男子高校生 2020-07-29 14:18:37 |
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そうだったのですね、でしたら少しでも良い結果が出るようお祈りしておきますね
(少しでも良い結果を、これまでにも何度となくそう願い望み続けてその度に裏切られてきていて、半ば今より悪くなることはあっても良くなることはないのではないかと嫌な考えが頭をよぎりそうになるが、それでも自分だけは希望を捨てずに彼に寄り添い続けようという強い気持ちに陰りの無い笑顔で胸元で両手合わせ明るくそう言って)
ありがと、縁
(自分に向けられたあたたかい笑顔を受け取ると、つられるように微笑む。明日の診察でまた何か問題があったらどうしようと内心不安だったが、その彼女の笑顔のお陰で若干気持ちにも余裕が生まれてきて、リラックスした表情になり)
はい、きっと大丈夫です。…そうだ、何か甘いもの食べませんか?美味しいものを食べると元気になりますから
(少しでも心が休まればいい、そんな想いが届いたようにリラックスした表情を浮かべる彼にこちらもホッとしたような表情になり、ゆるりと首を傾げると後ろ手を組むとそう言葉を投げかけて)
甘いもの……
(そういえば最後の食事から数時間経っていた気がする。タイミング良くきゅるる……とお腹が鳴って、食べる!というようにこくこく頷く。も、彼女が何か食べ物を持っているようには見えず、どうするんだろうと不思議そうな表情で)
はい、それではどうぞ。マドレーヌです、甘くて美味しいですよ
(食べたいとは頷くものの、肝心のお菓子がどこにあるのか探るような視線に小さく微笑み、後ろに回していた手を彼の目の前にやって、握っていた拳を開くと手のひらの上にはマドレーヌがあって。彼の痛みを初めてこの身に引き受けた日から身体には不思議な力が満ちているように感じられて、他に何か出来ないか色々模索した結果出来るようになったのは彼の痛みを除く魔法以外ではこれのみで、しかも蓋を開けてみれば自分のカロリーを消費するというなんとも微妙なもので当初は落胆したものだが、こういう時少しでも彼の気持ちを紛らわすことがことが出来るなら捨てたものじゃないなと思えて)
凄い!なんで?どうやったの?
(何が始まるんだろうと不思議そうにしていたところ、目の前に差し出された手。何も持っていなかった筈の彼女の手のひらには、美味しそうなマドレーヌが乗っている。驚きや感動でぱっと表情が明るくなりきらきらと目を輝かせて。からくりはどうなっているんだろう、と好奇心旺盛な瞳で彼女を見つめ)
ふふ、それはいくら蒼でも教えられません。タネがわかってしまった手品は二度と使えませんから
(よもや自分が魔法使いだなどと名乗れるはずもなく、あくまでもそれが手品の一種だと口にしつつマドレーヌが乗った方とは反対の手で口元に人差し指を立ててナイショと悪戯っぽく微笑んで)
……そっか
(確かに、マジックというものはタネが分からないからこそ面白い。納得して素直に頷くと、彼女の手の上からマドレーヌを手に取って、いただきますと一口囓ると顔をほころばせ)
美味しいですか?…ところで、明日検査があるということは私が来る時間も午後ぐらいにずらしたほうがいいですよね
(表情で聞かなくてもなんとなく察しはつくがにこにこ顔で感想を尋ね、明日の検査について話題を切り替えれば毎日でもここへ来るのは当然であり明日も来るつもりであることを前提に、大体これぐらいかと考えて緩やかに首を傾げて)
うん!凄く美味しい!
__そうだね、そうしてくれると嬉しいな
(再びマドレーヌを頬張りながら感想を伝える。彼女の質問から、こうして明日も来てくれることを知って有り難さと嬉しさで心が一杯になり、その幸せを噛み締めながら返答し)
わかりました、明日は午後一番に来ますね。午前中は蒼のオススメしてくれた本を読んでようかと思います。これ、借りても良いんですよね?
(明日の予定の確認が終わり、自分の中でプランが固まれば先程彼が貸してくれると言っていた魔法使いのお話の本を手にして小さく首を傾げて問いかけて)
うん!縁の感想も聞きたいな、
(大きく頷いて、どうぞどうぞというように両手で彼女の持つ本を指し示す。明日になればその本の話題で二人楽しく話が出来ることが楽しみで仕方無いようで)
蒼のお気に入りのお話を読めるのが今からとても楽しみです。昔は読書の何が面白いのかと思っていた時期もありますりましたが…やはり実際に読んでみるものですね
(大事そうにその本を胸元に両腕で抱え、かつての読書とは無縁だった自分のことを振り返り当時と今との差異に苦笑を零して)
そう言ってくれると、僕も嬉しい
(大切そうに本を抱える彼女を見てにっこり笑って)
__次の日
…………、
(診察を終え、病室に戻ってからのこと。少々診察が長引いてしまったため、時間帯はもう午後になっていた。遅めの昼食としてサンドイッチを齧りつつ、担当医から言われた言葉を思い返し、小さく溜め息をつき)
蒼、入りますよ?…失礼します、昨日の本ですが早速読んで……どうかしましたか…?
(次の日、朝から宣言通り彼に借りた本を読んで過ごして、読み終える頃にはちょうどお昼時で、昼食を食べて家を出ていつも通りの彼の病室へとやってくればノックをして中へと入り。早速本の感想について話そうと話しを切り出してみるがどうにも彼の様子がおかしく、もしや午前中の検査で何かあったのではないかと察すると真剣な表情で尋ねて)
っ、縁?!……ううん、何でもないよ
(ノックの音に気付かなかったらしく、驚いた顔をして入ってきた幼馴染みを見て。先程の溜め息が聞こえていたんじゃないかと内心焦りながらも、なんでもない、といつものように笑って彼女を出迎え)
本当ですか…?何か無理をしていたりしませんか?
(一見すれば普段と変わらないように見える彼の笑顔、どこがおかしいのかと問われれば具体的にここだと言える部分は無いのだが、幼馴染として彼と長く付き合ってきての勘が違和感を訴えかけてきていて、少しばかり疑念を抱いた様子で相手の顔を覗き込み、心配そうに眉尻を下げて)
……なんかね、肺が炎症を起こしてるんだって。
数日後にもう一回検査、って言われちゃった
(いつも通り笑ってみせたが、彼女の不安そうな顔はそのままで。このまま隠し通すよりも、ここでは素直に打ち明けた方が変な心配はかけないかと考えて簡単に説明すると、心配しないで、と微笑み)
肺が…!?蒼はそれで体調に不調はないのですか…?
(嫌な予感は最悪な形で的中してしまい、しかし再度検査と言われてしまえば今の自分にできることはなく、せめて今だけは体調が悪いせいで苦しまずにいてくれればと思いそう尋ねて)
うん、時々息が荒れることもあるけど、今は平気。
(確かに最近は何度か呼吸が荒くなる回数が増えたので、何かおかしい気はしていたのだ。不定期のため自分にはその症状がいつ出てくるのか分からないが、今は苦しいなどは一切無いため、大丈夫だと伝え)
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