通りすがりさん 2020-10-09 17:53:57 |
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磨くとこまでやってんのか。 ここまで来ると職業病も末期だな
(会議中に見かけた無愛想な面は何処へやら、表情穏やかにケーキを口に含む相手にそこまで甘い物が好きなのだろうかと単純な感想持ちつつも机に肘をついては事務作業の建前も忘れぼんやりと食べるの眺め。わざわざナイフを使う拘りは理解出来ないものの器用に崩すこと無くケーキが切られていく様子に感心すれば軽くからかうような声と笑み向けて)
俺は世界一のドクターになる男だ、これだって日々の鍛錬のひとつにすぎない。……、なんだ、食べたいのか?
(早々に最初のケーキを食べ終わると次に取り出したのはショートケーキ、赤いイチゴがひとつ乗ったシンプルなケーキをナイフでまた一太刀した。不意に横に目をやると隣にいる男の目線はこちらに向いていて、その顔には笑顔さえ浮かんでいる。嫌味でもない自嘲でもない、その素直な笑顔にまた感情が乱された。こんな至近距離で見るこの男の笑顔がこんなにも破壊力があるものだとは思わなかった。心の内の動揺を悟られないよう誤魔化すため、今しがた切ったばかりのショートケーキをフォークで持ち上げるとそれを指さし)
勉強熱心なお坊ちゃんだな。別に、そういう訳じゃねぇが…くれんのか?
(手術の練習にケーキを使う医者など聞いたことが無い。そんな馬鹿みたいな事を夢の為に真剣に行う相手の何処までも真っ直ぐな姿勢が眩しく感じれば口元は緩んだまま以前から想っていた好意的な言葉が溢れ。 次々と食べられていくケーキを眺めながらもショートケーキ持ち上げながら問われると特別甘い物が食べたい気分ではなく、言葉濁しつつもこちらを気遣う様な態度と共に差し出されたケーキに興味惹かれてしまえば再度確認取るように問いかけ返し)
全ては目標のためだ、口だけの人間にはなりたくないからな。……あぁ、
(これまでならば皮肉の意を込められていたであろう言葉が微笑みと共に真っ直ぐに届くと胸に暖かな気持ちが広がる。近くにいるだけで傷つけあっていた頃が嘘のようだ。釣られて口角を上げつつ、質問は逆に質問で帰ってきてショートケーキを見やる。1人で十分食べられる量だが、減ったところで問題ない。それに並んでいて自分だけケーキを食べるのも問題があるだろう。そんな言い訳を自分に対して並べたあと、ショートケーキを刺していたフォークを相手の口元に近づけていく。断りなしの行動をして相手は怒るだろうか、そんな不安は見せもせずにショートケーキを口元へ差し出して)
…なら、1口だけ貰うぞ。 ん、…これも美味いな
(現在でも天才外科医として有名な相手が経験を積み、今の自分と同じ歳になる頃にはもっと腕の立つ医者になるだろう。 そんな事を考えながらもフォークを口元に差し出されると思ってもみない行動に目を丸くして、思わず硬直してしまい。だが似たような事ならニコとした事がある。 親しくなった故の行動だろうと無理やり結論付ければ、一言声を掛けてから羞恥が襲ってこない内にフォークの先ごと口に運び。口内に広がる甘味に満足気に口角あがり、味わうように咀嚼しながらも感想告げて)
……、…………あぁ、あそこの店のケーキはどれも美味い。毎日食べても飽きないくらいにな。
(ケーキを差し出され一瞬驚いたようだったが、しばらくも経たずしてこちらが差し出したケーキが消えていく。何故かその様子から目が離せなかった。口が開かれフォークの先ごと含み、それを咀嚼してから微笑む様に魅入ってしまっていた。ひとつのものを共有した、という事実がこんなにも思考を乱すのだろうか。呼吸が荒くなりそうなのを深呼吸をひとつして抑える。思考を冷静にしようとしたところで、相手の口の端に僅かにショートケーキのクリームがついているのを見つけた。どこかぼんやりした思考のまま引き寄せられるように体を近づけるとフォークを持たない手で相手の頬に触れようとしていて)
…みたいだな。俺でもそれなりに食べられ…、…ブレイブ?
(上質な甘味に意識奪われていたものの遅れて自らがして貰った行為を思い出せば、途端羞恥襲ってきて何事も無かった事装うように視線一瞬反らして何とか相手の言葉に続く様に素直に頷き。 それにしても接触をあまり好まない印象のある相手がこの様な行動に出たのは珍しいと様子窺うように視線戻せば先程よりも近い距離で何処を見ているのか掴みにくいぼんやりとした様子で手を伸ばされると先程以上の驚きと困惑に身が固まり、戦闘中以上に空回りを続ける思考の中では相手を見つめたまま何とか呼び慣れた名前を紡ぐことしか出来ず)
……っ、…口の端にクリームがついていた。
(伸ばした手が頬に触れる、見かけ以上に目の前の男の肌は柔らかで触り心地がいい。もっと近づいて触れたい欲望に支配される。手がゆっくりと後方に滑り、指先がうなじを捕らえようとしていた。しかしその瞬間にいつもの呼び名で、医者として戦う時の名で呼ばれると、一気に意識が呼び戻される。目の焦点を取り戻し困惑している表情と目が合う。一体何をしているんだ、と自分を叱りつけながら親指で素早く相手の口の端についていたクリームを拭ってやり、気まずい表情を浮かべながら目線を反らして)
…そう、か。 ………もう、食べないのか? (触れているのは指先だけのはずなのに相手の体温が伝わってくるような気がする。 フル回転する頭にも関わらず硬直した身を相手の好きにさせていながらもふと意識取り戻した様に目が合えば少しほっとしたような色見せながらも口元拭われリームがついていたと説明されればぎごちなく相槌打ちながらも離れていく熱に寂しさの様な感情抱き。状況飲み込めるようになればいつの間にかどくどくと自らの脈が早いことに気付き、視線伏せ落ち着かせる様に黙り込めば暫し二人の間に気まずい沈黙流れ。 少しずつ落ち着いてくれば目を合わせることは出来ないものの何とか会話再開しようと声掛けて )
……いや、今日はこれで止めておく。今日はもう、十分だ。
(視線は交わされないが相手が怒っている様子はなさそうだ。感情のまま欲望のまま流されそうになった自分には驚いたが、それだけこの男を前にすると自制心を失ってしま。この空気のまま一緒にいるのはまずい。本当はもっと、今やったようにケーキを食べさせてその様を眺めていた。自分が差し出したケーキを、口に含むその瞬間を何度でも見たいと思っていた。感情は理性にとって1番の敵、何をしでかすか分からない自分など1番恐ろしい。残っていたショートケーキを大口開けて一気に食べてしまうと、ケーキの箱をたたみ始めて)
珍しい事もあるんだな。 ……疲れてんなら早く寝ろよ
(元通りに徹しようとするも甘党でこの量が少ない方と言っていた相手が中断を告げれば瞬き一つ繰り返してから素直な感想零し。 相手がケーキを食べないのであればこの部屋に引き止めておく理由もなくなる。 片付けし始めた相手を眺めながらも長い会議の後、一旦家やCRに戻り準備したとなれば移動で相当疲れただろうと考え巡らせれば医者としての性か、顔色覗き込む様に顔近付け。 大きな顔色の変化は見られない物のいつもと違うように感じれば患者相手のような言葉告げながら離れて)
っ、疲れてなどいない、ただ明日の朝に取っておこうと思っただけだ。…………おやすみ。
(ケーキの賞味期限は基本的にその日中、最高の状態で食すことこそ職人への礼儀だと常日頃から思っているが、今回ばかりはこれ以上相手の隣でケーキを食べるのは耐えられない。その時不意打ちでその男の顔が近づいてきてまたドクリと心臓が脈打つ。様々な因縁を取っ払えばこんなに近くに来れるのかと内心感動ものだ。だが惚けてしまいそうな顔を正すべく幾らか突っぱねるような言い方をして離れるとケーキを冷蔵庫にしまう。このまま部屋に行っても良かったが、やられっぱなしは癪だった。そもそもこの男は自身に鏡飛彩という男を同様させる力を持っていることを理解していないのが癪だ。これは何かお返しをしておくべきだろう。離れていた距離を縮め傍までくると右手を腰に回してこちらに引き寄せる。顔を寄せ耳元に口を持っていくと、夜の別れの挨拶を囁いた。最後には頬にキスをひとつ。「欧米式だ」と一言言い訳を置くとくるりと背を向けその部屋から出ていこうとして)
まぁそういう事にしといてやる。…な、にし、!?
(例え疲れがあったとしても何事も無かったように振る舞い、弱みを見せないタイプなのは今までの付き合いでわかりきっている。 僅かに動揺で表情固くなったの見透かせば目細めて余裕そうな口ぶりで返し。 ケーキを仕舞うのを見ればそのまま勝手に帰るだろうと一瞬余所見しているうちに近づかれ腰に回された腕で引き寄せられると困惑の声あげて抵抗試みようとするも突然の耳元への囁きに肩ぴくりと跳ねると声すら出ずに面食らった表情浮かべ。それだけでも十分過ぎるほど混乱極める中で頬に柔らかい物押し付けられると数刻置いて自らがされた事に気付けば顔に熱上り赤く染まった頬晒しながらも相手の言い訳など全く頭に入らずに日本であるこの地でわざわざ欧米式の挨拶をした相手を見るばかりで)
……言っただろ、欧米式だ。
(チラリと背の方を振り返ると今しがたおやすみの挨拶をした男は見たこともないくらい頬を赤で染めていて、未だ見たことの無い表情に胸がザワつく。あの仏頂面でスカした態度ばかりの男をここまで動揺させられるなんて思いもしなかった。すぐさま胸にもっと乱してやりたいと欲望が渦巻く、それを飲み込むように生唾を飲んで気持ちを鎮め、一言いいのこすと隣の部屋へと移動してしまい)
っ…、ここは日本だろ。
(漸く意識戻ってくればからかわれた事に眉を顰めてあくまでいつも通りを装うとするも上がってしまった熱はなかなか冷めることなく、その顔を隠すように余所向けばぶっきらぼうに言葉返し。そのまま足音が遠ざかり隣の部屋のドアが閉まる音を聞けば緊張の糸解けたように診察台に座り込み。 相手の触れた頬と腰が熱いような気がしてその感覚誤魔化すように自らの頬を手でなぞりながらも行動の意図も分からず何がしたかったんだなどと混乱したように独り言吐きながら自ら落ち着かせようとし)
(最近胸に渦巻いていた相手への妙な感覚、その体に触れれば解消されるかと思っていたが、逆にもっともっとと求めるばかりで余計に自分の気持ちに確信を持ってしまう。花家大我のことをもっと知りたい、もっと触れていたいと思いは募るばかりだ。長く長く深呼吸をしたあと、まずは気持ちを落ち着けなければと言い聞かせてこの日は就寝することにし)
……
(翌日の朝、決まった時間に目を覚ますとまずは身支度を整え部屋から出る。あの男は朝は早い方なのだろうか、真相を知るべくこっそりと部屋に近づいていって)
……、
(あの後も部屋に戻った相手に倣って早く寝てしまおうとするも睡魔など何処へやらでなかなか寝付けずにいて。 諦めて事務作業や部屋の整頓などして時間潰せば漸く戻ってきた眠気に身を任せ、広めの診察台の上で横になって就寝し。 翌朝、眠ったのが遅いせいもあって物音にも気付かないでいては規則正しい寝息立てながらも無防備な寝顔晒して)
……
(音も立てず部屋に入ってみるが起きた気配はなく、診察台からは定期的な寝息が聞こえてくる。まだ寝ていることを確信するとゆっくり近づき寝顔を覗いてみる。無防備に眠りこけるその表情は想像を遥かに超えて愛おしく思わず声が出そうになった。吸い寄せられるように寝顔へと顔を近づけていくと、相手の特徴的な髪、白髪になっている部分を指先でそっと掬い上げハラハラと落とし)
……ん…。
(髪に何かが触れる感覚を覚えれば意識浮上させ、小さく声あげるも無言で髪に触れている相手が直感的に彼であると気付き。探る様な慎重な手つきを続ける相手にこのまま起きてしまうのは少し勿体無い様な気がして、まだ眠いからと自分に理由づければ狸寝入り決め込んで不自然にならない様な呼吸続けながらも目を瞑って行動委ねて)
……
(髪に触れ僅かに反応があったが起きている様子はなさそうだ。そんな勘違いをすればもう少し、とまた胸がザワつき始める。普段見ることの無い無防備な姿、同じ場所で寝起きするからこそ見ることが出来る表情に心が奪われる。不意に目が薄く開けられた相手の唇へ奪われた。決して健康駅とは言えない色、ここにも不養生が現れているようだ。何でも背負い込むのがこの男の悪い癖だろう。それを少しでも軽減できれば、この唇の色を鮮やかにできれば……そんなことを考えて居るうちに顔がそこへと引き寄せられていく。息を潜め顔を近づけると、口同士を重ねようとしてしまう。しかし寝ている相手にそんなこと、許される事じゃない。既のところで思い直すと口の端に極短いキスを落とし、その後は寝入る顔を見つめていて)
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