太陽 2015-12-22 01:12:59 |
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めっちゃ面白いっす!
思わず熱中しちゃいました(笑
僕もたまに小説書くんですよ~
占/ツ/クってとこで書いてるんですけど更新停止しちゃってます、ハイ
そしてですね、僕の願望なんですが、北風さんにそこでこの小説書いてほしいなぁって思うんです
そしたらお気に入り登録だとか出来るし..と思いまして
えと、とにかく更新頑張ってください!
えっと、ストーリーとしてはとてもいいと思います。
ただ、情景描写が若干少ないかな?と思いました。
今は身長や表情については詳しくかけていると思うので、髪の色や喋り口調等を上手くつかって、もっとキャラを引き立ててあげてもいいかなと思いました。
自分も偉そうに言える立場ではないのですが、この小説は自然と読めるし良作だと感じたので言わせていただきました。下手なアドバイスですが有効利用してやってください(笑)
ちなみに自分も小説を「小説家になろう」で書いてたりしますよ( ´ ▽ ` )ノ
わわわわわ、しばらく見ない内にこんなにコメントが…………(嬉し泣き)
皆さん本当にありがとうございます!!
>スカイさん
ありがとうございます^^
ちょっと今学校が忙しくて……次の更新いつになるか分からないんですけど、なるべく早く書かせていただきます!
>苺大福系イレギュラーピエロさん
あ、小説お書きになってるんですか!
お仲間ですね^^
あ、あと一つ質問です。
占/ツ/ク行ってみたんですけど、小説ってどうやって書くんでしょうか?^^;
サイトトップ画面右上の『作品を作る』をクリックしたら、小説風占いとかフローチャートとかいっぱい出て来たんですけど、小説を書きたいときはどこに入ればいいんですかね?
ネット初心者感丸出しの質問ですみません……<(_ _)>
よければ教えて下さい。
>レズパートリーさん
おおお………そんなに褒められると照れますよ……(//v//)…うへへ……。
でもありがとうございます!
めっちゃモチベーション上がりました!!
更新が田舎の普通列車ばりのノロさですが、飽きずに読んでくれたら嬉しいです。
>焼きソーばさん
なるほど……確かに自分で読み返してみても情景描写が足りないと思います。
自分ではキャラの見た目や声などが想像できていても、それが読者様に上手く伝えられていなかったような気がしますね。
これからはもっと細かい描写に気を回していきたいです!
貴重なアドバイス、本っ当にありがとうございます!!
>北風さん
レスありがとうございますっ!
えと、垢はもう作りましたか?
小説は、小説風占/い/ツ/ク/ー/ルってやつで作れますよ!
そのすぐ下にサンプルもあるはずなんで、見てみてください!
>北風
いえいえそうですか。学校大変ですが頑張って下さいね。北風さんのペースでいいですからいつでもお待ちしてます(^^)
体調とか無理しないで下さい
> 苺大福系イレギュラーピエロさん
ありがとうございます!
すみません、まだ垢は作れてません……。
来週にでも作る予定なので、少し待っていてくださいm(*T▽T*)m
>スカイさん
ありがとうございますぅぅ……。
こういう応援コメントって凄い励まされます^^
ここの更新が遅くなりそうなので、別のトピに他のサイトで書いてた小説載せときます。
良ければこちらも読んでください。
↓
http://www.saychat.jp/bbs/thread/607472/
>北風
いえいえ(^_^)
分かりました。読んでおきますね。あっ北風さん学校大変でしょうが無理しないで頑張って下さいね。北風さんに何かありましたらこの小説や新しいのも話が止まってしまいますので。
無理はしないでくださいm(_ _)m
「え……と、お……落ち着いたか……?」
ゼーゼーと肩で息をする俺を心配そうに眺めながら、雪は尋ねた。
「あ、ああ……」
まだ心臓の鼓動は速いままだが、強がってそう答えてみせる。
東京で暮らしていく上で、俺はまず胆力を鍛えた方が良いな……。
このままでは本当に早死にしてしまう。
「で、えと……どこ行こうと……してたんだ?」
「ああ、いや……」
俺は思わず言葉に詰まった。
俺が桃菜の所に行こうとしていると知ったら、十中八九雪は付いてくるだろう。
コイツにどれ程の霊感があるかは分からないが、まあそんなに強いとも思えない。
恐らく桃菜の姿を視認する事は出来ないと思われる。
となると俺が桃菜と話していても、雪には俺が一人で喋っているようにしか見えないと言うことで…………。
それは、なんか、アレだ。
恥ずかしい。
「べ、別に……何でもねぇよ」
「?そう……か……」
雪は釈然としない様子だったが、あまり深く追及するつもりは無いらしく、それ以上何か聞いてくる素振りは見せなかった。
「……てかお前もう帰れよ!言っとくけどお前の立ち入り許可してねぇからな俺!?」
そうだ。
そもそも問題はそこだろう。
流石に雪と言えど、知らぬ間に自宅に入られては困る。
「う……ダメだったか……?」
俺の言葉に、雪はしゅんと落ち込んだ。
多少良心が痛むが、妥協はしない。
「そうだ!ほら、さっさと出てけ!お前だって誰かに勝手に家に入られるのは嫌だろ?」
俺は雪の背中を押して玄関に誘導しつつそう言い聞かせる。
俺、コイツの保護者か何かか?
「?…………別に……」
「別に!?」
「……宗哉も……毎朝……僕の家、入って……きてる……し……」
「あ」
そうだったな。
毎日起こしに行ってるわ、俺。
て言うか雪、夜自宅に鍵かけてないんだよな。
防犯意識ゼロだ。
まあ、雪は自身がS●COMみたいなモンだからな……。
「……分かった。今日だけ許可してやる」
「!ほんと……?」
俺がそう言うと、雪はぱっと顔を輝かせた。
「でもあくまで今日だけだからな。俺あんま人を家に上げたくないタイプなんだよ」
「そうなのか……?ば、僕…誰かが家に来たこと無いし……誰かの、家に……行ったことも無かったから……よく分からない…………」
「出てけとか言って悪かった。いつでも来てくれ」
幸の薄さに負けた。
なんだかんだ言って俺はコイツに甘いのか……?
お陰で今日の予定が台無しだよ……。
うああああああああああ!!
めっちゃ久しぶりの更新!
そして時間かけた割には大して高くも無い完成度!
遅くなって本当にすいませんでしたm(_ _;)m
読んでくださった方は一言だけでも良いのでコメント残して行ってください。
嘘でもお世辞でも結構ですのでw
それがそのまま私のやる気に繫がるというシステムになっておりますので!
まあ兎にも角にも!
楽しんで頂けた方にも楽しんで頂けなかった方にも!
ここまで読んでくださって感謝御礼です^^
これからも応援よろしくお願いいたします。
>北風さん
あばばばばコメ遅くなってしまってすみません!!
やっぱ面白いです!
久しぶりに見たけど全然内容覚えてましたもんW
やっぱこの二人の掛け合いと言うか会話が面白い...W
こちらの更新も頑張ってくださいね!
楽しみにしてます!
>苺大福系イレギュラーピエロさん
あっとざいまっす!!(運動部言語)
いやもう本っ当ピエロさんのコメ毎回嬉しいです!
こちらこそ楽しみにさせて頂いてますよ(笑)
この二人は書いててとても楽しいですし、初めて自分で作ったキャラという事で思い入れも一番強く、褒めてもらえるとめちゃくちゃありがたいんです。
コメント読ませて頂いた時、小声で「うっひょほおお」とか言ってましたww
いよいよヤバイな……私……。
今日中にちょびっと更新する予定です。
これからもよろしくお願いします!
「畜生……俺のカップ麺ストックが……」
先ほどコンビニで買ってきたカップ麺。
今日食べる用とは別に5.6個購入してきたのだが、今はもう皆亡き者となってしまった。
「雪……本当アイツどんだけ食うんだよ……」
まあ「朝飯食って無いんならラーメン要るか?」とか言い出したのは俺なんだがな。
最近世話焼きスキルがどんどん向上していっているのを感じる。
洗い物を済ませて雪の方に目をやると、彼はソファーの上ですやすやと寝息を立てていた。
本能のままに生きているな。
「おい!そーそーぎ!起ーきーろ!」
「うぅ……?そーや…………?」
このままだとナチュラルに住まれかねないので、俺は雪を叩き起こす。
だが雪はひとつ欠伸をすると、また目を閉じてしまった。
「だあぁー、もう!!」
怒鳴り声をあげて手近にあったクッションを投げつける。
雪は眠ったまま片腕だけを素早く動かし、クッションを弾き返した。
お前は歴戦のアサシンか。
……にしても朝っぱらからよくここまで熟睡できるな…………まだ9時だぞ。
「……ん、そうだ」
床に落ちたクッションを拾い上げた所で、俺の脳裏にある考えが浮かんだ。
「雪!一回起きろ!」
「んん…………なに……」
雪はトロンと眠そうな目をこっちに向ける。
「俺ちょっと出かけてくるから。眠いんだったら寝てて良いから、帰るまで留守番しててくんねぇか?」
そう。
雪をここに閉じ込めておけば良いのだ。
そうすれば俺は安心して桃菜とのお喋りに興ずる事が出来る。
「……ん…………わかった…………いってらっひゃぃ……」
「ああ」
コイツに留守を任せる事に一抹の不安を感じなくもないが、まあすぐ帰ってくれば大丈夫だろう。
俺はさっき投げた時のまま放置されていた傘を手に取り、玄関の扉を開けた。
≪7話・完≫
>北風さん
体育会系の言葉は日々進化(崩壊)していくのか...!←
僕ごときのコメントでもそんな風に言ってもらえてよかったです!
楽しみだなんてそんな..恐縮です
初めてでこのキャラ達..本当に北風さんはすごいですね..!
大丈夫です。僕なんて何かあると同じような事叫びまくってますから(奇行)
ー
またもやコメが遅くなってしまってすみません!
そして今更ですが更新お疲れ様です!
いやー、雪くんとは仲良くなれそうだW
このあとの展開にも期待です!
でもなんか気付いたら雪くんも後ろにいそうだな...W
更新頑張ってください!
>北風
7話よかったですよ。次どんな展開があるやらですね。楽しみにしてます(^-^)
あっ寒い時期になりますが風邪とか体調には気をつけて下さいね。無理はしないで下さい。自分北風さんが書いてる時自分も頑張らなきゃって気持ちをもらってます。ありがとうございます。
>苺大福系イレギュラーピエロさん
うぇっす!
あぁじゃあっす!(さらに崩壊)
あぁ……矢張り自作キャラについて読者様に語っていただく事以上の快感は無い……。
変態ですね(笑顔)。
でもやっぱり自分で作ったキャラって可愛くて仕方ないんですよ!!
同じ物書きであるピエロさんなら分かってくれるはず……!
これからも是非可愛がってくださいな^^
>miaさん
ああああああたらしい読者さん!
コメ感謝です。
おお……お褒めの言葉……めっちゃ嬉しい……。
いやいや、私なんて全然凄くないですよ(照)
日々の妄想を文にしただけですので。
キャラの生き生き度は、妄想をしている時の私の生き生き度と多分比例しています(笑)
何はともあれ、読んでいただいて本っ当にありがとうございます!!
また気が向いた時で良いので、是非読みに来てください。
そしてお喋りしましょう^^
>スカイさん
ありがとうございます^^
この冷たい現代社会に身を置いていると、スカイさんの温かいコメントにとても癒されます……。
私もスカイさんの執筆速度を見習って頑張っていきたいです!
《8話》
「お、居た居た」
以前桃菜に会った場所に行くと、彼女は退屈そうに道路で三角座りをしていた。
俺は周囲に人が居ないことを確かめると、桃菜に向かって手を降る。
「よっ!桃菜!」
「あ!この前の……」
桃菜は俺に気付くと笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。
「また来てくれたんだね!私なるべくここにいるようにして待ってたんだよ」
そう言ってこちらを見上げる桃菜。
一瞬、悪くないと思ってしまった。
違うぞ?
俺はロリコンではない。
「お兄ちゃんとはもう会えた?」
「ああ、お陰様でな。……何か、めっちゃ良いヤツだった」
「でしょでしょ!?お兄ちゃんは私と違って凄い性格良いの!」
自分の性格が所々悪いことについての自覚はあったのか。
「ん、ところで今日は何しに来たの?」
あ、そうだ。
目的を忘れかけていた。
なるべく早く終わらせて帰らなきゃな……。
あまり長く雪を留守番させておくのは心配だ。
雪が、ではなく雪によってもたらされる可能性のある我が家の被害が、だ。
もう食料は調味料しか無いと思うが……アイツは何をしでかすか分からない。
「もしかして私に会うためだけに……!?」
「いや違ぇよ……ちょっと聞きたいことがあってな」
「聞きたいこと?」
「ああ。桃菜って妹居るんだよな?」
「え?」
そう尋ねた途端、桃菜は先ほどまでの笑顔を消し固まってしまった。
驚いたように目を見開き、無言で俺を見ている。
「あ……と……桃菜?」
「!ご、ごめん……えっと何だっけ?妹?」
だが俺が話しかけると桃菜は慌てたように笑顔に戻った。
「も、しかして、あ……杏菜の事かな?」
「ああ……そうだが……どうかしたのか?」
「えっ!?あ、いや、その……私杏菜の事教えてないのに、どこで知ったのかなーって」
目を泳がせながら桃菜はそう言う。
何でこんな反応を?
…………聞いちゃマズかったか?
「沖花から……あ、沖花……春から、聞いたんだ」
「ふ、ふーん、そっか」
何とか平静を装っているようだが、桃菜の顔には僅かな焦りの色が滲み始めたように見えた。
やっぱりこの前は故意に杏菜の事は口にしなかったのか……。
だとしたら何故だ?
「──私は、杏菜の事が嫌いなんだ」
俺の心を見透かしたかのように、桃菜はぽつりと言葉を溢した。
「え……嫌い……?」
「そ、嫌い」
「ふ……双子なのにか」
「……うん、それはあんま関係無いね」
ふは、と桃菜は何故か寂しそうに笑った。
それは桃菜のような少女には似合わない、色んな感情が混ざり合ったような複雑な笑顔だった。
《8話・完》
《9話》
「え?桃菜がそんな事を?」
次の日の屋上。
俺は沖花と雪と一緒に昼食を食べていた。
今日の戦争(購買)には辛くも勝利出来たらしく、沖花は大事そうに戦利品(パン)を1つ握り締めている。
「……変ですね。あの二人は自他共に認める仲良し姉妹だったと思うんですが……」
「そうなのか?」
「ええ、毎日一緒に遊んでましたし」
「どういう事だ?……敢えて嘘を言ったのか?」
「だとしたら何故でしょうか?」
「う~ん……」
俺は弁当を頬張りながら考え込む。
自分で言っておいて何だが、桃菜が嘘を吐いているという可能性はゼロに近いと思う。
桃菜はどうやら嘘を吐くのが下手な性格らしいし、それに──
あの顔は、嘘を吐いている顔では無い。
「うぅ…………分っかんねぇ……俺こんなに女子小学生に翻弄されたの初めてだ……」
「……桃菜は運動も勉強もできませんでしたが、人を騙したり操ったりするのは巧かったですよ……」
沖花が苦笑いを浮かべて呟く。
何だその女子小学生。
怖すぎるだろ。
って言うか……
「おい雪!そろそろ何か言え!黙々と食い続けてんじゃねぇよ!」
雪は俺と沖花から2m程距離を置いて、ひたすらパンを貪っていた。
彼は俺が叫びかけても無感情な瞳で宙を眺めているだけで、反応すらしてくれない。
完全に心を閉ざされてるな。
「なぁ、機嫌直してくれよ。仕方無ぇじゃん、お前寝てたし」
雪は焼きそばパンを口にくわえながらじとっとこちらを見た。
「…………嘘。僕が邪魔だったんだ……」
まあそうだけど。
「ち、違えよ。ああぁもう…………俺が悪かったよ。だから許してく」
と、俺の言葉はそこで遮られた。
何者かが屋上の入り口の扉を、ガシャン!と乱暴に開け放ったからだ。
「「「!?」」」
俺達の視線が一気に入り口に集中する。
扉から出て来たのは不機嫌そうな一人の男子生徒だった。
もがっしりとした体つきで髪を染めており、不良である事が一目で判る。
まあこの学校の生徒なんて半分以上がそんな感じだが。
俺達が唖然として男を見ていると、彼もこちらに気付いたようだった。
「ん、人が居たか……あれ? アイツもしかして……」
そう呟きながらそいつは近づいてきた。
そして沖花に目を止め、わざとらしい笑顔を浮かべた。
「あ、やっぱ春ちゃんじゃーん! 昼飯ん時教室いねぇと思ってたらここで食ってたのか!」
そして沖花に馴れ馴れしく話しかける。
「っ! み、満束さん…………どう、も……」
だがどうやら親しい間柄では無いらしい。
沖花は怯えたように俺の背後に隠れて、びくびくとしながら返事を返している。
「あっは! 怖がっちゃって、かっわいー! ね、なんでそいつに隠れんの? 遊ぼうよー、友達じゃーん」
彼はそう言いながら沖花を引っ張り出した。
「ひ、や! ぉあ、やめて下さっ……」
沖花はフェンスにしがみつき必死で抵抗するものの、あえなく引き剥がされてしまった。
「はーい、残念でしたー。無駄な抵抗ぉー!」
男は沖花を押さえ込むと、沖花の手からパンを奪い取った。
「あ、もしかしてコレくれんのー? ありがとねぇ春ちゃん。オレ今日金無くてさー! 恩に着るわー」
「な! か、返してくださ……」
沖花は取り返そうともがいていたが、じきに諦めたように黙って俯いてしまった。
──コイツが、そうなのか。
俺は胸の内から沸々と怒りが湧いてくるのを感じていた。
──コイツが、強さと卑劣さを履き違えて沖花を苛めているのか。
過去の記憶が脳裏に蘇ってくる。
俺は勢い良く立ち上がり、彼を正面から睨み付けた。
「あ? 何お前?」
男は苛立った様な視線を投げ掛けてきた。
折角楽しくしていたのに、といった不満が込められている。
「……沖花を離せよ」
俺はそいつを真っ直ぐ見据えて言葉を発した。
「楽しいか? 道を誤ったお前が一般人を苛めて。満たされるか?」
感情的にならないように意識していたが、挑発する様な言い方になってしまった。
男はそれが癪に障ったらしい。
俺を睨む目に込めた怒りが、濃くなったのが分かる。
「あ? 何だお前? てかお前オレの事言えなくね? その髪の色、お前も一般人じゃないんだろ?」
そうだ。
俺は一般人じゃない。
進むべき道を踏み外し、今まで何度も人を傷付けてきた。
だが、痛みも知っている。
謂れの無い理由で虐げられる者の痛みを。
だから俺は、この手の輩が大嫌いなんだ。
同じ不良だからこそ、許せない。
「なあ沖花、お前から御守りを奪った奴ってコイツか?」
俺は男を見据えたまま、沖花にそう問い掛けた。
「え、あっ……は、はい……満束さんが……」
彼はやや言いにくそうにそう言って、男の顔をちらりと窺った。
「え、何の話?」
そいつは──満束はそう言ってとぼけてみせる。
だが俺が沖花に質問をした時、満束の表情に変化があったのを俺は見逃さなかった。
「そうか、お前か……」
「あ? だから何の事──」
満束の言葉はそこで途切れた。
俺が満束の顔に向けて拳を突き出していたからだ。
「!」
沖花が息を飲むのが分かる。
だが、俺の拳が満束の顔面に触れることは無かった。
満束は憮然とした態度で立っている。
寸止めした拳の風圧で、彼の脱色された前髪が揺れた。
「…………」
「…………」
暫しの沈黙の後、俺は満束の胸元辺りまで腕を下ろした。
そして手を開き、掌を上に向ける。
「返せ」
俺がそう短く告げると、満束は薄く笑みを浮かべた。
「やだね。何でお前みてぇな礼儀も知らねえヤツに返さなきゃなんねぇんだ」
「礼儀?」
何ともこの男には似つかわしくない単語に、俺は眉をひそめる。
「そ、礼儀。今の一年の中でのトップが誰だか知ってんのか、お前?」
「いや、知ら……ッ!?」
途端、全身が揺さぶられるような衝撃を感じた。
一瞬遅れて鳩尾に痛みが伝わる。
「くあっ……」
俺は蹲るようにしてその場に片膝を付いた。
「小森さん!」
沖花の叫ぶ声が遠くから聞こえる。
潰れた肺に空気を満たそうとするが、上手く息が吸えない。
苦しさに顔を歪めながら満束を睨み付けると、彼は右膝を蹴りあげた状態のままで止め、嗜虐的な笑顔で見下ろしてきた。
「オレなんだよ。トップに失礼な事しちゃマズイっとのは分かるよなぁ?」
そう言って、足を俺の背中に向けて踏み下ろす。
畜生。
東京の不良校なだけあって、ヒエラルキーが形成されるのが早い。
そんな事は分かっていたのに……!
トップに立った奴を把握しておくべきだった。
そうすれば少なくとも不意打ちを食らう事は無かった筈だ。
「な~んだその顔? 文句あんならオレらに勝ってからにし」
言葉の途中で、視界から満束が消えた。
と同時に、背中に感じていた重さも消える。
直後、背後のフェンスから何かが叩き付けられる様な轟音が耳を突いた。
「!?」
振り向くと、満束が仰向けに倒れている。
「…………これで、僕がトップ……?」
静まり返った屋上に、聞き慣れた抑揚の無い声が響く。
「雪!」
先程まで満束が居た位置には、いつの間にか雪が立っていた。
「……そいつ、倒した……から、僕がトップって事で……良い、のか?」
「え? あ、ああ……」
そういう事なのだろうが、学年のトップを決める勝負がこうも呆気なく決まってしまって良いのだろうか……。
何か釈然としない。
雪は倒れた満束の元まで行くと、彼の襟首を掴んで引き起こした。
「……おい……」
「ひっ!? ……ん、だよ……お前……」
満束の顔には畏怖の色が刻み込まれている。
1ヶ月で東京の不良校のトップに登り詰めただけあって、雪との力の差は理解できたようだ。
ざまあみろ。
俺何もしてないけど。
「……返せ……御守り……」
「あ、いやちょっと待っ……あれは今となっちゃオレの物だし……」
「……れーぎ……」
「ッ…………だーもう! 分かったよ!」
満束は雪の手を振り払うと、その場に腰を下ろし、胡座をかいた。
「お、返す気になったか? それが一番だ。お前はちょっとした悪戯のつもりだったかも知れねえが、沖花にとっちゃ、あれは大切な──」
「そこの白いのは黙ってろ。弱いくせに説教垂れんじゃねえ」
「な゛っ……」
今俺良い事言おうとしてたのに。
でも俺が満束より弱いのは事実だがら何も言い返せない。
「つか、返さねえよ」
「おま……! この期に及んでまだそんな意地を」
「だからお前は黙ってろって」
「…………」
黙っている事にした。
「いや、返さねえ……って言うか……」
満束は少し困ったような顔で頬杖を突き、目を伏せた。
「返せねえんだよ。無くなっちまったんだ。隠しといた筈なのに、忽然とな」
《9話・完》
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