提督主 2016-03-02 23:21:07 |
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何だろう、艤装に違和感が…
(出撃の直前になって自身の艤装の動作にちょっとした違和感があって、しかし今日出撃する海域には大して強い深海棲艦の存在は確認されておらず、これぐらいのことで今日の作戦を遅らせる訳にもいかないため、大丈夫かなと自分でそう判断して結局誰にもこのことは言わずにおいて「準備オッケー!いつでもいけるよ、提督!航空母艦、瑞鳳。推して参ります!」提督の声にそう応えて出撃し
(/ここまでいくといっそ清々しくもありますね(笑))
利根、瑞鳳はまずは索敵機を発艦。その他の艦は前方警戒だ
(相手の元気のいい返事を聞けば早速上記のように指令を出して。ふと、窓を見てみれば海原の向こうには暗雲が立ち込めており。「降るのかよ…?」と呟けばどこかからか胸騒ぎがして。しかし鎮守府近海だからという油断をし、注意を呼びかけずにそのままで
(確かに胸糞を通り過ぎて清々しいですね笑
了解!偵察隊、発艦!
(実際に海に出てみれば艤装に感じていた違和感のこともすっかり気にならなくなっていて、指示通り作戦行動へと移って「…雨?さっきまであんなに晴れてたのに…」その時、不意に肌にポツリと冷たい雫が落ちて、空を見上げればいつの間にか雨雲が立ちこめており、妙な胸騒ぎを感じつつもため息混じりに呟き
(なんだ?この胸騒ぎは…)
(あの雨雲が見えてからというものの心の内の胸騒ぎがいまだ消えず、そわそわしていれば執務室のドアが勢いよく開きそこには大淀の姿があり「偵察機より入電!敵艦隊旗艦は戦艦棲姫であることが判明!随伴艦はヲ級、及びそのフラグシップ。タ級、ツ級2体!この海域に回す戦力ではありません!!」「なんだと!?」と耳を疑うような敵艦隊に目を見開き。「第一艦隊、即時撤退だ!」と指令を出すが「それが敵の別艦隊が背後から急襲!囲まれてます!」「くっ…!島風、吹雪は前方警戒!長門、陸奥、加賀、瑞鳳は背後の艦隊を蹴散らしながら後退しろ!」
…嘘…あれは、戦艦棲姫…!聞いてないわよっ…!?
(敵の姿を確認し、今の自分達に対応出来る相手ではなく、絶望的な状況を理解して提督からの指示に従って動き出そうとしたがその瞬間、急に艤装の推力が落ちて「っ…そんな、こんな時に……きゃあああ…!」身動きの取れない状態で砲撃を受け一気に大破状態にまで追い込まれてしまって「…はぁ、はぁ…もう動けな…っ!?長門さんっ、危ない…!」意識が朦朧として、既に立っているのがやっとの状態になっていたが、土砂降りの雨の中退路を切り開くべく戦っていた長門へと飛来する砲弾が見えて最後の力を振り絞り自身の身体を間に割り込ませるとそこで意識が途絶えて
支援艦隊!急げ!まだ間に合う!
(急な事態に困惑しながらも、作戦海域はそんなに離れてないため支援艦隊を出して。「敵を撃沈する必要はない!第1艦隊の退路を開くことにに集中しろ!」と次々と指令を出すもその時入電が入り「作戦海域より提督へ…旗艦瑞鳳。轟沈確認…」「…は?」と突然言い渡された言葉に理解しかねて。「瑞鳳…?ずい…ほ…う、うああああああああッ!」としばらくしてから言葉の意味を理解したらしくその場で膝から崩れ落ち、嗚咽とともに叫び上げ。その頃支援艦隊が到着した頃で
…ここは…どこ…暗くて冷たい……そっか…私、もう…
(夢か現実か、ただただ暗く冷たい上も下もわからないそんな空間に己は漂っていて自身の記憶をゆっくり振り返れば、少しして自分が轟沈したのだという現実を思い出して「…こんなことになるならちゃんと言っておけば良かった…な、提督…」そこで初めて後悔の言葉を呟けば再び意識は暗い底へと沈んでいって
…
(あの事件の翌日。第1艦隊は無事帰投。一人を除いて。自分は悲しみに明け暮れ続けあの日から一歩も自室から出ずにいて。相手との思い出の写真を眺めているとまたポツリポツリと静かに涙を流していて。玉子焼きを作っている彼女の写真。それを食べている2人の写真。それらを見ていれば最後に作ってくれておいた弁当がまだあったことを思い出し。その弁当箱を開ければ一口玉子焼きをつまんで「うまいよ…瑞鳳…くっ…う、〜〜〜〜〜っ!」とまだ泣き始め
(提案なんですが半深海棲艦化した状態で見つかるというのはどうでしょうか?
…提督っ…皆…行かないで…わ、私のそばニイて…テイトク………テイトクッテダれ…?
(大切な人たちが1人また1人と周りから居なくなっていく、そんな悪夢にうなされていて、頭の中から抜け落ちるように失われていくものを掴まえようと弱々しく伸ばした手も虚しく空を切り、やがて本当に大切であった人の顔も名前も何もかもがわからなくなって、暗い海をさまよいながら上から差し込む光を求めて言うことをきかない身体の力を振り絞り泳ぎ続けて、海面近くで力尽きて鎮守府近くの海岸まで流されて
(/それいいですね!とりあえずこのような感じで大丈夫でしょうか?)
〜数日後〜
(あの日から数日、鎮守府としての運営は休止をしていたが何日か経った後、なんとか振り切れたようで執務室にていつものように書類業をしているがそれでもたまに虚空を見つめていることがあり。すると、執務室のドアが開き、そこには再び大淀の姿があり「提督!大変です!鎮守府に深海棲艦が漂流しています!」「なんだと?本当か」と目を見開けば「それが…」と言いにくそうにしている大淀の言葉を聞けばすぐに「深海棲艦」が保護されている明石の医務室へと向かえば「瑞鳳!!」とベッドで寝ている相手の方を揺さぶり。しかし相手の姿はといえば右の腕は異形の形を成しており、顔も少し黒ずんでいて。しかし姿はれっきとして彼女そのもので「瑞鳳!!瑞鳳!!!」と何度も肩を揺さぶり何度も呼びかけて。すると明石が「提督!危険です!目が覚めたら何をするかわかりません!」と肩を掴まれるがそれでも呼びかけるのを止めずに
…ァ…ワタシは…イッタイ…!アナタハ……っ、ウワアアァぁ…!
(身体を揺さぶられる感覚に小さく声を漏らしてゆっくりと開眼し、うるさいくらいに『瑞鳳』と聞き覚えのある懐かしい響きの単語を此方へと投げかけてくる人間の男の方へと視線をやると、その顔を見た瞬間に本能が目の前の標的を今すぐにころせと訴えかけてくるのと同時に言い知れぬ寂しさや悲しさ、一言では言い表せないような気が変になってしまいそうな程の想いが一気に胸の内に溢れ出て、悲鳴にも似た声を上げ、混乱したまま目の前の相手を異形の腕で締め上げて
っ!?ぐっ…!ずい、ほ…!
(こちらに視線をやって悲鳴をあげる相手がいきなり異形の腕で締め上げてくると、その腕を掴んでなんとか息をしようとして。「提督!…仕方がない…!」と明石が注射器を取り出せば彼女の首筋に刺すと注入し、すると彼女の力が抜けていき、眠りに落ちて「軽い麻酔薬です。またすぐに目が覚めますよ」と説明を受ければ「明石、これは…」とまだ理解できてない相手の状態のことを聞き「見ての通り、深海棲艦になりかけてます。それに記憶も消えてるようで」どうやって戻せば…」「わかりません、ただこれからは記憶を取り戻すために少し、生活をともにしてはいかがでしょうか?もちろん護衛艦つきで」と提案されれば早速相手の寝ているベッドの隣に座り、相手の目覚めを待ち
…ン、イヤ…イヤだ……ヒトリハサミシい…ヨ…
(薬が効いたのか、先ほどまでの荒れようが嘘のように大人しくなり再び眠りへと落ちたが、それと引き換えに寝ている間は苦悶の表情を浮かべ、胸元へと苦しげに手をあててうなされていて、自然と瞳の端に涙が浮かんでツーっと流れ落ちて
瑞鳳…もう一人じゃない。一人にさせない
(相手が胸に手を当てながら苦悶の表情を浮かべて涙を浮かべる相手に決心したような顔つきになり。人差し指で相手の涙を拭ってやれば「瑞鳳、また玉子焼き食べさせてくれよ…そして、そして…」と言葉を紡げば相手の頭を撫でて
フフ…キモチイい…ナァ…
(撫でられ続けているうちに段々と苦しみや寂しさが軽減されていっているのか、微笑むその表情は提督に甘える在りし日の瑞鳳の表情に近いものとなっていて「……!ニンゲん…っ」それからしばらくして、目を覚ましてベッド脇の相手を見やれば先ほどのように暴れたりはしないものの、やはり驚きと同時に警戒心を抱いているような表情を向けて
瑞鳳…
(撫でていると撫でられていることがわかっているのか苦悶の表情から解放されるように微笑む顔になれば、またこの笑顔を見ることができたことに少し涙ぐみ。すると目を覚ました警戒心をこちらに向けてくれば「ま、まて瑞鳳!俺たちに敵意はない。だから安心してくれ」となだめるように語りかけて
テキジャナイ、の…?チガう…ニンゲンハワタシタチガタオスベキテキよッ…!
(相手の言葉と本能が訴えかけてくる敵意、その二つの相反する感情に激しく動揺しながらも最終的には自分自身を信じてそう声をあげたが、伸ばしかけた手は途中で止まり「デモ…ナンで…アナタノコエはワタシノナカノホンノウノサケビヲウチケシテクレる、の…?」知らないはずの声、それが己には不思議なことに懐かしく響き、脳内で下される命令をかき消してくれるようで
ちがう!お前は瑞鳳だ!敵なんかじゃない!仲間だ!
(激しく動揺しながらまた異形の腕を伸ばしてくると、その腕にひるむことなく上記のように声をかけて。すると途中で手を止める相手が自分の声が懐かしいというと「瑞鳳…お前の名前は瑞鳳って言うんだ。覚えてないか?」と優しく諭すように言えば相手の頬を撫でて、相手の肌はしっとりひんやりとしていて
ズイホウ…?ソレがワタシのナマエナの…?
(未だに胸の内に強くある目の前の人間という存在に対する理由のない敵意、それでも気がつけば彼の言葉に大人しく耳を傾けてしまっている自分がいて、名前なんてないとそんな風に思い込んでいた自分の名前だと告げられたその言葉の響きはストンと腑に落ちるような気がしていて
そうだ、それがお前の名前だ
(どうやら少し落ち着いたようでこちらの言葉に耳を傾ける相手に少しずつ歩み寄るように上記のように話しかければ「あとは…そうだな何かあるたびに玉子焼きを作ってくれたな…」と言えば懐かしむように苦笑して
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