【 この――愛の、行く先を。 】

あぁハニー！ 私、あなたが来てくれるのをずっとずっと待ってたわ！
ようやくあなたに会えるから、ってえらく張り切って迎えに行ってたけれど、またロンに変なことされてない？ 大丈夫？
いざとなったらあなたのために覚えた呪文でとびっきり呪ってやるから、遠慮なく教えて頂戴ね。


――さてと。あなたとにゃんにゃnｺﾞﾎﾝ、やり取りを始めるために。最初のうちだけ、相談をしておきましょうか。

まず私、というが私の背後は、『ハニー・ポッター』が条件であれば基本的にどんなことでも可能なのだけれど、あなたは何をしたいかしら。
私やロンと在学中や卒業後の日々を過ごすのでも良いし、シリウスと、その……甘々な新婚生活をするのでも良いし。原作を再現するのでも、原作の隙間を創作するのでも、オリジナルの冒険をするのでも、何ならちょっと背後事情を織り交ぜて半なりにするのでも構わないわ。

私たちは誰だってあなたに会いに行けるわよ。私やロンはもちろん、ネビルやジニー、マルフォイ、果てはクリーチャーやベラトリックスやヴォルデモート、スタン・シャンパイクやマンダンガス、貴女の親戚のダーズリーさんやダドリーまで、本当に誰だって。だって、貴女が「みんな、みんな」愛してくれたんですものね。
誰かひとりと濃密に絡みたいというのであれば、もちろんそれでも構わないのよ！ というか、それでも私は全然良いのよ？ 例えば深夜のグリフィンドール寮の、貴女のベッドの上とかで……？

冗談よ、冗談。違うったら！

そうね、後はロルの形式くらいかしら。私はロル付きでも豆以外なら大丈夫だけれど、原作と同じように台詞のみが良いかしら？
あぁ、ひとつ言っておくと、いつもの返事はこんなに長々しくないから、そこは安心して頂戴。原作の台詞と同じくらいの長さ、を心がけるつもりよ。

貴女に負担をかけないように、って思ってきちんと手短にするつもりだったのに、結局最初からがっつり話してしまってごめんなさい。あぁ、だって私、貴女に会いたくてたまらなかったんだもの……！
それじゃあハニー、あなたの望みはなんだって伝えて頂戴。返事、待ってるわね……？

ハァイ、ハーマイオニー。呪文ね、是非私にも貴女をベッドに縫い付けてしまう呪文をご教示いただきたいものね...？貴女もやぶさかでない様子だしね、少しくらい私の登場が遅れても誰も文句なんて言いはしないわ。だって私は高貴で華麗で儚げで伝説的で家庭的なハニー•ポッターだもの。視界に入るだけで天にも昇る心地になるわ。


あぁ、それで質問に答えなきゃね。腰がたたないでしょうから寝たままで構わないわ。
そうね...本家のようにロル無しでも、中ロルくらいでもどちらでも私は構わないわ。長ロルでも良いのだけれど、返事が遅くなってしまうかもしれないわ...シリウスへの手紙みたい？何のことかしら⁈ ....とにかくこだわりは無いからあまり囚われなくていいわ。
私も立ったままの長話は好きでは無いから、今回みたいな長話をするなら中ロルくらいは欲しいかしら。ロンに腰掛ける描写か移動する描写が欲しいわ。
––相手なのだけれど、ロンやハーマイオニーと話すのも大好きよ。でも...その、若い時のシリウスなんて.......。私可笑しいわね、いえそんなこと有るはずがないのだけれど。憂の篩を見たはずなのに、いえ！そうじゃなくて！過去の人間に会おうなんて、そんな。.....寝不足かしら？都合よくトリップなんて魔法界でもないわよね。ないわよね⁈
––ウゥンッ。とにかく、ダンブルドアに呼ばれているの。いろんなシュチュエーションでパロディしたいなんてそんな....！ さぁ、行かないと。

あっ、あぁ、ダメよハニー、あなたったらまたそうやって、あぁ、そんな、だって許されるに決まってるじゃない、あなたが来るのを待ち焦がれれば待ち焦がれるほど、ようやく会えた時の私ったら、あぁ、バジリスクと目が合ったも同然に固まるほど、感極まって、しまうんだから……
――ふーっ、ふーっ。まったく、まったくもう！ 何がバジリスクよ！ 寝たままで、とか、そんな要らない配慮をするくらいならあんないやらしいことをしないの！

いや相変わらずご自分で言い出したことだしめちゃくちゃ待ってました顔だったけどね君。やぁハニー、改めて僕だよ！
それじゃ、ロルについては指定なしってことで。君を疲れさせないよう描写に気をつけつつ、いざ本編に入ったら、良ければ今の原作っぽいやり方のままお願いしようかな。ヒンヒン！

うん？ いつだって君の願いを叶える君の一番豚ことロナルド・ビリウス・ウィーズリーに、何だって？
若いころのシリウスといえば、さ。そのダンブルドアが君をヒンヒン呼んでるのは、そういやハニーが若シリウスに会いたいって言ってたなー、ってヒンヒン鳴いてみたら、ｿｳｲｴﾊﾞﾊﾟﾗﾚﾙﾜｰﾙﾄﾞﾉｶｺｦﾎﾝﾗｲｱﾙﾍﾞｷﾐﾗｲﾍﾂﾅｹﾞﾈﾊﾞﾅﾗﾝﾉｼﾞｬｯﾀｰ、とか、ｿﾉﾀﾒﾆﾊﾆｰｦｶｺﾍﾅﾝﾄｶｶﾝﾄｶｰ、って、同じくヒンヒンで返ってきたことに関係があると思うよ。
とにかく、若いころの君のパパやシリウスに会いに行く必要がある任務を命じたいんだってさ。
豚の分際で君に命令だなんて、役職豚から即降格もんだよな！
都合よくトリップ、だって？ 都合なんて、そんなもの君の前じゃマーリンの髭さ！

あぁでもハニー、世界中の誰よりも寛容な君なら豚のお願いだって聞いてくれるのかもしれないね。その頬を君の素晴らしい髪色に染めながらね痛い！ありがとう！
さっ、僕の背中にお乗りよハニー。さらに詳しい話や、君がそれに乗るかどうかは、ダンブルドアと直接話すのが一番だよ。
同胞のダドリーが空飛ぶ豚になったなら、今の僕は光速をも超える豚さ。君が瞬きした次の瞬間には、君を校長室に見事送り届けてみせるよ！

私の可愛いハーマイオニー、連れていけないのは残念なのだけれど、私腹黒豚に呼ばれているようだから行かないと！えぇ、私は呼ばれたから仕方なく、行くだけよ！ニヤニヤしない！
シリウス、若い頃はどんな趣味だったかしら。恋人はいないと言っていたけれど...。
私はいつだって完璧なのは当たり前だけれど、寝癖や化粧は大丈夫かしらハーマイオニー。ほら貴方を可愛がったから、少しはね？



ロン、私の豚。一体いつから私の麗しい独り言を聞いていたのかしら？そういえばスプラウト先生がまたマンドレイクを育てているようだけれど、耳あて片方外して引き抜いたらどうなるのかしらね？
––なんだか呼び出しからかなり時間が経ってしまったようだけど、ロン。私を炎豚より早く校長室へ連れて行ってくれるのよね？別に楽しみにしているから早く行きたいわけなんかではないわ、貴方の言うように海よりも広いから受けてあげるだけよ。別に貴方を待っている間に可愛いパジャマや髪飾りの用意なんてっ！...いいわ、次私が瞬きをするまでに着いていなければ分かるわよね？
ロン、任務が終われば私はまたここへ戻ってくるわ。留守を頼むわよ。いい子にできれば...そうね、できる豚にはご褒美よ。

戻れば私はポリジュース薬でハーマイオニーになって遊ぶかも知れないし、トンクスの髪だって入手するのは簡単にできるわ。私は私のしたいようにするわ。まぁでも、此方のシリウスに会うのも...次は少し先の未来で...。ニヤニヤしないで！

髪やメイクはばっちりよ、だってあなたですもの。むしろ寝癖がついているくらいの方が前の晩高め合った時のことを鮮明に思い出せtｺﾞﾎﾝ、えぇ。あまり気にしなくていいと思うわ？　相手があのシリウスなら尚更ね？
送り出すことしかできないのが癪だけれど、ダンブルドア先生の呼び出しだもの、今回ばかりは仕方ないわね。いってらっしゃいハニー！ あぁ、でもどうか無茶はしないで……！


ｺﾞﾎｯ､ｹﾞﾌｯｶﾞﾌｯ……ハニー、結果は「三途の川をものすごい勢いで反復横跳びする羽目になる」だね！ 僕にはハニーっていう女神すなわち唯一至高の生きる意味が存在するから、魔法植物がもたらす死なんてマーリンの髭先ほどにもならないし全力で撥ね退けるけど。いや違うな、むしろハニーの愛っていう最強の加護があるから死なずに済んだんだねあぁハニーやっぱり君ってすっばらしいや！

あぁ、そしてなんだかんだですっごく遅くなっちまってごめんよハニー！　ヒンヒン！
一日につき最低１レスをきちんと約束するけれど、まだ返事は来ないのかって不安にさせてたりイライラさせてたりしちまってたらごめんよ。不甲斐ない豚をどうか許してくれるかい？
遅くなっちまった罰は受けるよ、あぁでもハニーからの折檻なんてご褒美、でもそれじゃ罰の意味が、あぁ畜生僕はどうすればいいんだマーリンの髭！！！

よっと、とりあえず校長室前には到着したぜ。ここで君を降ろして、っと……おっ、ドアの向こうで赤豚も嬉しそうに羽ばたいてら。ドア越しでも君の存在を感知できるなんて流石同胞だぜ！
戻った後のことも了解、スネイプのとこからしっかりポリジュース薬の材料を頂戴しとくよ。君の帰りを待つ間にも準備万端に整えておくのが豚の役目だからね！。
それじゃあハニー、僕とﾊｰﾏｲｵﾆｰはいつでも待ってるから――ゆっくり、楽しんでおいで。ヒンヒン！


――おぉう？ ハニーかね？ 入っておるよ！

そうね、向こうの日数で1日経つ前に完璧な私なら華麗に解決するでしょうね。でもシリウスと...めがn、パパママがいるならもう少し長く滞在してもいいかもしれないわね。1週間は堪能したいところよね。パパママに伝えたい事が山ほどあるし、パパがどんな男でママはどんな気持ちで....気になるの...。
じゃあ、ロン、私の豚。後の事は頼んだわね！
ロン貴方は私の一番豚よ、出来る豚。貴方は監督生だし忙しい日もあるでしょう。ジニーやネビルなんていう豚もいるんだから、焦ってレスしなくていいわ。私寂しいなんて...ニヤニヤしない！とにかく、私の心はこのホグワーツ の敷地より広いわ、イライラなんてするわけがないでしょう？私もこれから忙しい日もあるし、会える日が多くてスパンが短いのは嬉しいに決まっているけれど...お互いに長く上手くやるためには焦る必要はないわ。



さぁ、行くわよ。––で、その返事はなぁに？入ってなければ何故わざわざ私をこんな所に呼びつけたか不思議よ。そんなのはいいからサッサと私にして欲しいことを言って。サッサとシリウs...パパママに合わせてほしいわ。
でも、そのまま行けば怪しまれるわよね？記憶の書き換えでもするのかしら...？それならママの妹か双子がいいわ！
それとも私は透明マントを使うべき？それとも転校生やなんかと紹介してくれるのかしら。どれも捨てがたいわね...別に楽しみになんてっ！貴方に頼まれて仕方なくよ！

ほっほぅ、まあそう急かすまいて。
ハニー、相変わらず君は本当に優しい子じゃの。豚を気遣う君の言葉に、ミスター・ウィーズリーが激しく咽び泣いているのが扉越しにも聞こえるようじゃ。
じゃがの、この乙女アルバスの前でならもちょっと素直になっても良いんじゃよ？ ほれ、１週間と言わずひと月やそこらシリウスといちゃつきt痛い！！ ヒンヒン！ ロンドンの路線図を蹴るのは
……とにかく、君はいずれの場合でも「タイム・ターナー」を使うことになる。向こうにどれだけいても、時間を渡る魔法道具があれば全く飲む問題じゃ。是非好きなだけ楽しんでくれるかの。

そうじゃの、君がシリウスに会いに行くには幾つかの選択肢がある。

まずひとつ目の世界じゃが、これは君が予言したとおり、君は自分の母親――リリーの双子の妹としてあの世界に現れることになる。つまり、本来は君の伯母であったペチュニアとも姉妹になるわけじゃの。その辺の記憶操作はあっちのわしがﾁｮﾁｮｲのﾁｮｰｲでやっとくから、君は最初から何も気にせずに振舞ってほしい。
君とリリーは双子の姉妹として、過去世界のホグワーツに入学することになる。今とは状況が少々変わって、当時のセブルスはリリーそっくりの君にも相当優しいじゃろうが、おそらく実際にはリリーのみを……ﾋﾝﾋﾝ、とにかく、君はかつてセブルスが見せた世界を追体験することになるわけじゃ。
そこでの君の使命は、当時何故か置いていなかったフィニアス・ナイジェラス・ブラックの肖像画をグリモールド・プレイス１２番地にかけることじゃ。高貴なる由緒正しきとか言っといて何故だかあのころ実家に自分の肖像画置いてなかったんじゃよ、フィニアスのあほったれは。……そうなると後年、不死鳥の騎士団の活動にも影響が出てくる。絵自体は校長室に既に用意してあるからの、あとはハニー、君のハニトラでシリウスをちょろっとくすぐって、彼と一緒に彼の実家に行ってほしいのじゃ。

次なる世界では、これも君の言うとおり、君は転入生としてホグワーツに入ることになる。リリーに似すぎだ！！天使か！！と話題を掻っ攫うじゃろうがの。そこでの君の使命は、過去のわしに透明マントを渡すことじゃ。それも君が今持っているそれではなく、過去の世界のジェームズたちが持っているものの方を。細かいことはわし全身から変な汗拭き出るからうまく言えんのじゃが……とにかく、そのために悪戯仕掛け人たちと懇意になってくれるかの。奴ら、なかなか渡さんじゃろうから。

そして最後の世界じゃが、これはちとややこしい。……『ハリー・ポッターと呪いの子』を読んだことはあるかね？ アレで言われているように、実は『「タイム・ターナー」を使った歴史改変を行うことでパラレルワールドが幾つも派生してしまう』という事案は、魔法史上確かに証明されてきたことでの。本件はそれにまつわる話なのじゃ。
とある世界ではの、なんと未来から来た何者かが歴史改変を行ったことで、リリー・エバンズが行方不明となってしまった。おそらくはマグルの、ほれ、ターミネーターが、未来からサラ・コナーを殺しに来たようなもんなのじゃろうとわしは踏んでおる。
そうなるとその世界では、ハニー、君が誕生せず、シビルの下した例の予言はネビル・ロングボトムのみを指し示すことになる。結果、死喰い人は哀れなロングボトム家に総攻撃をかけ、ネビルが死に……ヴォルデモート卿が英国魔法界を滅ぼす最悪の未来が引き起こされるのじゃ。
パラレル・ワールドのわしからヒンヒンと救難信号が出されたでの。ハニー、君にはパラレルの過去へと渡って、君の母親たるリリー・エバンズを探しだしてほしいのじゃ。何せ君には、リリー自身の守護魔法がかけられた血が流れておる。過去の異世界とはいえ、リリーはリリーじゃ。君とヴォルデモート卿の絆と同様の結びつきがある君ならばこそ、リリーを見つけられるじゃろう。
もちろんその捜索には、リリーを恋慕するジェームズや、その仲間たるシリウス、リーマス……それにペティグリューと、恐らくセブルスも加わるじゃろう。リリーそっくりな君を見たら大混乱じゃろうが、どうかそこはうまく切り抜けて、彼らをうまく使いながらリリー探しをしてほしい。……彼女と君の父親とを無事に結びつけ、その世界の君自身を誕生させるためにも、の。

どの過去世界へ渡るのでも、わしは構わんよ。それぞれ微妙につながっておるからの、ひとつの世界を救えばそれで全部が救えるのじゃ。流石は高貴で可憐な君じゃのう、ハニー。物語をつくる以上何かしらのノルマがある方が進めやすいだろうか、とわしの背後の豚が要らぬ配慮をしたばかりにこのようにややこしくしてしまったのじゃが、大丈夫じゃろうか？　回りくどさを厭わしく思う君のこと、もっとシンプルに楽しみたいということであればアルバスマジックで全部パパッ！と解決するから遠慮せず伝えてほしい。夜更けの長話をすまんの、ヒンヒン！

あら、腹黒豚にしてはどれも真面目でいい提案だわ。出来る背後の豚を飼っているようね、出来る豚は好きよ。
ロンはもう部屋に戻るべきよ。出来る豚は帰ってきたら褒めるわね。

可憐で高貴で儚げで道徳心溢れる私だから、その全てをやってのける事も可能よ。でもね、優先順位が高いのはやっぱりママの行方位不明よね。
まぁ天使が突然空から現れたら大混乱なのは、どこも同じよね。そういう事は慣れているから大丈夫よ。



「タイム•ターナー」の事は知っているわ。ハーマイオニーが前に使っていたわね。あれには価値によって遡れる時間が違うらしいじゃない。最近飼い始めた背後の豚がヒンヒン言っているわ...。
そんな事はいいのよ、とりあえず行けるわという返事をするわよ。背後の豚も手伝うと息巻いているから、連れて行くわね。パパやなんかを手伝うとかなんとか言っているわ。よくわからないけどいいかしら？
先生がパパッと片付けられるのに何故自分でやらないのか不思議でならないけど、腹黒豚の考える事なんて知ろうとするだけ無駄ね。
私は準備出来ているし、荷物もある程度準備してあるから...。シリウスに逢えるからって張り切っているわけではないわ！ニヤニヤは止めて。

おおぅ、憧れの君に褒めてもらえたとあって背後の豚がヒンヒン大号泣しておるよ。さながら目からアグアメンティ・マキシマじゃのう……安心をし、ミスター・ウィーズリーともどもマダム・ポンフリーのところで少し休ませておくからの。
それでは、３番目の世界へ渡ってくれるということで良いのかね？　あぁハニー、わしは本当に嬉しく思う！
しかし、例えば君がジェームズの前で守護霊を出したら当の本人がどう反応するのかなど、楽しみなこと尽くしじゃの。是非好きなだけ掻き回してきてほしい。

流石の君じゃの、その通りじゃ！ 若干１３歳のミス・グレンジャーに魔法省が貸し出したアレは、やはりそれなりに一般的な、効果の小さいものじゃった。
じゃが今回貸し出すものは、君の言うように価値が違う。砂時計１回転につき１時間、という代物ではない……たった１回転、それだけでおよそ７年も渡れるものじゃ。魔法界を救うためとあってキングズリーが特別に２つ貸し出してくれたからの、高級タイム・ターナーと普通のタイム・ターナー、ふたつを上手に使いなさい。

！　手伝ってくれるのかの！　それは大変ありがたい、是非ともお言葉に甘えるとしよう。最初のうちに言っておくと、わしの背後におる豚はどの役でもヒンヒン楽しめるから、本当にそちらのやりやすい役にて楽しんでほしいとの事じゃ。
おぉう、ハニー……豚にもいろいろあるのじゃよ。何より、死を制する君はわしを遥かに凌駕しておる。過去から未来までどれを見渡そうと、君ほど魔法界の救世主にふさわしい子はおるまいて。

ふむふむ、これはあちらのわしと連絡とってシリウスとどの程度進展するか是非とも知りたいところじゃのう……それではハニー、ほれ、このタイム・ターナーを使いなさい。高級の方を３回転、普通の方を５回転もすれば、おそらく最もふさわしいタイミングに辿り着く。
本来君は校長室に降り立つじゃろうが、そこはあっちのわしがアレをこうヒンヒンして、グリフィンドールの談話室に出られるようにしておこうかの。
ちょうどリリー捜索の続報のなさに業を煮やしたジェームズが、こうなったら僕が探しに行く！！と喚いて仲間たちに引き留められているところじゃろう。そこに君が降り立ったら談話室は大騒ぎかもわからぬが……器用な君の事、きっとうまくいくじゃろう。

それではハニー、行ってきなさい。――くれぐれも、向こうの当時の「死喰い人」やあのお辞儀フリークに気を付けての！

まったく、あなたの考える事ったら本当に。腹黒豚たる所以はこれらの発言からよ。でも、当時落ち着いてきたとはいえやり過ぎのパパに灸を据えるのも出来る娘の役目よね。うまくタイム•ターナーを使わせてもらうわ、こんな機会早々ないでしょうから。
ロンやハーマイオニーを連れて行けない事には何か理由があるのかしら...、2人がいなくて不安というわけじゃないの。なんせ私は1人で3人分は完璧にこなせる可憐な少女であるし。2人を置いて行くのが心配よ、何も言わずに。連れて行けるのなら私の背後豚が2人をサポートするそうよ。別に背後も面倒臭がる様子はないし、むしろ歓迎みたいだから...連れて行けるなら教えてあげて。それと始めは背後豚は様子を見て私1人だけを喋らせるつもりみたい。他の人が出てきたら手伝うだか、なんだかだそうよ。


グリフィンドールの談話室...、パパがいるのね。颯爽と登場する私を見てさぞ驚くでしょうね、ありありと目に浮かぶわ。杖を構えてタイム•ターナーを回すことにするわね。いきなり呪われたらたまったものでないし。––じゃあ、先に行くから2人によろしくね、あとその鼻の方向を変えたくないなら変な詮索はよす事ね。....こっちを3回、こっちを5回回すっと、





ハァイ、パ...ジェームズ。それともプロングスと呼ぶべきかしら？––...私が誰かって？ダンブルドアに寄越された救世主かしらね。ハニーよ、好きに呼ぶといいわ。
リリーとはそうね、深い仲よ。私に驚いているの？あなたほどの人が？意外ね...。ダヴィンチさえ筆を止めるであろうこと私を前に動けなくなるのは当たり前のことよ、安心して。
嗚呼、偽物ではないわ、私はリリーじゃない。目の色が違うでしょう...ポリジュース薬を飲んだ偽物でなく、ハニーよ。リリーを助けにきたわ。力を貸して、ジェームズ。

ふむ！　ミスター・ウィーズリーとミス・グレンジャーも、一緒に過去へ連れていきたいと。
大丈夫じゃ、もちの彼で構わんよハニー。わしの方でも、君のお目付やkうぉっほん！忠実なる一番豚とガールフレンドたるふたりを連れて行った方がマー髭倍くらい楽しいだろうしおそらく任務も捗るだろう、そう思っていたところじゃ。
医務室から戻ってきたわしの豚も、ほれそこで、君の提案に狂喜乱舞して魔法火打ち上げまくっておるじゃろ？

君の背後の豚がサポートしてくださるとのこと、心よりありがたい。再三念を押しておくが、わしんとこのおかしな豚は、本当にひとり何役だろうとヒンヒン喜んでこなす心意気じゃよ。
もし君が望むなら、ハニー、別に君は君のままであるだけでも豚の望みを既に叶えきっておる。今のままでも充分なのじゃ。じゃがもしも、君の背後豚自身が望んで他の役もやりたいということであれば、それはもちろん、是非その懐の広さに甘えさせてもらおうと思っておるよ。

おぉーう、くれぐれもレビコーパスされんようにの。君の大事な友人ふたりは、あとからきちんと送り届けよう。ふたりに会いたくなったら、そうじゃの、「レモン・キャンデーが食べたい」とでも呟けばOKじゃ――それでは、ハニー。過去の世界の命運は、君にしかと託そうぞ……



――

――――



もっ、もうやめっ、ねぇってば！手当たり次第に呪文を撃ちまくるのはやめてよぉプロングズ！！この惨状がバレた時のマクゴナガル先生のお説教が怖いよ！！！それでなくたって僕ら普段から――あっ！！あれぇ！？！？エバンズだ！？！？！？！？

いい加減にしないかプロングズ！さもなきゃ君を満月恐怖症にしたっていいんだぞ。リリーが心配なのも、あのダンブルドアの涼しい顔にチョコをしこたま塗りたくってやりたい気持ちもわかるが、ここは少し……っ、リリー！？　君、いったいいつ戻って……！

抑えろ落ち着けプロングズ！！君がこのまま暴れるなら最終的には噛みつくぞ！？捜索には乗ってやるからまずは頭を冷やせと言うんだ、ここでうるさく喚くのはやめて――エバンズ！？……いや違う、君は……誰だ？何者だ？杖を下ろせ！

えぇい離せやめろ止めるな！！　僕の友人たるものがどうして僕の邪魔をするんだ！
エバンズが行方不明になってもう２週間も経つんだぞ――なのにダンブルドアは何ひとつ、何ひとつ！！痕跡すら掴めていないんだ！！！
こうなったらもう、直接僕が探しに行くしか――っ！？ エ、エバンズ！……じゃ、ないだって……？
……ダンブル、ドアに、寄越された？
……力を、貸せって。リリーを助ける、って……君は、君はいったい？　今、どうやってここに現れて……ハニー、君はいったい……まさかあいつの、スニベルスの言っていたエバンズの妹か……？

.....わぉ、思ったより大人数で驚きだわ。聖徳太子にでもなった気分よ。でも私はフェリックスフェリシスをも凌駕する完璧さを持っているし、1人ずつの質問に答えるわ。
––あー、、杖はそうね。下ろすわ。その...やっぱり若い時も素敵よね、じゃなくって！私はハニーよ。そうね、えぇリリーの妹に近しい存在よ。ややこしいからそう考えてくれていいわ、双子の妹とね。とりあえずエバンズは紛らわしいから、その...ハニーって、、あぁやり辛いわ！こんな時に豚がいたら！.....いえ、まだその時じゃないわ。今来たら流石に大混乱よ。


いいかしら、ワームテールにムーニー、パッドフットにプロングス。リリーはこんな呼び方しないでしょうね。だからという訳じゃ無いけど、私もこう呼ぶわ、ピーター、リーマス、シリウス、そしてジェームズ。いい事、まず落ち着きなさい！私も豚がいなくて落ち着か...えぇ落ち着かないけど、男4人集まってあたふたするなんて格好つかないどころの騒ぎじゃないわ。我がち...ンッ、とにかく本当に情けないわジェームズ。リリーオタクスニベルよりも更に情けないから、落ち着いて。

––まず、ダンブルドアが私を何故ここへ呼んだか。私はリリーと強い繋がりがあるわ。所謂絆...いえ愛よ、これは強いもので私自身がリリーを探す手掛かりの１つとダンブルドアはみたようね。まぁ、後は私が何より可憐で高貴で儚げで伝説的で家庭的で道徳的他ならないけど。とにかく今回もまたも「選ばれた」て訳よ。
杖は下げたけど、この惨状打破のために振るうわよ。豚もいないし私自ら片付けて差し上げるわ。おおかた大好きなリリー失踪で取り乱したジェームズの仕業でしょうね。

それで、リリーの手掛かりはどうなの。どこで最後に消えたか...痕跡は無いの？私も心配には変わりないのよ。
––あぁ、それもあるけど城の現状も知りたいわ。今日は何月何日目で、城の外へは探索へ行ける状態なのかしら。
あー、できれば...ダンブルドアに合うべきかしらね、

　リリー・エバンズの妹だって？
　　てっきり本人かと思った！
　　　でも目の色が違うみたいだよ？
　　　　ﾋｿﾋｿ……ﾋﾝﾋﾝ……ﾋｿﾋｿ……


！？　ﾘﾘｵﾀｽﾆﾍﾞﾘｰって……君はあのドブ水野郎のことまで知っているのか、えぇと、ハニー？
あー、そうだな。僕らはどうも、悪戯を仕掛けるのは得意だが片付けるのは苦手でね。助かるよ……
どうやらダンブルドアを知っているあたり、身分は保証されているらしいな。だろう、プロングズ。……プロングズ？


エバンズを見つける手掛かりが、ハニー、君自身……？
…………。
最後に見たのは、正確には11日前のことだ。1975年、12月11日。土曜日で、この僕がスリザリンを下したクィディッチの名試合があった。観戦前に、あいつと確かに言葉を交わしたんだ……その後、試合を終えた数時間後の夜、同室の子が「リリーが帰ってこない」とマクゴナガルに報告した。
５年生だから、皆OWL試験に備えた勉強に夢中で……もちろんこの僕にとっては、さしたる関門でもないけれど。それで、エバンズの友だちも、夜になるまで気づかなかったという話だった。

痕跡は見つかってない。ホグズミード行きの日でもないから、城の外に出たはずもない。城の敷地内で忽然と行方不明になったんだ。
ダンブルドアは本気で探しているというが、絶対に嘘だ――あの人ほどの魔法使いが、自分の城の中で消えた15歳の魔女の居場所を掴めないなんて話があるもんか！

探索には行けるさ、この僕がいろいろと直訴したからね。――エバンズがいなくなったことに、教師たちだって少なからず動揺してる。冬休みが少し前倒しになって、冬に実家に帰る生徒は、明日の……23日のホグワーツ特急に乗ることになったんだ。
もちろん、僕らは全員この城に残る。エバンズを探す作戦を建てなきゃならない。この城を拠点にすれば、図書館の禁書から必要な呪文を学べるし、厨房のしもべ屋敷妖精たちが非常食を作ってくれる、そうだろ？　仮にエバンズが城の外だとしても、僕らは特殊なアイテムをふたつばかり持ってるから、教師たちにバレずに城の外を出歩けるからね。今どこにいるにしろ、エバンズがいなくなったここを拠点に、あいつを探すんだ。
　
ダンブルドアは――会いに行こうと思えば、行ける。ただ、あの人はこの前から役立たずなことしか言わない。「もうすぐこの上ないリリー探知機が遥か彼方からやって来るじゃろう、ヒンヒン」とか……あの余裕綽々な表情にはイライラさせられる、そもそもヒンヒンって何なんだあれは意味が分からない――とにかく！　君が行くなら、この僕もついていってあいつの鼻を三度折れ曲がらせる心づもりだ。どうする、ハニー？

あら、この中に私の豚がいるらしいわね。ヒンヒン言ってるという事は、そういうことよジェームズ。
––それで、私の身元に関して既に問題になってないようだから、腹黒豚の鼻頭をわざわざ折りに行く手間は掛けないわ。


城の中で消えたなら.....秘密の部屋。それから....必要の部屋にある姿をくらますキャビネット。どちらかな気がするの。この城はかなり広いし、おかしな部屋に迷い込んだ可能性もなきにしもあらずね。ただ優秀なリリーが自らいらぬ危険を起こすはずはないわね。
煙突が教員の部屋にあるから、そこから連れ去られたという可能性も無くはないけど、ホグワーツの煙突は全て魔法省が見張っているだろうから連れ去りなんて出来ない。
取り敢えず、明日から休みで人が減るならば監視の目も少なくなるし、その間に秘密の部屋を確認しに行きましょう。そこにリリーがいなければ、必要の部屋にある姿をくらますキャビネットで色々な場所へ行って見るしかないわね。
リリーが外に連れ去られたのならば、かなり手こずるのは必須よ。なんせ消えた場所はでは城だけど何の痕跡もないのだから...。連れ去られたのならば、キャビネットを使うにも禁書の棚を見るにもよる行動になってしまう事になるわね。
...取り敢えず今からあなたの秘密道具で禁書の棚から有効なものを探しましょうか？あの腹黒豚に会っても意味はないでしょうから。

――「秘密の部屋」？


あぁ、屋敷しもべ妖精に当たりの強い君は知らないだろうねパッドフット。城の五階のある廊下に、特殊な方法でしか認識できないそういう仕掛けがあるんだよ……チョコレート料理を増やしてほしいと厨房へ頼みに行った時、ここの妖精たちが噂していたのを聞いたことがある。それ以来手持ちのチョコが切れるたびに、つまり一日に４回はあそこhゴホン。確かに、僕らはそれを見落としていた……喚いてばかりの君なんかより星の如く現れたハニーの方がずっとリリー探しに本格的なようだよ、プロングズ？


うるさいな、僕だってパッドフット同様今初めてその部屋の存在を知ったんだ。どこぞの狼君とは違ってね。
ハニー、君は「透明マント」のことまで……あぁ、ダンブルドアから聞いたのか。そうだな、そうしよう。
だがあまり大勢で行くと目立ちかねないし、透明マントにも入りきらない。――だから、「秘密の部屋」について詳しいらしい君は確定として、僕らの方は行く者と残るものに分かれた方がよさそうだ。
守るべき立場がある優等生のピーマスと、何かとドジを踏みがちなワームテールに拠点の留守を任せるとして。
この僕はもちろん行く。それに、万一ピーブズやフィルチに見つかった時僕と君が逃げられるよう、囮役としてこの真っ黒な犬っころを――


――おいこの眼鏡！


――連れていく。３人で図書館に行くんだ。この僕の判断だ、それでいいな？ ハニー？

––えぇ、いいわ。


リーマス、あなたがどれ程のチョコレートホリッカーかよく分かったわ。その情熱を彼女に向けてあげて欲しいものね。
あなたが見つけたその部屋は「秘密の部屋」ではなく「必要の部屋」と呼ばれるものよ。私が優秀な事は、至極当然のことで、火を見るより明らかよ。そこを探すのはリーマスには向いていないかもしれないわね。あなたが強く求めるものはチョコレート以外に無い様子だし。
屋敷しもべ妖精に気を配るなんて、私の可愛いハーマイオニーが聞いたら飛んで喜んでバッジを渡すでしょうね。そうしたら胸に輝くバッジの横につけてあげて頂戴。


––取り敢えず落ち着いてよかったわ、お優しいジェームズ。「秘密の部屋」に行くのならば...危険は多いわ。大人数で行くべきよ。ただし「必要の部屋」へ行くだけならば3人でもさして問題はないでしょうね。シリウスと私が2人だけであっても問題ないわ！べっ別にそうしたいわけではないから！ほら、早く行きましょう...朝になって仕舞えば動きづらくなるでしょう。姿をくらますキャビネットがもうここに設置されているならば、おそらく必要の部屋にあるはずよ。
「秘密の部屋」はかつてのホグワーツ にサラザール•スリザリンが作ったもの。正統な後継者が現れるまで開かないと言われていたし、かなり先まで一度も開かれる予定はないけれど......今は何が起きるかわからなわ。行ってみる価値はあると思う。ただし、彼はまだ私の豚じゃないから...。行ってみないとわからないけど。


リリーの部屋も後で見に行くわ。何か手掛かりがあるかもしれないけれど、あなた方じゃ入れないでしょうし。

情けないところを見せたね、すまないハニー……言い訳にはなるが、正しく知っていたはずなのに素で言い間違えてしまったようだ。平日はずっと、ほら、この馬鹿な牡鹿と黒犬とこいつらに煽られるネズミの尻拭いをしてたものだから。あぁ、うん、疲れているのかもしれない……君の言うとおり、チョコレートを摂る必要がありそうだ。
屋敷しもべ妖精には日ごろ世話になっているからね……ハーマイオニー？　君の友人かな、是非そうさせて貰おうか。


ただチョコレート食べたいがための言い訳じゃないかなぁそれ……了解、ハニー、プロングズ、パッドフット。いってらっしゃい、ミセス・ノリスに気を付けてね！


わかった。それじゃ、あのギトギト髪のお好きそうな「秘密の部屋」や、君に捜索を頼むリリーの部屋は後回しにするとして――うん？　何だい君、シリウスとふたりで、その必要の何たらの……ははぁん？　ほおう？　――全くパッドフット、君ってやつは！
ハニーの目が僕みたいなハシバミ色じゃなければ、澄んだ緑色だったならば、例えエバンズ本人とは違っても親友相手に決闘するところだったけど。まぁ相手が妹の方のハニーなら、うん。僕は構わないよ？　義兄のよしみで？　許してやっても？


何だプロングズ何の話だあぁいい加減うるさいな――！


――そうだな、そうと決まったらすぐさまここを発つことにしよう。遅くなればなるほど見つかった時にマズイからね、もっともこの僕と僕の友人たる君たちがそんなヘマをするはずがないけど。
さぁ、ふたりともこちらへ。やぁ『太った婦人』、悪いけど通してもらうよ？　大丈夫、帰ってきたらどうせプロングズが明け方までわんわん甘く囁くかr痛い！　ハニー！？！？

あー.....、あなたも苦労しているのねリーマス。色々察するわ。変わって謝りたいくらいには。
ピーターもこれ以上リーマスの胃に空いた穴を広げない事ね。ここで大人しくお留守番していなさい。ミセス•ノリスには気をつけるわね。


ジェームズ、私親族を豚にするつもりは無かったのだけれど、其方の出方によってはこの制約を見直そうかと思うの。ほらダドリーという例外もいることだし。ただ、ママが怒る可能性もあるから、今回だけは許してあげるわ。次はその眼鏡を取り上げ代わりに首輪をつけるから。


それにしても3人で入るにはこの透明マント狭いわ。いつも3人で入っていたけれど、下に1人いるのとは広さが違うわね。あっ、ちょっ、、そんな近くで、喋られると！ダメよシリウス！........それで、階段はどこから上がるの？5階まで行かなくちゃならないのよね？私は8階だと記憶していたけれど、リーマスが間違うわけはないし。年によって違うのかしら...？
地図は持っているのかしら。あなたたちの集大成とも言えるアレよ。先生たちの動きを見て登る階段を決めましょう。いざとなったら.....そうね、あまり使いたくはないけれど...失神呪文に忘却術よ。ピーブズにはきかないでしょうけれど。
ほら、早く出して。持ってきているんでしょう？ルーモス––光よ。

親族……？ はどうでもいい、おいハニー、豚ってのはいったい――あぁなんだ、この僕でいう下僕の事か。
この僕に、首輪？ ごめんだね、そんなものはパッドフットにでも着けさせておけばいい。エバンズくらい見目麗しい君からなら、さしものジゴロ犬っころも喜んでリードごと着けたがるはずだ。


プロングズいい加減にしろ、そういういじりはムーニーひとりで沢山だ。確かに、男ふたり女の子ひとりでは、このマントは狭すぎるな。うん？　あぁすまないハニー、僕の吐息が耳にかかってしまうようだね。申し訳ないが体勢を変える余裕がないから、例の部屋につくまではこのままでいてくれるかな。
いや、君が合っている。何しろムーニーが先ほど狼語で「５階じゃない８階だ僕たちの寮と同じ階だいい加減ミスが多すぎるぞムーニー今一度読み直せムーニーこれは早急にチョコレートフォンデュを取らなければならない事案だそうだチョコが要るすまないハニー」だの何だの鳴いていたからね。
とにかく、階段は使わずこのまま必要の部屋に行こう。だから君の耳に僕の息がかかってしまうのも、もうそう長くは……うん？　どうしたねハニー？


全く、この僕がいるというのにふたりの世界へ片足を突っ込まないでくれるかい。ムーニーがいないとツッコミ不在だなもどかしい……ハニー、あの地図をこの僕が忘れていると思うか？
失神呪文か、君も意外と手荒なようだね。気に入った。僕らはもちろん、相手がこちらに気が付く前にオブスクーロのちレビコるけど……明かりをこっちに。
ダンブルドアが校長室にいないな、厨房に名前があるがいったい何をしてるんだあの人……？ ピーブズもよし、念の為見たスニベリーも寮の中でお仲間とベタベタときた。あとはフィルチとその猫が……！　マズイ、何故かマクゴナガルも一緒だ――下手に呪文を使えない！ ハニー、パッドフット、こっちのタペストリーの裏に！

下僕なんて愛の無いものと、私の豚とを一緒にしないで頂戴。いくら相手が貴方でもそれだけは許せないわ。私は豚たちを愛し、豚も私を愛するわ。そういう関係で、主従とは違うのよ！
シリウスが首輪なんて、そんな、だっダメよ、ハニー一緒に散歩するのもいいなんて...！


はぁ、リーマスも本当にいつでも苦労しているわね。彼には必要の部屋が本当に必要ね...。チョコレートフォンデュを山ほど食べてぐっすり眠って貰いたいものだわ。
ついでに私に何か出来ることや、間違いがあれば突っ込んでもらいたいところではあったけれど....置いて来てしまって本当に良かったのかしら。ストッパーのないジェットコースターみたいなものよ、今の私たち。いい加減レモンキャ....


こっ、このまま必要の部屋まで⁈––とはならないみたい！ノックス––闇よ。
せっ、狭いわ！マントよりさらに...！ちょっと、ジェームズ？足を踏まないで！それに近い！髪がッ、髪...⁈
....ハァ、それでどうするの？このままじゃマズイわ！静かにしてたらやり過ごせるような人かしら...？
あっ、来たわ。––––––、–––何か話しているみたい。なんの話かしら...もしかしてリリー？
WWWのグッズを使う時がもう来たかと思ったけれどある意味必要かもしれないわ、「伸び耳」とか。でも今は使えないわね....。せめてフィルチ1人だったら...。マグゴナガル先生にはイタズラ道具も呪文も意味がないわ！
近くに来たわ...っ！ ちょっと、詰めないでよ、ただでさえギュウギュウなのに！今回は話の流れ的に重要な局面だから多少手伝ってからは耳を澄ませるだけだけれど、私が決めても良いところはまた手伝うわ、と今になって背後豚が煩いわ！しーっ、静かに！豚は部屋で待ってなさい。





––そこに誰かいるのですか？ こんな夜更けに生徒が寮を抜け出したのでしょうか。いいえ、そんな事よりも今はリリー•エバンスのことですわ、ミスター•フィルチ。
ンッウン、この後は任せるとして、一体どういう事です？こんな夜更けに呼びつけ、生徒の話とは、何を見つけたというのです。もうあの子が居なくなって11日目...なんと嘆かわしい事でしょうか。ダンブルドアも痕跡を見つけられていないのです。