名無しさん 2020-08-31 14:45:18 |
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(あの男が帰ってきた、なんか容器?の様な物を持って。彼はそれを俺の前において勧めてきた。)
、、、?、、なんだこれ、初めてみた、
(ボソッと呟き、これは飯なのか?なんか嗅いだ事ない匂いだ。、、、食っても良いのかな、いやダメダメ!相手は一体どんな奴かも知らないのに、体の中に得体の知れないもんを入れちゃダメ。命令でない限りは、ね。俺はその食べ物を容器ごと彼にそっと返して、反応を伺って)
…? 食べなさい、
(半分くらいは食べてくれるかと思っていたが、まさか皿ごと全部突き返されるなんて。なぜ、もしかして彼はこれが食べ物だとわかっていないのだろうか、あまりこういう真似はしたくないけれど仕方ない。ぴ、とサンドイッチを指さしては彼に"命令"して)
(あ、やばい、命令された。俺はビクッと肩を震わせ、恐る恐ると容器の上にある物体に手を伸ばし、拾い上げて
匂いだけじゃなく、見た目、触れた感触、全てが初めてだ。今まで草や土、運が良ければ、そこら辺に見つけた、冷たくなって動けなくなった動物を食べたりしてたけど、この物体は全然食いもんに見えない、
俺は緊張の眼差しでジーッと手に持っている物体を見つめて、そっと口に近づけてみて、
まさか食ったら死んだりしないよな、流石にない、、よな、そうだと流石に冗談でも笑えないぞ、冷や汗と少しの涙が混ざり、頬を伝い、覚悟を決めて、一気にがぶり付いてみて、
なんか、当たり前だけど、変な味だ。今まで食べたことの無い味、変って言うのは不味いの意味で変じゃない。うまい方を指す変だ!)
、、、!何だこれうまっっっ
(空腹に慣れてしまい、ちょっとやそっとじゃ腹は減らねえけど、何故だろう、これはやばい、うまい!!
ガツガツとその物体を頬張り、手や口の周り、服にもなんか汁?みたいな物がベタベタついても気にしてられない程にこの物体が美味しい!後のことを考えてられない程美味しい!!)
あっっ
(食べる勢いが凄すぎて、物体が挟んでた中身が零れて床に落ちた、勿体ないので拾い上げて食べようとし)
こら、ダメだよ
(想像を絶する勢いでサンドイッチを食べ進める彼に驚かなかった、といえば嘘になる。しかし、下手に遠慮されるよりかマシ、まともな食べ物を受け付けてくれて良かったとがっつく彼の姿をにこにこしながら見ていたのだが、床に落ちたチキンを拾い上げて、そのまま食べようとする彼の手を掴んで止めさせる。「下に落ちた物は食べない、命令」もっと普通に言い聞かせたいが、今はこちらのが彼も受け入れやすいだろうと考え、)
(地面の上の物を拾って食べようとしたけど、彼は俺の手を掴んできた。俺はびっくりして我に返って、彼奴の手を振り払った。どうやら止めさせたかったらしい。)
なんでだよ?勿体無いだろうが!!
(俺はムスッと眉を顰めて、首を傾げて彼をみて、
俺には理解出来なかった。余りにも勿体なさすぎる。金持ちなら飯には困らない、いつでも食えるし、食いきれない程の量がある、でも俺は違う。自分が生きていくのが精一杯で、味とか、えーせー?って言うんだっけ、がどうこう言える立場では無い。ただ食えるもん見つけただけで神に感謝するしかないぐらいだ。まさに食べ物に様を付けないといけない程だ。
一欠片だけでも惜しい、今食べなければ、次いつ食べられるか分からない、そもそも生きて次の朝を迎えられるか分からない、俺は彼奴の命令を背け、拾った物をすぐ口に入れて、
命令を聞かなかった俺は罰として殴られ続けた、きっと彼奴も他の奴と変わらないだろう。そんな事はどうでもいい、死ななければ、どんな傷だってかすり傷同然だ)
あぁ…食べちゃったね、
(ぱしりと彼を掴んだ手を払い除けられ、ぱちくりと目を丸くして驚いていたその隙に彼は落ちたそれを食べてしまった。…世の中には三秒ルールというものもあるくらいだし、定期的に掃除もしている。汚くはないだろうけど、やはり世間一般的なマナーとしては余り宜しくない。なんといえば彼に伝わるかを暫く考えたものの、上手い言葉が見つからなくて。
殴るなんて以ての外、「また焼いてあげるから、次からはしないように」あらあら、と困ったように笑いながら言い聞かせることしか出来なかった、)
(、、、え、なんで?なんで俺を殴ってこないの?俺は彼奴の命令を聞かなかった、お仕置きされてもおかしくないのに、なのに殴ってこなかった。しかもなんかまた焼いてあげるとか言って、変な笑顔だし、分からない。全然分からない)
殴ってこねえのかよ、?
(俺は恐る恐る、理由を聞いてみて、
俺は奴隷で、一切優しさを知らないし、優しくされた事がない。「優しさ」、この単語の意味もあやふやにしか理解出来ない。
、、さっきから思っていたけど、この男、もしかして俺に優しくしようとしてるのか?え?でもなんのメリットも無いぞ?俺は精々働く事と主人のストレス発散になる為の物でしか無いぞ?
兎に角この男の考えてる事が分からない、考えれば考えるほど、さらに分からなくなって、モヤモヤする、すっごく、すっごく気分悪い感じ。世の中にこんな変わったやつが居たとは、初めて知った。彼奴、五億まで払って、一体俺にそれ程の価値があるのか?)
それに、なんで優しくしようとしてんの、五億も払ったんだろ?こき使わなくて良いのかよ。
(俺はポツリと呟き、敢えて彼の目を見ずに、手元に握ってる食いもんを見つめて。彼は何を返してくるんだろう、聴きたい気持ちと聴きたく無い気持ちが混ざり合って、矛盾してる。でも、もう一回売られるまで、俺はこの男の物。少しだけでも先の事は知って置かないとなぁ)
殴るなんて、そんなことしないよ
(ああ、彼は殴られて蹴られて、ボロ布のように使われてきたんだ。質問と彼の表情で察してしまう。殴るため、ストレス発散のために彼を買ったのではない。ただ彼が綺麗で美しくて、愛おしくなったのだ。誰にも盗られたくない、そう強く思ったあの瞬間。5億なんて、いや札なんて自分には紙切れ同然。一応盗られないよう金庫にはしまってあるけれど、一部を取られたとて困りはしない。なぜ優しくするのか、彼の言葉にふ、と吹き出しては)
ヴァルは俺の家族だよ、家族には無条件の愛があるのが当たり前だからね
あたり、まえ、
(彼は優しく笑った。俺を家族だと言った。俺は彼の目をみず、俯いて
そんなの当たり前なんかじゃ無い、俺は世の中どれ程の捨て子や自分と同じ奴隷を見てきたのだろう、多すぎて数え切れない程だ。そもそも愛って何?気持ち悪い。下らない。そんなの、、、要らない。要らないんだよ。俺はぎゅっと拳を握りしめ、下唇を噛み、彼を睨みつけ)
下らねえ。愛だの家族だの、んなの俺には必要ねえよ。邪魔だし、てか気持ち悪いわ。、、なぁ、俺を、優しく、なんてするなよ!扱き使えよ!殴って、蹴って!俺を俺じゃなくなるほどに使ってくれよ!俺にはそれしか存在意義がねえんだよ!俺の、俺の存在を否定しないでよ、
(はっと気づいたら俺は息を荒げ、主人である彼に向かって怒鳴っていて、俺は何とか落ち着こうとしたけど、中々そうは行かなかったようで)
うん、…じゃあはい、
(殴って蹴って、彼が彼じゃなくなるように使ってくれ。そう必死に訴える彼、その内容が彼にとって己の存在意義なのだろう。自分だって、あまり褒められた生き方はしていない。しかし、彼にはもう辛く苦しい、痛い思いはさせたくない。おもむろに彼の額に手をかざせば、ぴしりとでこぴんをして。これなら痛いと言っても知れている。噛みつかれても、暴れられてもいい。彼にされるのなら、どんなことも許せる。彼の隣に座り直せば、ぎゅう、と抱き締めて)
辛かったね、ヴァル…
(同情でもなんでもなく、ただそう呟き、)
(彼は俺の額に手をかざした、反射的にビクッと肩を震わせてしまい、ぎゅっと目を瞑って)
、、っ!!
(殴られる事には慣れてるが、一発目はやっぱり慣れないなって思ってたらデコピンされた。え?それだけ?俺は自分のおでこを擦り、意味が分からず、目を見開き、彼を見て
え?それだけ?俺はあんなにきつい事言ったのに、怒鳴ったのに、なんで怒らない?なんでまだ俺に優しくしようとしてるんだ、、俺は信じない、この男を。今まで見てきた奴らよりずっと胡散臭い。信じてはいけない気がする。そう心の中で思っていると、彼はいきなり俺に抱きついてきた。しかも薄っぺらい同情の言葉まで言って。)
なっっっ!離れろっっっ!!
(俺は彼を思いっきり突き放し、ぎゅっと拳を握りしめ、少し震えながら立ち上がって、彼を睨みつけ)
辛い?いや!全く辛くない!全く辛くないね!変な同情するんじゃねえよ、何も知らない癖に、勝手に決めつけんじゃねえよ!ほんっと気持ち悪い奴だな!
(俺は一体何を言ってるんだ、確かに辛くないっていえば嘘だけど、気持ち悪いとか別に思っていないのに、勢いで口走ってしまった。でもきっとこれで彼は俺の事を嫌ってくれる。俺は優しさを受ける資格なんて最初っからないんだから、これでいいんだ。でも、怖い、何が怖いのか自分でも分からないけど、なんか嫌な感じだ。)
ふふ、元気さは変わらなくてよかったよ
(同情で言った言葉ではない。ただ、思ったことをそのまま伝えてしまっただけだった。しかし、彼本人からしたら同情と捉えられても仕方ないだろう。これ以上彼の気を悪くする訳にも行かないし、新しい環境で精神的にも疲弊している彼を、今日はもう寝かせてあげようと思えば1枚の布団を持ってきて)
今日は寝ようか、そこのソファ使いな、?
(彼に与える部屋もあるが、いきなり部屋を渡すよりか広い空間の方が落ち着いて寝れるのでは、と考えて。なにかあればこれ鳴らして、とテーブルに鈴を置き、)
(俺は予想してた回答と違ってて、目を見開き
、、彼は相変わらずヘラヘラとしている、何を考えてるんだよ、一体。あれ、今若干表情が引きつった、、?気の所為か?思い込みかもしれないけど、気の所為じゃないかもしれない。少しだけ寂しげな目に見えた気がする。)
ソファ、?
(聞いた事がない単語だ。チラリと彼が目をやった方へ見ると柔らかい椅子が置いてあった。)
いや要らねえ、俺は家の外で寝る。逃げないから。俺の事信じられないならあの重い奴でも付けさせろ。
(鈴をテーブル置いている彼を余所目に、扉を開けて外に出ようとし、)
、、、あとさっきはすまん
(外に出る足を止め、でも彼の方を見ずに、ボソッと呟いて、
いや見ないんじゃなくて見れなかった。俺にはそれ程の勇気はない。ホント、俺って案外捻くれてるのかもしれない。)
…じゃあ、寒かったらいつでも入っておいで?
(ポケットから合鍵を取り出し、彼に無理やり握らせる。信用しているからこそ、野宿(?)を許可したのだ。敷地内とはいえ完全に安全だとは言えないし、夜盗や野良犬が入ってくる可能性が0ではないのだから。心配だ、と伝えるより、自由に出入りできた方が彼はひょっこり入ってくるかもしれない。少しでも彼の近くで寝たいと、彼を見送ったあとソファに横になり、)
(嫌々渡された合鍵を握り、屋敷の外に出て、辺りを見渡し、)
やっぱ無駄にでけぇ、、見た感じでかい屋敷の割にゃあ使用人居なさそうだし、掃除とかどうしてんだろ
(誰に聞かされるのでは無く、何となく独り言を口にして、
、、、やっぱ外の方が落ち着くわ。少しだけ雨の匂いがして、俺は空を見上げた、空は黒くいかにも重そうな雲が月を隠していた。)
、、あー、こりゃ降るかもなぁ。運いいわ、やっと汚れが取れるかもしれねえ
(その前に寝床を探すかと言わんばかりに再び辺りを見渡し、目に付いたのは住みに佇む小さな倉庫だ。倉庫に近づき、ギィっと重い扉を開けて中を覗いて見た。光が全く当たらなく、長い間使用されて無かったのか少しだけかび臭い)
此処は暗すぎるなぁ、、
(なんか嫌な気分だ。でも倉庫の外なら光は少しだけ当たるし、何より死角じゃないから何かあった時すぐ逃げられる。まぁ主人以外のヤベー奴なら殴り返せば良いだけの話だし、何よりこの倉庫、園芸道具が揃っているみたいだ。武器にもなれるかもしれん。ふと屋敷の方へと目をやったら、唯一付いてた光が消えた)
あー、彼奴寝たのか。
(ほんっと俺はなんであの時気持ち悪いだなんて言ったんだよ、あいつが俺に裏がある優しさを与えてるかもしんねぇけど、それでもあんな事言うの良くないだろ。そんな奴に優しくするだけ無駄なのに、それでも優しくしようだなんて、ほんっと馬鹿な男だ。
ゴロゴロと空が唸り、ビクッと肩を震わせ、空を見上げたらポツリポツリと小雨が降り始めた。俺は雨に打たれるように空を見上げながら倉庫から出て)
久しぶりの雨だなァ。土砂降りにならないと良いな、
(雨は好きだ。でも雷は嫌いだ。その音が、大嫌い。爆発音に似てて、忘れられない嫌な記憶が蘇る。
次第に雨は段々と激しくなり、土砂降りへと変わった。鳴り止まない雷、俺は気づいたら屋敷の方へとフラフラと歩いていて、扉を開けた瞬間に腰が抜け、地面に蹲って、一歩も動けない、、怖い怖い、)
…ヴァルッ、!
(元から寝付きが良い方ではなく、翌朝まで起きているなんてこともざらにあった。だんだん強さを増す雨足、ハンマーで叩いたような衝撃が空に響き渡る雷鳴。彼を迎えに行くべきか、バスタオルを持って玄関まで来たところで彼がそこに蹲っているのに気づく。自分の中で命より大切な彼が、1歩も動けずそこに座り込んでいるのだ。気づいたその瞬間からばたばたと駆け足で近づき、彼の体にバスタオルを被せてやる、)
動けそうかい、?
ヒッ!!誰だっっ!?
(目が何も見えない、うるさい、怖い、寒い、
誰か居る、なんか言ってるみたいだけど、よく聞こえない!強盗!?しかもなんか被せてきたっっ!俺はその人の手を払い除けようと暴れだし)
あっちに行け!!俺に触んな!!!
(強がって言ってるが、声は震えていて、)
ごめん、俺だよ、強盗じゃないから…ね?
(彼のこととなると、かなり判断力が鈍ってしまうらしい。被せたバスタオルを1度取り、じ、と彼の目を見つめては優しく懇々と自分であることを説明して、)
(この声は、主人だ。本当はまだこの男を信用できてないのに、まだ怖いのに、俺から離れて欲しいのに、今だけは本当に、本当に離れて欲しくない、心底ほっとしたと言う矛盾がある。俺は今にでも消えそうなぐらい細く震えた声と冷たい指で縋る様に彼の裾を掴み、)
何も見えない、何も見えないよ、嫌だ、、行かないで
(もう自分が何を言っているのか、自分でも分からなかった。暗くて何も見えないってのもあるが、何より一番恐ろしいのは、雷鳴だ。ただただ何も考えられない程に、縋る事しか出来なかった)
(/私生活がごたついちゃって、なかなか来れませんでしたっっっ!申し訳ありません!!)
怖いものからは、守ってあげる_
(よほど雷が怖いのだ、こんなに声は震えていて、指は氷のように冷たい。そっとそっと、優しく彼の背中をぽん、ぽん、とさすってやる。怖いことからは守ってあげる、痛いことは治してあげる。いつになく真剣な声色でそう呟けば、彼が落ち着くまで隣にいようと決め)
(/いいえー!お気になさらず!!)
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