物語の読者 2017-02-28 21:13:46 |
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人間の女はまともに会話もできぬのか、此処に何の用だと私は聞いている。
(静かな室内に響く靴音と徐々に浮かび上がる人影。しかしそれでも椅子に腰掛けた態勢は変えることなく、ただただ相手に目を向けて。投げかけられた問いには答えずに、少し語気を強めて再び同様の質問を返し)
…魔王の討伐…って言ったら?
(此方の質問に答えない相手の口調と態度にカチン、と頭にきたが徐々に相手に近づくにつれ目の前にいるのは魔王…だということに相手の容姿と雰囲気で何となく察し先程の質問は意味がないということも理解し大きく息を吐き少し皮肉っぽく話し)
ふむ…。私の手下を倒して此処まで来れたことは褒めてやろう。だが…
(薄々分かってはいたものの、いざ女に直接口に出して言われると滑稽に思え口元に手を当ててにやりと笑い。女一人で自分の元まで辿り着けたことを労うも、なおも余裕を含んだ笑みを浮かべつつゆっくりと首を横に振り)
やめておけ、貴様の敵う相手ではない。
…それはどうかしらね
(案外素直にあっさりと自分を褒める相手にどこか調子が狂いつつも首を横に振り『敵わない』、と話す相手に真剣な表情でそう述べ「…私はむやみに争うつもりはない…ただ、話し合いをしに来ただけ…」、と付け足し)
そうか、私も端から結果が決まっている勝負をするつもりはない。
(相手の言葉に同調するように頷けば、まるで自分の勝利が定められているかのような口振りで述べ、組んでいる脚をくずしてその話し合いとやらの内容を問い)
して、私と何を話し合うつもりだ?
…単刀直入に言わせてもらうわ
(『結果が決まっている勝負』、という相手の言葉に不快感を覚えるも同調してくれた相手にきっぱりと上記を言い手に持っていたレイピアを床に置けば下記を述べ)
…今すぐ世界征服をやめてほしい
…何を言い出すかと思えばそんなことか、くだらんな。
(世界征服を止めることは自分の存在意義を否定することと同じであり、溜息も含んだ呆れた声でそう言いながら漸くゆっくりと腰を上げると、相手の目の前に立ちじっと彼女の顔を見て)
よく見れば中々の美玉だ、このまま殺してしまうには惜しい。
(女性の平均身長を大きく上回る彼女よりも更に上から見下ろしつつ、自身の手の指先を彼女の頬に当てながら言い)
…くだらない、って…やめてくださいっ…!
(相手の言葉にギリギリ…、と歯切りの悪そうな音を立てながら睨みを効かした表情で相手を見つめ。相手に頬に触れられればパシッ、と弾くように手を叩き上記を口にし)
(/お、遅くなりました…)
威勢の良い女だな、私の好みだ。
(手を跳ね除けられてもその反抗的な態度を逆に気に入り、くくっと喉を鳴らして妖しく笑い。一歩下がって腕を組むと、交渉決裂の言葉を言い放ち)
だがそいつは無理な相談だ、今更この計画はやめられん。分かったらとっとと此処から消え失せろ。
…あぁ、そうですか…
(相手の言葉からも読み取れるように確実に交渉は決裂したということを確信し残念な表情を浮かべ言葉を口にすれば床に置いていたレイピアを拾い上げ宣戦布告に近い言葉を並べレイピアを構え)
…なら、武力を行使ししてでも…貴方の世界征服計画を阻止するわ…!
愚かな、そんな棒きれ1本で私を倒せると思っているとはな。
(彼女が武器を拾い戦闘の意思を此方に示すと、余裕を持った態度はそのままにフンと鼻で笑い、どこからでもかかって来いとでも言いたげに両手を軽く横に広げ)
良いだろう、しかし貴様が負けた場合にはそれ相応の罰を受けてもらうからな。
うっ…ええ、分かったわ…
(敗北すれば罰を課せる、という話に一瞬顔に恐怖の色が滲み出冷や汗を流し唾を飲み込み。しかし元から覚悟は決めていた。ゆっくりと頷けば承諾の意思を見せこんなことを口にし)
…私がどうなろうと…絶対に阻止する…負けない…私は魔王…貴方を許さないっ…!
どうなろうと…か、良い心構えだ。しかし、私が手を下すまでもない。
(相手の言葉に満足気に頷けば、一気に後方に下がって距離を取り、パチンと指を鳴らす。すると相手と自分の間の空間から黒いオーラを纏った自分の背丈程ある2体の魔獣が姿を現し、相手目掛けて突進し始め)
行け犬ども、殺しはするなよ。
…負けない…絶対に…っ!
(相手が呼び出したと思われる2体の魔獣が此方に向かって突進してきたのを見てはポツリと呟き自分も2体に向かって走り出しレイピアを大きく振りかぶり)
ふむ、女にしては中々やるな。
(少し離れたところから戦闘の様子を窺っては、彼女の闘いぶりを見て流石此処まで上がってきただけのことはあると感心の言葉を呟き。続けて煽り立てるような言葉をかけ)
しかしそいつらを倒せなければ私を討伐するなど到底無理な話だ。
…絶対に倒す…!
(相手の煽りの言葉と自分の心の中にある『魔王を倒したい』、という思いが自分を奮い立たせレイピアを巧みに使いこなせば魔獣の1体の身体をレイピアが貫き)
ほう、それ程までに私を憎むか。何故だか知らんが。
(自分の言葉で明らかに彼女の動きが良くなったのが分かり、まるで娯楽を楽しむように観戦しつつ更に面白がって相手を挑発する言葉を投げかけ)
まさか私の部下に故郷でも焼かれたか?クククッ。
(『故郷を焼かれた』、相手のその言葉に動きが止まりその瞬間を狙っていたかのように魔獣は此方に向かって突進してきて身体を突き飛ばされ。自分の故郷は焼かれていない…多分、今も無事だろう…しかし、他の国は?…幾つもの国や村が魔王の手によって焼かれた…、そんなことが脳裏をよぎり涙が流れ)
もうよい。
(大きく弾き飛ばされ地に伏す彼女にトドメと言わんばかりに追い打ちをかけようとする魔獣を制止して、かつかつと靴音を鳴らしながら彼女の元へ歩み寄り。その場でしゃがむと彼女の髪を掴んで上体を引き起こし、顔を近付けて)
脆いな。戦闘中に何を考えている?
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