着ぐるみパンダさん 2020-09-01 23:39:05 |
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……む、貴方は!
(おちょくるような相手の反応に訝しげな表情をすれば、説教じみたトークを続けようと口を開きかけるが、突然現れた乱入者の存在に動きを止めて。迫ってきた乱入者が放つ威圧的な雰囲気に刹那僅かに気後れするも、すぐ一歩を踏み出すと、代わりに相手への警戒は手薄になりつつだが、対峙するように毅然と)
お言葉ですが、長官、日本には日本のルールがございます。彼には殺人など、複数の嫌疑がかかっていましてな、これは令状を待たない緊急逮捕です。
「……言葉を返すようだが、それはあくまでも「嫌疑」だろう?実際に行ったという証拠が無いならば逮捕することは許可できない。すぐにヴィンセント・イヴァノフ・アルジャンニコフを解放するんだ。」
(眉一つ動かさず淡々とした口調のままそう述べ、最後にちらりと弟の方を見やると弟は「…あはっ、兄さんはホント来るのが速いねェ…地獄耳?」と笑顔のまま軽口を叩いていて)
……それは裁判所に審議して頂きます。恐れ入りますが、ここは長官殿の出る幕ではございません……
(目上の者に楯突くのは好きじゃないが、威圧感に負けじと乱入者の瞳から目をそらさず言い切れば、堅苦しい会話が展開される中で唯一リラックスした様子の相手をちらりと見て。自身の口の中だけに響くような極小さな声で "く……ご兄弟同士の仲良しごっこであれは、リビングでやってくれ" と悪態をつきつつ対峙を続け)
何でそうなるんですかっ!? 違います…! これは職務として…!
(ひりついた空気を破る科白を捉えれば、虚を突かれたかのように一瞬片方の肩をガクと下げ、乱入者から相手の方に向き直って、少々赤面しつつも言葉も早く)
なァんだ、違うノ?
それじゃ、俺帰るネ~。
(若干落胆したような表情を見せるがすぐに笑顔に戻り、片手をひらひらと…いつの間にか手首からは掛けられていたはずの手錠が消えており、猫のような身のこなしで何処かへと消えて)
そんな!?折角捕まえたと思ったのに!待ってください!!
(すぐ近くにいたはずの相手の身体が魔法のように離れたかと思えば、反射的に視線をやった手錠はいつの間にか消えており。すり抜けるように何処かへ消えたが、扉を使っていないなら、後は此所しかと窓に駆け寄って外を確認して)
あはっ、じゃあネ~。
(窓の外、車の中で嘲るようにくすくすと笑い、ひらひらと手を振って車を発進させて。その様子を見ていた兄が「…一つだけ。一つだけ警告しておいてやろう。ヴィンセント・イヴァノフ・アルジャンニコフを簡単に逮捕できると思うなよ。何せ私の弟だからな。」と軽口のように漏らした後取り落としていた資料を集めて出ていって)
いつの間に!まるで……
(掴み所がないと考えては、走り去る車を目だけで追いつつ、言葉を失い。その背に声がかけられると振り向き、乱入者を複雑な表情で睨むと何か言おうとするも、結局は何も言えず、部屋に一人取り残されては、相手のことを回想しながら独りごち)
……まったく不思議な男ですよ。次はいつ会えるでしょうかね。
…あはっ、面白い子見つけちゃった。圭クン、かァ。
(部下の運転する黒塗りの車に揺られながら窓の外を見つめては思い出し笑いをし、運転する部下に「…全く…あんまり心配かけんでくださいよ、ボス。」と呆れたような声を掛けられ)
貴方までそんなことを言うんですか。嘆かわしいですね。
(……件の一幕から数日が過ぎたある日の午後、勤務先の交番内にて、後輩の巡査に "そんなんじゃ出世できない。危ない人みたいだし、上が放っておけと言うのだから、放っておけばいい" といったことを言われては、ちらと眼鏡越しに冷徹そうな瞳を向け、つっけんどんに切り返し。ため息をつく後輩に、続けて下記の台詞を述べると、連れ立って繁華街へと徒歩で見回りに出掛け)
警官が危ない人を怖がっていたら、力のない人は誰を頼りにすればいいんですか? ほら、パトロールに行きますよ。
(/危惧したよりは早めに戻れました。お待たせいたしました>< 今後も直前のペースも見つつ、空けてしまいそうな時はお知らせいたします↓)
(了解しました。)
~♪
(部下数人を引き連れ、楽しそうに鼻歌を歌いながら長い足を振りかぶり、目の前にへたり込む青年の頭を蹴り上げて。青年が舌を噛んで呻くと「痛い?でもさァ、裏切ったのはキミじゃん。」表面上笑ってはいるものの目の奥が笑っていない表情で顔を近づけて)
私たちが仕えるのは人ではなく法ですよ。
(怖い人のスケールが違う、と食い下がる後輩に、もうその話題には関心がないとばかりに目も合わせず、変わりに辺りの様子をそれとなく見回しながら答えて。さらに歩を進めつつ、一度だけ後輩の方を振り返ると、この仕事に誇りを持つことを促すかのように微笑を浮かべ)
だから、いわゆる嫌われ者でも、不法にいたぶられていたりしたら、助けるわけですし、人気者でも不法を働くなら咎めるんですよね。
…あ。ちょっと用事。これ頼んどくネ~。
(つまらなさそうに呻く青年を見つめていたがふと聞き覚えのある声にぴくりと身体を震わせて楽しそうに笑い、青年を部下に任せてその路地から飛び出すと声の主を探し始めて。勿論その異質な美貌は悪目立ちして通りすがりの女性たちがちらちらと横目で眺めながら黄色い悲鳴を小さく漏らして)
ん?何だか騒がしい…?……あ~!ヴィンセントさんっ!!
(歩いている道の遠くの方で、少々騒然とした雰囲気を感じ取れば、若干程度首をもたげ、そちらを確認しようと。結果、相手の姿を捉えれば、隣の後輩が、ひぃ、と小さな悲鳴を漏らすのも構わず、思いっきり相手を指差して)
こんにちは~、圭クン。
見かけたから会いに来ちゃっタ。
(同じように相手の姿を見つけるとひらひらと手を振り、「横の子誰?圭クンのお友だち?」首を傾げながら後輩をじっと見つめ)
いいえ、後輩の警官です! …さぁ、確保しますよ!
(もういっそ"圭クン呼び"はスルーすることにし、それでも相手の疑問に律儀に答えては、後輩の方を振り向き、二人で対応しようと呼び掛けるが、視界に捉えたのは駆け足で去り行く後輩の後ろ姿で。相手を逃がしたくない手前、追うことはできないが、背に向けて叫ぶことは叫び)
あ、ちょっと、どこに行くんですか!
なーんだ、お友だちじゃないんダ。
あはっ、今日は挨拶だけネ。
(若干落胆したように肩を落とすが先程と同じように手をひらひらと振り、路地裏に消えようとし)
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