは本当だが、今の自分はただただ相手と近い距離で話をしたかったのだと実感する。それだけに実家に到着するまでの時間が名残り惜しく、急に淋しくなって目線を道に落とし。歩調は変わらず緩やかなまま、行真さんの話が出て来ると「あ、ぜひぜひ。行真さんもご一緒出来たら賑やかになっていいですよね。実家に来てもらうことは特に問題ないので大丈夫ですよ」実家の縁側で4人でお喋りすることを想像すると胸が弾む。「楽しみですね」と相手の方に笑顔を向けて）

その時は遠慮なく言ってね
（敬語を崩したまま優しく相手に微笑んで。相手と敬語なしでのやり取りに新鮮さを感じつつ、相手を近くに感じることが出来て嬉しく思って。少しずつでも敬語無しで相手と話したいなと感じつつ緩やかに歩いて。行真の参加についても問題なさそうで「ありがとうございます。こういう集まりを考えていますと行真を誘っておきますね」と月を見ながら4人で過ごすことを楽しみに思っていると相手も同様のようで「えぇ、凄く楽しみです」と笑顔で相手に答えて）

（相手の優しい微笑に、胸の内に擽ったさと嬉しさを覚えながら目元を緩めて小さく頷いて。実家の縁側に4人で月見酒をするのは楽しみで「はい、よろしくお願いします」と声音を弾ませて行真さんを誘うことを頼み。そうして彼と談笑を交わしながら坂道を降りて行くと、ふと頭上を仰いで幾分か高くなった月を眺めて。実家に着いたら彼と数日会えないんだなと思うと急にしんみりとしてきて、ふと口を開き「今日は本当にありがとう。色々あったけど自分のことも、両親のことも知れて良かったです。特に両親のことは本当に何も知らなかったから…。これも上月さんのおかげ」嬉しいような、少し寂しいような、妙に優しい笑みを浮かべて口にしたのは感謝の意。実家に到着すると「本当に駅まで送らなくていいの？」と首を傾げて尋ねて）

（談笑しながら歩みを進めているとふと相手が月を眺めたため自分も同じように月を眺めて。月は随分高いところにあり、楽しかったから時間の経過が早いのかと思っていたよりも時間が経っていることを感じて。「いえいえ、お役に立てたようで何よりです。俺としても夜永さんと知り合ったりやこの町のことなどが知れて良かったです」と自分にとっても今回のことは良かったと言って。科学技術が進んで闇への恐怖が減ってしまい力を失い表舞台から姿を消した怪異たちは多く、そんな中夜永と知り合い語らう機会が出来たのだと思えばまるで旧友に会う機会に恵まれたように感じて嬉しく思って。「えぇ、大丈夫です。今日はありがとうございました。身体を冷やさないようお気を付けて。連絡しますね」と相手の実家へと到着すればこれでしばらく相手に会えなくなるのかと寂しく思いながら）

そう思って貰えたなら嬉しいです。
（自分も故郷を相手に知って貰えて良かった。見晴台の、綺麗な夜空の下でお喋り出来たことも。しかし離れ難い気持ちがゆっくりと胸に満ちて来ると、出て来た言葉は相槌のような言葉で。どことなく浮かない顔で自分と相手の靴元を見続けながら、脳内では引き止める口実を探すも体の良い言葉は浮かんで来ず。田舎だから終電の時間も早い事を考慮すれば、相手をいつまでも引き止めるわけにもいかない。自分の我儘と常識の間で揺れ動く葛藤を常識の方に傾かせつつも、彼の気遣いはやはり嬉しくてふっと力が抜けた笑みが零れて「ありがとう。上月さんも気をつけて帰ってね。体調崩さないようにあったかくして……って風邪は引かないんでしたね。ついうっかりでした」と肩を竦め苦笑いすると気を取り直し「じゃあ……、また」と小さく笑みを浮かべて。自分は家の前にいるため相手の姿が見えなくなるまで見送ろうと）

（ / いつもお世話になっております！この後ですがキリが良いところまで来たらシーンを翌日に切り替えても大丈夫でしょうか？）