勇者 2017-06-24 13:55:54 |
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謝る必要はない…それで話しというのはさっきの盗賊のことだ、あれだけ手酷くやられてその上何の収穫も得られなかった…奴らが報復のためにこの街をまた狙うかもしれない
(ただ偶然立ち寄っただけでそれ以外に縁も所縁もないこの街だが、それでも盗賊という明らかな脅威に曝される可能性がある現状を見て見ぬフリするなんて己の正義感がそれを許さず、自分に出来ることがあるならしたい、魔王を倒すという本来の目的からは少し外れるが、それでもそのために力を貸して欲しいという話しをして)
…わかった
(彼らしい考え。正義を貫く姿勢に国王も彼を認めたのだろう、自分に出来ることは何でもしよう。話を聞くと頷き「盗賊をどうにかできなきゃ魔王は倒せない…」)
ありがとう、なら明日は朝一で聞き込みをして盗賊のアジトを突き止めよう
(王から命じられた魔王討伐の任とは無関係の己の個人的な寄り道に何の躊躇いもなく賛同し付き合うと言ってくれた彼女に素直な感謝の気持ちを告げ、志を共にしてくれる仲間として、より彼女を心強く感じられてなんだか絆も深まったような気もして)
それなら体力を回復させないと…アルスは布団で寝て
(彼の言葉に頷くと一人用の布団に視線を移し「明日も早いから。…私はここでいい」床に蹲るように横になり)
回復が必要なのはレイも同じだろう…こっちへ来い、詰めればギリギリ二人ぐらはい入れる
(体力の回復が必要という立場で言えば自分も相手もその点は変わりなく、何の下心もなく純粋に部屋の隅、それも床の上で寝るという彼女の身を案じ、ひとまず入った布団の端に寄って隣へと誘って)
少しだけな、だが一晩過ごす分には大した問題でもない
(多少は窮屈でも不思議と不快感などはなく、むしろ安心感の方が勝って。大した問題でもない、その言葉通り少しして小さく寝息を立て始めて)
(まもなく隣から寝息が聞こえ、暫く眠れずに相手の寝顔を見ているうちに漸く眠気が来たもの、いつのまに窓の外が微かに明るくなってることに気付き静かに布団から出て)
…もう起きてたのか、早起きだな
(相手よりも少しだけ遅れて目を覚まし、自分の隣で眠っていたはずの彼女の姿がないことに気付けば布団から身体を起こして室内を見渡し、その姿を見つければそう声をかけて)
おはよう…
(すぐに出掛けられる支度を終わらせ、声に振り返ると歩み寄り「まだ早朝すぎて街は起きていない…」窓を指差し静かに述べ)
ああ、おはよう…そうみたいだな
(しっかり休んですっかり気力は満ちていたが、行動を開始するには些か早いことを悟り壁に立てかけた剣を手にして立ち上がり「少し鍛練をしてくる、レイはどうする?ここで待っているか?」ドアの前まで行ったところで彼女を振り返って)
行く…盗賊たちも動いているかもしれない…
(それに標的を自分達にしているとしたら別行動は危険、と判断すれば彼の後を追い。)
盗賊なんかに遅れをとるつもりはない、が…油断はしないに越したことはないな
(昨日の盗賊が襲ってきたところで難なく撃退出来る自信はあったが、それでも念のため単独行動は慎んだ方がいいかもしれないと彼女の言葉に頷いて「…昨日改めて見ていて思ったんだがレイは身のこなしが素早い、何か特別な訓練をしていたりするのか?」廊下を並んで歩きながら、昨日盗賊を流れるような動きで仕留めた様子を思い返し、あれを自分の剣術にも取り入れることが出来ないかと思い、質問を投げかけ)
…特別な訓練はしていない、ただ相手に隙を与えることと足の早さだけ気を付けてる
(横顔を見つつ答えては「アルスは攻撃力と瞬発力が凄いから…その瞬発力に応用した業を身につければ、恐らくは広くない場所での戦闘も強くなれる…と思う」自分の意見を答えるとすぐ前を向き)
レイは色々とよく見ているんだな、早速今日の鍛練で意識してやってみよう
(客観的に自分を見る機会というのがこれまでに無かったため、彼女からのアドバイスが己の視野を広げてくれた気がして、早速これも鍛練のメニューに組み込んでいこうと思案しながら屋外までやってきて「…何か見ていて気付いたことがあればなんでも言ってくれ」剣を鞘から抜き、瞬発力を生かした素早い動きを心がけて素振りを始め、同時に見ている彼女へと意見を求めて)
…少し手伝う
(木葉を何枚か拾ってくると呪文を唱え蛙に化けさせ「すばしっこいし跳び跳ねるから大きい業だと倒しにくい…これを全て斬って」蛙を彼に向かわせると少し離れて見守り)
わかった、やってみよう
(これほどまで小さく素早く動く的を斬るという剣の修行をしてきた中でこれまでに考えたこともないような斬新な試みではあったが、彼女の言葉を聞けばなるほど理に適っていると納得して放たれたカエルに向けて剣を振り続けるがやはりというべきか最初のうちは中々捉えることが出来ず「なるほど…これは難しいな」そうしているうちに少しずつではあるがカエルの早い動きに対応出来るようになりはじめて)
流石…アルス
(大きく剣を奮う闘い方から少しの動きで適格に的を斬れるようになっていくのみ込みの早さに感心し。気がつけば周囲も明るくなってきたので蛙を元の木葉に戻し術をとき「そろそろ街も起きてきた…」)
まだまだ、もっと早くもっと正確にやれるようにならないと実戦では活用出来ない…また次も頼む
(後半はそれなりに追えるようになってはいたが、実戦で役立つものとするまでにはもう少し修行が必要そうだと謙虚に受け止め、この鍛練も継続をすればいずれは実を結ぶだろうと次回も彼女に協力してもらえるよう頼んで「ひとまず今日はここまでだな、出かける準備をしよう」そう言って部屋へと戻って行こうと踵を返して)
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