執事 2020-07-30 19:43:59 |
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少し休まれてはどうですか
(彼が欠伸したのを見、自分の看病で緊張していたのだろうと察して声をかけ。
身体の関節はまだ痛むものの、怠さは大分引いた気がする。この程度なら1人でも大丈夫だ。
先程彼に釘を刺されたこともあり、熱と怠さが完全に引くまではベッドで大人しくしています、と態度で示すかのようにベッドに潜り込んで)
駄目だ、今日は離れないって言っただろ……
(いくら自分が疲れているとはいえ、さっき今日一日は一緒に居ると宣言したのだ。彼の言葉は有り難いものだったがそれは出来ないと首を横に振り。彼の態度を見るに、自分がいなくなった後こっそりベッドを抜け出して仕事に戻る、なんてことは無いと思うのだが、念には念をというやつだ。意地でも離れないというようにぐっと椅子に座り直し)
全く頑固ですねぇ……、さすが真面目なお坊ちゃま
(本当に言う事を聞かないんだから、と言いたげに見つめてはやれやれ、とため息をひとつ。加えて真面目だ、なんて茶化す言葉も付け足して。
とはいえ、体調の悪い時に彼がそばにいてくれることの心強さは自身の想像を超えていて、安心感からかだんだんと睡魔に襲われていき)
……せいぜい今日一日はベッドの上にいるんだな
(茶化しに対してはもう慣れたものだが、やはりむ、と眉をしかめ。しかし、もう既にまどろみの中にいる彼を現実へと引き戻すのは良くないだろうと声にすることは躊躇う。その代わりに小さな声でそう言っては、彼を今一度眺めた後、これ以上悪化することはないだろうと小さく微笑んで。そうこうしているうち、自分も眠気が襲ってきたらしい。彼の寝ているベッドに突っ伏してしまえば、そのまま眠りに落ちてしまい)
ずっと居たのか…?
(薄ら感じる光に、眉を寄せつつも目を開けて。
どうやら昨晩はあのまま眠ってしまったようだ、体調を崩したのは自分が思っていたよりも体に負担をかけていたらしい。彼の介抱もあってか今はもう不調などなく、昨日のだるさがまるで嘘のようで。
ベッドから起き上がろうとすれば、ふと感じた重さで彼の存在に気づき、ぱちぱち瞬きしながら思ったことを一言、)
……すぅ
(襲いかかってきた眠気に勝てず、眠りに落ちてから数時間経過。既に外は明るく、普段ならそろそろ起きる時間であろうが、当の本人はまだ夢の中にいた。昨日の疲れがまだ利いているのか、目を覚ます様子は一切感じられない。彼が起き上がった気配にも気付かないまま、すやすやと寝息を立てており)
ありがとうございます、お坊ちゃん。…本当に、助かりました
(ベッドから降りても、彼は一向に目を覚まさない。すやすやと眠る彼の寝顔、その頬を優しく人差し指で撫で、起こさないよう小声で上記を呟いた。病人の世話なんて慣れないことをしたからか、疲れきってしまったのだろう。本来ならばもう起きる時間だが今日は特別。"自分の身支度がまだだから、起こしに行くのが遅れた"という理由にしておいて、彼をまだ暫く寝かせることにしておいた。顔を洗い終え、杖を1振りすればあっ、という間にいつもの服を身に纏った姿が出来上がり、)
……あれ、
(あれから数分後、うっすらと瞳を開くと彼が寝ていた場所に視線を向ける。そこには既に彼の姿はなく、空っぽのベッドがひとつ。驚きで勢いよく顔を上げると、その勢いのまま立ち上がる。寝癖の付いた頭で寝起きの眼を擦りながら、部屋を彷徨いて彼の姿を探し)
おや、朝から落ち着きがありませんねぇ
(それから、彼を起こさないようにして部屋を後にした。少し遅めの朝食をワゴンに載せてころころと運んできては、とんとんと彼の部屋のドアをノックしてからドアを開け。どうやら彼は自分が部屋を後にしたあとで目を覚ましたらしい。まだ眠たげな目をしながら部屋の中を彷徨う彼に、首を傾げて)
っ?!お前……もう身体は大丈夫なのか?
(ノックの音に気が付かなかったのか、突然背後から聞こえてきた声に驚いてびくりと肩を震わせる。お陰で眠気は吹き飛んだ。振り返るとそこにはいつもの彼の姿。顔色は随分良くなっているが、まだ病み上がりであろう、なのに朝から執務とは…。幾つか心配が残る中そう問い掛け)
私を誰だとお思いで? _そう何日も引きずるような歳じゃありません
(いつものように、口から出た言葉は毒ばかり。とはいえ昨日彼が看病してくれたおかげである。昨日の彼のおかげで、治りも早かったのだ。焼きたてのクロワッサンに温かいスープ、それにベリーのスムージー。早く食べないと味が落ちますと彼を急かしつつ杖を振れば朝食がひとりでにテーブルの上へ座っていき、)
……念のため聞いただけだ
(いつも通りの彼の対応。やはりその言葉ひとつひとつに含まれる毒は健在で、どうやら自分の心配は杞憂に終わったようだ。此処で変に反論しても、また上手い返しで毒を吐かれるだけとこれ以上は言及しないこととして大人しく席に着く。素直になればいいものを…と彼を横目で見つつ、もそもそとクロワッサンを口に運び)
言葉にしなければ分かりませんねぇ
(何か言いたげな彼に、大袈裟なほど困ったように眉を寄せておやおや、と肩竦め。彼が朝食を食べているうちに今日の服を用意しようと、杖を一振り。クローゼットから生きているかのように服がひとりでに動き出し、ベッドの上に畳まれた状態で座った。この前の体調不良が嘘のように完璧な魔法だ、風邪であそこまで不調になるのかと自分でも不思議なほどだ、)
(/いつもお相手ありがとうございます、!!
この後何かしたいなどありますかね…?何しようかなって…)
(彼の含みのある言い方に、自分の気持ちなんて言葉にしなくたって本当は全て読まれているんじゃないかという気になってくる。これ以上の言及を許さないよう「うるさい」と一蹴すると、残り一欠片のクロワッサンをスープで流し込み、スムージーを飲み干したところで朝食を終え。机を離れ、横目で彼を見ながらベッドの着替えに手を掛けた)
(/此方こそいつもお世話になっております…!
そうですね……時期的にクリスマスなんて如何でしょう?)
…冷え込んできましたから、風邪をひかないように。
(一蹴されてしまい、これまたわざとらしく口元に手を当て目を見開きつつ、「ついついこの口が」なんて思っても見ないことをさらりと口にして。
彼の食べ終わった皿を片付けつつ、ふと窓を見れば外は非常に寒そうな空をしていて、彼を労わるように一言忠告し。もちろん彼の心配をしているから出た言葉なのだが。サービスワゴンに全ての皿を乗せ終え、にこりと笑みを浮かべては彼に一言、)
これ以上私の仕事が増えたら、堪ったものではありませんので
(/クリスマス…!! いいですね、そうしましょうか!
クリスマスケーキを手作り、なんてどうですか?材料買う所から一緒に行くのも楽しそうで…!)
言われなくても分かってる、
(口では了承しているものの、つい昨日寝込んでいた人間に言われたくはない、と若干不満気に眉を寄せ。
彼の用意した服に身を包みつつ、自身に向けられた皮肉気味の言葉は聞き慣れたかのように一度受け流すが、どこか腑に落ちない点があったらしく追加で一言)
僕より、まずは自分の体調を心配するんだな
(/それは名案……!大賛成です、是非やりましょう!
切り替えのタイミングに関してはお任せしても宜しいでしょうか…?)
有難いお言葉、肝に銘じておきます
(昨日まで寝込んでいた、彼の看病がなければ今日も寝込んでいたかもしれない自分にとってその言葉は耳に痛いものがあった。珍しく素直に頷きつつ、思わず苦笑いを零して軽く頭を下げ。
手帳を取り出し、今日の予定が特にないことを確認して手帳を閉じようとした手を止め、)
おや。今週末がもうクリスマスですか
(/お返事お待たせしてしまい申し訳ございません!
ちょっと強引な気がしますが、ここで切り替えました)
今年は何が貰えるんだろうな…!
(去年は音楽プレーヤーと、今も自身の胸元で揺れているループタイを貰った。彼の発した「クリスマス」という単語に反応しきらきら瞳を輝かせると、今年もサンタさんが来てくれる筈、そんな期待を込めた視線を向け)
(/こちらこそ反応遅れてしまい申し訳ないです…!
場面転換助かりました!)
クリスマスまででも、成長してくれると非常に助かるのですが…夢のまた夢、でしょうね
(サンタさんなんて存在を信じ、今年のプレゼントに期待を膨らませる彼の素直さに緩く微笑んだのを、上記の嫌味で誤魔化して。どうせ噛み付いてくるはずだから、…少しからかってやろうとはっとした表情と、わざとらしく大袈裟に言ってみせ)
坊ちゃん、実は…その。今年のクリマスケーキ、私たちで作らなければいけないことをいま、思い出しました
(/大丈夫です~!お返事ありがとうございます!)
(普段なら「自分はもう既に成長している」だの「勝手に決めつけるな」だの何かしら反論するはずの彼からの嫌味も、クリスマスという一大イベントを前にすると全く耳に入ってきていないようだ……ったのだが、その後に続く彼の言葉に耳を疑う。例年なら街の洋菓子店で買ってくるなり、料理人に作らせたりとケーキに困ることは無かった筈なのだが。……それにケーキなんて作ったことがない。何故?と疑問符が脳内を埋め尽くすと同時に、彼の口調やはっとした表情も相まって自然と焦りが芽生え始め)
ど、どうするヴィラ!クリスマスまでもう一週間も無いんだぞ!
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