カイ 2017-03-07 13:58:12 |
![]() |
通報 |
…、邪魔する。
(相手と共に牢を出たのは良いものの、単独で無いとはいえ相手もまた信用できる人物というわけでもなく。警戒は怠る事なく通路を歩んで行くが、途中すれ違った看守の肩を笑顔で叩く様子を目にすると此処の警備はどうなっているんだと少々不安が過ぎり。しかし深く考える暇もなく相手の牢へと着いてしまえば、促されるままそこへと足を踏み入れ。己の所と大して変わら無い造りである牢内を軽く見回して相手へ視線を向けると、早速とばかりに口を開き)
…それで、さっきの話の続きだが…整理する前にまず、お前の種族を聞いても良いか?
ジェイン: 俺?俺の場合、種族っていうより…、
(質問に答えようとするが、ただ答えを述べるより面白い事を思い付けば口許をニヤつかせながら持ってきた雑誌を適当にベッドへ放り。どこからともなくフォークを取り出すと相手に見せ付けるように片手をつき出し、次の瞬間その腕に躊躇いなくフォークを突き刺して。表情変えぬまま直ぐに引き抜くが肌には小さな穴が三つ開きそこから溢れ出した血が腕を伝って床を汚し。しかし開いた穴は次第に肉で塞がれそう経たない内に傷痕は跡形も無く消え去り赤い液体が付着しているだけとなり)
じゃーん!吃驚した?ご覧の通り俺の身体は怪我をしても直ぐに治るんだよね。心臓を刺したって生きてんだよ。所謂、不死身ってヤツ。
何を…っ、
(返答を待っているとどこからか徐にフォークを取り出し、此方へ片手を突き出した相手の今からする事が脳裏を過ぎり咄嗟に口を開いたも、言い切る前に躊躇なく腕にフォークを突き刺した相手に言葉を失い。いきなりの行為にどこか呆然としてしまい反応も出来ずにいたが、血が溢れ出る小さな穴はみるみるうちに塞がれていき、最終的には傷口も完全に塞がり赤い血が付着しているのみとなっており。その人間離れした特殊な体質を目の当たりにし、相手が人間ではない事を確認できると小さく息を零して)
…事情を知らなければ誰だって驚く。わざわざ実践しなくとも、口頭で言えば良かっただろ。
ジェイン: ニャンコくんの驚く顔が見たくてさ。…ん、いい表情だった。
(呆然とする相手の表情を見ることができれば愉快犯の如く満足げに笑みを零し、一歩近づき片手を伸ばして相手の頬をするりと撫で。どうやら腕を伝っていた血は指先にまで達していたようで撫でたことにより相手の頬に付着してしまった己の血を見てはスッと目を細め、しかし拭うことはせず頬から手を離し)
さて、本題だけど…此処は俺のような人外って呼ばれる奴らが収容されるところな。俺たちは獣の檻って呼んでる。罪を犯した人間は此処とは別の、もう少し待遇の良い監獄に収容される筈なんだよ。フツーは。
ッ…。
(己とは対照的に満足気な笑みを零し、更には頬を撫でるという行為を行う相手に表情強張らせたも、此方が払うより先に相手の手が離れると気にした様子もなく紡がれる言葉を耳に入れ。相手の手についた血を見るに自分の頬にも付着している事は明らかだが、後で水に流しに行けばいいだろうとその事については脳内で簡単に片付け。相手の説明により自分が誤って収監された事に確信が持てると、考える様に顎に手を当てつつ小首を傾げ)
そうか。人間と人外の区別もつかないなんて、間抜けな看守共だ。……それより、この場合俺は人間用の監獄に送りつけられるのか?
ジェイン: んー…残念だけど、此処の看守を見る限り態々人間用の監獄に送るような優しい奴はいないだろうなぁ。なんてったって、看守も人外だし。今でこそ人間と人外は仲良く共存して生きていこうって方針になってるけどさ、人間の方が人口を占める割合が圧倒的に多い中で人間から差別を受けちまう人外もまだ存在する訳だしね。此処の看守、人間嫌いなヤツもいるからなぁ。
(本来恐れるべき対象になるだろう看守に対しての間抜け発言を聞けば可笑しそうにククッと喉奥を震わせ笑いつつも続いた質問に対しては腕を組み看守の顔を思い出しながら思案し。人間ならば人間用の監獄に送られた方が安全なのだろうがその願いは叶わないだろうと述べていき)
あー…それだと俺は、収容される監獄を変えてもらうより、寧ろ人間だという事を隠しておいた方がいいか。
(喉奥を震わせ笑う相手に片眉顰めたも、続いた看守についての言葉には何処か他人事の様に緩く頷きつつ声を漏らし。確かに出来る事なら同じ人間のみが収容されている監獄に入れてもらいたいものだが、相手の話を聞くにそれは無理な事なのだろうと潔く諦めれば、人間嫌いな看守がいるのなら下手に自分が人間だと名乗るわけにはいかないのだろうと思案して)
ジェイン: うんうん。平和な監獄ライフを送りたいなら隠すことがオススメ。因みに囚人の中にも人間嫌いなヤツもいるから注意は必要な。…さて、そこで一つ問題!
(いずれ相手の正体がバレる可能性はあるだろうが、それまでは看守に真実を隠していても問題はないだろうと頷き返して。話しが一区切りついたところでクイズ形式で問題を出そうと楽しげな笑みを浮かべながらポンッと一つ手を叩き、相手に顔を寄せてはスッと目を細めて)
この俺は人間のことをどう思っているでしょーか。
…お前が人間を嫌ってるなら、少なくとも俺に敵意なりなんなり見せるだろ。今の所、それらしきものは感じない。
(これから自分が取るべき行動を何となく理解し、把握出来た事実に一つ息を吐き出せば、ふと手を叩きクイズ形式で問うてきた相手にゆっくりと瞬き。此方からすれば相手が人間を嫌おうがどうでも良い事ではあるが、少しの間を空けた後視線を斜め下へと向けると現時点では己に対して嫌悪感を向けられていない事を述べ。しかし今はそれを抑えているだけで後々本性を出してくる可能性も捨てきれず、問い掛けに対しての返答は少々曖昧さを含んだものになっており)
突然悪ぃ。
楽しいやり取りをあんがとな。
背後の事情で申し訳ねぇんだが、ロルの続きをもう少し待ってほしいんだわ。
明日の夜か明後日には返せると思う。
報告のみになっちまうがよろしくな。
お待たせ。
遅くなって悪かった。
ジェイン: …感じられない、か。……分かってないなぁ、ニャンコくんは。此処では常に疑いを持たないと。親切な人ほど腹の中で何を考えてるか分かんないんだよ?
(相手の台詞を小さな声で反復するとフッと口許に笑みを浮かべて。目を伏せながら諭すような優しい口調で続けた言葉は、自分が優しい人物を演じ実は相手に対し敵意を隠していることを告白しているような内容で。表情変えぬまま手を伸ばし相手を緩く抱き締めると耳元に唇を寄せ、そこで初めて演技を取っ払った冷たさ感じる声で言い放ち)
…俺はさ、人間が大っ嫌いなんだ。
ああ、いや。こちらこそ、返事出来なくて悪かったな。
多少の遅れは気にしないから、リアルを優先させてくれて構わない。
…まあ、その、わざわざ報告ありがとな。
(諭す様な優しい口調でありながら、含みを持った言葉を続ける相手に微かに目元を細めたも、不意に伸びてきた手が己を緩く抱き締めてくると瞳孔を僅かに開き。その後直ぐ傍で先程までの人の良いそれとは違う冷たい響きを持った声音で放たれた台詞にぞくりとすると、反射的に相手の胸元を力強く押しやり。距離を取るべく一歩後方へ下がれば、一瞬取り乱してはしまったが相手が人間を嫌っている事は想定していた範囲内であったために、一呼吸置いてから直ぐに落ち着きを取り戻して口を開き)
…そうか。なら、さっきお前の言っていた友達になる云々は取り消し、という事でいいんだろう?
そう言ってもらえると助かるわ。
あんがとな。
洸も返事のことは気にすんじゃねぇぞ?
これからもよろしくな。
ジェイン: あー…そしたら俺は完全にニャンコくんの敵になっちまうなぁ。敵ならニャンコくんの秘密を隠す必要もないわけだ。
(胸元を押されてしまえば己も二歩ほど後退しながらすんなりと密着していた身体を離し。相手が人間だと知る前は友達になる気でいたが正体を知った今では人間に対しての負の感情の方が勝ってしまっている為質問への答えは決まっていて。少し間を開けながらも再び口許に笑みを浮かべ答えていけば意地悪げに目をスッと細め)
…小綺麗な東洋人を輪姦するのが好きっていう悪趣味なオッサンがいるんだけど、そいつにニャンコくんのこと教えたら面白いことになりそうだよね。
ああ、レスの事はお互い気にせずにいこう。
此方こそ、これからも宜しく頼む。
…言いたければ言えばいい。お前が秘密を誰にバラそうが、止めてやる事はないから安心しろ。
(すんなり離れた距離に安堵すると共に、意地悪げに目を細めた相手からスラスラと脅しのようにも聞こえる言葉並べられると薄く口を開き。輪姦というワードに少しばかり嫌悪した表情滲ませつつも、あくまで強気な態度は変える気もないのか普段同様淡々とした声音で上記を返し。そのまま扉へと近づくと、相手が此方を嫌っている限り己がここにいる意味もなく、自分の牢へ戻るべく扉に手を掛けてから相手へ視線を向ければ律儀にも感謝の意を述べてやり)
世話になったな。お前のおかげで自分の置かれた状況を把握出来た、そこは感謝する。
ジェイン: ……そうくるか。つか、感謝って。ニャンコくんって変わってんね。
(やめてくれと懇願する台詞を待っていたが返ってきたのは此方の脅しに怯むことのない強気な台詞。相手の秘密を守る代わりにとある人物の情報を得てもらおうと企んでいたが、その企みは叶いそうになく残念だと肩を竦ませて。自分の思い通りにいかなければ牢を出ようとする相手を引きとめる気にはなれず、さらに脅したのに感謝までされてしまえば一気に脱力してしまいベッドにどさりと腰掛けて)
お前の方こそ、変わってると思うんだが。……邪魔したな。
(脱力したかの様にベッドへ腰掛けた相手を数秒見詰めてから扉へと顔を向ければ、己のことを変わってると言う相手に片眉を顰め。寧ろ嫌いな人間相手に情報をくれた相手の方が此方より余程変わっているのではないかと思案すると上記を。そのままもう話す事はないだろうと扉を開けば、起床時間になる前に戻っておかなければ同室の彼に何を言われるか分かったものではないと廊下へ出て扉を閉め、自身の牢部屋へと歩みを進めて)
……、
(随分とうなされた後、荒い息遣いと共に目が覚め。悪夢を見たせいかいつも以上に気分は最悪で、乱れた息を整えながら上体だけ起こすと目頭を軽く押さえ。起床時間前に起きたからだろう、牢の外から漏れてくる物音や話し声は一切なく静寂に包まれているが余りの静けさに逆に違和感を覚えてしまえば隣を見て。其処にある筈の温もりはなく、何処かへ行くなら自分を起こせとの約束を早速破ったのだろう相手に苛立ちを感じれば小さく舌打ち漏らすも起床時間になったら探しに行こうとぼんやりとした頭で考えていて)
…、起きてたのか。
(起床時間前だからか廊下を出歩いている囚人はおらず、一人来た道を辿りつつ自身の牢へと向かい。その間看守らしき姿を遠目に確認して極力見つからない様慎重に進んで行けば、漸く辿り着いた牢部屋の扉を開き。しかし、まだ寝ていると思っていた同室者が予想に反して目覚めているのを目にすると、僅かに視線を逸らす事によりちょっとした気まずさを紛らわせつつ、後手に扉を閉めながら続く沈黙を破り)
いや、気にするな。
急かすつもりはないし、落ち着いた時にゆっくり返信してくれればいい。
わざわざ連絡してもらって悪いな。
返信、気長に待っておく。
トピック検索 |