森蘭丸 2016-09-20 18:28:33 |
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寒くともこうして手を重ねれば心まで暖かくなりますね。
(手から伝わる相手の温度と小さな声に頬を緩ませてはゆっくりと歩き始めて。屋敷の中が賑やかで騒がしくなるのは静かな二人きりの時間は終る合図で、名残惜しく繋ぐ手を強く握りしめて「…もう少し時間が欲しいものです」と不貞腐れた表情をして)
…帰ってきたみたいですね。
(屋敷の中に入ると、がやがやと出ていた者達の声が大きく聞こえ振る舞いのお酒などを飲んでいるのか、賑やか雰囲気を感じ取ると相手と握っている手が少し傷んで咄嗟に相手の顔を見上げては、「蘭丸…?」と少し声を震わせて)
いえ…失礼しました。
(相手の表情を見ては我に帰り手を離すと深く頭を下げて謝り。伝えることは出来ない気持ちだと再度確認しては言葉を飲み込み顔を上げ「姫様は自室へとお戻りください、蘭も仕事に戻ります」と普段の笑顔を向けて)
いえ、いいのです。
(相手が謝ると首をふって上記を伝え。そして、もう相手も仕事に戻ってしまうことを理解しては、少し寂しそうな表情で、「…分かりました」と相手の仕事の邪魔をするわけにもいかないと一歩身を引いては軽く頭を下げて自室へと戻ろうと歩き出して)
お体冷やさぬように、おやすみなさい。
(表情を読み取るも気の利いた反応も出来ずに背を向け歩く相手に声をかけては軽く頭を下げて、先程の約束を思い出しては「髪飾り、明日お届けいたします」と付け足し家来として相手が見えなくなるまでその場で後ろ姿を見続けて)
貴方もお身体には気をつけて…
(相手の言葉を聞けば立ち止まって、振り返ることなく上記を静かに言うとこのまま立ち去って、いつものように自室へ向かえば良かったが、気づけば、今来た廊下を戻って相手に抱きついていて「……ごめんなさい、」と震える声で前記を言いながら相手の胸元に顔を埋めて)
……っ、どうなされたのですか?
(抱きつかれると驚き言葉を詰まらせては愛おしく感じ顔を赤くするも震える声に上記を返して。緩む表情を隠すためにもそっと背中に腕を回して宥めるように擦り「落ち着くまでもう少しお話しましょう」と優しい声で提案し)
ごめんなさい…こんなこと、誰かに見られたらいけないって、知っています。でも、何だか怖いんです。
(相手に抱きつきながら、少し泣きそうな声色で言うと「いつも、貴方が偵察や戦に行く度に、もう二度と会えないのではないかって、心配になって……」と声を詰らせては、頬から涙が流れて)
蘭の為に泣いてくださるのですね。お役に立てるなら命など捨てても構わない、そう思ってることも事実です。
(自分を思い涙する相手からは優しさと愛情を感じられ、戦で落としても良いと思っていた命も相手の為に帰ってこようと決めて。心配をなくそうと指で頬を伝う涙を拭って優しく微笑み「姫様のご命令とあれば必ずや戻って参ります。…さぁ、ご命令ください。」と真っ直ぐ目を見つめて言い)
…私には、貴方を止めることは出来ません。貴方が選択なさったことを否定することも……でも、どうかお願いです。どんなに遠くに行っても、私の元に戻ってきて下さい。貴方がいなくなったら……私はっ…
(相手にまっすぐ目を見つめられると、頬を赤くしながら潤んだ瞳を少し細めてから、ゆっくりと言葉を紡いで最後まで言えず言葉を詰らせては、涙が頬を伝い)
…必ず戻って参ります。お約束致しましょう、だから…もう泣かないでください。蘭がお側を離れることなど有り得ませんよ…命が尽きるまでお仕え致します。
(涙しながら一生懸命に話してる相手を愛おしく感じては気持ちを受け取り頷き返事をして、拭っても伝う涙が止まるようにと優しく微笑みながら両手で頬を包み「お気持ち有難う御座います」と続けて)
……ずっと、私の傍にいてください。
(相手の言葉を聞けば、俯いて顔を上げて上記を言うと、「私は……蘭丸、貴方の事がっ──!?」何か想いを伝えようとしたが相手の背後の奧の部屋から酔いが回った武士数名が出てきたので慌てて口を閉じて俯いて)
____!!
(俯く相手を見てから同志達に気付くと素早く相手の手を引いて後ろから包み込むようにして物陰に隠れて、皆相手を愛して慕っている者ばかりで抜け駆けなど許されないと分かっていても続きが聞きたくなり「まだ気づいておりません、蘭と来てくださいますか?」と静かなに問いかけて)
…はい、何処まででもついて行きます。
(このまま二人でいる所を見られては、屋敷内で変な噂を流され蘭丸にも迷惑がかかると思い、相手から離れようしたがいつの間にか視界は反転しており相手の言葉を聞けば頷いて上記を言って)
よかった…、とりあえず自室へと参りましょう。手荒くなりますが暫しのご辛抱を。
(断られず安心して一度呼吸を整えて、段々と近くなる声から逃げる為に相手の手を取り見つからないように走り出して。自分の部屋へと着くと相手の乱れた着物を正して「失礼しました。蘭の部屋に来る者はそうおりません、もう大丈夫です。」と笑顔を向けて)
……いえ、こちらこそご迷惑をかけて…
(相手が手を引いてたどり着いた先は、相手の部屋で少し乱れた着物を整えられると、申しわけなさそうに言うと「…宴はまだ続いているそうですね」と微かに聞こえる笑い声を聞いては俯きながら付け足して)
そのようですね…楽しそうで何よりです。
よろしければお座りください。
(聞こえてくる声と相手の言葉に返事をしつつ部屋に明かりを灯し片付けてあった座布団を出しては座るように勧めて。向かいに正座すると顔を見つめては優しく微笑んで「先程の続きお聞かせ願えますか?…それとも蘭から伝えましょうか?」と手を軽く握り続けて)
ありがとうございます…。
(部屋へと通されると座るように座布団を出されると、お礼を言いながら正座すると灯りが灯った室内は、僅かな灯りは室内をぼんやりと照らして目の前に座った相手を見ては相手から放たれた言葉に顔を赤くしては、握られた手を見てから「私の気持ちを伝えてしまったら……貴方に迷惑がかかってしまいます…」ともし素直に気持ちを言葉にしたら、もう後戻りは出来ないと心の中で悟って)
迷惑なんて…罰せられるのは蘭だけで勘当されるだけのことです。無理やり言わされたと言えばいい。
(赤く染る頬を指でなぞり顎へ流れるように撫でると軽く上げてみて、目を合わせると真っ直ぐ見つめて。部屋へ連れ込んだ時点で自分への罰は覚悟してはいるが然し相手は姫であり主で迷惑をかけられないのは此方の方で、幾ら想っていても最終決断は任せることしか出来ず「蘭の我が儘を聞いて頂けませんか…?」と付け足し)
…っ……私は…
(相手の手が頬に触れるとビクッと肩を少し震わせては顎を挙げられると相手と目が合って、熱を帯びた瞳が自分と同じものだと分かると、恥ずかしさが込み上げてきて目を逸らそうとしたが、なぜか相手から目を離すことは出来ず言葉は室内に流れるどこか甘い空気にかき消されて、相手の言葉に全てを悟ったのか同意するかのように目を伏せて)
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