ビギナーさん 2019-05-25 19:18:04 |
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そう。で、その時、俺びっくりして泣いちゃったんだよね
(覚えてる、と言葉を貰えた事に表情の苦みは落ちて、此方からも頷き相槌を打って。相手に抱えられた瞬間には何が起きたか解らず、只いつも優しい相手が怒っているという事に驚き怯えて、謝る間も無くべそをかいた記憶に自分でも笑い。それから何処も彼処も懐古が溢れる家を巡って階段を上り、辿り着いた其処に小さな声が洩れ)
うん。…でも、懐かしいな。こっちにベッドがあって、そっちは本棚で、あと、そこにオモチャ箱置いてて……それで窓からは、俺の家がよく見えた
(洩れた音が取りたかった形を相手が先に呟いて、それに同意を返し一歩部屋の中に踏み入れれば、先ず床の一方を指して。次いでもう一方、更に他の場も同じ指で示し、今は何も無い其処に、弾む声で次々己の目の奥に映る面影を重ねて。それが尽きた後、陽光の射す窓を最後に指差しを止めて腕を下ろし、忙しなく動かしていた口も一度閉じて、ゆっくりと息を吸い込み)
……この部屋の窓際が、一番お気に入りだったな。俺の好きなもの全部が見える、俺にとっての特等席だったから
(好ましい匂いで満たされた空間。窓の外には大好きな両親が居る我が家。振り返れば、大好きな相手と友達。何処を切り取っても幸せになれる其処が堪らなく好きだったと、そう伝える声は柔らかで、穏やかで。もう一歩だけ足を踏み出して、だがそれ以上進む事に少しの躊躇いが生まれて動きは止まり)
……一緒に来て
(二度の瞬きの後、そっと相手の方へと上げた目は僅かに滲んで揺れて、また結んだ唇も微かに震え。…今、あの窓に近付く勇気が欲しい。そして、幼い自分が大事に大事に見詰めた形の無い宝物を、誰より大切な人に教えたい。綯い交ぜになるその二つの感情を、差し出した掌と静かに誘う言葉に籠めながら、真っ直ぐな視線で相手を捉えて)
(/それで多分「ごめんねー」ってでれでれの顔でビティスが謝りながらお世話してるんでしょうねぇ…まあ、そこは変えようが無いですからね、当人達はそれで幸せなので良いかと(笑)凄い勢いで独占欲と執着心に絡め取られていきそうですね。リアム君もそのお相手も、頑張ってもらいたい所ですねぇ…ふふ、でしょうね。それで最終的に、くたっと蕩けたビティスに「可愛い」って言いながら、繋がったまま向かい合わせに抱っこするような体位で、更に愛してそうだな、と(笑)名前呼ばれたら心底愛おしそうに「良い子」って頭撫でてキスして、また激しい快楽に溺れさせていく事かと……まあ、二人が言って聞いてくれるかはレイフさんの気分次第な所が大きいですけれどね(笑))
(相手と笑い話になっていた昔の追憶は心地よいものであり、相手を怒った記憶も、相手や弟とお菓子を分けあった記憶も、オモチャを弟と取り合う相手をなだめた記憶も、その全てが懐古に繋がり。そして部屋の中に踏み入った相手の指を指す仕草で紡がれる家具等の配置はどれも場所の違いはなく弾んでるその声に無意識に幼い頃の楽しげに遊ぶ相手の姿を重ね合わせ。そして相手の紡ぐこの部屋の一番のお気に入りだったと評する窓際、部屋の中で唯一の窓であるそこは当時の相手の家がバッチリ見える場所であり、その近くにおいてあった椅子にちょくちょく相手が座っていたのを懐かしんで)
…あぁ、勿論。愛する婚約者の頼みとあらば(また一歩踏み出したその足は何故か二の足を踏み、此方を見上げるその様子は無意識な不安を感じているのか結ばれる唇も震えており、差し出された手と一緒に来て欲しいとねだるその言葉に優しく微笑みを溢してはゆっくりと相手の隣へ歩み寄りながら差し出された手を手に取り指を絡め、愛する相手の頼みであれば聞くのも当然だと返して)
(/ですねぇ、蜂蜜たっぷりな紅茶とか用意してノアに飲ませてるビティス君が思い浮かびます。口移しの可能性もありますが……ふふ、それもそうですねぇ(笑)絡め取られた結果、良くも悪くも浮気癖矯正から同棲と結婚までが超スピードな気がしますけどねぇ……ですね、自分に凭れかからせながら抱っこしつつ優しく愛を注ぐように攻め立ててるでしょうね、間違いなく。まぁ翌日にビティス君に文句言われても「いつもビティスから貰ってるの返そうと思ったらまだ足りないんだけどな」なんて言ってそうです(笑)そこら辺はもう無限ループでしょうねぇ……そうなんですよね、背後的には稀に出てくるであろうとんでもないプレゼントがとても楽しみなわけですが(笑))
(当たり前だと笑んでくれる顔と言葉に、少しばかり強張っていた表情が解けて、代わりに何処か擽ったそうにはにかみ。絡められる指を此方からも確と繋いで、自身の特等席であった椅子が置かれていた場所まで、慎重な足取りで導いて。たった数歩分窓に近付き、其処から外に目を向け、陽光の眩しさに瞬いた後に見えた風景は、昔と何一つ変わりなくて)
……お泊まりの時、ね。此処から顔出すと、お父さんとお母さんが窓から手を振ってくれたんだ。その時、夕陽や灯りが、きらきら光って家に反射してて綺麗でさ……それで、呼ばれて部屋を振り返ったら、ノア兄ちゃんとレオ君が居て……目に映るの全部が好きなもので、何だか宝石みたいで、独り占めしたくなって、ね…
(街には新しいものが出来て変わった部分もあったのに、窓から見える景色は、記憶と全て同じままに己を出迎えてくれて。ゆっくり、ゆっくりと視線を回し、景色の最後に目に映したのは自身の生家がある場所で、その瞬間心臓が一度大きく跳ねて。思わず息が数秒止まって、しかし繋いだ手を思い出して、また穏やかな呼吸を再開し。それから自宅であった方を指差しながら、内緒話の如き密やかさで自分が見ていた風景を、教えたいと願った宝物の輪郭を紡ぎ始め。だが、その声は言葉が重なるごとに徐々に弱まって、いつの間にか途切れてしまい)
…………帰りたいなあ
(目の前に己の実家があって、傍には大好きな人が居て。多少の違いはあっても、今自身を包んでいく感情は紛れも無く子供の頃のそれで、懐かしさに溶けていく瞳があの頃の家を風景に重ねて。ぽつ、と吐息にさえ掻き消されそうな音で、自分さえ気付かぬ内に零れ落ちたそれは、叶わないと既に知っていて、求める暖かな灯りも、もう其処には無いと解っていて。それでも、子供が親に甘えるような柔らかな我が儘さでもう一歩、今度は相手を置いてけぼりにふらりと窓へ近付き、差していた指先を窓硝子越しに家へと伸ばして)
(/むしろ蜂蜜を直接口移しとかしそうですね…ええ、ですね(笑)浮気性さえ解決しちゃえばどうとでもなるでしょうからね…抱っこのまま足腰が立たなくなる程優しく愛されて、もうノアさんにしがみついて名前呼ぶ事しか出来なくなっちゃいそうです。ふふ、そしたら文句も言えなくて「…次は覚悟しててよ」って照れた拗ね顔で宣言してそうです(笑)でしょうねぇ…多分稀に新車とかプレゼントして、ノアさんとビティスをびっくりさせて揶揄してそうです(笑))
…ビティスは、あの家に帰ってみたいか…?(相手と共に歩み寄った窓際は昔と変わらぬ住宅街の景色、そして相手の生家である実家がリビングと庭を隔てる大きなガラス窓、窓際に立てば大人でも全身しっかり確認できる窓を庭を含めて綺麗に確認できるポジションで。相手の実家も自分の家族で相談して定期的に手入れをしていたからこそまだ空き家になってからそこまで経過してない様にも思えるその家の様子を見ながら相手の内緒話のような話を聞いてれば次第に弱まる語調に何気なく相手の方を見やれば、ポツリと溢れ落ちた願いが聴こえ。昔通りに相手が実家に帰れば相手のご両親がいる、なんて事はどう足掻いても無理ではあるのだが、相手の家の手入れをしてきたのは自分の両親がメインであること、自分や弟も時間の余裕があれば手入れをしていたこと、そしてその理由はもし相手がまた住みたいと願えばそれを叶えさせる為であることで。だからこそ、ポケットに空いている手を突っ込み、相手の実家の鍵もあるのを確認すればそれをギュッと掴み窓際に佇む相手の傍に歩み寄り、優しく相手の肩を抱き寄せれば実家に帰ってみたいかを問い掛け、何故その問いをしたのか、その理由を伝えた上であくまでも相手の希望に準ずると伝えた上で改めて問い)
…あの家、ビティスが帰ってきてもちゃんと住めるようにって俺たち家族で手入れをし続けたんだ。勿論、帰るか帰らないかはビティスの意志が最優先だが…ビティスは、どうしたい…?
(/あぁ、それすらも有り得ますね。口移しの時にすらDキスとかしちゃったりもしてそうです(笑)そうなんですよねぇ、まぁ本当に浮気癖矯正完了から結婚までが超スピード婚だった場合リアムのお相手の狙撃手の子がからかわれることは必至でしょうけどもね。リアムは良くも悪くも一途であることはノア部隊の中では常識(ビティス隊の皆にもほぼバレてる筈)ですから……ビティス君の宣言に顔赤くしながら「まだ返しきれてないし、次も俺が抱きたい」と連続で抱きたいとおねだりするでしょうね。基本的にベッドの上ではビティス君が主導権持ちますから叶わずアッサリ抱き潰される未来しか無いのですがね(笑)あぁ、有り得ますね。しかもそこそこお値段はる車種だったり、普段使いしやすい車だったり、唐突な高級車だったり、車のプレゼントがカーライル一家やビティス君&ノアカップル宛に贈られるんでしょうね(笑))
……そう、だね。帰りたい、って思ってる。もう彼処に俺を待ってくれてる人は居ないって、今帰る場所じゃないって、解ってるのに。なのに……自分にそれを言い聞かせても、全然気持ちが割り切れない
(窓越しに家へ触れようとして、しかし結局硝子に爪が届く直前で動きは止まり、指を畳み丸めたその手を自らの方に下げ戻して。見つめているのは空き家の筈で、けれども瞳の奥には幼い頃の家が、それを彩る庭の花や灯りが、ゆらゆらと陽炎の如く揺れて。離せなくなった意識を引き戻したのは、己の肩に伝わった温もりで、漸く景色から外した目を相手の方へと向けて、だが直ぐ様それを伏せて足元に落とし。問いに、その理由に、ぐらついて今にも崩れそうな自身の感情を、細い声で余す事無く伝えて)
…だから、踏ん切りを付けにいきたい。帰るんじゃなくて、あの家に、ありがとうとさよならを、言いに行きたいんだ。それで気持ちを全部飲み込めるかは、自分でも解らないけど…
(それから一呼吸の後に続けて紡いだのは、その感情とは裏腹な行動。何度も我が儘を叫ぶ、幼くて、自分らしくない自分を甘やかし逃げるのでも、それを突き放し押さえつけるのでもなく、見据えて受け入れる為の言葉をはっきりと繋ぎ。次いでもう一度相手を見上げた顔は、強い決意に満ちながら、拭いきれない不安に瞳が揺らいで)
…それでも。今の俺が帰らなきゃいけない所に帰る為に、必要な事だと思うから
(その全ては、今守りたい人と居場所の為に。ぐっと震える足を踏ん張って、拳を解いた指先で相手の服を握って、決意の鈍りそうな自信の無さを補い。あの場所に置き去りにした弱い自分自身と向き合うその勇気を、もう少しだけ恋人に貰わんと自ら相手へ寄り添い、重みを幾らか預けながら、己なりに相手を頼って一つ問い)
……手伝って、くれる?
(/ふふ、そしたらお互いの唾液と蜂蜜が混ざって、とんでもなく甘いキスになった所為でお互い止まれなくなっちゃいそうですね(笑)からかわれ過ぎて、その内「うるさい」って顔赤くしながら皆の口塞いで回っちゃいそうですね、狙撃手。リアム君は満更でも無さそうな気もしますが……初めての頃とは違って、今は一晩に何度も愛しても問題無いって解っちゃってますからね。甘ったるい程の愛でビティスがとろとろに抱き潰していくかと(笑)それで「普通のって言ったのに」って若干揉めるビティス達までが見えるようですねぇ。レイフさんはにこにこ笑ってスルーでしょうけど(笑))
…そうか(自分の問いに細い声で返される思い、感情を聞き入れ、それに応えようと口を開かんとするも続けて紡がれたあの家へ感謝と別れを伝えたいという行動を願う言葉に端的にながらもその相手の希望を受け入れて。相手の強い決意ながらも僅かに不安拭えぬ揺らぐ瞳で見上げられ、その相反する視線に無意識に相手の肩を抱く力は護りたいという気持ちから僅かに強まり)
当然手伝うさ。今日一回で足りなくても、何度でも…ビティスが満足するまであの家に一緒に行くよ(自分の服を掴み、此方に身体を預けてくれながら頼ってくれる相手の問いに断る理由なんてある筈もなくしっかりと力強く頷き、相手の願う手伝いをする事への快諾、そして万が一1回で足りない時には何度でも相手の生家へと共に足を運び、その手伝いをすると断言し)
(/ですね、そういう些細な事ですぐイチャイチャして時に暗転まで入るのがこの二人ですし(笑)ですねぇ、周囲からの揶揄いの対応が口塞ぎ回るのが狙撃手君、満更でもなく惚気るのがリアム、睨み付け黙らせようとするのがテッドさん、恥ずかしがりながらテッドさんの傍に歩み寄るのがドルフ、大っぴらにイチャつくのがビティス君&ノア、でしょうね……ですよねぇ、毎晩のように抱かれる内に1ラウンド終わった頃にノアが追加のおねだりするようになっていて、初めは断ってたけれど少ししたら終わった直後におねだりを必ずされるようになってしまってビティス君も抗えずにしてしまって以降一夜に何度も抱くようになったんでしょうね(笑)ですね、それは間違いないでしょう。それで車プレゼントが終わったかと思えば今度は旅行のプレゼントだったりも有り得そうです(笑))
……うん、ありがと。俺、頑張るから
(相手がこれを拒むとは微塵も思ってなくて、それでも貰えた確かな返事が脚の震えを止め、ぐらついていた地を確と踏み締める事が出来て。不安はまだ己に根付いて、しかし恋人の温もりが、肩を抱く大きな手が、それと向き合う強さを分け。仄かに色付く頬が弛むのを感じながら、此方も頷きと礼を返し、改めて自身に発破を掛け。だが、まだ其処から離れる事はせず、むしろ、握った服を支えにぐっと爪先を立てて背伸びをし、相手の方へと顔を近付け)
……へへ。それじゃ、行こっか
(それから行ったのは、音も立たない程に慎ましい、触れるだけの頬への口付け。どこまでも共に在ってくれる相手への愛しさを、言葉より先に溢れたその行動で示した後、直ぐにまた床に足を付け。次いで照れたように、嬉しそうに、思わず笑みを零してしまいつつ、漸く服を掴んでいた指を離し、己の実家へ向かうべく相手から重みをゆっくりと退けて)
(/ですね…これはノアさん、次の日もベッドから起き上がれそうに無いですね(笑)ふふ、対応にも各々個性がでますねぇ。テッドは更に、傍に寄ってきたドルフ君を照れ隠しに小突いてそうです……最初の頃は「身体辛くなるから」ってキスで眠るまであやしてたけど、その内繋がりを抜く前にがっちり手足で身体ホールドされて、「まだ欲しい」っておねだりされるようになって…とか、有り得そうですものね…ビティスも抗えなくなるでしょうとも(笑)ありそうですね…旅行先のお店貸し切ったり、良い所のホテルのスイートルームを宿泊先にしてくれそうですね、その場合…(笑))
っ…ふふ、あぁ(感謝と頑張るの言葉にキチンと昔と向き直ろうとする相手の様子に微笑みを浮かべていれば音もたたない程の柔らかで優しい感覚に思わず目を丸くしてれば照れたような嬉しそうな、そんな相手の表情に思わず自分も顔を赤らめつつ微笑めば相手の促しに頷き返しては相手の身体が離れようとしてるのを感じとり自然と相手の肩を抱く手を離し、そのまま再び相手の手を取り指を絡めては相手の生家へと向かうため共に歩きだし)
…ビティス(相手と共に自分の元実家を後にすれば相手のペースに合わせて相手の生家へと歩みを進め。その道中でもやはり思い出すのは幼い相手と過ごした日々、幼稚園の送り迎えを相手の両親の代わりにした時にお互いの両親に内緒と一口で食べれるチョコを幼い相手と弟の3人で買い食いしたり(結局バレて自分が怒られた)、その他にも色んな思い出を懐かしみながら玄関前に到着すれば、ポケットから相手の家の鍵を取り出してそれを自分の手の平に乗せた状態で相手に手の平を差し出して名を呼び。勿論強要はせず相手からお願いされれば開けるつもりではあるが、ここは相手の生家だからこそ相手が開けるべきかもしれない、そんな思いがあるからこそ出来そうなら相手に開けて欲しくて)
(/えぇ、なんならハニーキスした日は丸一日快楽漬けになってるノアが思い浮かびます(笑)あぁ、分かります分かります。なんならビティス君とノアはお互い揶揄いを遮るように惚気始めるんじゃないかなとまで考えてます……ですです、それでビティス君に「ノアがどうなっても知らないよ?」とか言われて「ビティスの愛情、もっと欲しいから」とか蕩けて呂律も快楽で回らぬままに言われてリミッター外れるんでしょうねぇ。なんなら結婚前にそうなってそうです(笑)それで帰ってきた時(ノア一家から旅行の感想聞いた後)にノアとビティスから怒られるんでしょうねぇ(笑))
(相手と手を繋ぎ共に歩む道は、当時の歩幅と違っても足に馴染みきったもので、幼い頃の思い出に浸りながらでも生家まで迷う事無く辿り着き。立ち止まったドアの前、ふと名を呼ばれてそちらへと目を向ければ、この家の物だろう鍵が眼前に差し出されて。言葉にはせずとも、その行動の意図は容易く読めて、此方もはっきりとは声に出さずに、だが確と頷いてそれを受け取り)
た、っ……久しぶり、だね。…部屋、見て回ろっか
(一瞬の逡巡の後、ドアに鍵を差し込み回して、錠が外れる硬い音を確かに聞いてから、ゆっくりとノブを持って扉を引き。開いた先、在るのは当然覚えのある間取りで、無意識と開いた口から転び出そうになった帰宅の挨拶を、寸での所で飲み込み、それからまた、今度は意識を喉や口にきちんと向けて言葉を紡ぎ。屋内に入ってすぐ、その左側にあるリビングに続くドアを一度視界に見止め、だが最後に両親と過ごした団欒の場であったそちらにはまだ足を向けず、反対の方向へと絡めた手を緩やかに引っ張り。まずは母の好きな蝶々模様の物で彩られていたダイニングとキッチン、次に読書家であった父の書斎、心細い夜に訪ねた両親の寝室…温度の無い空っぽの家からは、もう本のインクの匂いも、母の作る料理の匂いもせず、帰りたいと騒いだ心に、此処は過去のものなのだと教えるには充分過ぎる程で)
……うん。うん、大丈夫。俺、ちゃんと、戻れる。…帰れる
(階段を登って二階、かつての自室まで至り、残すは一階のリビングのみとなった所で漸く足を止め、一つ息を吐き出して。それから相手の元自宅から此処を見た時よりも随分と落ち着いた感情に、一人納得したような、それでいて自らに言い聞かせるような呟きを零し。だが同時に、覚えてしまう寂しさに身体が冷えていく気がして、視線を斜め下に伏せながら握り合う手の力を少し強めては、温もりを欲して相手に身を寄せ)
(/「もっと」って開けた口に、甘い蜂蜜を沢山口移ししながらベッドに閉じ込めちゃう事でしょうねぇ(笑)揶揄遮って惚気るし、そのまま二人の世界に入っていちゃつくまでがワンセットですね、二人の場合は…それでそれがその内、「待って」とか「もう無理」ってノアさんが言っても、ビティスが満足するまで止めてもらえなくなるようになるのでしょうね(笑)それで散々怒られても、「何なら君達も行ってくるといい」って、しれっと旅行第二弾の提案してきそうです(笑))
(相手の手により開かれたドアを潜る時、ただいまと言い掛けるも久しぶりと言い換えるその姿に思わずただいまと言って良いんだ、そう言葉にしそうになり喉元まで出かかったそれを飲み込んで。相手の意思を、この家を過去にしたいと願う相手の思いを自分が邪魔をする訳には行かないからこそ、何か相手の言葉を遮ったりする事無く相手に連れられ家屋内を共に歩きながら昔の記憶を思い返し。相手と弟が産まれて少しした頃は、まだ自分も小学生ながら弟が二人出来たようで嬉しくて学校帰りに相手の家に行き相手の母親の代わりに子守りをし夕食食べに帰って食べた後は実弟のお世話をしたりとよくこの家に上がったりしてた記憶、相手と弟が幼稚園の時には相手の家まで相手を送ってそのお礼とおやつなり夕食なりをご馳走になったり、自分にとっても懐かしさの感じれる相手の生家を巡り)
そうか…家庭、俺と作ろうな。俺は、ビティスの血を継ぐ子を産めないけど…幸せな家庭を俺と作ろう(そしてまだ相手が入ってないリビングの手前で立ち止まったかと思えば言い聞かせるような言葉で呟き、此方へ身を寄せるその仕草に相手の事を護りたい、そんな思いがこみ上がってきては相手の身体を優しく正面に抱き寄せ、相手の思いを受け止めれば一瞬の閉口の後に再び口を開き相手へ自分は子を身籠れないが家庭を作りたい、そんな願いを無意識の内に呟いて)
(/ですねぇ。仮にどうしてもハニーキスの日にビティス君が仕事行かなきゃ行けないときはノアが自らの意思でベッドに拘束される事すら望みそうなんですよねぇ、帰ってきたビティス君からすぐ愛を注がれたいが為に(笑)そしてそれを見せられビティス君やノアを揶揄うメンバーが減り、その代償で他への揶揄いが増えるんですよね……ですです。それで仮に翌朝に愚痴っても論破されて自分で望んだことをグチグチ言うことを悪いことと言い聞かせながらお仕置き(暗転)が始まるのですね?(笑)そしてビティス君とノアが「違う、そうじゃない」って内容でレイフさんに突っ込みつつも旅行が嫌ではないからこそ最終的に受け入れてしまうんでしょうねぇ(笑))
(懐かしい、心地好い。でも、何より寂しい。身体の内側から広がっていく寒さに、ふっと短い息を洩らした直後、不意に寄せていた筈の互いの身が向かい合って。相手が動いた事を理解した一瞬後には、全身が柔らかな温度に包まれていて、あまりに優しく沁みていくそれに思わず甘えて肩口に額を擦り寄せ)
…………うん
(恋人の体温が、声が、匂いが。その全てがゆっくりと己を温め、色付けていくようで、少しばかり掠れた音で願いに答えながら、此方からも手を相手の背に回し。…此処が良い。帰るのなら、共に歩むのなら、ノア兄の隣が。俺は、他でもない、ノア兄が、家族が…急速に巡っていく愛しさを含めた激しい感情に、相手に抱き付いた腕の力は強まって、同時に上げた顔は寒さの欠片も無く、只ひたすらに甘く綻んだ目で相手を見詰め。情の衝動に押されるまま片手を恋人の頬にするりと滑らせ、その親指で唇の端に緩く触れつつ、同時に、今あるこの激情を分け合い鎮める方法として、一つの愛の表現を相手にねだって)
ノア兄ちゃん。キス、したい。此処で、今すぐ
(/ふふ、ビティスがお仕事行って帰ったら、もうお風呂もご飯も全部ほっぽって、ノアさんの居るベッドに真っ直ぐ向かって、部屋着に着替える間も無く愛を注ぎに掛かりそうですね(笑)その内テッド辺りから「そもそも揶揄うんじゃねぇ」って怒られてそうですね、皆さん…「ノア兄ちゃんが欲しいって言ったんだろ」とか「ここも、こっちも触られたいってねだっただろ」とかってソフトタッチで焦らしつつ暗転…でしょうね(笑)もうレイフさん総勝ち感ありますね、これ…あとはプレゼントに最適なお店の紹介(費用全額持ち)とかもやりそうです(笑))
…全く、欲しがりさんだな?(勿論、自分が相手を抱くことは諦めていないのだがそれでも相手に抱かれる日々により無意識の内に自分が抱かれる立場であると教え込まれた結果が意識せず呟いた言葉であり。だからこそ、それを言わんと口を開こうとするも抱きつく力が強まると同時に見上げてくるその甘みを帯びた綻ぶ目に、言い掛けた抱きたい気持ちはまだあるという言葉は何処かへ霧散してしまい。そうしてる内に相手からの愛の表現のおねだりを言動でされてしまえば、言葉こそ呆れてるような内容だがその声や表情は自らも望んでると言わんばかりに熱を帯びており、相手のねだりに吸い寄せられるように相手の口と自分の口を重ね合わせ)
(/なんならビティス君は早く帰るために今までに無いスピードで仕事こなしてそうですよね(笑)まぁ、ビティス君とノアはある意味揶揄えるのは数度(一人1回限り)位でしょうけどもね……ふふ、焦らされたノアはもう降参と言わんばかりにおねだりするでしょうねぇ(笑)ビティス君とノアカップルもですけど、欲しそうなものを見付けるの凄く得意そうですよねぇ、レイフさん……あぁ、しそうですしそうです!特にレオとかは学生でお金も無いですからプレゼントの相談に会いにいってそうです(笑))
ノア兄ちゃんだって…っ、ん
(返された言葉は文句にも聞こえるのに、その声や視線は熱が灯っており、相反するそれが何やら可笑しく思えて。微かに噴き出し反論しかけて開いた口は、望んだものによってあっという間に塞がれ、言いかけのままに止まり。それからは自身を突き動かす感情の言いなりに、自らその唇に吸い付いては、少しの隙間も埋めんと相手側に身体を傾け。同時に頬にあった手を相手の首から肩へと巻き付け、確と恋人の身体を捕まえて密着し、服越しに伝わる熱さえ混ぜて。その体勢で二、三度唇を角度を変えて啄んだ後、やはりというべきか、更に口付けを深めて互いの唾液を絡ませ。その後暫し、言葉にしきれない溢れた愛と情を唇で、舌で、自分の身を寄せ、恋人を引き寄せる仕草で長く長く示し。それは激しさも艶かしさも意図してはおらず、只々愛おしさの表現で)
……っ、は…ノア兄、そろそろ…っ
(どの程度の時間が経ったか、身体を巡った激情は随分と治まり、その代わりに、恋人とのキスの気持ち良さがじわじわと思考を喰い始め。…あ、このままじゃ不味い。仄かな快楽と腹の熱を認識した所で、押し付けていた身体の重さを自分側に戻して力を弛め、ほんの僅か、鼻先の触れ合う距離で唇を解き、足りなくなった酸素を取り込み。次いで些か欲に溶けた音で相手にも制止を掛けつつ、まだ理性の利く内に止めんと、両腕とも恋人の身からそろりと離して)
(/ええ、普段の半分の時間で全部仕事終わらせて、最後に「ノア兄ちゃんが待ってるから」って職場に盛大に惚気て帰っていくでしょうねぇ(笑)一度揶揄ったらもうこりごりでしょうとも…それで焦らした分、目一杯優しく、でも凄まじい快楽の中に突き落としていくのでしょうね、ビティスは(笑)職業柄、よく人を見てますからね。それくらいお手の物でしょうとも…よく考えたらとんでもない状況ですけどね、知らないとはいえマフィアのボスに一般人がプレゼント相談なんて(笑))
っん、は、ぁ…そう、だな…(相手の吸ってくれる唇が、抱き締めてくれる心地よい体温が、深くなり絡み合う舌が、これらが相手からの愛情を余すことなく伝えてくる感覚はいつされても心地よいもので、自然とトロリと瞳が蕩け、頬にも熱を帯び。暫く続いてた口付けだったが、次第にもっとこの先をここで、なんて欲が思考の中に顔を覗かせてきだしてはそれに抗わんとしつつも侵食されそうになりかけた頃、相手から唇を離してくれた事で深く考えてしまう前に酸素を取り込んで思考の中で抗えるようになり。そうしてれば身体が離れ行きながらここまでと告げてくれる相手に何とか自分も踏ん切りを付けながら同意の言葉を告げて)
…それじゃあ、ビティスの両親に、挨拶しに行くか…(お互いがある程度落ち着くまで程よい距離感で立ったままでいて。ある程度落ち着いてくれば本来の目的でもある、相手の両親の眠る墓へ相手と無事に再会出来たことの報告や交際しており近い将来に伴侶として迎え入れる事を誓うため向かう、その事をどう話せば良いかそれに少し悩んでいたが、息も整い相手の顔をしっかり見詰めながら相手の両親への挨拶に向かおう、と提案しながら今度は自分から相手の方へ手を差し伸べて)
(/仕事に向かうビティス君に「仕事、頑張って、早く、帰って、きてくれ、なぁ…?」とおねだりする可能性もありますし、それも相まってるんでしょうかねぇ(笑)その分他は反応が良いから(リアムも惚気はするけど狙撃手君がストッパーになってそう)他カップルへの揶揄いが増大するんでしょうねぇ……結局それでまたガッツリ暗転して気が付いたらめちゃくちゃ時間経ってるんでしょうね(笑)よくよく考えてみればマフィアが一般人にプレゼントしてるってかなり構図としてはおかしいんですけどねぇ……えぇ。危ないクスリとか違法拳銃とか薦められても可笑しくない構図ですよね、そういう情報を一般人に流さないって信頼があるからこそビティス君やノアは料金的な事にしか口を出さないんでしょうけど(笑))
…うん、そうだね。…あ、でもちょっと待って
(言葉に応えた相手と離れ、昂りかけた熱が平常まで冷めた頃、ふと届いた声に逸らしていた視線をそちらへ戻し。ぱちりと合った目と差し伸べられた手に、否定を返す理由は無く、小さな頷きと共にその手を取って絡め。だが、それが引かれる前に一つ音を零しては、僅かな制止を掛けてリビングの方へと向き直り)
……今まで、ずっと待たせてごめんね。それと、沢山の想い出、ありがとう。……ばいばい
(空いている片手の先で、悪戯描きが薄く残る壁へそっと触れ、ほんの少し息を吸い込んだ後に言葉を紡ぎ出し。先ずは、元々は己が帰る筈の場所を、他でもない己が長々と放置した事への謝罪。それから、言葉では足りない程に積み上がった幼い想い出を、全て此処から持ち去っていく決意。そして最後に、小さな自分と両親が居たこの家から改めて巣立つ決意を、子供じみた台詞で締めて。その表情は静かで、けれども晴れやかで、震えも無く真っ直ぐとした声で告げた後、相手に再度向けた顔はいつもの向日葵が如き笑顔で。未練の欠片も残さず壁から手を離した次、今度は此方から外へと向かって相手の手を引いて)
よし。行こう、ノア兄ちゃん
(/そんな事言われたら、もう色んな意味で元気になりそうですものね。…いや、むしろ、家に帰ってからの方が元気(意味深)でしょうね(笑)一番反応が良いのはどちらなんでしょうね。ビティス達は論外(寧ろ惚気出す)としても…それで事後、くったりしたノアさんに「あ、もう飯の時間だ」って普段の調子で何食べるか訊いてそうですね、ビティスは(笑)レイフさんは、まあ、基本一般人相手には常識的なので…レオ君はもう「親戚のおじさん」感覚で話し掛けに行ってそうですねぇ(笑))
…あぁ(差し出した手に相手の手が絡むも一度の静止希望に無言で応え待ってあげれば、相手の幼げな、それでありながらも未練を残して無さげな様子で別れを告げるその姿に思わず頬を緩め。本来であれば相手の元生家であるこの家について相談をするつもりではあったが、未練が無いのであれば完全に相手に委ねよう、そう決意を胸に秘めながら促しに頷きつつ相手に手を引かれつつ相手と共に外へ出て。そしてこの地域の庭園墓地に向かい歩くその最中に相手に生家の今後についてを完全に委ねると伝えては様々な手段があることを提案しながら告げて)
…ビティス、あの家、あの土地はビティスの好きにしてくれて良いからな。別荘みたいにな感覚で残すでも、家を他の人に貸し出すでも…な
(/仕事に行くの躊躇うビティス君からすればやる気全開になるでしょうねぇ……家に帰ってからのヤル気全開(意味深)にも繋がるでしょうし(笑)そうですねぇ、狙撃手君とドルフが結構良い勝負な気がするんですよね、テッドさんは何だかんだ「そんなこと言う暇あったらやるべきことしろ」とか言ってそうですし……ぐったりしたままなノアはまともに言葉返せないでしょうし、結局食べやすいものをビティス君の手で介護のように食べさせられてそうです(笑)そこら辺はレイフさんでよかったって感じですよね……あぁ、間違いなくそうですね。なんなら「レイフおじさん」呼びしてそうです(笑))
…うん。ただ残しておくだけってのも、何だかもったいないしね。…何か、考えとく
(外の陽気に散歩でもする感覚で共に歩む途中、掛けられた声に景色から相手へ視線を移し、その話に顔ごと耳を傾け。宝物は全て自分の中へと持ち出したあの家について、相手の提案通りの想像を幾つか浮かべた後で、前向きに迷う判断をそのまま伝えて答えを保留し。それから暫し懐かしさと新しさが織られた町並みの中を進んでいたが、ふと視界の端に映った色に足が止まり)
…あ、花。…お墓参りなら、花も持ってった方が良いよね
(顔を向け確かめた色の正体は花屋の店先に並んだ生花達で、鮮やかなそれらに目を引かれるまま一歩近付けば、甘さや酸っぱさ、苦さ等が混ざった様々な匂いもはっきり知覚して。一瞬ながら認識した匂いの多さに、近寄る足は数秒止まり、だが一度捉えた彩り豊かなそれらにも無意識と記憶の底を擽られて。これから向かう両親への思慕が湧くまま、花屋に行きたい旨を相手に伝えては、ちらとその顔を上目に窺って)
(/ノアさんの言葉はビティスの最大のエネルギーになりますからね…勿論、夜のあれそれでも(笑)ああ、まあ仮にも皆を纏める側ですし、そもそもテッドは派手な反応をするタイプではなさそうですものね。ふふ、みんなきっと恋愛初心者なのに、反応が全然違うのも面白いですねぇ……そうさせてるのは自分なのに、「身体起こせる?」とか「これ食べれそう?」とかって色々声を掛けてそうですね、ビティス(笑)ですねぇ…それレイフさん直属の部下がうっかり聞こうものなら、言葉失うくらい驚いちゃいそうですね。本人は笑ってるでしょうけど(笑))
あぁ、そうだな。俺もビティスの両親に色々報告のために行く時にも花を手向けてたしな(相手と共に歩いていれば不意に止まった相手の足に気付いて自分も立ち止まり、そちらへ視線を向ければ相手の視線の先に見える花屋に気付き。花屋に行きたいと願いを溢し此方を見上げてくる相手が愛おしさをより全面に出してきており思わず頬を緩めながら同意の言葉を軽い頷きと共に返しては自身の高校卒業や就職報告、弟の成長報告等色々な話をするためだったり定期的な掃除で相手の両親の墓を訪れる際にも花は用意していたことを思い出しながらそれを話してゆっくりでも良いから花屋に寄ってみようか、なんて無言ながらもゆっくり行き先を花屋へ向け行動で示しながら相手と手を繋いだまま相手が気になってたらしき花屋へと向かい)
(/逆もまた然りなんですよねぇ。ビティス君の言葉がノアの元気ややる気(どちらも夜を含める)に繋がりますから……まぁ、ノアがビティス君を抱きまくってヘロヘロにした場合の翌日は、重要なお仕事でビティス君に仕事に行くよう(命令と言う名の)おねだりされない限りは休んでビティス君とイチャイチャしてそうではあるんですが(笑)えぇ、そうなんですよね。本当に細かく見ると違うから楽しいんですよねぇ……まぁ、介護されてるノアも満更ではないんでしょうけどね。たまに食べ物食べる時に口移しおねだりしたりしてそうではありますし(笑)ホントにレイフさんは気にしてない(レイフさん視点は義息の伴侶の弟の関係性の為)んでしょうからそこは良いんですけど、直属の部下の方々からしたらどんな教育してんだとノアにお叱りがありそうですよね……ノアが知ったらただ平謝りするしかないけど内容的にレオに怒って良いのか悩んでしまうんでしょうねぇ、きっと(笑))
(相手に同意を貰い、共に入った花屋の店員に挨拶を受けつつ、じっくりと取り取りの花達と向き合って。その眉間には珍しく皺が少し寄って、首を傾げると同時に小さく唸りも洩らし、悩むというよりも記憶をまさぐるような仕草を示し。そのまま花屋を一周した後、漸く顰めっ面を解いて、とある一種の花を指差して)
……あ、この花。これを、えっと、確か……十二本。そう、それと…この白くて小さい花も、一緒に
(伸ばした人差し指の先にあるのは、墓参りに相応しい白百合ではなく、それとは真逆の赤いチューリップ。やっと指先に捕まえた十年以上も前の追憶を頼る為にか、目にも鮮やかな色をしたその花を店員に注文する言葉は些か辿々しく、自らに確かめる調子も含んで。だが、ほんの少しの間を置いて、完成した物を手渡された瞬間、朧気な想い出の靄は一気に晴れて)
…うん。これだ。これが良い
(片腕に抱えた包装の中の、真っ赤なチューリップと、それに添う霞草を見詰め、一人納得した様子で頷き。…思い出したのは、年に一度、自分の家族だけで行われていた恒例行事。これを家に飾る日、父も母も蕩けそうな程幸せに笑っていた想い出。今日はきっとその日ではなく、けれどもこれ以上のものは思い付かず、想い出ごとその花束をそっと抱き締め。それから、親に褒められる子供にも似た、すっかり頬の弛んだ顔を相手に向けて、満足げに一つ報告をして)
これならきっと、お母さんもお父さんも笑ってくれると思う
(/その辺はお互い様でしょうね。…まあ、ビティスも抱かれた後は普段以上に甘えたになるでしょうからね。そもそも「どこも行かないで」「一緒に居て」って、力の入らない身体でノアさんに抱き付いておねだりしてそうです(笑)ふふ、ですねぇ……そこはもう嬉々として口移しするでしょうね。なんならたまにDキスのおまけ付きで(笑)ですねぇ…それでレオ君叱っちゃうと、諸々バレそうですしね。もうレイフさんが直接部下を嗜めるくらいしか部下達の鎮まる道はなさそうですが…その状況すら楽しんでそうな気もします(笑))
っ…あぁ。絶対おじさんおばさん、幸せそうに笑うだろうよ(いつだったか、改めて花束を贈って改めて告白しようと様々な花について調べた事を思い出しながら花屋の花を見ていれば、何か決まったような嬉しげな声に気付きそちらへ視線を向けて。そこには赤い12本のチューリップと添うように合わせて包装された霞草、それらの意味を知ってるからこそつい自分へのメッセージでもあるんじゃないか、なんて深く勘繰りすぎてしまって思わず頬を赤らめて。しかし、相手の弛んだ幸せそうな笑顔を見てると何だか勘繰って居たことが恥のようにも感じれ落ち着きを取り戻してくれば、反応こそ僅かに遅れてしまったものの頷き、昔に見た相手の両親の嬉しそうに笑う姿を思い出しながら相手の言葉に同意を告げて)
(/お互い様なので仕方無いですね。そんなおねだりされたらノアはもう「当たり前じゃないか」と断言してその場で堂々とビティス君とイチャイチャするから休むだなんて電話で宣言して切って、電話が来ないようにスマホの電源切りつつイチャイチャしだしそうです(笑)Dキスも当然のように受け入れながら食べさせてもらうのでしょうねぇ……ほんとこの二人口と口が触れ合ったらDキスの合図と思ってる節ありそうですよね(笑)ですです。楽しんでそうってのすごく分かります。それこそ直属の部下にワザと聞こえるように「ノアの弟」からおじさん呼びされた事呟いたりしてそうです……それで何度か怒られてモヤモヤして注意がやや散漫になり気味なノアをビティス君が気付いて話を聞こうとして、でも言いづらそうなノアの身体に聞こうとする流れ、有りそうです(笑))
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