四男 2016-03-27 22:17:49 |
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( 思い切り顔赤いのがバレてる。でも頭を撫でられるのはまんざらでもない様子で、こくりと唯一つ頷いて。彼も少しは緊張しているのだろう、真新しい服の香りと一緒に腕から微かに伝わってくる鼓動が早くなって行くのを何処か心地よさそうに体感して。ふと掛けられた声に顔を上げてその指の先を目で追うと自分好みのスプリングコート、ぱっと表情明るくすると ) わっ、これ良い!カラ松兄さん人の服選びは結構うまいよねー、
フッ、だろう?他のブラザーにもお前にはこういう服が似合うぞだとか勧めたことはあるんだが、不思議な事に皆聞いてくれなくてな……ほら、ちょっと着てみてくれ。
(人の、と加えられた一言が気にかかるものの好みにあっていたらしい反応にご満悦でそうだろうそうだろうと頷き。自分=センスが無いとの先入観があるのか、はたまたそもそも興味がないのか、他の兄弟と服の話をしようにも聞いてもらえないことが多くこうして勧めた服を良いと言ってもらえるのはひどく嬉しいことで。何より相手が自分の選んだ服を着る、というのはこう、何だかそそるものがある。そんな本音は勿論隠したまま辿り着いた店内で飾られているのと同じものを手に取り渡して)
…あぁ聞かなそうだね。おそ松兄さんは特に。ん、っと。どうかな?
( もしかしたら本当に例の痛い服を勧めているからなのかもしれないが、兄たちの中にある相手の服に対する先入観から見向きもしたくないのだろうと予想つけて。まあ一個上ともう一個上の兄はともかく。もしや相手は自分に酔うあまり変なファッションへ迷走しているだけで案外普通のセンスは持っているのではないか、なんて考えつつそのコートを受け取り試着して。袖が少し余るくらいだが寸法的には丁度良い程度で。彼に向き直ると首をかしげてみて。
……うん、すごくキュートだ、俺の目に狂いはなかったな!
(口元に手を当ててじっと眺めること数秒間、やっぱり俺の恋人可愛い、と目を細めてぐっと親指立て。特に袖の長さが少しばかり長いのが何とも愛らしい、確かもえそで?そんな名称で言われるあれだ。相手の背後に回ってするりとコートを脱がせて手に抱えつつ、「さて、どうしようか。お前がまだこのショップをチェックしたいというなら付き合うし、ここはもういいと言うならこれだけ買ってしまうし。どうする?」と)
可愛いかな?えへへ。うん、じゃあこれだけ買っちゃうよ。
( 可愛いと言われるのは癪ではないらしく、むしろ褒め言葉でありあざとく笑ってみせると今は彼の腕の中にあるコート指さして上記を告げ、財布を取り出すとレジへ向かおうと。丁度正午を告げる鐘のアナウンスが入ったところ、お昼にでもしようかと)どうする?次ご飯食べない?
そうだな、俺の胃も飢えを訴え始めて……トド松、少しこれを持っていてくれるか?
(昼食の誘いに頷きかけたところで相手が財布を取り出したのを視認、レジへ向かおうとするのを呼び止めて財布を持つ片手に強引に己のバッグを押し付けて塞いでしまい。先程自分の服は自分で買うと宣ったが、それはそれ、これはこれ。兄に格好付けさせてくれ、と内心言い訳しつつウインクを飛ばしてさっさと会計を済ませてしまおうと)
え?や、ちょっと!なんで僕のまで買っちゃうの!?馬鹿なの!?なにそのウインクいったいよねー!?
( 彼に続いて自分のものは自分で、と思っていたのに両手を塞がれてしまうと困ったように彼の元へぱたぱたと寄ると呼び止める。いつものツッコミが口からついて出るのは、いつも他の兄弟には断固奢らないこの人が何故こんなにもお金を出すのか、ということで。だがしかしプレゼントしてくれるならこの上ないかな、なんてクズは根本に残っている。)
ははっ、ランチはトド松が出してくれるんだろう?それにどうせ服を選ぶならプレゼントするまでちゃんとしておきたかったのさ、男としてはな。
(慌てた風に駆け寄って来る相手に精算の済んだ紙袋を渡し、押し付けたバッグと交換して。どうせ自分も相手もニートの身、口先では困りつつも奢られるとあって本気で抵抗するはずないという予想は当たっていた様だ。男性が服を送る意味をこの弟は知っているのだろうか、たとえ知っていたとしても自分達に当てはめることはないかもしれないがそれは自分がひっそり心に秘めておけば良いだけのこと。とりあえずは相手の手を引いてレストラン街のある上の階を目指して)
っまあそれはそうだけどさ…、だったらさっきも僕から送りたかったよ、もう。…ありがと、
( そそくさと紙袋と相手のカバンを交換する彼に戸惑いながらもそのプレゼントを受け取って。値札を見ないでおいたのは正解だったかもしれない。そもそも兄は恋人に服を贈るという意味は知っているのだろうか、多分そういう事は意識してないよね、そう自己決着を付けお礼を言って。エスカレーターに乗り込むとカラ松兄さんは何を食べたいのか、リクエストを取っておこうと彼を見ては )兄さん何食べたい?
俺は……………………肉、だな。
(単に空腹だからご飯食べたい、位にしか考えていなかった中で不意に何を食べたいか問われて思考のために長い沈黙が挟まってしまい。しかも長々と考えた割に出した答えは恐らくいつでも同じであろう答え、だって肉は好きだ、好きなものは仕方ない。とはいえ相手はカロリーだ何だと女子の様に細かい点も気にしそうではある、「勿論お前が望むフードがあるのなら、それでも一向に構わないんだが」と店の選択権は相手に譲り)
肉ー…焼肉ならあったかな…?僕もお肉食べたいし良いよ
( 肉は丁度自分も食べたかったことだ、丁度良いと彼の要望の肉を満たしてくれる店はどこかにあっただろうかと考え始め。カロリーは後で消費すれば大丈夫、ブレ⚫︎ケアも鞄に入ってる、などとそれらを先に思い出し。思い浮かぶのは和牛の焼肉店、結構良い値段だがお安い御用、そこへ彼の手を引き。
(相手に一任はしたものの、やはり自分の希望が通ったのは喜ばしくぱっと表情を明るくして。そもそも焼肉など八人家族では早々行く機会も無く、仮に行くとすれば誰かが大勝ちしたときや何らかの罰ゲームで兄弟の内の一人が負担する場合のみ。そんな貴重なメニューを恋人と二人だけで頂けるというのは、それはもう何倍も嬉しいことで。「ブラザー達には秘密だな!」と上機嫌でにこにこと引かれる手を握り返して)
僕らの秘密だね
( 秘密という言葉には甘酸っぱい意味もあるが、自分の財布の護衛のためである。あの大食いハイエナ達にばれたら大変なことになる。にこりと嬉しそうな笑み浮かべて片方の手の人差し指を唇に当てると。幸い空席はあったようで、受付を済ませるとすぐに案内されて。個室もどき部屋の椅子に腰を下ろし )なに食べよっかな、
これはどうだ?
(メニューをめくる中ふと見つけた一時間食べ放題の文字。自分達の胃袋のサイズを考えればそれが一番安価で満足出来る選択だろう。それなりに頼める肉の種類は制限されてしまうがそこまでこだわりを持つほど舌は肥えていない、結局のところ質より量なのだ。ちょん、とメニューの中の赤い文字をつついて相手に勧めてみて)
ん、それ良いかも。飲み物…酒はいらないよね?
( その指先の文字を見ると彼らしいオーダーであり。彼がお望みであればそうしようかとにこり笑ってはパネルでそれを注文するとドリンクを選んで。昼間から酒は飲む気も起きないのでソフトドリンクを押すと彼へパネルを差し出し。
流石にサンシャインが隠れる前から禁断の果実に溺れる訳には行かないからな……刺激をもたらす漆黒にしておこう。
(格好付けて同意したものの、昼間でなくとも酒に弱い自分はアルコールは頼まなかっただろう。受け取ったパネルの中からコーラを選んで押し。ぶっちゃけたところ炭酸もさして好きではないのだが(だってちくちくして痛い)、普段の様に麦茶を頼むのもこういった店では何だか勿体ないという貧乏性。注文の役目を終えたパネルをテーブルの隅へ戻し、片肘を突いて待ち)
…ごめんそれ何言ってるかわかんない
( 相手がコーラを押すのが見えていなければ何を頼んだのか全くわからないと真顔でそう告げると。余熱の為に金網のコンロに火をつた店員を見送り、太ももに手を置き待つこと数分、やっとドリンクが届きちょびちょび飲みつつ彼にこう話しかけ。)ねえ兄さん、聞きたいことがあるんだけどさ。
(肉より先にやってきたグラス片手に、パチパチする所為で喉が渇いていても一気には煽れないそれをちびちび口に含みながら肉を待ち。まだだろうか、童謡ではないがお腹と背中がくっついてしまう等と馬鹿なことをつらつら考えていると不意に相手から掛けられた声。視線を戻し、ひょいと眉を上げ)
何だ、何でも答えるぜ?
大したことじゃないんだけど、…カラ松兄さんは僕のどんなとこが好きなの?
( 大したことではない、それを前置きとしないと言えない気がして。言葉を続けようとしたところで肉を持った店員が来たため口をつぐみ。店員が戻った頃に熱くしておいた金網に肉をなんとなく置いてくいっとカルピスソーダを仰ぎ一呼吸置いてから上記を述べて。なぜこんな事を聞くのに勇気がいるんだろう、多分僕がそれだけ彼が大好きだってことだからか。
フッ、ハニーを愛するのに理由が必要か?強いて言うのならエブリシング、そう、全てさ!
(問いにとっさに飛び出す言葉は己の悪い癖だ、すぐにそうやって中身のない飾った言葉に逃げる。だけど自分の空っぽ頭ではすぐには言葉を作れない、どこが好き?と聞かれて詰まったらまるで好きではないみたいではないか、断じてそんなことはないのに。相手の目が見られなくて、だけどいくら鈍い身でも今のがアウトなことくらい分かる。くしゃりと苦笑のような、自嘲のような笑みを向け)
……とか、そんなアンサーを求めた訳じゃあないよな、分かってるんだ。ちゃんとお前のことは愛してる、だがだからこそ言葉にするのがハードでな、あの、少し言葉をまとめるから待ってくれないか。……答えに迷ってるんじゃないということは分かってほしい。
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