みつただ 2016-12-01 22:27:08 |
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( 衣類仕舞われた箪笥捜索し相手待たせること数分、普段出勤等に使用しているマフラーや耳当て等の防寒具片手に帰還して来て、其の儘従順に待機して呉れている相手の正面へしゃがみ込めば其れ相手の頸部へと無遠慮にもぐるぐる巻き付けたり耳当て嵌めたりしていき相変わらずの過保護発揮し乍ら遠回しに暖かい格好しなと若干ぶっきらぼう気味に述べてみせて。 )格好悪いとか、其ういう異論は認めねえからな───今日の買い物で光忠の防寒具揃えるからよ今ンとこは其れで我慢しろよ
ちょっと、主…!?
(相手が手にして戻って来たのは防寒具、てっきり相手自身が使うのかと思いきや唐突にそれらを身に付けさせられ驚いたような声を上げて。相手の匂いがするマフラーに顔を埋めれば少なからず嬉しくなってしまうものの、これを自分がしてしまっては相手の身体が冷えてしまうのではなかろうかと眉を下げて問い掛け)…でもこれ、主のでしょ?僕がしたら主のがなくなっちゃうよ。
……、いいからしとけ。馬鹿は風邪引かねえしよ( 己の防寒に迄意識及んで居なかったらしく数拍固まるも相手の配慮等いっさい汲むことなく防寒具の全て託して仕舞えば歯列覗かせた明朗快活な笑顔浮かべて再度起立し、必要最低限ゆいいつの荷物である長財布臀部のポケットへと捩じ込んでは相手見下ろし乍ら未だほんのりと冷たい掌で相手の頬するすると撫でて )ンで、俺はもう準備万端だけど光忠くんの準備も万端かな?
…うん、良いよ。行こっか。
(なんの気休めにもならない言葉に眉を寄せて暫く不服気に相手を見詰めているも、僅かにひんやりとした手に頬を撫でられると肩を竦めつつ立ち上がり。しかしその表情は名案を思い付いたと言わんばかりで、一足先に心成しか弾んだ足取りで玄関に向かうと靴を履き替えて相手を待ち)
───おう。分かってるとは思うけどよ外で主ッて呼ぶなよ、車と軟派には気をつけること。( 形の良い眉根寄せられたかと思えばなんだか軽やかな脚取りで玄関迄向かい出した相手にいちまつの疑問覚えくてりと頸部捻りつつ敢えて追求せぬ儘後追うかの如く同じ道へと歩進めて普段愛用しているシンプルなデザインの運動靴履いて、爪先とんとん。そして御出掛けの際の何時もの最低限度過ぎる注意事項の常套句述べていて )
大丈夫大丈夫。行こう主……、叡二さん。
(外出する際にはいつも言われる同じ言葉に分かりきったように頷くも、その直後には早速失態を犯しており何事も無かったかのように言い直して。扉を開けて外に出るなり吹き抜けていく風が冷たく、身を竦めながら冬の冷気を吸い込んで白い息と共に吐き出し)
…あいよ、取り敢えず電車だな。( 何度呼ばれても慣れることの出来ない固有名詞に照れくささ感じつつも何処かの馴れ合わない日本刀に付けられた渾名の如く叡ちゃん叡ちゃんと呼ばれるよりかは聊かましだと言い聞かせてむず痒さに耐え、びょうびょうと吹き付ける北風に身体の芯から冷えるの実感しおでんや鍋、熱燗等やや親父臭いが暖かいもののこと考え現実逃避し乍ら閉められた扉施錠していき )
僕もう駅までの道覚えたんだ。
(相手が扉の施錠を終えて両手が空いたのを確認すると、平然と片手を掬い指を絡めて握り。その事はまるで意に介していないかのように歩き出せば、何度か相手に付いて外出した際に記憶に染み込んだ駅までの道のりを歩みながら得意げに告げて)
すげえな、この調子じゃあ不自由無く生活していけそ───、こら。御前は何度外で手は繋がねえッて言わせりゃあ気が済むンだよ。( 道程憶えたとの誇らしげな自慢に双眸細め乍ら相槌打ち、自然な流れで手握られてはなんの疑問もなしに握り返しそうになるも刹那はっとし手袋越しにじんわりと伝わる相手の体温離れるの大変名残惜しく感じつつ常識優先し直ぐに逃れるよう離して仕舞い、其の儘相手の脇腹弱く小突き乍ら咎めるようにひとこと述べてみせ。 )
えっ、だめ?主の手温めるだけだよ?
(以前まではテレビで見掛けるカップル達の真似事としてしていたのだから怒られるのも納得できるが、理由が違えば許されると思っているらしく驚いたように首を傾げ。そればかりか何故駄目なのかと何処か不服げでもあり、腑に落ちないとばかりに僅かに眉を寄せながら問い掛け)
駄目なもんは駄目、光忠みたいなナイスガイに手握られたらときめいちまうだろ。( 摩訶不思議とばかりに眉根顰めて不服申し立てして見せる相手と取り合う積もりは毛頭無いらしく相変わらず巫山戯た台詞当たり前かの如く真面目な面持ちで返し、然し審神者の手が悴けぬだろうかと憂慮し行われた善行におやばかであることも相俟って良心の呵責感じていて。先程相手の手から離して仕舞った掌上着のポケットを逃げ場に収納し、 )
いつもしてるのに。
(普段家に居る時は手を繋ぐことくらい平然としているというのに、今こうして拒絶されるのが依然として納得できず。しかし相手が手を上着のポケットに仕舞ってしまった以上は諦める他どうしようもなく、不服気な呟きを漏らし)
些とは耐えといて呉れや、帰ったら気の済むまで好きにしていいからよ。( 依然駄々捏ねるように洩らされる慨嘆になんだかんだ弱いらしく甘やかし強請られる儘好きにさせて仕舞いたい衝動に駆られつつ理性勝り、双眸緩りと細めて困り顔に限りなく近い微苦笑浮かべ、ポケットからいちどだけ隻手出してはまるで宥めるかの如く相手の背中目掛けてぽんぽんと数拍叩いてみせて )
頭撫でてよ、どうせなら。
(今我慢すれば後々好きなだけご褒美を貰えるのだと安直に解釈し、何より相手の表情からして困らせてしまっていると分かれば渋々要求を引っ込め。しかし宥めるように触れる手が背を叩いたのには些か不服で、頭を撫でるくらいならば許されるだろうと己の中でも曖昧な線引きで要求すると、ゆるりと頬を緩ませながら僅かに其方へ頭を傾け)
なら些とだけ譲歩してやろう、よーしよしよしよし( 普段聞き分けの良い相手からは想像出来ぬ連発される我儘に大変珍しく思うも其れすら悪い気はせず、ふは、と吹き出すかの如く笑い強請られる儘相手のセットされた頭髪崩して仕舞わぬ様に気を遣いつつぽんぽんと先程背中叩いた際と同様の手付きで相手の頭頂部緩やかに愛撫してみせて。段々と目的地である駅見えてきていて )
…ありがとう。
(要望に応えてもらい満足すると、嬉しそうに頬を緩ませながら礼の言葉を告げて。そこへ僅かながら遠くの方に電車の往来の音が聞こえると、それに素早く反応してパッとそちらへ顔を向けては表情を明るくし。駅に近づくに連れて人影が増えてきているのを感じつつ、その賑やかさに胸を高鳴らせながらも本能的な物か刀剣男士として戦っていた時の名残か、最早攻撃してくる者は居ないと分かっていながら人混みではどうしても相手に近づいてくる人間を警戒してしまい。周囲に意識を張り巡らせながらも弾んだ声色で告げて)賑やかだね。
だな。週末の昼間とも成りゃあ御出掛けと洒落込む輩も少なくねえだろうな、( 電車通過する効果音遠くに聴こえることや賑やかさに燥ぐ相手微笑ましく思うも何処かぴりぴりと周囲警戒する姿に指摘した處で彼のそういうさがは治らないだろうと思案しつつ駅の敷地内へと脚踏み入れては百八十五糎越えの長身男二人組と云う異様さに加え相手の端正過ぎる顔立ちも手伝ってねこそぎ集められる人混みの視線に予想していたことの為然程気に止めることはないものの微苦笑洩らし )……光忠、此んな平和呆けした国でそうそう敵何ぞ居ねえからリラックスしとけ。
…え、ああ…。
(街は既にクリスマス一色、駅構内にはツリーやネオンやクリスマスソングが流れ早くも胸が踊るようで。しかしやはり意識は緊張感を纏っていて、それを相手に指摘され初めてはっきりと自覚すれば釈然としないように曖昧に頷き。相手はそう言うものの先程から周囲に視線を巡らせれば数人と目が合っており、訝しげに眉を寄せながら囁き掛けるように幾分か低めた声で告げ)…でもさっきから主の事見てる人たくさん居るよ。
そりゃあ俺の佩いてる刀が格好良いからだろ、誰だって観るさ。( 普段素っ気無い駅周りも煌びやかに飾り付けられた風景や浮き足立つ雰囲気に釣られて態度には出さぬものの何となく浮かれ筒囁き掛けられた台詞にふ、と眦緩めてほんの鳥渡だけ腰屈めては相手の耳許へ同じ様に囁き返してみせ。其の儘ひとこと声掛ければ券売機の方向へとのんびりとした脚取り乍らも勝手に向かって行って仕舞い )───切符買うから買い方覚えたきゃ付いて来いよ。
…あっ、待ってよ主!
(相手から格好良いと言われるのは勿論喜ばしい事ではあるのだが、それが何故周囲の人間の視線が相手に集まる理由になるのかと思考は何処までもずれたところにあり、釈然としない様子ながら耳元の擽ったさに肩を竦め。しかし突然相手が一言言い置いて離れて行くと、慌てるあまり結構な大声で“主”と口にしてしまい。気付いた時には既に遅く、周囲から一層視線が集まっており弱々しい声でその呼び名を訂正して)…叡二さん…。
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