名無しさん 2021-01-12 19:16:08 |
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《名前》仁科 菫(にしな すみれ)
《年齢》15歳
《性格》まだ母親が生きていた頃は、作り笑顔が得意な子どもだった。「お母さんが笑ってくれますように」それだけを願って良い子を演じているうちに、感情を抑え込む癖がついてしまった。それも叶うことなく、預けられる先々で厄介者として扱われ続けた結果、感情が抜け落ちたかのように無気力に。何も考えない、何も望まない、これが彼女が最終的に行き着いた自分を守るための方法。自他問わずあまり関心を示さず、自発的な言動は少ない。
《容姿》傷んでぱさついた黒髪は、胸元の辺りで千切られたように不揃いな長さ。普段から俯いていることが多く、さらに鼻の頭まで伸び切った前髪のせいで顔が分かりにくいが、ちらりと覗く目は淀んでいる。二重でつり目。乾燥が目立ち、手の甲や唇には皹が切れている。身長は156cmで、全体的に肉は薄く痩せ細っており、お世辞にもきれいとは言えない身なり。
《備考》精神疾患により情緒の安定しない母親のもとに生まれる。古いアパートの一室、ゴミ溜めのような場所で暮らしていたが、6歳の頃に母親を亡くしてから親戚中をたらい回しにされてきた。邪魔だ荷物だと言われ、与えられるべきものは与えられず、生まれたときからそんな生活を送っている。小・中学校はまともに通っていなかった。勉強、家事はまるでダメ。一般常識に欠けた部分がある。中学卒業後すぐ、超遠縁の男性に押し付けられるような形で引き取られる。進学・就職はしていない。4/20生まれ。
《名前》飯森 邦鷹(いいもり くにたか)
《年齢》29歳
《性格》何事にかけても物臭で耐え性がなく、常にその場その場を楽してやり過ごすことができればそれで良いという考えのいい加減な男。熱を見せるのはギャンブルに夢中になっている時ぐらいだが、それさえも気まぐれで、気乗りしない日は誰かと一緒に来ていても自分だけ帰ってしまうような身勝手さを併せ持つ。何をするにも腰が重い割に、理屈っぽく世間や周囲に対して文句だけは多い。基本的に自省はしないで、知ったように他人を批判する癖がある。どう見ようにも扱いにくく、クズと言われても仕方ないような人間だが、言動の源にあるのは凄まじい劣等感と慢性的な孤独感、そうして情緒不安定という生来の気質。
《容姿》平均よりやや高めの身長で体型はやや痩せ型。ぼさぼさの黒髪に、無気力そうな目の下の隈。どことなく不摂生をしていそう、かつ、やつれた印象を与える風貌だが、本来のマスクは悪くなく、一時期はホストとして働いていたこともある。それに加えて、気分の良い時の満足そうな笑顔や、たまに一人で物思いに耽っている時の寂寥感を纏った横顔には、どこか稚気が宿っており、これまでダメンズ・ウォーカーな女性を引っかける要素となっていた。しかし、最近は年齢の響きもあってか、新しい女性は捕まえられず、付き合いのある女性にも方々で愛想を尽かされつつある様子。
《血縁》中流家庭の出身だが、両親は不仲で後に離婚している。当人も元々父親は嫌いだったが、両親の離婚の決定打となったのは母親の浮気であり、母親が他の男性と家を出て行ってからはずっと心の底に女性不信を抱えている。兄と妹がいるが現在は疎遠。超遠縁の少女を預かることになった件については、最初は嫌がるが、ネグレクトをしない程度の良心はあり、仕方なく最低限の面倒は見ようと構えている。しかし、本人も不出来で不器用な人間のため、意思に反して失敗も多い。また、本来の気質には不安定なところがあるが、少女の前ではそれをあからさまにしようとしないくらいの意地はある様子。
《備考》現在は簡素なアパート暮らしだが、気分次第で女性の家やネットカフェに泊まることも度々。少女を引き取る前の時点で、仕事もプライベートも上手く行っているとは言いがたく、ままならない現状の中、何とか最後に残った自尊心を守ろうとしていたが、そのやり方も「座したまま、他人を貶して一時の安心を得ようとする」「自分が駄目だと証明するような出来事からはとことん逃げて離れてから文句を言う」「出来なさそうなことはやらない」のような後ろ向きなものであるため、実質的にはかえって自分の首を絞めていた。酒好きだが、強い方ではなく、むしろそのお陰でアル中にならずに済んでいる節がある。また、煙草も好きで値上がりに文句を言う日々。だが、こちらも量を吸うとむせたり、吐き気に襲われたりしているので体質的に合っていない疑惑がつきまとう。
(/お待たせいたしました。あちらのトピックでは暖かいお気遣いの言葉も本当に有難うございます。PFを作成いたしましたので、ご査定をお願いいたします。結構なクズにしてしまったと思いますので、直した方が良い点があれば、ご指摘を頂きたいです。現状、こちらとしては、娘様に対してそこまでツンツンさせる気はありません。仮に最初、失言らしいものがあっても、次の瞬間にはハッとして悪いことを言ったと気付き、反省するぐらいが良いのではという認識です。この辺りもイメージに相違があれば、伝えてもらえると嬉しいです。宜しくお願いします!)
(/遅くなりすみません。PF作成ありがとうございます。とっっても魅力的で何度も読み返してしまいました…!菫への態度もそれで大丈夫です。
補足ですが、菫は東北の親戚の家から邦鷹さんの住む東京まで来たということでも大丈夫でしょうか?東京のどの辺りかは背後様に決めていただきたいです。
また更新頻度についてはおおよそ7日から10日に一度を目安に、それ以上遅れる場合は事前連絡、考えたくはないですが事前連絡なければリセットといった風に考えているのですがいかがでしょうか?展開ついては基本的には流れるままに、必要時に話し合う形を希望しております。)
(/いえ、ローペースが見込まれることは先に伺っていましたので、お気にせずに。PF、問題なかったようで良かったです。勿体ないぐらいのお褒めの言葉も本当にありがとうございます!
>補足ですが、菫は東北の親戚の家から邦鷹さんの住む東京まで来たということでも大丈夫でしょうか?
承知しました。居住地については具体的な地名まで指定した方が宜しいでしょうか? 打ち明けますと、実は東京にそこまで詳しくなく^^; 地名指定であれば、どこまで現実と合致したRPに出来るかは多少ご容赦を頂きたいです←
更新頻度についても承知しました。それでは、こちら側としましては、もしも無言で10日間が経過してしまった場合には待機を打ち切らせて頂きます。逆にこちら側から判断基準として頂きたい日数は、最長1週間の無言とさせてください。元々失踪する気はなく、丸4日も返信が空きそうな場合はアラートさせて頂くかと思うんですけれどね。
また、これは元トピを切っ掛けにご縁のあった方皆様にお伝えしていることですが、物語を動かし始めてからでも「相性の不一致」などを感じられた場合は言って頂けますとありがたいので、宜しくお願いいたします。
展開相談の形についても承知しました。長文で恐れ入りますが、居住地の件だけ一旦返信を待たせて頂きます。お話がまとまり次第、本編をスタートさせたいですね^^)
(/今見返してみるとあまりにも丸投げでしたね、すみません……!地名まで指定するとやりにくいと思いますので、都心なのか郊外なのかくらいのざっくりとした雰囲気だけ決めて頂いてもよろしいでしょうか?
更新頻度や相性について承知いたしました。こちらこそ、中々納得いくロルが書けず、現在進行形で練習中の身ですので、背後様も相性の不一致を感じられた場合は遠慮せず仰ってくださいね。お互い楽しく物語を紡ぐことができたら、と感じております!
それでは居住地の件についてお返事をお待ちしておりますね。よろしければ初回はこちらからでも大丈夫でしょうか?)
(/ご返信やや遅れ申し訳ありません。
>今見返してみるとあまりにも丸投げ
いいえー、とんでもないです。
>都心なのか郊外なのかくらいのざっくりとした雰囲気だけ
お任せ頂けるようであれば、都心を希望いたします^^
>相性の不一致を感じられた場合は
承知しました。
>よろしければ初回はこちらからでも大丈夫でしょうか?
むしろ、是非とも宜しくお願いいたします!/// お待ちしています~!///)
(/居住地は都心ということで畏まりました。初回文については次の土日のいずれかになります、少し予定が立て込んでおりまして……すみません……!)
数枚の服と、毛先がぼさぼさの歯ブラシ、何枚かページの抜けた一冊の絵本、子供用のはさみ、小学生の時に家庭科の授業で作ったナップサック。それだけが菫に残ったものだった。随分と中身の軽いナップサックを肩に掛け、皺だらけのセーラー服で真夜中の車に乗った。行き先は知らない。ただ、もう二度とこの家に帰ってくることはない。そう直感すると、固く結んでいた唇の力がふっと抜けるのが分かった。
車内では一度の会話もなく、車の走行音だけが聞こえていた。後部座席でうとうとしていると助手席のおばさんに怒られた。「ごめんなさい」。口はその言葉に慣れたように動く。再び、車内は静かになった。
*
目的地に着いたのは朝だった。言われるがまま車を降り、足早に先を歩くおばさんに付いていく。少し歩いて一軒のアパートに辿り着くと、おばさんはとある一室のインターホンを躊躇なく押した。
「あんたの家は今日からここ。学校もいかない、働きもしない、家事もろくにできない。うちだっていつまでもタダ飯食いの面倒見てられるほどの余裕ないからね。それで、ここまで面倒見てやったっていうのにお世話になりましたの一言もないんか。全くどこまで厚かましいんだか!」
おばさんは辺り一帯に響くような大声で喚くと、もう二、三度インターホンを押した。菫は何も言わない。ただ俯いて、かさついた唇の上下をこすり合わせている。
(/来週の予定でしたが、少し隙間時間があったので初回投稿させていただきます。今まで小説ロルしか書いたことがなくこのようなロルになりましたが、読みにくい・返し辛いなどございましたら仰ってください……!)
…………………………。
(開け放ったままのカーテン、曇り硝子を通って差し込む鈍い朝の光が、服、書類、ゴミ、あらゆるもので雑多に散らかった室内を照らす。ずっと干していないために湿気を帯びた布団、それでも乱れた毛布を腹の上に、気持ち良さそうに寝転ぶ男。自身の微かな寝息と窓の外に飛び交う小鳥の声以外には余計な物音のしない、怠惰ながら平穏な日常の一幕に、突如響いたのは玄関扉に付属のインターホンの呼び出し音か。
瞼は下ろしたまま、意識だけが覚醒し、あやふやな時間感覚の中でも"今はまだ朝なんじゃないか"と考えて。──面倒臭い、どこの誰だか知らないが、絶対起きてなどやるものか、即座にそう結論を付けると、頭のみが起きてから微動だにしないままの姿勢で居眠りを続けようとし。しかし、そうしているうちに連打されるインターホン、しつこく響く音。さすがに舌打ちし、薄目を開けて常につけっぱなしの腕時計を確認する。なんだ、やっぱりまだ朝じゃないか、それもこんなに早い時間だと不満を沸かせた時点でようやく思い出したことがあって。
瞳を見開き、はっとして起き上がっては室内を見回し、激しい自己嫌悪を覚え。そうか、今日があの日だと事前に親戚から聞かされていた話を思い返しつつ、さすがにもう少し部屋を片付けておこうと思ったのに、と悔しさとやるせなさから渋く口を結び。続いて、急かされているように感じられる呼び出し音の合間に、玄関扉に向けて「今出る!!ちょっと待て!!」と苛立ちまぎれに叫び。再度舌打ちをしては、洗面所に向かって自身の姿を確認し、また舌打ち。髪はボサボサ、服はよれよれ、さすがに第一印象ぐらいもう少し取り繕いたかったのに。
しかし、もう時間がないことは明らかであり。5分なら待ってくれるだろうかと思いつつ、手早く洗顔を済ませ、急いで髭を剃ろうとしてはうっかり頬を切ってしまい。募る腹立ちからダンと一回その場で足を踏み鳴らすが、傷口は薄く血が滲んでいる程度で大したことはない。もういいや、とケアはしないことにし、改めて髭を剃って極めて簡単に髪も整え。それでもボサボサのままだが、全くの手付かずよりは少しマシ。最後に、よれたTシャツをたまたま干し放しになっていた黒いワイシャツに変えては、玄関まで駆けてようやく扉を開け。
片手で扉を抑えた状態で、もう何年も会っていなかった親戚の女性を認めては「あー……すみません、遅くなりました」と告げ、もう片方の手で頬をかこうとすると、先程の傷口に触れてしまい「…ッ」と小声を漏らし。それから、女性の横に立つ少女を一瞥しては、次の瞬間には女性の方に視線を戻し、特に感情を乗せていない表情で少女のことは軽く上から指差して)
……この子、ですか?
(/初回ロルありがとうございます!/// ロルは色々な形がありますよね!/// こちらは出来ればPL様のニーズに合わせて行きたいなぁと思っています!/// なので、要望や希望があれば、むしろお願いいたします。
今回は小説ロルも混ぜつつ一人称多めにしました。読みにくさや返しにくさがあったり、ロルを"()"で囲まない方が良かったりしたら教えてくださいな。
また、初回なので長文ですが、その点のみはご容赦頂けると嬉しいです。良かったら、これから改めて宜しくお願いいたします!^^)
(/ご無沙汰しております。今週末には更新いたします。ご連絡が遅れてしまい申し訳ありません。ロルについて承知いたしました。非常に読みやすいので、現時点で要望等はございません。改めて宜しくお願いします!)
(/こんばんは。無言で10日間が経過していない内は遅延のご連絡も"遅い"とは思いませんよ~。ロルへのご要望について、承知しました。読みやすいとのお言葉も誠に有難うございます// 改めて、次に頂けるレスをのんびりお待ちしていますね^^d)
4回、5回……。まるで借金の取り立てのように、おばのインターホンを押す指は止まらない。この時間って伝えてあるのに、と段々と苛立ちを露わにするように片足を小刻みに動かしながら、中からも似たような声色が返ってくればようやく指の動きが止まる。扉の向こうから聞こえたのはあからさまに不機嫌そうな男性の声。反射的に菫は擦り合わせていた唇を引き結んだ。
数分して中からこちらに向かってくる足音が聞こえた。鬱陶しげに伸びた前髪の隙間、感情を消した空虚な目がドアノブの動きを認めると、菫は足元のコンクリートを見つめるように俯いた。下を向くと、フケのついた頭頂部が丸見えである。
おばはやっと出てきた相手を上から下まで不躾な視線で見ると、嫌味たっぷりに大きく息を吐き、「そう、コレ」と菫の背中を押すように叩いた。それほど強い力ではなかったものの、枯れ木のように痩せ細った身体は小石に躓くようによろめいて、男性と一歩の距離を空けたところに踏み止まる。
「謝るしか能がない穀潰しさ。礼儀知らずにも程がある。アンタなら面倒見る嫁も子どももいないだろ。丁度いいよ、似た者同士」
(/こんばんは!何だかとても失礼なおばですみません。開始早々嫌な雰囲気過ぎますね。ここで勝手に退場させようか迷ったのですが、おばに言わせたままなのもアレかなと思いまして。おばは「この子を宜しく」とかもなく、これで預けたつもりなのでお役御免です。次のコメントで邦鷹さんから言いたいことがあれば言って貰って、なくても退場させて頂ければと思います……)
…………そうですか。
(女性から返された端的な回答。待たせた分、多少苛立ちを露にされるのは仕方ないかとは思うが、それにしたって感じの悪い素振りについ自身も不機嫌そうな表情となって、低めの声色を用い、ぶっきらぼうな態度を返してしまい。ぶすっとした面持ちで少女のことも暫し見てみたが、俯かれているため、顔立ちは分からない。……ただ、漫画やアニメのようには行かないんだな、と思った。二次元の世界であれば、独り暮らしの男の家に突然現れて一緒に暮らすことになる少女など、大概はキラキラした美少女なのだ。それが現実は……いや、続きは言うまい。
そんなことを考えていれば、親戚の女性はさらに自身と少女に対し、如何にも無礼な一言を付け加えて。……嫌味なババアだ、何か言い返してやりたい、とは思ったが、反射的に女性の顔を見返したのみで、咄嗟に言葉を紡ぐことはできず。……ちきしょう、こういうところで上手く言い返せないから余分に自分はストレスを溜めてしまうのだ、と内心でだけ毒づく。口ごもっているうちに、女性は『じゃ、これで』と言ってくるりと踵を返し、駐車場に停まっている見慣れない小型車へと向かっていき。思わず「あ…」と声を漏らしたが、やはり引き止めて何か言えるほどの気概はなく。解放感からか、歩きながら途中で腕を伸ばし、肩の凝りをほぐした様子の女性が車に乗り込み、走り去るまで結局何も言えないまま。
姿が見えなくなってから、ようやく小さく舌打ちしては「……あのババア」とだけこぼし。続いて、尚も不機嫌を引きずった表情のままながら、少女に視線を戻せば……こういう時、どうすればいいんだろう、と少し考え。あの親戚の女性は感じが悪かったし、正直なところ、今回の件は貧乏くじを引かされてしまったと思っているのだが、この子に罪がないのはさすがに自分でも分かり。ただ、それはそうとしても子どもの面倒なんて全然慣れていない。取りあえず、立ちっぱなしも何だと思いつけば、玄関扉を引き、先に少女を通すつもりで眉間のしわもほぐし、やや無愛想ではあるが悪意は込めていない動作と声音で)
……あのさ、まぁ……入れよ? 遠くから来たんだろ?……疲れてるんじゃないかと思うし、散らかってるけどさ、好きなとこ座っていいから。
(/動き出した本編にとてもワクワクしています!/// 邦鷹は元々クズキャラですし、親戚のおばさんは失礼キャラと認識しましたので、RPには何の問題もありません!だけれど、今回PL発言で頂いたようなお気遣い、本当に超嬉しいです。ありがとうございます///
対して、むしろ今回、邦鷹が娘様をつかまえて失礼なことを考えていて、もし不快に思われたら申し訳ありません。これから魅力に気付いていくと思いますのでご容赦を頂けると幸いなのですが、気になる場合は何とぞお伝え願います)
菫は、昔からおばの言っている言葉の意味が分からなかったが、それでも自分が悪いと言われていることだけははっきりと分かった。何が相手を怒らせてしまったのか、どこをどうやって間違えたのか、なぜ自分が悪者にされるのかは分からない。端から反論する術は持たず、分からないから憤怒する意気もない。そうして容赦なく研がれた悪意が、解釈の余地もなく刷り込まれていく。そう、私が悪い。食い締めていた唇は乾燥が酷くひび割れており、ピリッとした痛みを伴って鉄の錆びたような味が口に広がった。
タイヤが跡を引く音が遠ざかっていき、三月の青白く柔らかな日差しが、取り残されたかのようにぽつんと玄関先で佇む二人を照らしている。二人の間には白けたような沈黙が流れていた。それをどうこうするでもなく、菫は顔を俯かせ押し黙ったまま。むしろ、こんなことは慣れっこだとでも言うかのように微動だにしない。
「…………」
男性の悪態によってようやく沈黙が打ち破られ、次いで中へ入るよう促されると、菫は頼りない足取りで中へと進んだ。こちらを気遣うような男性の発言は耳に届いておらず、お邪魔しますの一言もなく玄関へ。潰れてしまったスニーカーの踵部分を擦り合わせ、もたつきながらも何とか片足ずつ脱いでいく。しかし脱ぎ捨てたスニーカーはそのまま、左の方は起き上がれない虫のように腹を見せているが見向きもしない。そして、そのまま奥へと続く部屋へは行かず、一、二歩進んだところで腰を下ろし膝を抱える形で座り込んだ。
(/PLについて、ありがとうございます。菫の置かれている状況を考えると言うのも憚られるのですが、「二次元の世界であれば……」のところ、本当だよなぁとクスッとしてしまいました。何だか奇妙な巡り合わせですが今後の展開が楽しみです。菫も自発的な言動は少なく、沈黙や簡易な単語での返答が多くなると思うのですが(防衛機制が働いている/学習の遅れがあるため)、進行の妨げにはならないよう努めますのでご容赦ください。その辺りは邦鷹さんとの関わりを通して変わっていければと考えています。ですが、もしこちらが受け身すぎるなどで背後様が負担に感じられるようであれば遠慮なく仰ってください!)
………! ……………。
(自分なりに相手を気遣ったつもりだったが、挨拶どころか返事もなく、想像以上に無愛想な少女の態度に扉を押さえた姿勢のまま、少々面食らい。無言で室内に進み入った少女が、靴をぎこちなく脱ぎ捨てたあたりで、一度背中を追っていた瞳を丸くしたが、今どきのティーンエイジャーは案外こんなものなのか?とも考えてみて。……しかし、すぐにその仮説を振り払うように首を振り。単純に無愛想なだけという風にも見えず、どこか異質な雰囲気さえ感じてしまう相手の様子から、いや、これはちょっと特別陰気な女が来てしまったんじゃないか、と思い直し。だけれど、今さら追い返せるわけでもない。どうしても無理だと思ったところで、また親戚連中との話し合いが必要になるだろう。つまり、当分一緒に暮らすことは確定事項だという事実に改めて行き当たっては、仕方なしに自分も室内に戻り、扉を閉め。
そして、玄関から上がって数歩程度の場所で、何を思ってなのか相手が座り込んでしまったらしいことに気付けば、再度やや戸惑いを覚えつつも、立ったまま「……おい、あのさ」と声をかけてみて。少女が今どんな表情をしているのかも分からない。もしかすると具合が悪いのだろうか、とも思いつつ、立ち込める表現しがたい気まずさに、ちらちらと視線を泳がせながら、問いかけを繋ぎ)
確かにどこ座ってもいいって言ったけど……そこは、固くないか?
(/お気遣いを有難うございます^^ 承知しました。現時点では、無視なども上等という認識で、その時折の娘様にとって自然なRPを頂けたら嬉しいと思っています。他方、邦鷹は今回も結構失礼なことを考えていると思うのですが、PLとしては娘様に全く悪感情はなく、今後の展開を楽しみにしており、徐々に心を開き合えるようなRPに繋げていきたいと思っていることは強調しておきたいです← 本当に気になったらお伝え願いますね?;
また、勝手ですが、今回頂いた>15のご返信を拝見し、あるとやりやすいかな?と思ったので、邦鷹の現住居にして、これから二人が暮らす部屋の間取りを仮作成いたしました。良かったら見てみてください。あくまで仮案ですし、イメージと違う!ということがあれば、破棄か変更したいと思います。
https://s.easyuploader.app/20210223023113_434f527949677957.png
東京のアパート物件の間取りを幾つか検索し、そこから図面を幾つか切り貼りさせて頂き、素人がオリジナルで作成したものとなります。4畳間が邦鷹が>10で寝ていた部屋、3畳間は全然使っていなくて物置も同然になっている部屋という想定です。)
丁度日陰になっている廊下は冷たく、座るとお尻のあたりがひんやりとした。何やら戸惑ったような声音で問いかけられると、膝に埋めていた顔をゆっくりともたげる。伸び切ったボサボサの前髪の隙間から男性の姿を捉え、一瞥。目が合うことはなく、視線だけが床に落ちる。
これでも座る場所は選んだつもりだった。今までいた環境では居場所すら与えられなかったし、親戚は一家団欒を楽しむ中で自分だけ蚊帳の外、まるで存在そのものが許されないかのように、狭く薄暗い物置のような部屋でひとり過ごしてきた。少しでも部屋を出て家の中を歩こうものなら、嫌なものを見てしまったとでも言いたげな視線が菫を責め立てた。汚い、みすぼらしい、臭い、不気味、気持ち悪い。どうやら、生きているだけで人を不快にさせる才能があるらしい。だったら、なるべく人目のつかないところで、それこそ本当に死んでしまうまで息を殺していればいい。
「……わたしが、いると、……じゃまに、なるから……」
痛々しそうに血の滲んだ唇が薄く開き、乾き切った喉からノイズ混じりの小さな声が絞り出される。15歳の話す言葉にしては随分と辿々しい。
(/邦鷹さんについてですが全く!これっぽっちも!失礼だとは感じていませんのでご安心を!キャラクターがキャラクターらしく生きてくれることが、背後としては一番嬉しいです。気になることがあれば遠慮せず伝えるというのはお互い様で、双方楽しみながらお話を紡ぐことができれば理想的ですね^^ お心遣いありがとうございます。
そして間取りの作成までさせてしまってすみません、ありがとうございます……!無学無知の身でお恥ずかしいのですが、赤いスペースは収納という解釈で大丈夫でしょうか?洗い場の横は冷蔵庫?と思ったのですが配置的にワークトップ+収納の方がしっくり来るかなと思ったので……。それから三畳間と四畳間、それぞれの部屋からベランダに繋がっているという感じでよろしいでしょうか?色々間取りの見方を検索してみたのですが難しく……お尋ねするのも恥ずかしいのですが教えて頂けると幸いです。)
……………いや、
(初めて顔を上げた相手がゆっくりと紡いだ言葉に何故か一度、ごくりと息を飲んでしまい、繋げた言葉も半端な一言のみとなって。訳ありらしいことは、一応事前の話し合いの席で親戚も言っていたはずなのだが、自分も含めほぼ誰もこの少女にそこまで心を寄せておらず、それゆえに彼女の事情もあっさりとしか聞かされていなかったし、聞いていなかった。しかし、この様子は……予想以上に前の家での待遇が悪かったのかもしれない、と思い至り。
だが、少女から目をそらし、起きたてでつけた傷に触れぬよう、小さく頬をかいては "確定ではない" と考え直し。決めつけで他人を哀れむのは趣味じゃない、元々ちょっと人見知りで卑屈なだけかもしれないし、慣れたら案外尊大に好き勝手をやるタイプなのかもしれない。改めて、相手に視線を戻すと、片手で奥の方にある部屋を指差し「その……そっち。そっち使ってない部屋だから、着替えとかはそこでやって」と解説をしてみて。本当は前もって綺麗に片付けておいて "今日からここが君の部屋だ" なんて案内ができたら格好がついたのかもしれないが、生憎と物置扱いしていた状態のままで、生活に適したレイアウトにはなっていない。
続いて、相手の背後の方に位置している開け放たれた襖の向こうの部屋を指差すと「で、こっちが普段使ってる部屋だから。まぁ、好きなとこにいていいけど」と付け足し。少し前まで寝ていた部屋は、布団も引きっぱなしで毛布も投げ出されたまま。元々手狭なのに散らかしてあるので一層雑多な雰囲気で。その様子を改めて認めると、さすがにちょっとは片付けようかと足を踏み出し、おもむろに少女の横を通過し。床に置いたままとなっていたカップ麺の空き容器と割り箸を拾いつつ、相手の方を振り向けば、特に感情を乗せていない落ち着いた声音で、相手のナップザックのことを暗に指しつつ)
あとさ、荷物はまじでそれだけ?
(/了解です^^d 間取りについて、分かりにくく、お気を遣わせてしまい恐れ入ります。赤いスペースは全て備え付けの収納です。備え付けでない家具や電化は無記載で、冷蔵庫はキッチンスペースの左横の空間に置いてある想定です。ただし、キッチンスペース自体はほぼ使っておらず、冷蔵庫もただのビールを冷やすマシーンになっているつもりです。←
ベランダの想定はしていなくて、あるのは窓だけのつもりでしたが、そこはご希望でしたら "ベランダはあるもの" としたいです。希望がなければ "ベランダはない" ままで。他、メインの部屋でさえ4畳は狭いのではとか…風呂の大きさがおかしいのではとか…突っ込みどころは多いかと思いますが汗 あくまで大まかなイメージを共有できたらな、と思って作成したのみなので、ご容赦を頂けますと幸い…。また、間取り図上ではともかく、RPを回す上では4畳!ときっかり決めず「そんなに広くない部屋」くらいの認識で進めた方がやりやすいかなとも考えています´`;
他、気になる点や追加ご希望の要素があれば、お気軽にお伝えをお願いいたします。)
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