20062 2016-12-01 23:27:42 |
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(宥めるように背中を撫でられると少し落ち着きを取り戻し、ゆっくり振り向いて流れる水を観察してみて。しかし雨のように注ぐシャワーが体にかかればどうしても気持ちが悪く、しばらくは鳴き声も上げずに固まって我慢していたがとうとうぷるぷると体を揺らして水気を払い、逃げるように相手の服の中へ潜り込んで)
あ、こら!
(しばらく相手の体を流していると、いやに落ち着いてるなと思いながらシャワーをかけているとこちらの服の中に潜り込んでくればこちらの服もかなり濡れてしまい。「しかたがないなー」と呟けば服を脱いで相手が隠れられないようにすると相手を捕まえ、体にシャンプーを塗っていき)
(狭い服の中へ隠れて安心したのも束の間、服が消えて頭上の相手と目が合うと何が起きたのかわからずきょとんとした顔をして。シャンプーを塗られても捕まえられているせいで逃げることも出来ず、水が入らないようぴったり耳を伏せたまま時々うぅ、と鳴きつつ我慢して)
(やがて、相手の体も洗い終えれば今度は自分の体と髪を洗い始め。それさえも終えれば相手を胸に抱き込んだままゆっくりと湯船に浸かって。相手はちょうど首から上が出ている状態で「どうだ?気持ちいいだろ?」と水を嫌っていた相手もこれならいいだろうと思いながら問いかけて)
(相手が体を洗っている間は浴室の隅で濡れた体を丸め、段ボールの中にいたときと同じ徐々に冷えていくぐっしょりとした感触にうなだれて耐え。湯船へ運ばれても最初は身を硬くしていたが、今度は冷えたりしない温かなお湯に次第に警戒を解けば水面に移る姿をちょいちょいと触ってみたり、相手の胸元の水滴を舐めたりしながら落ち着いた様子を見せて。気に入ったとまではいかなくてもだいぶ慣れたことはぐるぐる鳴る喉が証明していて)
(お湯につからせたことでだいぶ落ち着いてきた相手が水面をいじったり、こちらについた水滴を舐めたりしていると「だからくすぐったいって…」と胸元をはうざらついた感触に耐えながら胸元あの相手をなでて。しばらく経つと相手を抱いたまま立ち上がり、脱衣室に向かえば相手の体をふきあげて、拭き終えれば次は自分の体を拭きあげて着替えて)
(お湯と撫でてくれる手のぬくもりに感じるのはずっと忘れていた安心感。次第に細めた目もゆっくり閉じかけた頃、ちょうどお湯から離され連れて来られた時と同じく体を拭かれると今度は抵抗せずされるがまま身を任せ。着替えのために床に下ろされても無意識のうちに相手の足元に体をくっつけ、気が緩んだせいかぴったりと寄り添ったままうとうとし出して)
(相手の体を拭き終えれば、今度は自分の体を拭き、着替え終えれば足元に柔らかな毛が足を触れる感触がして、足元に視線をやれば自分の足元でうとうととし始める相手がおり。「風邪ひくぞー」と相手をゆっくりと抱き終えれば寝室に向かい、ベッドに下ろして自分も横たわり)
(まどろみながら感じるのはベッドの柔らかさと相手の匂いだけ。ほとんど眠りながらも親猫の懐へ潜り込むようにもぞもぞと体を動かし、相手の腕と胸の間にぴったり身を収めると安心して寝息を立てて。この人に拾ってもらえて良かった。明日もこの人と一緒にいたい。そんな風に思いながら眠っている内に、猫の体は白い肌の人の子のものへと変わり、耳と尻尾を残してすっかり少女の姿となり。しかし朝日の明るさに目覚めた時には自分の変化にまだ気付かず、いつも通りぐーっと伸びをすると眠っている相手の頬を舐めて起こそうとして)
(寝床に付けばあたたかさからか、すぐにまどろみ始めて。重い瞼を必死に上げて相手の様子を見ているとこちらの腕と胸の間に入ってくると「はは、暖かいな」と毛に包まれた相手の体温は小さな体でもしっかりと感じることができ、相手の背中を撫でながら上記のように言えばいつの間にか眠っていて。翌日の朝。まだ夢心地の中、頬に湿った感触が這うと「こら、小春…」とまだ眠いというのに悪戯する相手を目をこすりながら注意しようとすると目を開けるとそこにはひとりの女の子がおり「うわぁ!?」とあまりの出来事に一気に目が覚めて驚いて)
(目覚めた相手に名前を呼ばれると嬉しそうにピンと尻尾を立てるが、あとに続いた大きな声にはびっくりして目を丸め。まだ自分の変化に気づいていないだけにいつも通りぴくぴくと耳を動かして首を傾け「…おはようございます、ご主人さま」固まったまま動かない相手を猫の姿の時と変わらず不思議そうにじっと見つめ、異常なしと判断して呟けばぐーっと伸びをしてからまた先ほどのように裸の身を寄せて)
(/返事が遅れてごめんなさい。期末考査期間中でしたので親にPC携帯を使わせてもらえませんでした。事前に連絡することができず申し訳ありませんでした。)
(だんだん意識がはっきりとすると、相手の嬉しそうな顔が視界に入り。相手はまるで自分が人間になったことに気づいてないように耳を動かしながら首をかしげて挨拶をしながら身を寄せてくれば、相手の一糸まとわぬ姿が密着すると顔を赤くして。寝起きの頭を必死に回転させながら今の状況を整理すると「本物…か?」と先程から動いている相手の耳と尻尾を触って確認して)
(/いえいえ、お気になさらないでください。お疲れ様です!)
んん、…ご主人、くすぐったいです。
(手が伸びてくればぴくっと反応して顔を上げ、むず痒そうな声を上げながらも昨夜と同じように自分から甘えて耳を押し当てて。しかし小さい子猫の頭とは違い、人間の頭は手の平にすっぽりと収まらず「…?」そこで初めて違和感に首を傾げるとその拍子に目に入った自分の体に目を丸め「ご主人様…小春のからだ、ちょっと変です」困惑はしているものの、相変わらず静かにぽつりと問いかけて)
(/本当に申し訳ございませんでした!)
(相手の尻尾と耳を触っていれば、向こうから耳を押し付けてくると、これは昨日拾った猫もこうやって押し付けて来たことを思い出せば「小春…なのか?」と相手の頬に手をやりながら問いかけて。困惑しながらも至って冷静にほつりと呟けば、とりあえず起き上がろうと相手を抱きしめたまま上半身を起き上がらせて「人間になったのか…?」とこんなことがあり得るだろうかと目を見開きながら問いかけて)
にんげん…?
(抱き起こされると昨日と同じように相手の胸にくっついたまま、見開かれた瞳に移る自分の姿を不思議そうに見つめ。相手と同じ黒髪のその姿も、相手の真似をして呟いた言葉も確かに皆人間のもので。ぼんやりしているようにも見える表情で幼いながらに考えてみれば、「…小春は寝てるとき、もっとご主人様とお話したいって思いました。猫の言葉は、ご主人様にはわからないから…だから小春は人間になったんだと思います」話がしたい、きちんとお礼が言いたい、きっとそんな風に思って眠ったせいだとたどたどしく説明しては「小春を拾ってくれてありがとうございます」と小さい声で告げ、胸元へぴったりともたれ掛かり)
(どうやらようやく変身したことに気付いたようで、ぼんやりした表情の相手に「なんで…」とこちらもあっけにとられたようにつぶやいていると、人間になった経緯をたどたどしく説明していると「思っただけでなれるものなのか」と、半ば苦笑しながらそういって。こちらにもたれかかってくると「当然のことしただけだよ。あんなのほうって置けるわけないし」とダンボールの中に入っていて雨に打たれる猫などいたら誰が無視できようか。当然のことを下までだと述べて)
(猫が人間になるなんて変なことなのかもしれない、それでもちゃんとした理由なんてわからないだけに困ったような笑顔をただ眺めることしか出来なくて。しかしあの出来事を当然と言われると何か言いたげに視線を動かし「…でも、他の人たちはみんな小春のことを見てくれませんでした。ご主人様だけ小春を拾ってくれて、名前をくれました」鳴き声を無視して素通りしたり、汚いものを見る目で一瞥すると早足で去ってしまったり。自分の前を通った人間達の姿を思い出しては淡々とした口調ながら相手の優しさを訴えて「…名前…ご主人様には名前、あるんですか」ふと何か気づいた様子で以前より簡単に近づける相手の顔に顔を寄せ、静かに瞳を輝かせて尋ね)
(こちらの顔を眺めながら、今までの人たちは素通りをしていた。拾ってくれたのはこちらだけだと訴えてくると「…そうか…ごめんな」と、自分のことではないのに、しかし、自分たち人間のエゴで相手をひどい目に合わせてしまったのは事実でそのことに申し訳なさを感じながら謝って。こちらに顔を寄せて瞳を輝かせながら名前を問いかけてくると「俺は、武下悠真。悠真でいいよ」と微笑みかけながら相手に名前を教えて)
(相手は謝るようなことは何一つしていないのに、悲しそうな顔をしてごめんと答えられてしまうと人の考えることはよく解らないとぱちぱち目を瞬かせ「…ごめんじゃないです、ありがとう、です」緩く首を振りながらまだぎこちない言葉で相手は悪くないと伝えて。ようやく教えられた名前をぴくりと揺れる耳で聞き取れば「ゆーま…ゆうま…ゆうま、ちゃんと覚えました」忘れてしまわない内にぽつりぽつりと繰り返し、何度か呟いてから安心したように少し表情を緩めて「ゆうま――…」何故か嬉しいような気持ちのまま再び密着しようとするが、服も毛皮もないせいかくしゅんっと小さなくしゃみをしてしまい)
(/機器の不調でネット接続が出来ませんでした、長らくお待たせして申し訳ありません!)
…はは、ありがとう
(相手が目を瞬かせながら首を振りながら伝えてくると、それならその言葉に応えようと苦笑しながら上記のようにお礼を言って。こちらの名前を聞いて反芻して繰り返すと表情を緩めながらこちらにみっちゃくすればくしゃみが聞こえて。そういえば相手は裸だったということもあり、この冬にその姿は辛いだろうと、相手から離れてタンスから自分の黒いパーカーを渡せば「サイズ大きいだろうけどひとまずこれ着てて」と相手の肩の上から羽織らせて)
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