主 2015-09-26 19:35:02 |
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あ・・・あぁ。・・・やっぱり、
(驚きで硬直していれば相手がドアを開けた為ドアを通って、靴を脱ぎながらも“・・・悠、やっぱり疲れてるんだろ。・・・無理、しないで。”と言いながら相手を振り返り、よしよしと慰める様に相手の頭を撫でて。「シチュー、俺、作ろうか・・・?」全くと言っていいほど家事が出来ない癖に、恐る恐る相手に聞いてみて。
…大丈夫。心配しないで?……俺は何時も通りだから。…日向こそ疲れてるんじゃない?休んでて、ね?
(ドアを閉め柔い笑みを浮かべると相手を後ろから抱き締め、優しげな表情でそう言って。自分の中では至って通常通り。己としては相手の方がどこかおかしいと思っているようで。「それに、後は温めるだけだから、ね?」相手から離れると自分も靴を脱ぎ、家に上がるとそのまま台所へ向かい
そう、なんだ。…えと、じゃあ着替えてくる…。
(相手の様子に首をかしげる。付き合う前まではこのような事を言わなかったのに、なんて思うも相手を愛しているため特には気にせず。自室へ戻ってそこら辺に置いてあった見覚えの無いもこもこくまみみパーカーを見つけて着て。「…ゆー、きがえた。……ごはん、まだ?」相手の背後に立って背にこつん、と額預けて甘え。
……丁度出来たから待ってて。ふふ、結構熱いから近くに居ると危ないよ。
(相手に尋ねられると、鍋をじっと見つめふつふつと音を立て始めたのを見ると軽く頷いて。ゆっくりと振り返り相手を思い切り抱き締めたくなる衝動を抑えつつ、頬を軽く撫で唇に親指を軽く押しあてると優しくそう言い。その後再び鍋に向き直ると皿に盛り付けをし始めて
……ヤ。今日は、悠を甘やかすって決めた。
(ふい、と首を振って美味しそうな鼻孔を擽る香りに誘惑されつつも相手から離れるつもりは毛頭なく、相手がこちらを向けばぱぁっと表情明るくさせ、鍋に向き直れば少し拗ねた様に相手を後ろから抱き締め。
……シチュー、また冷めちゃうなぁ…。
(相手から抱き締められれば、驚いたのかぴくりと肩を揺らして。はぁ、と困ったように軽く溜め息をつくと小さくそう呟いて。振り返り、相手と向き合うや否や相手の唇に口付けをして。口を離し、きつく抱き締めると「甘やかすって言ったのは、日向だからね…?」と相手の耳元で軽く呟いて
ん、……責任、取る。
(コク、と頷いて相手に口付けられれば咄嗟に驚くもすぐにふっと表情緩めて。抱き締められればこちらも抱き締め返し、「ゆーは俺の我が儘聞いてくれて、優しいよね。…有り難う、な?」甘やかさせてくれる相手にくすりと微笑んで“いい子いい子。”と相手の頭を撫で。
…ううん……俺は、日向の為ならどんな事だってするよ……。
(撫でられれば心地よさそうに目を細め、相手の頬に手を添えると優しいながらもどこか不安定な笑みを浮かべて。出来ることならば相手を此処にずっと閉じ込めて一人占めしたい。ただ今それは叶わない願い。それならばと、「俺がずっと、永遠に日向を守るから……」と相手に誓うように言って。
……?俺、守られる程弱くないけど…?
(ん?と不思議そうな顔をしたつもりが不器用な為眉が寄って怒っているかの様な表情になり。相手の考えていることは分からないながらも、雰囲気からぞくりと恐怖か興奮か、背筋が震え。「こ、の話は終わり。シチュー…食べよ。」掠れた声で上記述べ、ふいと顔背ければリビングへ逃げる様に。というのも、相手に呑まれて自分が何かおかしな事を口走ってしまいそうだったからで。
…日向……?………ううん、そんなわけ、無いよね…?
(去っていった相手に、悲しげな表情を浮かべ首をかしげて。何か余計な事を言ってしまっただろうか…初めはそう考えるも次第に仕事で好きな人でもでき、自分を鬱陶しく感じるようになったのか。等ありもしない事を考え始めて。しかし自分の考えを否定するように首を振り、夕飯の支度を再開させて。それが終わると料理の乗ったトレイを持ち相手の居るであろうリビングへと足を進めて。「……日向…持って来たよ。…食べようか」そう言いながらどこかぎこちない笑みを浮かべ、テーブルに料理を置いて
・・・美味しそうだね。頂きます。
(ふ、と表情を緩めるも何も考えて居ない為喋る事は無く、しかし相手との気まずい空気には気付いているが、無理に喋っても相手に負担を掛けてしまうだろうと黙ったままテレビを点け。ぼうっと番組を見ながらふと映った店にふと視線が釘付けになり「あ・・・。此処・・・。ふふ。」近所のお婆ちゃんが言っていたお店だ、今度行ってみようか、なんて考えれば自然とお婆ちゃんの顔を思い出して笑顔に。
――……
(何やら楽しそうな表情をしている相手を不満げな表情でじっと見つめて。相手は一体何を…誰の事を考えているのだろうか。それを考えれば先程の不安やら不満がだんだんと膨れ上がり。何も言わずに相手の腕を軽く掴むと「……日向?…ねえ…さっき、俺の事避けた……?」と相手のことを睨みつけ真剣な声色で問い。
っ、・・・?え、・・・ぁ・・・。
(腕を掴まれればびく、と驚き、見れば相手が手を伸ばしている。きょとりと首を傾げれば何故か睨まれているが、まだ機嫌が悪いのだろうか。ならばあまり触れない方がいいだろう、と「・・・避けてない。避けるわけ、ないだろ?ご馳走様でした。ホント、美味しかった。」気を遣ったつもりで少し儚げな表情になってしまったが微笑んで、手を合わせれば挨拶。相手の頭をぽん、と撫でてするりと相手の手から抜け出し、食器を流しへ持っていき。
………なんで…?…俺は、日向を大事にしたいだけなのに――…
(また避けられたと思ったのか、相手が居なくなった空間を泣きそうな表情でじっと見つめ、固く拳を握りしめると呟くようにそう言って。目を擦り、何を考えるでもなく暫く黙った後に深い溜息をつき食器を持つと立ち上がり流しへ向かって。
ん・・・?電話・・・。
(尻のポケットに入れていた携帯が震えて、着信を知らせる。出ればどうやら仕事の電話で、溜息を吐きそうになるがなんだかんだこの仕事は好きだし、付き合いというのも大事なものだと割り切れば相手が丁度来た為、「悠、これから仕事、戻る。今日撮った写真見た別のプロデューサーがスポンサーになってくれるらしい。撮影がてら飲み行くそうだから遅くなる、先寝てろ。」と急いでパーカー脱ぎ、Tシャツにジャケットを羽織って最低限の荷物を持ち玄関へ歩を進め。
……お願いだから…一人にしないでよ…。どうしても行くなら連れてって…邪魔しないから……。
(離れていく相手の手を必死に掴み、首を振ると泣きそうな表情で相手を見つめて。夜遅くに相手を外に出したくなかった。相手と離れたくなかったからという思いも勿論有るが、それ以上に今の不安定な自分を一人にされてしまうとどうなってしまうか分からない。相手の目をじっと見ながらそう懇願して。
・・・悠、それは無理だよ・・・。撮影だけならまだしも、飲みに行くし・・・。
(相手の手に自分の手を重ね、やんわりと離させようと。しかし相手が不安定そうなのも目に見えて分かる。どうしたものかと悩むが公私混同はしてはいけない、と首を振って、相手も大人なのだし、今までの付き合いから言って大丈夫だろうと相手の頬に軽くキスをして頭に手をぽん、と置き「行って来ます。」と手をひらり翻せば靴を履いて、ドアノブを捻る。
…待って…!…………やっぱなんでもない。…行ってらっしゃい。
(相手を引きとめようと相手の肩を掴み、予め用意していた小型の盗聴機器をジャケットに取り付けて。その後首を横に振り、首を横に振ると口元に笑みを浮かべて相手を送り出し。その後自室に戻ると普段は仕事以外で着ないようなかっちりしたワイシャツに黒のスラックスを履き眼鏡をかけて。スマホにイヤホンを差すと相手の後を追うように家を出て
・・・?行って来ます。
(首をかしげるがとにかく遅刻してはいけないと足早に。相手の思惑や行動等露知らず、職場にスタジオにたどり着けば中々にダンディなサングラスを掛けたいかにもプロデューサー、というようなおじ様を見つけ、「・・・今晩は、目に掛けて頂いて有難う御座います。」一声掛ければバッ、とこちらを向く顔に驚きつつ“あぁ・・・ヒナちゃん、会えて嬉しいよ・・・。本当に可愛らしくて、綺麗だ”との台詞にゾワッ、と背筋を震わせるも頬を撫でられて固まり。
……チッ…クソ親父…その気持ちは分かっけど…俺の日向に馴れ馴れしくすんじゃねェよ…。
(スタジオに入れる筈もなく、大人しく傍に会った木に凭れかかり取り敢えず会話を聞くことにして。日向と、恐らくプロデューサーであろう男との会話を聞き、何故かその男の趣味に賛同しつつもいきなり馴れ馴れしい言葉を放つ男に苛立ちを募らせ、スマホを握る手に力を入れ不機嫌な表情を露わにしぶつぶつとそう呟いて。
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