霜月タルト 2017-01-03 19:12:07 |
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そこまで書いて、不意に先程まで文字を入力していたパソコンを閉じる。
(…何で俺は、こんなことを…?)
自分でもわからない。何故、こんな書き込みをしたのか。そもそも、家に着いて真っ先にこのリレー小説を開いた事から可笑しい。まるで、何かに導かれるようにこれを見付けたのだから。…そして、正に今日の自分自身の行動の一部が書かれて居ることに気付き、咄嗟にこの二つを書き込んだ。
(……訳がわからない。)
愛side
「今日の青葉くんは何だか変だったな」
「どうしたの急に」
「だってさ茜、ずっと黙ってて授業中も上の空だったんだよ?」
「よく見てるね」
「へっ!?ぇあ、べ別にそんなつもりなかったけど」
「ふぅん...」
青葉くんが転入してから一週間ほど経ち、最近になってようやく周りのほとぼりが冷めてきたように感じる。いつもなら相手の話を微笑んで聞いてくれている青葉くんだが、今日は何か可笑しかった。
「どうしたのかな...」
結局あの青葉くんは小説の青葉くんなのか、それすらも聞けていないまままた今日が終わった。
「ふぅ...」
次の日…
今日は休日なので、青葉君とは会うことはない。
なので、聞きたいことを聞くことも出来ない。
「はぁ…暇だなぁ。」
私は暇を紛らわせるために、例のリレー小説を開いた。
ホイールを適当に動かしていくと、akaneというニックネームの人が書き込んだ内容に目を止めた。
私が来れない間にたくさん進んでて、楽しく読ませて貰いました
たくさんの人に参加してもらえて、とても嬉しいです!
これから私は忙しくてなかなか来れないかもしれませんが、このリレー小説をよろしくお願いしますねー
ニックネーム akane
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愛、君に伝えなければいけないことがある。
青葉、あいつは危険だ。
近付いてはいけない。
理由は今は言えないがいずれ、君が苦しむ事になる。
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それは小説というよりは誰かに向けたメッセージみたいだった。愛という人物あてだけど私のことなのかな。リレー小説と私の今までの出来事の一致、それを考えるとこのメッセージもただの悪戯だとは思えなかった。
「っあ、青葉くん」
昨日のことがあったにも関わらず、私は彼に話しかけてしまった。
だって、珍しく、青葉くんが1人でいたから。いつも周りにいる彼の友達はいない。話しかける絶好のチャンスだと思った。
あいつは危険?近付いてはいけない?私が苦しむ?
知ったことか。見えもしない未来に怯えていては、何もできまい。
……なんて、勢いでいってしまった故に、青葉くんに話しかけにいったこの足はもうガクガクで、手汗もぐっしょりなのだが、バレていないだろうか。ノリと勢いだけで作ったこの笑顔は、不自然じゃないだろうか。ああ、好きな人に話しかけるって、こんなに緊張することだったっけ。
「佐々木…さん?」
これまでも、時折彼女が此方を見ていることには薄らとながら気付いていた。
そこに含まれる感情迄は別として。
別に、話しかけてもらえるようにしてた訳じゃない。偶然、今一人で居ただけで。
「どうかした?」
いきなり声を掛けてきた彼女への返事には、その感付いている事も何も悟らせないようにしながら。
「う、ううん。ちょっと聞いてみたいことがあってさ…。」
私は知らなくてはいけないと思った。
青葉君は私の好きな小説の中の人物なのか、青葉君は私のせいでここに来てしまったのか。
ずっと聞きたかった。
でも、やっぱり怖かった。
もし、私のせいでここに来たことを知っていて恨んでいたら?嫌われたら?
そう考えると胸の鼓動はどんどん早くなっていく。
このリレー小説は良いよねw文章への思い入れが伝わってくる人が多くて(^-^)
>主/霜月タルトさん
完結させる予定はあるのでしょうか?
でも聞きたい。知りたい。
私の中の探求心が、私自身の背中を押した。
「青葉くんってさ、あの青葉くんなの?」
「?」
「あの小説...『colorful days』の青葉くんなの?」
やっと吐き出せた。
ずっと気になっていたこと。
知りたかったこと。
じっと青葉くんを見据えると、彼は口を開きこう言った。
そう答えると、彼女は「え?」と不思議そうな声をあげた。
「わかんない、と言うかさ。漠然と、ここは俺の居るべき場所じゃないような気がしてる。けど、その…君の言うそれが何かは分からない、って感じ。誤解させたみたいだね」
ごめん、そう言って少し苦笑いする。
(だけど、分からないのも、居場所じゃないのも、どちらも本当だ)
きっと、この二つの疑問が解けたとき、何かが起こるのだと思う。それもまた、何と無くに過ぎないけれど。
枯れ草さん>
「完」って書いた人がいるみたいですが、終わらせても終わらせなくてもいいと思ってます。
もし、終わってもまた新しく始めてもいいと考えていますし。
このリレー小説は自由なので、その「完」から「終わりだと思いましたか?残念ですが、私の物語はまだ続きます」みたいな感じで続けても構いませんw
第2章「新緑の若葉達」
あれから何年か経って
学校は所々修理するために私達の卒業後、
4年程の年月が過ぎ、
彼等も既に大人になっていた。
例のリレー小説ももうどこかで終わっているだろうと見なかったし、友達との会話の話題にも登らなかったため、
青葉、という男の存在さえ私の記憶には薄れ掛けていた。
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