攻め女子 2017-02-03 22:39:53 |
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( / トピ立てありがとうございます、これから宜しくお願いします!
早速ですが、世界観はどう致しましょうか?此方が考えているのは、現代であれば学生か社会人、ファンタジーであれば騎士か軍人などといった堅苦しい職業をイメージしております。
また、堅物男子の性格の他に容姿の萌萎などあれば教えて頂きたく思います。)
( / とんでもないです!こちらこそ何卒よろしくお願いします!
世界観について、現代なら社会人設定だと嬉しいです。そしてこちらの攻め女子が人外(吸血鬼や天使など)だと押しかけ女房属性もプラスできて美味しいかもと、ふと思いついた次第です。
騎士も軍人も堅物さんにピッタリですね!その場合、こちらは姫もしくはヒーラーなんていかがでしょうか。踊り子というのも騎士や軍人のようなお堅い職業と正反対で面白いかも知れないですね。
堅物男子さんの容姿についてですが、個人的に眼鏡属性があるので眼鏡着用だと更に萌えます…!萎えも若干男性の長髪が苦手というくらいで、あとはご自由に作成して頂ければと思います。
こちらの攻め女子に関しても容姿・性格等にご要望があれば何なりとお申し付けくださいませ! )
( / 正直ファンタジーも大変捨て難いのですが、押しかけ女房さんがとても美味しいので、差し支えなければ現代設定で如何でしょうか?もしよろしければ、攻め女子さんは吸血鬼だと個人的に嬉しいです!
萌萎了解です、では眼鏡スーツ男子で行こうと思います!年齢にご希望はございますか?一応20代で考えておりますが…
攻め女子さんはナイスバディなお姉さんだと嬉しいですね、綺麗な美人さんが大変好みです。逆に、所謂ロリっ子は少々苦手です。性格は、此方が提供させていただく堅物男子が塩対応気味になるかと思われますので、それにめげない性格であればどのような女の子でも大丈夫です! )
( / ありがとうございます!現代設定、諸々了解です!出会いはベタに空腹で動けなくなっている所を堅物さんが通りがかって餌食になり、そこから家に居つくようになる…という感じでいかがでしょうか?
こちらの萌えを大いに反映して頂きありがとうございます!とても素敵です!年齢は可能ならば20代後半~30代前半だと嬉しいです。
攻め女子のご希望についても了解しました。吸血鬼娘の外見はグラマー体型で綺麗系な顔立ち…という感じですかね?見た感じは堅物さんと同じくらいか、少し下くらいでしょうか。
性格はおっとりしつつも強かに攻めていくような吸血鬼娘を考えています。堅物さんの塩対応も笑って受け流すか、あるいは少しMっ気があっても面白いような気がしますが、どうでしょう? )
名前/真宮 翔一郎 (Shoichirou Mamiya)
年齢/32歳
容姿/身長は180cmと日本人にしては長身で、がっしりとまではいかないものの細身ながらすらりと鍛え上げた筋肉を備えており、腹筋は六つに割れている。二重瞼で切れ長のつり目がちな茶色の瞳、すっと筋の通った高い鼻、薄めの唇と顔立ちはそれなりに整っているが表情らしい表情が浮かぶことが少ないため、接する人々に冷たい印象を与えがち。混じり気のない黒髪は、前髪は眉にかかる程度に切り揃え、サイドは耳に触れない程度にし、襟足は短いショートヘア。全体的に、地味ながら清潔感のある出で立ち。なお、視力が弱いのでノンフレームの度数の強い眼鏡が欠かせない。仕事着は勿論スーツだが、私服もそう大差ない地味なものを好む。同じデザインの同じ色味のスーツとシャツを複数所持していて、毎日変わり映えしない服装である。
性格/几帳面で真面目一辺倒の典型的A型人間。物事を合理的に捉え、如何なるトラブルに巻き込まれようと眉一つ動かさずに冷静且つ的確に処理をする。全てにおいて理路整然とした思考回路を働かせるため、代わりに他人の感情の機微には疎く、無自覚に無礼な態度を取ったり失礼な言動をしてしまうこともしばしば。けれども他人にばかり厳しいのではなく自分自身に対しては殊更厳しいので、反省も謝罪もするのだが無表情なせいで誤解されることも少なくない。しかし、生真面目過ぎるあまり時に天然と取れる行動に走ることも多く、全く親しみがない訳ではないと思われる。時間管理とスケジュール調整が趣味。
備考/中流家庭の核家族に生まれた長男。専業主婦の母、会社役員の父、芸術家志望の弟が一人という家族構成。元々父が厳格な教育方針であったことや弟が自由奔放な性格なことも相俟って、融通のきかない生真面目な人格が形成された模様。努力の甲斐あって国立大学を卒業し、大手家具販売会社に就職したことをきっかけに一人暮らしを始める。取り立てて飛び抜けたセンスや才能がある訳ではないが、真面目にコツコツと、地道に成績を伸ばして今では複数の販売店の管理を任されるまでに出世した。主に、何を言われても動じない姿勢を高く評価され、社内では『クレームクラッシャー真宮』と呼ばれているとかいないとか。
しかし、社会人として成功する一方で人間関係を築くことが苦手で、今まで女性と交際したことが一度もない。結婚の予定もないため、給料の使い道がなく貯金ばかりが増え、一人暮らしにしてはそこそこ良い1LDKのマンションに住んでいる。
余談だが、少しのズレも許せない性分のため、より正確な時計をと求めているうちに部屋の中にはアナログ・デジタル問わず多数の時計が点在しており、休日は暇さえあれば全部きっちり秒単位で時刻を揃えている。
( / お返事遅くなり申し訳ございません!決定している設定を元に堅物男子のPFをざっくりですが作成しましたので、確認をお願い致します。
作っているうちに少しギャグ寄りになってしまった感が否めないので、イメージと違う箇所などありましたらご指摘くだされば幸いです。
はい、容姿についてはその解釈で大丈夫です!そうですね、外見的には堅物男子よりも少し下の年齢だと嬉しいです。
Mっ気あるおっとりお姉さんいいですね、是非その設定でお願い致します!
出会いのシチュエーションもご提案頂いたものが素敵なので異論はございません! )
名前/ローザ・フォン・ベルンシュタイン
年齢/不明(外見年齢20代後半)
容姿/アイボリー色の腰辺りまであるロングヘア。絹糸のような柔らかな髪質。毛先にはゆるくウェーブがかかっている。前髪はなく、分け目はやや右寄り。三日月形の眉。くっきり二重瞼の赤い瞳。その目を長い睫毛が縁取る。高く締まった鼻。雪のように白い肌。濡れたような真っ赤な唇。口元に小さな黒子がある。小顔で凛とした顔立ち。黙っていればクールなお姉さんという印象。あくまで「黙っていれば」。身長は165cm。程よい肉付きに引き締まったウエスト。すらりと伸びる長い足。服装は主に黒と赤の二色を基調とした胸元の開いたドレスに黒いガーターストッキング、赤いヒール靴。日中外出する際には白いレースの日傘を差す。日差しの問題以外で肌を露出することに抵抗がないため、わりとジャンル問わず気に入った物は何でも着る。
性格/おっとりとした穏やかな性格で怒りとは全く無縁の存在。時間や常識に囚われないマイペースさで他人を振り回すことが多々ある。半分天然でもう半分は故意。人間に対して差別意識は一切なく、むしろ人間の文化や暮らしに興味津々。当主に戸籍まで用意してもらい、人間界で様々なバイトを経験し、稼いだ金でファッション等の多種多様な娯楽を楽しんでいる。年の功か、人間の男を意のままにコントロールするのはお手の物。一方で簡単に靡く歯応えのない男は結婚相手としてあり得ないと断言していたりと意外とシビア。しかし一度惚れたらとことん相手に尽くす、健気な一面も併せ持つ。一度や二度の拒絶も何のその。熱烈なアピールを繰り返す。とある出来事をきっかけにMっ気が開花した。
備考/一見すると人間と変わりないが、その正体は吸血鬼である。出自について詳しいことは自分でもよく分かっていないのだが、魔術等で生み出された真祖であるとされている。吸血鬼界でも最強と謳われているベルンシュタイン家に長い間世話になっていたが、時代の流れと共に吸血鬼の数は急激に減っていき、事態を憂いた当主がローザを人間界に送り込んだのが数百年前の話。当主からは種を増やすことができれば相手は誰でもいい、手段は選ぶなと言われているが、それをローザは全く意に介していない。自分の血を人間に注ぎ込み、吸血鬼にするという行為は結婚と同義だと考えており、吸血行為はすれど本来の目的を果たすには至っていない。ちなみに仲間の大半は当主の命令を遂行しており、ついに自分より若い仲間にまで先を越されたとか。
吸血鬼らしく人間離れした腕力や催眠能力、変化などの能力を持つ。しかし、吸血行為だけなら催眠能力だけで十分なので、人間界で暮らすようになってからそれ以外の能力はあまり発揮されていない。変化はその姿を蝙蝠に変えることができる能力。また、背中に蝙蝠の羽だけを出現させ、飛行することも可能。弱点は日光と十字架。
( / とんでもないです!こちらこそお返事が遅れてしまい申し訳ありません。PF拝見しました。こちらの要望をふんだんに取り入れて頂き、更に可愛らしい一面まで…!本当にありがとうございます。何ら問題ございません。とても素敵な堅物さんで今からお話しするのがとても楽しみです!
こちらも出来る限りご要望に添うようPFを作成しましたが、いかがでしょうか?解釈の違いや、その他お気になさる点があれば仰ってくださいね。
PFに問題ないようでしたら、こちらから絡み文を投下させて頂きたいと思うのですが、ロルの長さはどのくらいがよろしいでしょうか?こちらは豆~長程度で、マンモスまでいくと少しきついかなという感じです。 )
( / 此方もPF確認させて頂きました。当方の我儘な希望を取り入れてくださった上、想像以上に魅力的な攻め女子さんで絡ませて頂くのが楽しみで仕方ありません!とても素敵で問題も無いので、是非そのままでお相手願いたく存じます。
そうですね、当方長さにムラがあるのですが大体平均200~400字程度(場合によって長短あり)ですので、目安にしてくださればと思います。
此方からもお伺いしたいのですが、ロルの形式に苦手なものはございますでしょうか?当方形式にこだわりがないため、あらかじめ教えて頂けると非常に助かります。)
(勤め先のカフェを出ると辺りは既に薄暗く、朝方持って来た日傘を閉じては片手に持ち、来た時に使った裏道ではなく大通りを歩き始め。ここ一帯は店が連なっており、窓から煌々とした明かりが差していて、昼間とはまた違った活気が見て取れ。幸い今日は給料日で懐事情にも多少余裕があり、外食していつもより豪勢な食事を取ることもできたが何せ自分は吸血鬼であり、いくら食べ物を口にしたところで満たされない喉の渇き。それはカフェを出た辺りから徐々に押し迫り、ついには軽い眩暈を覚えるまでになって。朦朧とする意識の中、最後に食事を取ったのはいつだっただろうと弱々しく記憶の糸を手繰り寄せ、一週間程前だと思い出した瞬間。二本の足がバランスを崩し、咄嗟に近くの電柱に手をついたはいいが、立っていることもままならずそのままずるずると腰を下ろして)
駄目…もうこの際、誰でもいい…血…血が欲しい…
( / ありがとうございます!そして早速ですが初回の絡み文を投下させて頂きました。
ご質問がありましたロルの形式について、しいて挙げるとすれば漢文ロルでしょうか。最近はあまり見なくなりましたが…それ以外は概ね苦手意識はありません。色々とお気遣い頂きありがとうございます。また、私のロールについてもお気になさる点がございましたら何なりとお申し付けくださいませ。 )
予定より1分22秒遅れていますね、急がなくては。
(今日も今日とて朝から定時まできっちり業務をこなし、満員電車に揺られて最寄りの駅で降り。何かしら大きなトラブルがあった訳ではないのだが改札口を通る際、己の目の前を歩いていた高校生が定期券を取り出す作業に手間取ったためスケジュールに遅れが出ており、他人からしてみれば些末な差違であっても分刻みどころか秒刻みで予定を立てている自身にとっては組み立てたスケジュールをこなすことが何より大事なこと。それゆえ、普段より幾分か早足で大通りを歩いていると電信柱の根本辺りで座り込んでしまっている妙齢の女性の姿が視界に入り、予定が狂ってしまうやもしれぬという懸念は当然あったのだがさりとて見捨てることも出来ず、淡い色彩の長髪の美しい女性の傍らへ近付いては冷静な声音で具合を尋ね。)
どうされましたか。体調が優れないのであれば、救急車をお呼び致しますが。
(/初回ありがとうございます!
此方こそ、ご丁寧に回答いただき感謝致します。ロールを拝見しましたが気になるところは何もありません!逆に、此方の描写で気になる点がございましたらご指摘くださいませ。
特に何もないようでしたら此方は蹴って頂いて構いません。改めて、これから宜しくお願い致します( 礼 ) )
いえ…少し眩暈がして…
(耐え難い倦怠感が体を蝕むにつれ、考えることもおぼつかなくなり。ふと聞き慣れない男の声がして反射的に顔を上げると、そこには仕事帰りらしきスーツの男性が立っていて。相手が近付くとふわりと鼻先に熟れた果実が食べ頃を知らせるかのような芳醇な血の香りが漂い。何とも言い知れぬ多幸感が体を支配していくのに対して、実際に味わったら一体どうなってしまうのだろうと夢想しては口元を綻ばせ。再び相手の瞳を見据えるもその目は狩人のそれ。相手の上着の裾を掴むがほとんど無意識下でのことで催眠にかけて動きを封じるという工程はすっぽり抜け落ちてしまっているらしく、本能の赴くままに相手へと徐々に体を傾けていき。耳元に唇を近付け相手にだけ聞こえるくらいの声量で囁く、その口端には鋭く尖った牙が見え隠れして。)
あなたの血を頂ければ、すぐに収まりますから――。
( / お返事が遅くなり申し訳ありません。こちらこそよろしくお願い致します!それではこちらも一度下がらせて頂きますね。展開の相談等ありましたら、またお申し付けくださいませ。 )
なっ――。
(目眩と聞いて真っ先に脳裏に浮かんだのは貧血という言葉であり、どうやら意識ははっきりしているようなので救急車を呼ぶほどではないのだろうかと思ったのも束の間。此方を見る女性の容貌は息を呑むほど美しく、赤い瞳も相俟って人離れした美貌だと柄にもなく見惚れてしまい、けれども真っ赤な唇に浮かんだ微笑には理由のわからぬ恐ろしさをも感じて。自身をこれ以上心配させまいとしての笑顔なのか、そう遅れて推測したが、何故だか距離を詰めてくる相手の挙動には動揺と不審感を覚え。不慣れな女性との接触に緊張しているのか平素のように冷静に判断出来ず、何とも物騒な言葉が鼓膜を震わせてようやく両手が反応し、それを相手の肩に添えるが掴む程度の力で押し退けるには程遠く。)
あっ、ごめんなさい。私ったらつい夢中になっちゃって…首、痛みますか?
(相手が抵抗することを全く考慮しておらず、そのため両肩を掴まれた時は思わず動きを止めてしまうくらいには驚いたが、力はさほど強いものではなく。どういう心境かは図りかねるも、これは好都合と小さく笑みを零し、そのまま相手の首筋へと容赦なく牙を突き立てて。せっかくの獲物を逃すまいと相手の背中に両腕を回すが、これが逆に傍目には恋人同士の戯れと映ったようで二人の間に割って入るような人間は誰一人として現れる気配はなく。誰にも邪魔されず、やがて程よい満腹感を得て恍惚の溜息を吐きながら体を離し。うっとりと焦点の合わない目線を相手に遣れば、はっと我に返り申し訳なさそうに眉をハの字にして。その口振りは通行中に肩がぶつかってしまったことを詫びる時のようなさり気なさで。)
はい。正直に申し上げて、痛いです。
(首筋に何か刺さるような感覚がして漸く冷静さを取り戻し、噛まれていることは事実として認識出来たのだが何故相手がそのような行為に至っているのかまでは己の理解力が及ぶものではなく、とにかく今は相手を不用意に刺激するようなことはしない方が良いだろうと判断し潔く肩から両手を離し、代わりに上着のポケットに手を入れてそっとスマホを取り出しておき。ややあって気が済んだらしい女性が離れていくと若干体がふらつき、それでもバランスを取って踏み止まれば相手の質問に極めて正直に応答した後、噛まれていた首に手をやり血液が僅かに付着していることを確認しては110番しようと端末の電話機能を呼び出し)
あなたがどういう理由で私を噛んだかは理解しかねますが、これは客観的に見て傷害事件と判断します。よって、市民の義務として通報させて頂きます。
待って!今からでも対価を払わせてください!あなたの血は極上品だし、私も思わずたくさん飲んじゃったからお詫びに何でも…あっ、待って。やっぱり何でもは駄目ね。悪事にはだけは絶対手を貸しません。――私はただの吸血鬼、だもの。
(傷害事件や通報といった物騒なワードが相手の口から次々に飛び出せば、ぎょっと目を丸くし弾みで自分も立ち上がり。すぐに表情を正し相手の言葉に共感するように幾度か頷くも、その口振りは痛みや対価の有無を気にしており、相手の主張とも微妙にズレていたが。このまま警察のご厄介になるような事態に甘んじる訳にもいかず、相手がコールする前に待ったをかけ。焦っていても気を引く言い方をわざと選んでいるのはもはや癖とでも言うべきか。舌が回ってきた所で思わず口をついた何でもの部分を慌てて訂正した後、自嘲的な笑みを浮かべ。口端には自らの正体を裏付ける肉食獣のような長く尖った牙が覗いていて。)
吸血鬼――ですか?私の理解が正しければそれは空想上の生き物だと思うのですが、ヘマトフィリアと呼ばれるような嗜好ではないのですね?
(今にも親指は発信ボタンを押してしまいそうなほど画面に近かったのだが相手の主張が終わるまではきちんと何もせず黙って最後まで耳を傾け、彼女が発した日常生活ではあまり聞く機会の無い名称に思わず疑問符を口にして。しかしながらファンタジーと断ずるには相手の唇から覗き見える牙は確かに普通人間に生えている八重歯より鋭く長さもあるように見え、鵜呑みにもしないが完全に疑ってかかるようなこともせず、可能性として稀に見られる特殊な嗜好の類ではないのかと確認を。だが、そこで不意に鼻の奥がむずむずしてくしゃみが出てしまい、謝罪してから場所の移動を提案してみて)
くしゅっ!――失礼しました。
ここは寒く尚且つ話し合いには不適切な場所かと思いますので、お時間があれば室内で話しませんか。
随分とマニアックな嗜好をご存じですね。…でも違います。先程も言いましたけど私は吸血鬼ですから、空腹を満たす以外では吸血しません。
(こちらの言い分を端から否定するような空気ではないらしく、相手をからかうくらいの余裕が生まれたが、吸血鬼の沽券に関わる疑惑にははっきりと首を横に振って否定して。そこへ相手のくしゃみが聞こえ、どうやら人間には厳しい寒さであることを知ると続けて謝辞を口にし。まさか相手の方から対話の場を設けるという話を振られるとは思ってもいなかったがこれは僥倖。控えめに微笑み頷く裏で、改めてきちんと契約を交わし正式に血を提供してもらえるように今から思案を巡らせ。この辺に土地勘がないのは本当だが、ここぞとばかりにきょろきょろと辺りを見渡し、見当もつかないと小さく溜息を吐き)
いえ。私のほうこそ気が付かなくてごめんなさい。そうですね。どこか中に入りましょう。でも私、この辺りはあまり詳しくなくて…いい所、ご存じありませんか?
申し訳ありませんが当方のスケジュールに大幅な遅れが出ているので、差し支えなければ私の自宅で……ああ、8分11秒も遅れています。急がなくては。
(相手の同意も得られたところで場所について自身も思案し、この時間帯で尚且つ相手のような若い女性を伴うとなれば食事の出来る店を提案するのが無難なのだろうが生憎とそういった気の回し方が出来るような性分ではなく、更に、予定が狂っている事実が己の几帳面な性格に大きく引っかかるものとなっているため倫理的なものよりも綿密に組み上げたスケジュールを優先する判断を下して。既に吸血行為に対しての衝撃は習慣を遂行せんとする精神によって薄れつつあり、此方の場所の提示に対する相手の是非を聞く前に左手首の腕時計を確認すれば焦燥に駆られ、踵を返して早々に歩き出さんと。)
そんな…私達会ったばかりなのに、いきなり家だなんて…って、ちょっと待って!そんなに急いでいるなら飛んで行きましょう。そのほうが早く着きますよ。
(対話の場所としてさらりと自宅を提示するところを見ると真面目な印象とは裏腹にいわゆる肉食系なのだろうかと推測し。自分も吸血鬼といえど一人の女。端正な顔立ちをした男性に誘われて嬉しくないはずもなく、勝手な想像を膨らませ。しかし空想に浸っている間もなく視界の端に捉えていた相手の姿が消えると、はっと我に返り。相手のスケジュールにないイレギュラーな事態に巻き込んだのは誰あらん自分自身であり、詫びのつもりで提案し。帰宅ラッシュも落ち着いたのか、辺りに人がいないことを確認すると、みしみしと軋んだ音を立て背中に大きな蝙蝠の羽を出現させ。周囲を警戒しつつ相手へと手を伸ばし。)
――さあ、行きましょう。
……可笑しいですね。睡眠時間は十分確保している筈ですが……
(制止の声を耳にすれば律儀に立ち止まり振り返るも相次いで聞こえた「飛ぶ」という移動手段の提案には無表情のまま訝しげに首を傾げ、相手の発言の意図を問い質そうと口を開いたその瞬間、日常生活ではおよそ聞くことのない何かが軋むような音を伴って女性の背中に出現した蝙蝠の羽を視認し唖然。眼鏡に何か反射しているのかと一度外してレンズを拭ってから再度掛け直して見ても矢張り羽のようなものは存在しており、行き着いた結論は睡眠不足か若しくは疲労による幻覚かというもので。しかし、仮に彼女の背中に生えたものが現実だとしてもそれはそれで別の問題があるのではと理屈っぽい疑問を投げ掛け。)
ですが、私は正真正銘人間なので飛行手段がありません。体重も明らかにあなたより重いですし、飛べるとしてもあなたにかかる負担が大き過ぎるのではありませんか?
ご心配には及びません。吸血鬼は力持ちですから、人ひとり抱えて移動するくらいお茶の子さいさいですよ。
(蝙蝠の羽に視線を感じると照れくさそうにはにかんで。もじもじと体を動かせば、動きに連動して翼がぱたぱたと左右に揺れ。自分としては元より相手を抱えるかして移動するつもりでいたため、投げかけられた質問にその発想はなかったと小さく笑みを零し。どうやら何点か懸念があると見えると、誇らしげに胸を張りながら確信を持った口調で説明を終え。それで説明義務は果たしたとばかりに相手の方へつかつかと歩み寄るが、手が届く距離まで来て一度立ち止まり。失礼します、と言い置いてから背後へと回り込み、そのまま抱きつく形で腕を回し。急な接触への謝辞もそこそこに、その場で屈伸したかと思いきや次の瞬間には街が一望できる高さまで飛び上がり。)
ごめんなさい。少しの間、我慢してくださいね。
――ね?こっちのほうが渋滞もなくていいでしょう?…それでええと、ここから家がどのへんにあるか分かりますか?
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