斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
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…蕎麦の実の香りがしっかりして美味しいな。このつゆも好みでおいしい。( 相手は此方の質問の意図を察したようで、途中で止まってしまった言葉がそれを示していて。水を飲む時の相手の視線には気付かなかったが今度は逆に此方が相手の食べる姿を見てしまう。ふーふーと息を吹きかける姿が少しおさなげで可愛らしくつい見入ってしまうも、自分も蕎麦を箸で摘んでつゆにくぐらせては小さな音で啜り。その鼻から抜ける香りに思わず微笑み二口目をすぐに啜って「良いところを教えて貰った。…それでさっきの話だけど、テスト週間が終わってから斎藤の都合の良い日があれば教えてくれないか。」またすぐにでも来たいと思える味に舌鼓を打ちつつまた一旦箸を止めては相手を見て。そして先程の話の続きを少し落ち着いた声で始めて )
よかったです…、先生の好きな味で…、
(少しの緊張はあるものの彼は自分の進めた蒸籠蕎麦を気に入ってくれたことはしっかり伝わってきて。それだけでも喜びが内側から溢れてくるような気がしてよかったと口にする。良いところを教えてもらったと溢す彼に何とも言えない嬉しさと優越感に似た感情を抱きつつ笑みこぼして。そして彼から続けられた言葉に「…一番早い日で、テストが終わったその日です。次にその明後日ですかね…」そう言葉返しては相変わらず自分好みの味付けに表情を緩めながらまた一口月見蕎麦を啜って)
ならテスト終わった日…斎藤の都合が良いときでいいから職員室に顔を出してくれか?家に帰ってからがいいなら家の近くまで行くから( 安堵の表情を浮かべる相手の笑顔に今日この店に来てよかったなと思いつつ返事を聞けばテストが終わった日に話がしたいと述べ。テストが終わるのはあと数日もない。その日に話をするのかと思うとすこし緊張するが表には出さずに蕎麦を食べ続けて )
…分かりました…職員室に行かせて頂きます。
( 彼の言葉にこくんと頷き職員室に行くと告げて。でもどちらにせよ職員室では話せない内容だとは思いつつもそれならそれで彼の望む場所へ行けば良いだけの話で。何より彼にご足労頂くのが申し訳ない気持ちでいっぱいな自分はそう言葉を返して。食べながらと言うのはあまり気遣わせないようにとの気遣いだろうか…それを有り難く思いながら「他のメニューも外れはないです。また食べに来て下さい」この店の店員でもないのだが、つい彼ともっとこの店の美味しさを共有したくて笑み浮かべたままそう伝えて)
嗚呼、また来るよ。斎藤も一緒にな。( 職員室に来ると言ってくれた相手によろしくと頷いて、お店も進めてくれれば次も相手と行きたいと思えば一言付け足して )
今日か…( テスト最終日、全てのテストが終わり今自分は職員室でテスト後の授業対策の準備をしていて。時間的にはそろそろ相手が来るころか。時計を何度か見つつパソコンと向き合いキーボードを軽快にタイプしながら、時々プリントにペンを走らせ相手が来るのを待って )
…っ…はい…先生と一緒に…また来ます…。
( 此方はまた来て下さいと告げたが彼に自分も一緒にまた来ると言って貰えては驚きに一瞬息を詰めるもやはり嬉しい気持ちが溢れ出てきて嬉しそうに表情を綻ばせてまた彼と一緒に来ますとはっきり告げて。彼と共に蕎麦を楽しみ談笑も楽しみ幸せな時間は過ぎていき。蕎麦を食べ終えると彼の車でいつもの路肩へ車を停めて貰い、また明日と手を振って家路について。彼と長く一緒に居られた日はいつも決まって自分はご機嫌。鼻歌なんて普段は歌わないのにふんふん歌いながら風呂に入り眠りについて── )
宮本先生…いますか…?
( 月日は過ぎ。あっという間にテストの最終日。彼と約束した日になり。テスト結果はまだ出ていないが彼に恥じぬ自分でいたいと勉強にも手を抜かなかったためまずまずの成績だと自分なりに思っていて。そして少し緊張もしている。約束の日は彼と自分の関係が大きく変わる日でもある。ドキドキしながら帰り支度終えクラスメートに挨拶をして鞄を持ち、教室を出て真っ直ぐ彼の待つ職員室へ足を進め。職員室の前に到着しては深く深呼吸してから扉を開けて中に入っては恐らくは席にいるであろう彼に届くように呼び掛けて )
嗚呼、斎藤…来たか。( デスクに向かって手を動かしていると職員室の入り口から声が聞こえて顔を上げると待ち人の姿があり。数名の教師も顔を上げたが各々作業に戻り自分は一旦パソコンを閉じると手早くデスクの上を片付けていって職員室を出る準備をしては化学室の鍵を手に取り相手の元へ向かって。「テストお疲れ。…来てくれてありがとな。場所移動するぞ。」相手のクラスのテストの採点はまだだが相手の授業態度や提出されたノートを見れば高得点なのは確実。実際前任の担当教師がつけていたテスト記録を見たが相手の配点は上々。ねぎらいの言葉を掛けて軽く頭をぽんとすると化学室の鍵を指にぶら下げて見せて職員室を出て相手と共に化学室へ向かって )
いえ…。頑張りました…化学のテスト…どの教科よりも点数…良いと思います…。
( すぐに彼は自分の元に来てくれてはテスト終了を労うように頭をポンと撫でて貰えては表情を緩めて。彼の担当教科である化学は一番点数が良いと思うと嬉しそうに告げて。そして彼から化学室の鍵を見せられるとこくんと頷いて彼と共に職員室から出て化学室に向かい。彼が鍵を開けてくれて中に入っては一瞬解けた緊張はまた少しぶり返してきて。実はずっと考えていた。彼は自分をどう思ってくれているのか。…でもついにその答えは出なくて今日を迎えてしまっていて。人の気持ちなど本人でないなら分かりようもない。でもどうしても考えてしまっていた。自分と同じまでいかなくとも自分を恋愛対象として好いてくれていたなら…そう淡い期待も寄せるものの、自分は生徒で年下で彼を支える器でないと思われているかもしれないとも思っていて。怖い気持ちもあるがもやもやするのはもう嫌で改めて彼を見据えて「……先生…俺…今日という日を待ち望んでいました…貴方の気持ちを…聞かせて…欲しいです…」そうはっきりと口にして )
…嗚呼…、待たせてしまってすまない。( 自分は此処に来るまで相手に都合が良いかと聞いただけで用件は言わずに答えを出すとは話さなかったが、相手からそれが述べられたということは答えを期待されていて此処まで相当負担を掛けてしまったということだろう。自分が今答えを出すことを相手が望んでいるのなら自分も覚悟を決めるしかなく、元よりそのつもりだったため小さく息を吸い。「斎藤…俺はお前のことが好きだ。生徒としてではなく一人の人間として好きだと思ってる。…でも付き合うことは出来ない。俺たちは教師と生徒…恋愛をするのは自由だが其れ以上の関係を持つことは許されない。もしも周知されれば俺だけなら兎も角お前にも何かしらの罰則はあるだろう。俺はお前にそのリスクを背負わせたくはない。…だから…、お前が卒業を迎えるその日にまだ俺を好きでいてくれるなら…卒業式が終わったときまた此処に来てくれ。」今付き合って自分が相手を守ることは可能で、関係がバレたとしても自分が全責任を負うこともできるが、それは最悪の展開でしかなくそのリスクは避けなければならない。あと1年と少しの間はお互いの気持ちを見つめ直す期間でもあり、まだ10代の相手がしっかりと自分を見極めて相手自身の進路を照らし合わせる時間。今の感情で未来のある相手の時間を蔑ろには出来ない。相手を想うが故の答えだが、裏を返せば自分にとって都合の良い答えでもある。まっすぐに相手の目を見つめて静かな声質で述べると相手と一定の距離を保ちながら反応を窺って )
……それは…先生も俺が好きで…俺が…卒業して教師と生徒の柵がなくなれば…俺の…恋人に…なってくれる…そう解釈しても…良いですか…?
( 彼は自分を生徒としてではなく斎藤 司という一人の人間が好きだとはっきり言ってくれた…そして自分達が教師と生徒である以上は付き合えないとも。少しの痛みとそれ上回る愛しさと喜びを噛み締める。彼の発した自分を想う気持ちを全てて受け止めて受け入れて…内にしっかりと宿せばどこか距離を保っている彼に噛み締めきれない感情の高ぶりに一歩一歩近づいていき言葉を返す。期待に少し声が震えたが彼を真っ直ぐに見つめたまま確認を取るようにそう問いかけて。彼がそうだと言ってくれたなら…自分は…自分の出す答えは一つだけ…。後一歩近づいたなら触れられる距離でピタリと足を止めては彼の言葉を再び待っていて )
嗚呼、その解釈で間違ってない。…都合が良いのは分かってる。それでもお前は俺を好きでいてくれるのか?( 相手は静かに最後まで話を聞き入れて其の意味を汲み取ってくれて。一歩一歩詰められる距離に後退りそうになるが相手が話を聞いてくれたように自分も相手を受け止めようと堪えてその場に留まり、相手の瞳を見返しながら首を縦に振る。自分の言葉は伝えたため、其れに相手どう返事をしても受け止めるつもりではいるが僅かに緊張して喉が乾くも表情を変えずに相手を見て問い返して )
貴方は優しいから…俺のためを思って…断るんじゃないかと…そんな可能性も考えてました…だから尚更…俺は嬉しいです…。だって、そうすることも…貴方には出来た…でも…そうはしなかった…それって…そうしたくはなかったから…です、よね…?
( 彼の言葉を聞き終え、少しの間の後口を開く。自分が見てきた彼の性格を考えるともしかしたら断られる可能性もあるかもと思っていたことを彼に明かしつつ、それでも彼はそうしなかった。その彼の気持ちが嬉しくて…首傾げて問いかける。此方から近づいても一歩たりとて逃げなかった彼。彼の頬に手を伸ばして微笑んではそっと頬を撫でつつ「…俺の心にこんなにも変化をもたらしてくれる貴方を…俺は諦められそうにありません…卒業までは生徒として…貴方の近くにいることは…許して欲しいです…だから…一人の男として…貴方を愛する…斎藤 司は…奥底に引っ込みます…だから…これが…今日が…最後です…だから…キス…させて下さい…」幸せそうに笑みを浮かべそのまま彼の唇を塞ぐ。あの日にした口づけとは違い、勉強の成果を見せるように啄むような口づけからするりと彼の口腔に舌を滑り込ませては深い深い口づけをして )
正直…断ることも直前まで考えて迷っていた。でも斎藤の言うようにそうはしたくなかった。お前が……否、この先は卒業後までに取っておくよ。( 相手の予想は当たっていて自分のことを理解してくれているのだと思うと胸が熱くなる、思いの丈を全て相手に伝えようと口を開きかけるが今はまだその時はではないと首を横に振りながら微かにだが滅多に見せない柔らかな微笑みを浮かべ。こんな臆病で小狡い男にも相手は真っ直ぐな言葉を掛けてくれて頬に相手の手が触れ体温が伝わってくれば微かに瞼を震わせて澄んだ双眸を見返して「嗚呼…、卒業までと言っておいて変な話だが俺は教師としてお前の一番近くに居て護れる存在になりたい。…って、おい…キスは…ッ!!?」本当に虫が良いと内心自分自身を嗜めていると近づいてくる綺麗な顔、合わさる柔らかな唇が相手のものだと理解したときには生暖かい感触が咥内に侵入してきて目を見開いては咄嗟に相手の肩を押して離れさせ「…ッ阿呆…いきなり舌を入れるやつがいるか!…前はちょっとしたキスだけで逃げてたってのに…大胆になったものだな。」動揺から僅かに声を荒げるも嫌なわけではなく、その為口を拭うことはなく、少し上がった息を整えると息を吐きだして相手と向き合い直して「堅いと思われるかもしれないがこういうのは正式に付き合ってから…、…にしても何処でこんなキス覚えてきたんだ?」冷静に告げようとするが少しばかり照れが生じて、生徒で年下の相手に押され気味なのも癪に思えてくれば少し身を屈めて白い頬に手を添えると顔を近づけて親指の腹で唇をなぞり、いけない生徒を注意するような物言いで然し双眸は柔和に細めて )
先生…すみません…お待たせ…しています…。実は俺…体調崩しちゃってて…例のウイルスではないんですが…熱と倦怠感が続いてて…返事もう少し待って…貰えますか…?本当に…すみません…。
そうだったのか、そんな事で謝らなくて良いし体が辛いのに報告してくれてありがとな。告白の時は散々お前を待たせた身だ、いくらでも待つし体調が快復するまでは絶対安静。ちゃんと元気になってから戻ってこいよ。
…先生…ありがとうございます…俺… 大分体調…落ち着いて…来ました…。もうちょっとかなって感じです…。でも…早く先生と話したいから…お返事…返します…。…先生…これからも…宜しく…お願いします…。
─────
…それを聞けただけで…十分です…卒業式まで…俺…ちゃんと…貴方の生徒でいます…。
(柔らかな笑みに目を奪われながらも彼の口からは自分の言葉を肯定する言葉が聞けて。確信に迫る言葉はお預けにはなってしまったが“教師として一番近くに居て護りたい”それは自分には十分過ぎる言葉で。柔らかく微笑んではちゃんと彼の生徒でいると告げ。頬を撫でた手に彼の長い睫毛は震える。返答を待たずして深い口づけをした自分。驚いて肩を押されるもそれは拒絶ではなく。彼の声が荒げられるも驚きを示したものだと彼の表情が物語っている。そんな彼に屈託ない笑顔を向け「…勉強するって…俺…言いましたよ?貴方に釣り合う男になるように…貴方が頼れる男になるように…これからだって…俺は…どんどん成長します…恋人になる貴方を支えるために…」生徒ではいると言ったが自分は彼を支えるためこれからだって成長を続けていく。将来を共にするなら今のままの自分じゃ彼を支えきれない。きっと卒業後、彼と恋人関係になってからも自分は成長を止めるつもりもなくて。そのための勉強はこれからも続けていくと伝えて。冷静でいようと言葉紡ぐ彼だったがその声に照れ臭さが混じる。それも嬉しくて目を細めるも、頬に彼の手が触れ近距離で絡み合う視線…唇をなぞるように触れる指先…意識するなと言うのが無理な話で「……色々…調べて…でも…したのは先生が初めて…です…こういう経験…本来は他で積むらしいんですが…俺が好きなのは…キスしたいのは…先生だけだから…」咎めるように注意されるもその柔和な笑みにドキドキして比例するように頬は朱に染まりながらも彼をまっすぐに見つめて“先生だけ”と言葉にして)
俺と釣り合えて頼れる男がどうして今のキスをした理由に繋がるかはちょっと分からないが…まあいいか…。でも暫くはまだ俺に頼れる男でいさせてくれ。あまり早く成長しすぎても困る。( 勉強の仕方を間違えてはいないだろうかと些か心配になるがそういう所が思春期の子供らしくて良いかと思えば少し呆れた表情を浮かべるも気持ちは嬉しいので優しげに目を細め。でもまだ自分は歳上として頼られる立場にありたい。甘えるよりも甘えられて世話を焼きたい気持ちのほうが大きいため、可愛いままでも居て欲しいと遠回しに焦りすぎなくて良いと伝えて頭を撫でて。「他で?…之からも俺だけなのを願うよ。卒業後は他にも斎藤の初めてを沢山貰うつもりだから宜しくな。…さてと、そろそろ昼時だな。久しぶりに食堂でも行くか?」本来とは一体なんだろうと疑問符を浮かべつつ、大胆な行動に反して初な反応を見せる相手を可愛らしく思い瞳を真っ直ぐに見詰め返すと口元から手を話してくしゃりと髪を撫でて。そして一瞬ぐっと頭を優しく押したのを皮切りに恋人前提の表情から教師に顔に。手を離すと腕時計を見て初めて会ったときと同じように…否、瞳の奥に相手にしか分からない色を秘めて食事に誘って )
…先生…ありがとうございます…。無理しないように先生に…会いに来ますね…。
…キスが下手で未熟な男は…長続きしないと…書いてありました…。…?…早くはダメ…ですか…ん…難しい…でも…先生は…いつだって…俺の頼れる男…です…。だから俺も…支えたいなって…あ…甘えて欲しいって…事…ですか…?
( 彼の率直な意見にネットで調べたり雑誌を読んだり色々した結果書かれていたのだと真っ直ぐな瞳で告げて。早く成長しては困ると優しい眼差しで頭を撫でながら言ってくれる彼に自分は早く成長していつも自分を支えてくれる彼を支えたい…自分が頼りたいと思うのはいつだって彼で…頼ってばかりじゃなくて支え合いたいのだと紡ぐ。子供のままでいたら彼を支えられない…早く大人にならないと…そんな自分すら見透かす彼の言葉の真意を遅れて汲み取ると緩く微笑みこくんと頷いて。自分の言葉に疑問符を飛ばす彼の姿に「…調べたら…書いてました…俺はしないです…したくないです…先生以外と……!……お待ちして…います…。……はいっ先生とご飯食べたいです…」これもネットや雑誌の受け売りなのだと明かしつつ、しかしながら自分はそんなことをするつもりはないと口にして。続けられた卒業後について意味深な言葉に更に頬を染め上げ、ぼそぼそ小さく答えて。くしゃりと撫でられた頭をぐっと優しく押され何かが変わるのを敏感に感じ取り…教師の顔をした彼は昼食に自分を誘ってくれる。少し寂しさはあったがそれでも彼の近くにいられること…そして彼の瞳の奥に見える変化が嬉しくて目を細め笑えば頷いて“先生と”食事したいと告げて )
あまりネットやら雑誌に書いてあることばかり信用しないほうがいい。…学ぶなら本人から少しずつ学べ。恋愛なんてのは全て教科書どおりにはいかないからな。…行くぞ。( 一体なんの雑誌やらネットを見たのか。真面目なのか天然なのか少し心配になりながら頬を染める相手を見てやはりまだ初だなと可愛らしく思いつつ、相手の言葉に鼓動が高鳴る自分もいて。こんな感情は久しぶりで抑えなければいけないのに溢れてしまいそうで。相手を大事にしようと心に決めて、食事の誘いに乗ってくれる相手に小さく笑いかけ化学室を共に後にして )
今日は休みだったんだが…( 相手と約束を交わしてから数週間が経ったがお互いの関係はあれから変わらず教師と生徒。会うのは学校のみで偶に食堂で昼を共にするくらい。ただ確実に自分の中の気持ちは大きく成長していて、授業中贔屓こそしないがつい相手を目で追ってしまうことも屡々。卒業まで…と期限を付けたのは自分だが中々の足枷になっている。だがまあ会えない訳ではないので不満もなく、そんな日々を過ごし今日は土曜日の休日。学校の雑務もなく今日は家でゆっくりと過ごそうかと思っていたが朝から思わぬ来訪者が。『お邪魔しまーす!』と我が物顔で大きなキャリーケースを引いて部屋に入ってきたのは二歳下の妹。理由は言わなかったが暫く泊めて欲しいとのことで。全く勝手な…と思ったが可愛い妹には変わりないため承諾。荷物の整理をした後に、街に買い物に行きたいとはしゃがれて、休みだったのに…とぼやきながらも断り切れずに頷くと妹と街へ出て。妹は人との距離感が少々ずれていて街中でも気にせずに腕を掴んできて、昔からなので諦めておりそのままにさせて街の中を歩いて )
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