As if the coffee【〆】

ごめんなさい、先生。待った？

いや、全然待ってねーよ。俺も今来たところだ……って言った方が女は嬉しいんだろ？(少し首を傾げ、意地悪な笑みを見せて)

あら、そうでもないわよ？ 私は…そうね、「ずっと心待ちにしてた」って言われる方が嬉しいわ。(口角をあげ、高校生とは思えない妖艶な笑みを見せて)…こういう女はお嫌いかしら？

｢ずっと心待ちにしてた｣...それは先生が生徒に言うセリフじゃねーだろ。後、そんなことで人を嫌う俺に見えるか？(へらっと笑ったと思ったら｢生徒だしな｣と後から付けたすように言って)

それはそうだけど…でも、卒業したら生徒じゃなくなるから、関係なくなるわ。(くすっと笑って相手の隣に座り込み)先生がここで昼食食べるなら、私も一緒に食べていい？(吸うタイプのゼリー飲料を取り出しながら)

ああ、それは構わないが...お前の昼飯それだけか？何だ、ダイエットでもしてんのか？(少なければ良いというダイエット方法に呆れるがそれと同時にそれだけで足りるのかと心配そうに相手を見て)

ん…？ああ、これ？(一瞬不思議そうな顔をするが手もとのゼリー飲料をみて、違うのよ、と笑って)私って少食だから、これだけでも本当にお腹いっぱいになっちゃうの。食べるのも遅いからお弁当なんてとても食べきれないし…。

そうか、ダイエットじゃねーんだな。(心配していたがそうでないとわかって安心し)...んじゃ、これいるか？(どこから出てきたのか相手にメロンパンを差し出して)

わぁ…ふふ、美味しそうね。(メロンパンを見て普段より子供っぽい表情をし)少しだけなら、食べられそう…でも、貰っていいの？(先生が食べるんじゃないの？と相手を見上げて)

お前はメロンパンでそういう顔ができるんだな。(子どもっぽい表情を見せた相手にほくそ笑み)俺は弁当食って腹いっぱいになったからな、やるよ。(相手に食べてもらうよう理由をつけて)

甘いものが好きなだけよ…(子供扱いされて少し拗ねたような顔になり)じゃあ少しだけ貰うわ。すぐお腹いっぱいになっちゃうから…あ。(いいことを思いついて声をあげ、悪戯っぽく笑って)あれやってくれない？世間一般で言う、「あーん」っていうやつ。

そうか、お前は甘いものが好きなのか。(相手の好物を知ることができて少し嬉しそうに言い)
ん？ああ、あれか。食べさせることがいつ世間一般になったんだよ。...まあいいか……ほら、どうぞ。(メロンパンの袋を開けて中に入っているものを少し出しては微笑みながらも相手の口元に差し出し)

ふふっ、頂きます。(垂れた黒髪を耳にかけると、口を開けてメロンパンの端を小さく齧り)ん…美味しいわ。(美味しそうに目を閉じてゆっくりと味わい)
あ、先生も食べる？(メロンパンを一口分指でちぎり取り、そのまま相手の口もとに差し出して)

俺はいらねーよ。先生と生徒がイチャついてるなんて噂になったらどうすんだよ。(口元まで差し出されたメロンパンを手で拒否し、へらっと笑い)

いいじゃない…誰も見てないもの。万一見つかっても、私が強要したって皆思うわよ…実際そうだし。(少し拗ねたような表情を見せると再度パンを差し出し)ね、食べてくれてもいいでしょ？

……。仕方ねーな、わかったよ。(相手の言っていることに何も言えず仕方なく差し出されたパンを食べて)ん、美味いな。(もぐもぐと食べては感想を言うが綾波ほど嬉しそうには食べず)

ふふっ…ね、美味しいでしょう。(食べてくれたのがよほど嬉しかったのかにっこりと笑って)ほんと、生徒とこんなことしてたら彼女さんに怒られるわね…いるんでしょう？(とそれとなく話題を向け)

……。(口の中で噛んでいたメロンパンを飲み込み)
...いるように見えるか？(にやりと笑い)

見えるわよ…だって校内で一番モテる男だもの。有名よ、女子生徒の憧れの山代先生って。…彼女がいて当然よね。(からかうように語るがその声は寂しそうにだんだんと小さくなり)

俺はそんなん初めて聞いたけどな。(いきなり言われても困ったというように手を頭に置いては苦笑いをし)
……もしいるっつたらどうする？(意地悪な笑みを浮かべて)