もーもーかんとりー < 非募 >

夢じゃ無いよ。…おはよう。（　見慣れない寝顔をもう少し堪能していたかったが自分が動いたせいか自分に次いで瞼開ける相手に少しばかり残念そうに眉下げ、ぼんやりとした眼差しを受け止め黙っていたものの寝起きの温かい手の平で頬を挟まれては擽ったげに微笑み、こちらも布団から手を出して両頬を包むとそのまま顔近づけ、柔らかい唇へと触れるだけの口づけを落とし、嬉しげに囁きかけ、　）

…おう。ってか人に見られてるってむっず、…ッ、あっつ、！、（　直ぐに傷んだ髪を撫でられると綺麗な相手の手に撫でられていると言うことを自覚し心地よさと同時に気恥ずかしさ覚えついつい頬緩くしながらもぶっきらぼうに返し、相手がそばにいるからか少しぎこちない手つきでご飯炒めては完成間近の時に誤って指先が熱したフライパンに触れ、反射的に手離しつつ顔顰め。自ら言ってこない様子は隠し通す気満々に見え、それを許すはずもなく手を伸ばし携帯が入っているであろうズボンのポケットの上の、相手の手の甲に手の平重ねては自分がいろいろ撮っていた手前相手がどんな写真を収めているのか好奇心により瞳爛々と輝かせ、　）ねーよそんなの。もういっそ見せちまえって。

( 未だ覚醒しきってはいないものの、相手の温かな掌や唇に触れられては幸せそうに双眸を細めては甘える様に頬を擦り寄せ、以前では考えられなかった心地良さに再度目を瞑り眠ってしまいそうになるも、何とか意識を繋ぎ止めては薄く目を開き怠そうに眉根を寄せつつもゆっくりと身を起こして )…あー…ずっと此の儘が良いわ…。

ｯ、…キヨ…大丈夫…!?…ほら、早く冷やさないと…!( 何処か照れ臭そうな表情を浮かべている様子には可愛らしいと同様に頬を緩めてはいたものの、フライパンに触れたのか反射的に漏れ出た声や仕草に驚いた様に双眸を瞬かせては、相手の腕を引くなり指先を流水に当てさせつつ未だ付いたままであった火を一旦止めて。どうも引く気が無い様子を見遣っては困った様に眉根を下げてはいたものの、掌を重ねられ爛々とした瞳で訴え掛けられては今の内に晒した方が自分への被害は少ないのではないかという結論に至り、一応相手へと警告をしつつおずおずとロックも何も掛かっていない携帯を相手へと差し出して )…えっと、消すのだけは勘弁して、…ね？

んんんっ…もー、可愛すぎやろ…。（　昨晩はああ言っていたものの寝起きのせいか手の平に柔らかい頬を擦り寄せて気の抜けた表情浮かべている姿に思わず悶えたくなるのを堪え、堪えられない分をぼそりと言葉で零してはそのまま寝かせてやりたかったが身を起こしている相手に自分も起き上がり、ベットに腰かけた状態で寝癖のついた黒髪をよしよしと手櫛で直しながらも撫でて、　）もうちょいゆっくりしててもいいよ、…うっしーが用事あるなら別だけどさ。

ってぇ…やっぱ上手くいかねぇな。かっこつかね。（　少しはまともに料理が作れると誇ってやりたかったが案の定最後の最後に詰めが甘く、火は相手が止めてくれるわ自分はなすすべもなく水に手を晒してるわで溜息こぼしつつもちらりとほぼ完成したフライパンに乗った炒飯見遣り、苦笑い浮かべ。漸く諦めた相手から携帯差し出されればそれをあっさりと受け取り、くるりと体を反転させると土下座するような体勢のままの相手にそのまま背を預け、相手にも見える様にもたれ掛かりフォルダ内をスクロールすれば見覚えのない場面での写真に感心しつつも小さく笑って、　）んなのいつ撮ったんだよ！うわっ、着替え中とか、盗撮だろ。

( 徐々に覚醒してきた意識の中でもぼそりと吐かれた言葉には気が付かないままで、目元を袖で擦ったりとしている内に目が冴えてきたのか一度大きく伸びをしては声掛けには首を横へと振って。其れでもベッドの上でごろごろしているのでは勿体無いと思ったのか、相手の腰へと腕を回し緩く抱き着いては相手と同じ様に普段よりも寝癖で広がっている髪を撫で付け直してやって、 )んー…今日別に予定ないし、もう少し一緒に居るわ。

そんな事言ってる場合じゃないでしょ！それにそんな事気にしなくてもキヨはいつだって格好良いよ。( 何処か残念そうな雰囲気を醸し出しつつ呟かれた言葉には眉根を寄せつつ軽く叱りつけはするものの、相手の指先を流水へと当てながら不意に視線を向けては緩い笑みを浮かべつつ首筋へと軽く口付けを落として。引かれるか殴られるかの2つの選択肢のみを考えていた為か、案外愉しそうに自分の盗撮写真を眺めている様子に拍子抜けした様に双眸を瞬かるも、安心した様に胸を撫で下ろすなり屈めていた姿勢を僅かに上げては何を言っても怒らないのでは、と踏んだのか相手の自慰を盗撮したものを指しては誇らし気に笑みを浮かべて ) あ、これが一番お気に入りのやつだわ！

良かったぁ、直ぐ帰らなかんかなって思った。（　眠たげに袖で目許拭うという幼い行動にも可愛い、なんて呑気にそれを眺め、ゆるりと抱き締められればそれを受け止めつつ風呂上がりの時の様に撫でている手つきの心地よさに嬉しげに頬緩ませ、背中に片腕回して此方からも抱き締めるとちらりと時計を見遣り、既に昼も近い様子に小さく笑うと再度相手に視線を戻しつつ可笑しげにけらけら笑って、　）てかよう寝てたよこんな時間まで！

うえーい。…あー、ったくよぉ！可愛すぎか！（　叱られればぐうの音も出ず不満げな声で返事して、冷えた指先は大したこともなさそうで曲げたり動かしたりしていると不意に首筋に当たった柔らかい感触と他意なく自分を褒める言葉に肩跳ねさせ、指ではなく顔の方を熱く感じては水道をもう片方の手で止め、そのままきつく相手を抱き締め。写真撮っていたのがバレた自分とは違いいつ撮ったのか分からない写真を一周回って興味深そうに眺めては度々気恥ずかしく感じる写真もあり、その中でも相手が指差した写真を見ては流石に羞恥を覚えかあ、と耳まで顔赤くし、焦りやらなんやらで大きな声上げつつも手早くそれを削除し相手に顔を見られぬ様手を後ろに持って行けば相手を手の平でバシバシと叩いて、　）ああああ、おま、っ、なんてもん撮ってんだばーか！！

動画上げる時間までなら別に用無いし、一緒に居られる。( 緩く抱き返されては心地良さそうに双眸を細めながら大人しくしていたものの、不意に告げられた言葉に傍らの眼鏡を掛けるなり釣られる様にして時計へと視線を向けては吃驚した様に目を丸くさせており、まさか自分だけこんな遅くまで眠っていたのではと不安が過っては僅かに身を離しつつ問い掛けてみて )…レトルトはいつ起きたの。

っ…え、そんな要素あった…？…あ、炒飯早く食べないと冷めちゃうよ。( 素直に返事を返されては満足気に小さく頷いた所で、突然抱き締められ告げられた言葉に何の事かと混乱した様に視線を彷徨わせていたものの、火傷はそこまで重症ではなかったかと表情を緩めては相手をしっかりと抱き返しはするが、フライパンの上にて放置されている炒飯を見遣っては相手の服を軽く引いて。恥ずかしがるとは思ってはいたものの、殴られるわ写真を消されるわで僅かに涙目になりつつも、完全に非は此方にある為か携帯を取り上げる事も出来ず、これ以上被害が出ない様にと叩いてくる相手の腕を緩く掴んで )っ…痛い痛い、…てか消さないでよ！それ1枚しか無いんだから…！

ん、分かった。…俺？うっしーが起きる少し前ぐらいかなぁ、ずっと寝顔見とった。（　眼鏡をかけて仕舞えばいつも通りの相手で、なにやら暗めの表情浮かべている様子を不思議そうに首傾け眺めてから自分も遅起きだったと大人しく白状し苦笑零しては、つい先程まで幼い寝顔浮かべていた相手の頬にぺたりと掌を当て、それを思い出してか自分も穏やかに双眸細め、　）

あ、確かに。盛り付けくらいちゃんとやんねーと。（　戸惑いつつも抱き締め返してくれる相手の肩口に擦り寄っていたもののふと忘れていた炒飯の事指摘されれば冷める前に、と手を離し少し慌ててそちらの方へ戻り、火傷もそんなに気にならないのか二枚の皿に炒飯よそってから相手と食べる為にテーブルまで持って行き。止められるまで相手を叩いていたが腕掴まれるとそれ以上叩くことも出来ず真っ赤に染まった顔を相手から背けたまま手に携帯持った状態で顔顰め、自分も撮っておいた写真消されたこと不満に思ってたからかそれ以外の問題がなさそうな写真は無理に消そうとせず、しかし反抗の声あげる相手に噛み付くように突っかかり、　）それ以外にあったら消してるわ！よくそんなの撮ってて俺に文句言えたな？！

…んなもん見て何が楽しいんだよ、起こせよ…。( 自分だけが遅くまで寝ていた訳では無いのかと何処か安心した様に表情を緩めはするが、苦笑浮かべつつ白状された言葉には照れ臭そうに耳元を僅かに赤く染めていき、其の表情を見られまいと頬へと当てられていた掌を柔く離させるとベッドを降り足早にリビングへと向かいつつもぶっきらぼうに相手へと声を掛けて ) 飯、何か食いたいのあんの？

…痕残ると駄目だから一応巻いといて、少し食べにくくなるかもしれないけど。( 無事皿へと盛り付け終えた様子を確認してからその場を離れ、棚から救急箱を見つけ出しては包帯を拝借しつつ冷蔵庫に入っていた保冷剤と共に相手の元へと戻ってきて、冷え過ぎない様にと注意しつつ器用に指へと巻き付けては一先ずは安心だと表情を緩めて。顔を真っ赤に染め上げても尚、反抗の声を上げている相手には困った様な表情を浮かべつつも、もぞもぞと縮こまっていた身体を起こしては相手を優しく抱き締めてやりつつ耳元で甘える様な声で許しを請って )…キヨ、ごめんね、もうやんないから許して？

だってこんな至近距離で寝顔見れんの初めてでしょー？見なきゃ損だなぁって。（　想像していたがやはり照れた様に荒い言葉を返す姿に密かに微笑み、耳元が赤くなっているのは指摘せず覚えておこうと心に決めれば自分もベットから降りて相手の後ろを歩いて追いかけ、ふと昨晩から何も食べてないことを思い出し一考してから相手の表情窺おうとじぃ、と相手見つめ、　）…うっしーの手料理食べたい。よく料理対決の動画とかで作っとったやん。

…やっぱ母親みてーだよな、もしくは奥さんとか。ありがとな。…よっし、飯も出来たし感謝して食えよ？（　皿置いてから相手の方に向き直ると手際良く指への処置を済ます様子を黙って眺め、握ったり開いたりと確認するがその器用さに少しびっくりした様子で、ぽつりとその処置の手際を見て感じたことを吐露すると素直にお礼を言いつつ、すぐに調子取り戻してはさっさと自分の席について相手の食べた際の反応楽しみに思い。掴まれていた腕解かれると程なくして後ろから抱きしめられ鼓動高鳴らせ、耳元で聞こえてきた柔らかい声に僅かに息を飲むと元々は相手に甘い自分の為暫し葛藤するも諦めたように相手背もたれにする様に持たれては不服げながらも仕方なさそうに小さく頷き、　）…ああ言うのやめろよ、心臓に悪い。ついでに後でお前が消した写真復元するからな。

( 文句を言いながらも自分が相手の立場なら同じ様にしていただろうと考えては其れ以上文句を吐かず、冷蔵庫にて何かレトルト食品やら出来合いのものは無いかと視線を彷徨わせていたものの、傍へと寄ってくるなり告げられた言葉にはあからさまに嫌そうに眉根を寄せつつも、一応作ろうという意思はあるのか使えそうな食材を取り出していき ) 見てたのかよ。…確かにそういうので作りはしたけどまともなもんは作ってねえだろ。

そこは奥さんでしょ？…ふふ、ありがとう。いただきます。( 素直に褒められては嬉しそうに表情を綻ばせながらも相手の言葉には何処か不満そうな言葉を返すも、すっかり普段の調子を取り戻した様子を見遣っては安心した様に胸を撫で下ろし、早速と目前に並べられた料理へと視線を落としては軽く手を合わせてから一口口に含んでは「美味しい。」と幸せそうに表情を緩ませつつ答えて。何だかんだ優しい相手の答えは先に分かってはいたものの嬉しそうに目元を緩ませては凭れ掛かってくる相手を優しく抱き留めはするものの、復元するという言葉を聞いては何処か照れ臭そうな複雑そうな表情を浮かべており )…うーん、そうなるのかぁ。

えー、やだ、うっしーの手作り料理食べたいんやもん。（　相手の後ろから自分も冷蔵庫覗くも嫌がる顔しつつも食材取り出してくれている相手へ念を押す様に駄々っ子の様な言葉吐いてはへらりと頬緩ませ、代わりに自分も何かしようと相手が手に持ってる食材を代わりに持ってやっては首を傾けて、　）俺も指示くれれば手伝うで！

いや、お前の事奥さんって呼ぶのはずいだろ。（　友人としての付き合いも長かった相手の呼称を今更変えるのは何となく気恥ずかしく視線逸らし、此方の冗談にツッコミ入れずそのまま幸せそうに食べている様子に少し驚きつつも幸せにしているのが自分の料理だという事に充足感を覚えて自然と頬緩ませれば自分も軽く手を合わせてからいつもの自分の味にあまり感慨湧かずにぱくりと食べて。依然として自分の写真に関しては中々首を縦に振らない相手にむっとした表情浮かべては首回して後ろ振りむき、柔らかい頬に手を伸ばすとむにむにとそれを伸ばして不満を訴えようとするも、傍から見れば只のじゃれ合いにしか見えず、　）んだよ、俺は消さなかっただろ。それとも今からでも全部消してやろうか？

( 子供の様に強請られてしまえば断る訳にもいかずに了承はしたものの、不意に自分も相手の手料理を食べられるチャンスなのではと考えては横目で表情を窺いつつ提案をしてみて )しょうがねえな…つか手伝う気あんなら一品ずつ作れば良いんじゃね？

えー、今更でしょ？奥さんより旦那さんの方が嬉しいけど。( 照れ臭そうに視線を逸らす様子には可笑しそうに笑い声を上げながら冗談ぽく言葉を返しつつも、其れからは言葉少なにしっかりと味わいつつ口端についたソースも気にも留めず相手の手料理を食べ進めていって。自分のあいまいな返事が気に入らなったのか頬をぐいぐいと引っ張られては困った様に眉根を下げていたものの、次いだ言葉には慌てた様に相手の傍から携帯を取り上げるなり再び自分のポケットへと仕舞い込み )わ、分かったから！消すのだけは勘弁して！

一品ずつってかえって難しくない？俺シリコンスチーマーないとむりだって。（　一度別の場所に食材を置きつつ不意に掛けられた言葉に一瞬考えるも自分も大した料理が出来るわけではないと少々困った様に視線ずらしつつ、うーん、と悩むように唸っては再び冷蔵庫の方に戻り相手との距離は詰まるものの相手の為に何か作りたいのは山々で冷蔵庫の中覗きこみ、　）俺でも作れそうなのってなんかない？

…おい、ついてんぞ、旦那さん。（　自分も自分で負けず嫌いで旦那の方がいいと思いつつも、食器の音が響く中ふと視線上げれば相手の口端についてるソースに気づき、可笑し気に小さく吹き出すも座ったまま手を伸ばし、人差し指でソース拭ってやっては冗談交じりに返しつつ指先のそれをぺろりと舐め取り。ぱっと手元から携帯無くなれば仕方ないとばかりに肩竦め頬引っ張っていた手も戻すと不本意には聞こえるが一応了承も得られたことに一先ず満足しふざけた口調とにやけた口許で返し再び前を向いて相手に凭れ掛かり、ずるずると下に下がっては相手の肩口に頭乗せ、　）よかろう。…あー…、すげー凭れやすい。

朝だし簡単なもん2つ作れば良いだろ、卵焼きとか。(何だかんだ言いながらも冷蔵庫の中身を確認する相手を横目に見遣っては僅かに表情を緩めつつも、此方は特に凝ったものを作る気もないのか焼きそばのインスタント麺を2つ取り出して来てはその辺に一旦置くなりキャベツやもやしを炒め始めたりと調理を始めて)

っ、へ…あ、ごめん。( 夢中で料理を食べ進めている最中、相手の腕が伸びてきては驚いた様に肩を跳ねさせるも、次いだ言葉と指を舐めとる仕草に合点がいったのか間抜けな表情を晒しながらも小さく謝罪の言葉を溢しては照れ臭そうに頬を掻いており。何とか許しを貰う事が出来ては安心した様に胸を撫で下ろし、ずるずると凭れ掛かってくる相手を抱き留める様に腹へと腕を回してはみるも其の細さに僅かに眉根を寄せて )…キヨ本当ひょろっこいよね、あれだけ食べるのに。少し心配になる。

あ、なるほどね。…でも焼きそば作るんなら汁物あった方がええやろ？（　感心した様子でふむふむと聞いていたが相手がインスタント麺取り出した段階で呆れたように双眸細めて見つめ、仕方なしに乾燥のワカメと味噌見つけると相手の隣に立って味噌汁作り始め、調理する傍らちらりと相手を横目で見やると火傷しないよう一応注意して相手を見ながらも二人並んで立ってるその状態に自然と頬が緩くなってしまい、　）…なんか、本当に恋人なんだなぁって思うわ、二人並んで料理って。

…旦那って呼ぶのも照れんな、やっぱフジはフジだわ。（　試しに呼んでみたものの自分の心情的にも、相手の反応的にもむず痒くなっては勢いに任せ自分の分の食事を大口で食べていき、相手から視線を頑張って外したまま吐き捨てるように呟き。相手が抱きとめてくれる事によって安定感生まれたものの前々から自分のことを痩せていると評する相手に不満げに唇尖らせ、自分よりも少し太い相手の腕にそっと触れては流石に相手と比べると、なんて思うも悔しげに反論し、　）うるせーな、痩せの大食いって言うだろ。お前と比べて細いだけでこんなもんだろ。

味噌汁とかまたベタな所いったなー、別に良いけど。( 呆れた様な視線には気が付くも相手もどうせ手抜きなものを作るんだろうと想像してか其の儘料理の手を進めていっていたものの、案外家庭的なものを作り始めた様子には双眸を瞬かせつつも普段の癖で茶化す様な言葉を吐いて。相手の視線には気が付かないまま慣れた手付きで材料を全て切り終えた所で聞こえてきた言葉には小さく肩を跳ねさせ、照れ臭そうに視線をさ迷わせていたもののぽつりと小さく意地悪く告げてみて )…並んで料理くらいなら、レトルトよりフジとかゆげぽの方が先だけどな。

うん、俺もそっちの方がしっくり来るかな。…ごちそうさま、美味しかったよキヨ。( 視線を外しつつ告げられた言葉には小さく笑いながらも賛同する様に数度頷いて、料理を食べ終えてしまえば小さく息を吐きつつ腹を擦っては満足そうに相手へと感謝の言葉を述べると共に軽く手を合わせて。後ろ姿ではあるものの拗ねている様な相手の表情に気が付いては可笑しそうに笑いつつも心配である気持ちは変わらず、相変わらず細い腕へと視線を落としており ) こんなもんじゃないよ、細過ぎ。俺は柔道やってた分、少し体格良いから此処までとは言わないけど、もう少し肉つけないと。

食べたくないなら食わんでええよ、すーぐそうやって揶揄うんやから。（　けらけらと笑っている相手にじろりと視線投げかけるもこちらは案外あっさり終わり、棚から勝手にお椀拝借すると仕返しとばかりに自分の分だけお椀によそって満足げに一息ついてから相手が料理するのを眺めるのに集中することにし、手抜き料理とわかって居ながらも頑張る相手の手つきを愛おしく思い、かと思えば相手らしく意地の悪い一言言ってくる姿にむす、と頰膨らますと相手が炒め始めたのを見計らって側に寄って行き、後ろから相手の腹部に腕回して抱きしめ、　）んじゃあこれはやらせとらんでしょ、俺のが先。

おう、…あー、先ゲーム選んどいてくんね？皿洗ってくる。（　照れを食べるスピードに当てれば自分も同じぐらいに食べ終え、相手が満足げにしている姿を見てしまうとまた作ってもいいかもしれない、なんて甘い感情が胸を締め、今日相手がここに泊まりにきてる理由思い出すと相手の分の皿も重ねて立ち上がり、相手残してキッチンの方へ行こうと歩き出し。心配性な相手の発言にそればっかだな、なんて場に合わず少し笑いつつ確かに筋肉の付いた腕をゆっくりと手の平で撫でては大袈裟に溜息吐いて相手に擦り寄り、　）全部身長に行ったんだろ、どうせ。でも割とこれでどうにかなるぜ？お前の事押し倒すのだって支障ねーし。

っ、そんな事一言も言ってねえだろ！( 自分の揶揄のせいか一つの茶碗にしか用意しない相手を見遣っては流石に慌てたのか焦った様子で声を掛け残念そうに眉根を下げはしたものの、火を扱う場面になっては渋々相手から視線を外すなり野菜を炒め始めるも、直ぐに背後から相手へと抱き締められては大袈裟に肩を跳ねさせつつも何とか被害は出さずに済み、文句の一言でも言ってやろうと口を開いた所で拗ねた様に聞こえてきた言葉には思わず吐き出そうとしていた文句を呑み込み僅かに表情を緩めて )…当たり前だろ。流石にこれは他の奴にはさせる気ねえよ。

んー、分かった。( 後片付けを始めた相手を見遣っては手伝おうかと席を立つも、告げられた言葉には残念そうに眉根を下げながらも素直にリビングへと向かうなり何か面白そうなゲームはないかと積まれている未プレイのソフトを物色し始めて。相変わらずふざけた調子で言葉を返されては何処か不満そうな表情を浮かべていたものの、不意に相手を抱き締めていた腕の力を強めてはニヤニヤとした嫌な笑みを浮かべながら挑発的な言葉を吐いてみて )…そういう時は、キヨちゃんの為に気遣ってあげてるんだよー？

揶揄わんとけばいいのに、…うっしーらしいけど。（　焦った様子が見られると些か溜飲が下がり、仕方ないと言わんばかりに言葉紡ぎながら相手に怪我だけはさせないよう抱き締めたまま気を配りつつ聞こえてきた言葉に安堵した様子で僅かながら抱き締める腕の力強め、普段自分のいないところで相手が他の奴に狙われていないか等々気になるもあまり過度に口出ししては鬱陶しがられるか、と言葉飲み込み、そのかわり相手が炒め物終わった際には晒されている首筋へ不意打ちでそっと口付けをしてから離れ、意地悪してたものの棚から相手の分の茶碗を取り味噌汁注いでは何か怒られる前にそそくさとリビングの方に味噌汁運びに行き、　）

…おい、決まったか？（　皿洗い終わり食器置きにそれを落としてからリビングへ戻るとゲーム選ぶ姿は図体のでかい子供のようで、思わず頬緩ませながら自分はソファに身を預けるように座り相手を眺めては少ししてから漸く相手へと声をかけ様子を伺い。相手の体温すぐそばにあり暖かさで少し眠くなると小さく吞気に欠伸零し、ふと相手の挑戦的な声にまんまと引っかかれば抱き締められたまま相手の方を見やり不満げな顔をしたまま軽く睨みつけ、　）気遣われなくても押し倒せるわ、負け惜しみ言うなっての。

っ…ばか！吃驚すんだろが…！( 最もな言葉を吐かれてしまえば何も言い返せないまま調理を進めていっていたものの、火を使う行程を終えた同時に首元へと柔い感触を受けては大袈裟に肩を跳ねさせつつも、足早に離れていってしまった相手へと僅かに頬を染め声を荒げはするが、元々腹を空かせている事もあってか先程の仕返し等はせず大皿へと盛り付けては相手が待つリビングへと運んでいっては向かいになる様に席については、唐突にぽつりと小さく呟いてみて )…レトルトって案外独占欲とか強そうだよな。

…うーん、無難にこれは？何だかんだ盛り上がるし。( ソファへと腰掛け此方を眺めている相手に気が付いては王様みたいだと内心可笑しそうに笑いながらも、不意に声を掛けられてはよく投稿しているマリオのカートのソフトを相手へと見せては確認する様に緩く首を傾げてみて。案の定引き下がる様子もなく告げられた言葉には此方も不機嫌そうに珍しく睨む様な視線を向け、不意に相手から離れたと思えば両手首を掴むなり怪我をしない様にかゆっくりとした動作で床へと押し倒してみて )…ほら、こうしたら抜けられないしょ？