真夜中のピエロさん 2019-02-19 14:27:51 |
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ぼ、僕だって同じようなものさ…。仕事で何人もの猫を見てきたけど…君は…特別さ。
顔を隠しながらも相手の手を拒むことなくむしろもっと撫でてと片手で相手の手を動かす。これが恋なのだろうか?なんて思いながらも同時にもうクロを失いたくないと強く思って。相手も嫌いじゃないって言ってたし両想い?と嬉しそうに相手に聞いて
「ふーん、プライベートで猫との付き合いはなかったのか。猫は良いのになー?」
(警察犬の仕事に浮上する将来の同業者かも知れない猫達にピクリと片耳が反応するが今はそちらと切り離された自分が相手の特別枠に入れられている事を知れば未来は置いとき現在の嬉しさに感情を任せてしまうもので、重ねてきた相手の手に気持ちの良い箇所を案内させては感触を楽しみながら望み通り沢山撫であげ、更に好いて貰えるようにと軽いアピール口調で首を傾げて。こうして好いて好かれる関係を文字通りに"両想い"と言えれば良いのだが、恋仲に使用される場合が殆どの単語に一瞬喉元で返事が引っ掛かり)
「うっ……違くはねぇと思うけど、両想いだと意味合いがなんつーか……。ハスタはオレが好きでオレも、好きなのが、互いにわかってるんだからそれで良いだろーが」
(違う気もするけど何故か否定もしたくないキラキラとした相手の期待も無下には出来ずに、頬を赤らめてクワリと持論を唱えては空いた手で相手の顔をガードしたままの手をツンツンと突つき、そうだろ?ハスタ?と同意を求めて)
猫は…自分勝手で引っ掻いてきてそのくせ集団だから面倒くさい。なんで一人一人があんな自分勝手なのに集団を作れるのか謎だ。僕は好かない。…クロだって口悪いし僕怖いよ。
今まで出会ってきたものがそうだったためあんまり猫に好印象は持てなかった。でかいだけの図体に小心者の心なためあまり警察には向かないが普段は気持ちのスイッチを入れてるため何とかやれていた。その猫達とは違うもののやはり怖いものをクロから感じて思ってることを伝える。でも。お互い好きだと分かれば手を顔から離して嬉しそうに笑っていて
「…………ハ? かっわ、んん…ん…っ」
(猫ながらに頷くしかない的確な猫談の後に続いた弱音には普段であれば弱っちいこと言ってんじゃねーよ、と、鼻で笑い飛ばしてるのだがハスタに対してはそれが出来ず、それどころか無意識で怖がらせている事実にガンッとショックを受けてしまう始末で。下がっていく耳と尻尾を自覚しては手が外れ顕になる相手の表情が嫌悪に満ちている可能性にグッと言葉を飲み込み瞼を伏せるも、穏やかに溢れた笑い声につられて視線をあげた先にはそんな表情は何処にもなく、嬉しそうな相手に目を丸くして、思わず真顔で「かわいい」を大人に投げか…けそうになったところで咳払いで中断成功して)
「んん、あー……利害の一致で動いてるだけでダシ抜くズル賢い奴はいるし一筋縄じゃいかねー奴も多いだろうな。お言葉の通り猫は1人1人が自由で自分勝手だからさ。まあ、全部が全部そうじゃなくて良い奴も沢山いるんだけど、それは別にしてだ。 ……ハスタがそういった連中と関わる機会が多いなら、その考えのままで良いと思う。甘い考えで足元引っ掻れても大変だしな? …………ただ、」
(また変な言葉を投げてしまわないよう相手の手の下からスルリと自分の手を引き抜けば太股から隣のソファーへと戻っていき、ニャンニャカと相手が抱いている猫に対しての考えを否定しないと柔らかく言葉を並べるが、組んだ足の上に肘を置き頬付をした状態で暫しの沈黙後、拗ねたように口を尖らたままジロリと続けて)
「オレは怖いことするつもりねーから、怖くても馴れろ。な? 」
う、うん。クロは…信じてるよ。
そう言いながらもブンブンと頭を振ってみる。時間を見るともう10時でお風呂にでも入ろうかと思ってバサッとその場で上を脱ぐ。普段1人なため恥ずかしさもなくてポリっと頭をかきながらもすたすたと脱衣所に向かう。結構自由人なためクロの猫の話も聞いていたが聞き返すことなくしたことだけ考えていて
「……はぁ、ビビッらせちまったかなあ。 アイツはあんなんで警察犬やってけるのかよ」
(のんびりと脱衣所へと消えた相手の筋肉格差社会を感じる背中を見送るなりソファーの背凭れに全体重をぐったりと預けては先程の「な?」に必死の威圧を込めてしまった事や、その前の内心のテンパり具合などを尻尾を揺らしながら思い返すと暗闇に逃げるようにして両手で両目を覆い隠すとポツリ呟き。腕は確かなのにガキの自分を怖いと溢した大人の悪いやつを倒す職業が心配になる反面で、怖がるくせにこんなガキを救った大人の誰かを助ける職業にしっくりもきたりして。どこかバランスの悪い彼が暗闇に浮かべばキュンと胸が鳴るようで慌てて塞いでいた両手を離し)
「明日、仕事だつってたっけ? オレも外に出てみるかな……」
(調子のネジがおなしくなる一方の事態に眉を寄せて深い息をついては新鮮な空気の入れ換えをぐるぐる思案して)
お風呂入ったら…眠いしすぐ寝よ…
そう言って下を脱ごうとした時に携帯がなる。電話に出るとベルのようで明日来いと念押しの電話だった。明日はかなり大掛かりな仕事なためベルもサボられたら困るのだ。「任せろよ相棒…全員捕まえてやる」と低い声で返事を返すと目をギラギラさせていた。普段は小心者だがスイッチの入り方が異常じゃない
(ポケットを確認して携帯がないと気付く本日の朝からひっそりと繰り返している癖ゆえの愚行に再びため息を落とすと明日の予定散歩コースに携帯探索も追加してみたりする。土地勘が全くないので携帯を捨てられた場所に辿り着けるのかも不明で、そもそもボコられ途中の曖昧な記憶のため場所すらも危ういのだが目標地のない散歩には丁度良いかと肩を竦めソファーからゆったりと移動してきたキッチンで拝借したコップに注いだ水で喉を潤して)
「……小腹に詰めてやれるモンとか作れると良いんだけどな。 こんな時間だし、すぐ寝ちまうかも知れねーけど」
(コップを片手にチラチラと冷蔵庫に視線を送るものの勝手に漁るのも躊躇いがあったので見詰めるだけに留めて、昼間のハムスターのように食事を頬張る彼の姿を思い返してはプフッと小さくこっそり吹き出して)
ふぅ~スッキリしたァ。クロも入りなよ。
数十分後ホカホカとしたハスタがリビングに戻ってきた。もう半分寝かけていたがとりあえずはソファーに座ってゆっくりと深呼吸する。正直このまま寝れそうだなと思いながらもウトウトしていて
(結局、キッチン内で数分そわそわした後はソファーに戻り尻尾で適当な形を作っては遊ぶ暇人の極みをしていたのだが、ホカホカと気持ち良さそうな相手が傍にくればピーンと耳を立てバトンタッチとばかりに場所を譲り脱衣に向かうべく立ち上がり)
「ちゃんと髪乾かしたか? ほら、こっちで寝るんじゃねぇぞ。 ベッドで寝ろ、ベッドで。」
(風呂から戻ってきたら此処で寝ていそうな相手への心配が一旦足を止めるとくしゃくしゃ優しく髪を撫でて雫を確認しながら、きちんとしたところで寝るように促して)
ん~分かったよ。
わしゃわしゃされるとそのままの状態で目をつぶり始める。頭にタオルが乗ったまま眠ろうとするがは冷たさに寝れなくてべしっと床にタオルを投げつけるとクロのおかげで軽く乾いたまま眠り始める。眠り込むとボフっと横に倒れてソファーの7割は占領して
「全っ然! 分かって、ねぇ……っ!」
(僅かに水滴が残る髪の先に小言を落とす前に彼の頭は身体ごとソファーに沈んでしまい支えきれずに終わった両手をフルフルと震わせて寝付きの良すぎるワンコに荒げた声でツッコンで。眠った彼をベッドに運ぶのは体格差的にも無理な話のため此処に捨て置くという方法を取らざる負えないのだが、とりあえずといった感じで投げ捨てられた濡れタオルと脱衣場に備えられたタオルをチェンジさせては相手の髪に残る水滴を拭いていき)
「ハスター、ふかふかのベッドで寝なくていいのかー? 気持ちいいぞー? オレはベッドで寝ちまうからなー?」
(髪を引っ張らないようわしわしと拭きながらジト目で最後の情けチャンスとばかりに間延びした口調で声をかけ続けてみて)
んん、クロが寝ればいいよ…僕はここでいいもの…
わしゃわしゃとされると気持ちよさそうにしながらそう言って完全に目を閉じる。自分のために言ってくれてるんだと分かっているが眠たさが勝ってしまって。明日になったらまた仕事だなぁと思いながらももう夢の世界に入っていて
「…………、わぁーったよ」
(ムニャムニャとベッドを譲り与えソファーで本格的な寝息をたて始めた家主に深く溜め息を落とし呆れた口調で了解すれば柔らかそうな頬をむにっと軽く摘まんだあとに指の先で撫でて、昼寝の時に持ってきていた相手の毛布を隙間のないように掛けてやると充分に水滴を吸収したタオルを手に脱衣場へ向かい手早く風呂を済ませる。ほかほかと良い気分で相手の寝顔をもう一度覗き込んで「おやすみ、ハスタ」と幾分幼い声で就寝の挨拶を囁いて、ベッドに1人、もう1人分のスペースを隣に空けた状態で睡魔に招かれながらゆっくり瞼を閉じていき)
…んん……。
朝になるといつも以上に早く起きて支度する。まだ髪は整えてなくてボサボサだが上着を仕事用のシャツに着替える。着替えるというか羽織ったに近い、ボタンは全部空いてるし今のところしっかりはしてない。ちょっとしてどんどんと家のドアをノックする音が聞こえるとすたすたと迎えに行く。相手はもちろんベルでわしゃわしゃとハスタの頭を直しズカズカと家に入る。「今日は10を超える組織を潰すからへばんじゃねぇーぞ」そう言いながらいつも通り料理を作ってくれていて
「………………」
(物騒な言葉で目が覚めたような気がする、のは気のせいだとしても第3者の声でパチリとスイッチのように瞼が開くとベッドからそろりと降りた足で慎重に寝室からリビングを覗き様子を確認する。視界で動く人物の内の1人は、どこか聞いた覚えがあると思えば昨日朝にも来ていたベルとかいうハスタの同僚で本当に料理を作りにきてるようだった、もう1人はハスタでありシャツのボタン放置ののんびり状態で相変わらずハスハスしている。微妙に露出のあるハスタにさっさとボタン閉じろよと念を送りながら尻尾をふわふわ興味に揺らして、暫く二人のやり取りを観察することに決めて)
今日10もやっちゃっていいの?ここのヤバそうなの全部無くなっちゃうよ?
苦笑いしながらもそう言うがぐっとベルが割り込むように「構わない。当分は平穏になる」そう言って作った料理を机に置く。今日はオムライスなようでひとつはハスタ用の大きなサイズ、それともう1つ小さいのが机に置かれる。「そこにいるお前も食えよ」と寝室にいる相手に伝える。感覚て察知したのだろう。
(恐らく仕事の話なのだろうと察しがついた時点で更に身を潜めるように覗いていた頭を引っ込めたと言うのにコトリコトリと何かが置かれる音のあとに、明らかに此方に向けての誘いが飛んでくるのには驚き思わず感嘆の声が漏れそうになり。バレているならと驚きでピンと反った耳を斜めに倒し寝起きでダルい雰囲気を作り出すとのっそりと姿を現して、机に置かれた2つオムライスと作った本人を無言で見据え)
「……いらねぇよ。腹空いてねーし、ハスタ、オレの分も食っていいぞ」
(フィッと、特にオムライスからは素早く目を逸らして欠伸を噛み殺す振りの中で昨日のような腹の虫を出すまいと腹筋にグッと力を入れれば、興味なさそうな表情でソファーにどかりと座り尻尾を共に伸びをして)
えぇ?いいの!?ありがとう
そう言うとクロのも自分のところに引き寄せてもぐもぐと食べ始める。ベルの方はと言うとクロを見て一言「今日でしゃばってくんなよ」となんでも見透かしてるかのようにそういうとすたすたと床に座る。まだ時間があるのか机に肘をついてハスタを見てて
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