KRA八十九。 2015-06-04 07:52:10 |
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俺の方こそ長い期間に渡って本当にありがとう、おらんには感謝してもしきれないよ。…でも幸せ過ぎてどうしようって気持ちになってさー、何かお返しした方が良いような気分になるんだよね。(ははー)勿論、約束する!っていうか約束なんかしなくても俺の一番はいつだって蘭丸だし!…重くたって良いんじゃない?俺、蘭丸がそうやって自分の気持ちを見せてくれるの嬉しいよ。おらんの一番で居たいのは俺も同じだから、なーんにも問題なし!お前が俺を慕うのと同じ位、俺もお前を傍に置いておきたいって思ってるんだからな!――蘭丸、その顔も可愛いッ!お前が帰ってきたら結婚式しなきゃ…取り敢えずゼクシィ買ってくるように明智に言い付けとくわ!(嫋やかにはにかむ姿にだらしなく破顔…懐から取り出した携帯端末で恒例の撮影会を行いつつ声を弾ませて)
ずっと俺の姿だったから、折角だしもし逢いたい人が居たら教えて!おらんの時間が許す限りは付き合うつもりで居るからさ!(どやー)
…!そういえばもうお返しを頂いていました。信長さん、僕はこのぬいぐるみさえあれば他には何も要りません!(ぱあっ)はい…!貴方が僕を必要してくれている限りはずっと、蘭丸は信長様のお傍に居ります。だから、と言う事ではありませんが…たまには信長さんも我儘を仰ってくださいね。僕は一小姓として、一人の人間として。少しでも多く大切なお方の願いを叶えて差し上げたいのです。――本当ですか?信長さんにご迷惑をお掛けしないようしっかりと読み込んでおきます!(ぱちぱちって瞬きを繰り返した後自らの両手に力を込め…軽く握り拳を作りつつ真面目な面持ちにて宣言!)
恐縮です。信長さんには何とお礼申し上げたら良いのか…。(うう)そうですね。では…主税さんをお呼びしていただく事は可能でしょうか?源吾さんがお会いしたいみたいです。(そわそわ)
――あなたの心に力こぶ!みんな喜ぶ力こぶ!…最年少の14歳、大石主税ですっ!(力こぶ!のポーズを決めると若さ弾ける笑顔にて登場!)…お呼び立てありがとうございます、主税です!早く要望に応えたくってレス蹴りしちゃいましたけど…その辺りはきっと許して貰えるって信じてます。レス蹴りは愛、ってヤツですね!(ふふー)お礼なんて言う必要も恐縮に思う必要も無いですからね、僕の望みは大好きなあなたのお願いを叶えたい…それだけです!だから何でも言ってください!(やる気に満ち溢れた表情!)
――源吾のゲンは元気のげん!源吾のゴはごはんのご!…大高源吾です!よろしくお願いしまーす。(こめかみ付近に隻手を添えて敬礼のポーズを取るとにっこりスマイル!江戸っ子感溢れるご挨拶~)うーす。来てくれてありがとうな、主税!お前の愛もしっかり受け取らせて貰いましたっと。大切に仕舞っとくわ。(満足)…俺の事は良いって。それよりお前!何かして欲しい事とか欲しい物があったら我慢しないで教えろよ、な?子供は子供らしく大人に甘えときゃいーの。(頭をぽんぽん)
源吾さん!…いつも思うんですけど、源吾さんのその全身から溢れ出る江戸っ子感はなんですか?僕達と同じ赤穂の人間だと思ってましたけど、本当はお江戸から来た間者だったりしません…よね?(相手の面持ちを凝視し疑るように小首を傾げ…)いえっ、呼ばれたら来ない訳にはいきませんから!…僕の愛、どんな感じですか?是非感想が聞きたいです!(にっこりスマイル!)…僕の事も良いです、今は源吾さんのお話をしてるんです!源吾さんだってして欲しい事や欲しい物があったら言ってください、僕に出来る事があれば“何だって”しますよ!……子供扱いしないで、僕もう大人ですから。大人の階段、上りたいです。(ぐぬぬ)
しないしない!ちゃんと赤穂の出身だって。…山田宗偏さんに弟子入りしてた間江戸に居たから、あるとしたらその所為!主税は俺の事間者だと思ってんの?(渋面にて片眉を持ち上げると腕を組み反対側に首を傾げ…)感想?…ふわふわしてる。で、すげえあったかくて優しい。…何かアレだわ、上手く言えねえけど嬉しいのは確か!サンキュな!(誤魔化すように目の前の頭を抱えわしゃわしゃって)…今はお前が居てくれたらそれで良いよ。あんまり欲張りしすぎると罰が当たっちまいそう。……そうだな。じゃあ主税が俺のシンデレラになってよ、俺だけのお姫様?(ふふ)
源吾さんが弟子入りしてお茶会の情報を聞き出した人ですよね。…って事は、吉良さん達にとっては源吾さんはスパイですね!…本気で思ってる訳じゃないです、僕は源吾さんの事を信じていますし尊敬してますから!ただ、スパイってちょっと格好良いなーって思って…!(相手の表情に慌てて顔の前で手を振って否定したものの、きらきら瞳を輝かせると14歳らしい願望を口に…)…よく分からないですけど、嬉しいならそれで良いです。源吾さんが嬉しいと僕も嬉しいので!…ちょっと源吾さん!髪の毛がぐちゃぐちゃになります!(頭髪を乱す相手を上目がちに見上げ抗議の声を上げながらもふにゃふにゃ緩む口元)…源吾さんってあんまり欲が無いですよね。…なあんて、僕が言えた事じゃないかもしれないですけど。罰は当たらないし、僕が当たらせませんから…思い付いたらいつでも言ってくださいね?……!ダメです、源吾さんがお姫様です。僕は王子様をやります、主税王子です。(頑なな14歳)
確かに格好良いかもしんねえけど結構骨が折れる仕事なんだぞー、アレ。上手い事変装してかねぇとすぐ相手にバレちゃうから。……まあ宗偏さんは俺の事疑ってた臭いけど。…主税って嘘吐けんの?お前みたいな素直な性格の奴はスパイに向いてないと思うわ。(相手と視線を交えるなり眩しげに瞳を細め…食指をかるーく曲げるとふわふわの髪に隠された額に向けてデコピンをひとつ!)ん、嬉しいよ。お前がくれる言葉なら何だって嬉しい。…いーの、ぐちゃぐちゃになったら俺が直してやるから!(緩む口許を一瞥…した後、撫で心地の良い彼の茶髪に指を添わせ乱れた箇所を整えるとくしゃりと笑って)…お互い欲が少ないのかもしんねーな、俺達。…ありがと。お前にして欲しい事、考えとくわ。……どう考えても俺と主税じゃ俺の方が王子っぽいだろ。つーか姫って感じしなくね?(ううん)
――全然話してやれなくてごめん!そろそろ時間だ。…言っとくけど、会えなくたって俺はお前の事が大好きだよ。大好きだし…大切だし、愛してる。そこん所は絶対に変わんねえから安心してクダサイ。あと寂しくなったらいつでも俺んとこに来て!(ずずいっ!)……それじゃ、行って来ます!
――了解です!少しでもお話出来て僕はとっても嬉しかったです、源吾さんが気に病む必要はないですからね!……はい、源吾さん。僕だって、例え顔を合わす機会やお話する機会が減ってもあなたの事を想う気持ちには変わりありませんから。大好きなのも、大切なのも、…愛してるのも、それからその気持ちが絶対に変わらないのも全部源吾さんと一緒です。だから大丈夫ですよー、何にも心配要りません!(満面の笑み!)…源吾さんも、寂しくなったらいつでも僕に逢いに来てくださいね。僕、源吾さんのお眼鏡に敵う可愛い子探しときますから!(※動物)……いってらっしゃい!
――こんばんは。何か、此処で話すのすげえ久し振りで無駄に緊張してます。三月の終わりからだから、一、二、三……約五ヶ月振りですか。(指折り数えて瞳をぱちぱち)…あんたはどうか知らないけど、これでも俺はあんたと話せるの楽しみにしてたんで。だから、“それなりの”態度で俺を楽しませてくださいよ。…ね、内蔵助さん。(含みのある笑顔)拙いですけどあんたが言っていたシチュエーションの通りレスをしておくんで、時間がある時にでも返事貰えればありがたいです。急進派ですけど、今回に限っては急かしたりしないんで。のんびりいきましょう。
(約束の時間の、約二十分前。愛車で自宅まで迎えに来ると言っていた朗らかな笑顔を脳裏に浮かべ、思わずと言った様子で口元を緩ませたものの途中で我に返りごく軽く掌で頬を張って。言い逃れも出来ず浮かれている自身に辟易した様子で吐息を一つ吐き出すとリビングから玄関へ、そして玄関から洗面所へと忙しなくあちこちを移動し。昂揚感の所為か早起きをした為に散々と覗き込んだ鏡に今一度顔を映り込ませると筋張った掌で数度程横髪を撫で付けてみたり、長めの前髪を掻き上げてみたりと入念に身支度を整えている様子…ふと思い立ったように涼やかな色をした瓶に入ったオードトワレを手に取り、今日の行き先に相応しい爽やかな香りのそれをほんの少量振り掛けまた吐息を一つ。緩慢な歩みで再び玄関へと戻ると携帯端末を片手にその場に座り込み――)
――うん。いつもと違う場所だからかな、俺も少し緊張してる。ついこの間の事だと思ってたけど、もうそんなに経つんだなあ。この歳になると時間が過ぎるのが凄く早く感じちゃうな。(しみじみ…)期待しておいて!…っていうか、楽しみにしてたのはお前だけじゃないよ。俺だってすげえ楽しみにしてた。久しぶりのデートだしね!恰好良い所を沢山見せて、やすすに惚れ直してもらうぞーって。(拳を握りはにかみ笑い)…ごめん、ちょっと返事早かった?別に急かしてる訳じゃないからお前はゆっくりで大丈夫だよ。それじゃ、改めてよろしくな。やすす!
(楽しんできてくださいね!なんてキラキラと大きな瞳を輝かせて言う息子と、その隣に立つご飯の人でお馴染みのメンバーに見送られシルバーの愛車で家を出てから十分程が経った頃。信号待ちの際に腕時計を一瞥し、約束の時刻よりまだ余裕がある事に安堵の息を吐き出すと再びアクセルをぐっと踏み込んで。目的地が近付くにつれて早鐘を打ち始める心臓を落ち着かせるように胸元を数度拳で叩きつつ、ハンドルを握り締め視線を自らのポケットへ…それから口元に小さな笑みを浮かべて、徐に携帯を取り出すと電話の画面を開き。本日二度目の赤信号にゆるゆると速度を落とし停車した後連絡先の一覧にある“やすす”の文字を選択し耳元に携帯を近付け。視線の先に見えてきた見覚えのある家に思わずといった様子で頬を緩めると、繰り返し流れていた呼び出し音が切れるのとほぼ同時、穏やかに口を開いて)――『もしもし、やすす?』
(用意は疾うに万全、手持無沙汰に端末内に入っているアプリケーションで本日の天気を確認してみた後徐に電話帳から呼び出したのは程なくしてやって来るであろう相手の名前。瞳を眇めて画面上の名を指の腹で緩慢に辿った所で己の行動を見透かしたかのように初期設定のままの着信音が静寂の中に鳴り響き…動揺で思わず携帯を手中から滑り落としそうになったものの、寸での所で端末を握り直すと画面に表示された名前に少しばかりの瞠目を。携帯を手にしたまま液晶を眺める事数秒、直ぐに呼び出しに応答しなかったのはなけなしの矜持といささかの男心――深く長い息を吐き出すとこれまでの葛藤の素振りをも見せずいつも通り飄々とした声音にて通話に応じ)『…おはようございます、内蔵助さん。もう着きますか?』
『あ、起きてた。モーニングコールしてやろうと思ったのにな〜。』(心地良く鼓膜に響いた相手の声に締りのない相好を更に崩し。和やかな笑い声と共に茶化すような語調にて言の葉を紡いだ後、もう着くから外で待ってて、と続けて告げると返答を聞くよりも早く通話を切って。いち早く恋人の声を聞きたいと電話を掛けたは良いものの、やはり実際に会って話すのが一番だなあと何とも呑気な事を考えながら先程まで相手の声が発せられていた液晶画面をそっと撫でやり。バックミラー越しにセットした毛先を少々整え、赤信号がピカピカと点滅を繰り返し青に切り替わるのと同時に車を発進させ…数分と経たぬうちに彼の自宅へと到着。速度を落としつつ背後を向くとハンドルを回しゆっくりとバックをして玄関付近に車を停車し。ドアに手を掛け、車から降りてすぐに視界に捉えた相手の姿に表情を明らめ、顔の横で手を振って)
『ガキじゃないんで一人で起きられますから。あんたこそ、主税に頼ったりしてないでしょうね?』(スピーカーから届く何処か冗談めかした口振りに声音を潜め、咎めるような台詞を紡ぎながらも常ならば顰められているであろう表情は穏やかなもので…一片の愛しさすら感じられる眼差しで玄関口を見遣り。返事をしようとした所でぷっつりと切れた通話に開きかけていた唇を噤むとその場から腰を上げ、相手から言われたように外で待つべく上り框から降りよう…としたものの再び洗面所へ足を運ぶと本日幾度目かになる鏡でのチェックを。初めてのデートに望む女子高生かのような行動にげんなりと肩を落としながらも好いた相手に少しでも良く見られたいのは人間の性、長めの横髪を耳に掛けるとその場から踵を返し。既に玄関先へ置いていた荷物を持つと気持ちばかりの変装用として用意していたサングラスをVネックシャツの胸元に引っ掛け…背を向けて扉に施錠をした所で聞こえた車の停止する音にゆったりと振り向き、現れた相手に応えるように小さく頭を下げて)――わざわざ迎えに来てもらってすみません。その…ありがとう、ございます。
ん?いいよいいよ、俺がしたくてしただけだから。(ぱちぱちと不思議そうに瞬きを繰り返した後、再び口元に微笑を湛えると左右に揺らしていた手を伸ばし相手の肩をかるーく叩いて。次いで車内まで運んでやろうと彼の持つ手荷物に手を伸ばす…が、その途中、腰を屈めた際にふわりと鼻先を掠めた爽やかな香りに体の動きを止めて相手の顔に視線を注ぎ頭からつま先までを食い入るように見つめ。いつもと少し違う匂い、いつもと少し違う髪型、その少しの変化に無意識のうちに言葉が零れかけるものの後にはっと我に返ると口を噤み相手から視線を逸らし。己の発言を誤魔化すかのように平素に比べ幾分も饒舌な口振りにて言葉を並べ立てながら、彼の荷物を手に取って)なんか、今日のやすす…かっこ…い…、…!そうだ!そういえば朝ごはん食べてきた?俺さ、今朝家を出る前に何個かおにぎり握ってきたんだけどさ、良かったらお前もどう?やすす鮭好きだっけ?他に梅とおかかもあるけど、もし嫌ならどこか店に寄って買ってっても良いし!
(見返りも何も求めていない純粋な好意からの善意に瞳を眇めると口元に穏やかな笑みの色を浮かべ、軽く肩を叩く相手に目礼を。自分で持てますとでも言うように不遜に肩を張ると此方に伸びる手から荷物を遠ざけたものの、立ち所に動きを止めた相手に少しばかり首を傾げて訝しんだ様子の表情を…何か不味い所でもあっただろうかといささかの動揺を誤魔化すように片耳に髪を掛けた所でまるで無意識の内だと言わんばかりに零れ落ちた言の葉に切れ長な双眸を軽く瞠って。じわじわと込み上げてくる嬉しさと気恥ずかしさに何とも言えぬ様子で眉を寄せながらも、あくまでも聞こえていない、聞いていないといった体を装い饒舌な口振りをも素知らぬ顔で受け流しつつ諦めて相手に荷物を手渡して。車に乗り込みかけた身をふと止めると相手側に距離を寄せ、己より若干低い位置にある顔を覗き込むと凛とした黒目で彼の面持ちを捉え)……コーヒーは飲んだけど、朝飯は食べてません。…鮭、好きです。梅も、かつおも。――分かるだろ、店で買ったやつよりあんたが握ったおにぎりの方が良い。
…店で売ってるような綺麗な三角形じゃ、ないけど。(先程より近しい位置に寄せられた相手の顔をジィと凝視し、真っ直ぐに己を捉える切れ長の双眸から逃れるように斜め下へと視線を逸らすと照れ臭そうにぽつり。それでも、きっと彼は自分の握ったおにぎりが良いと言ってくれるんだろうなあ、と些か自惚れた思考を巡らせつつ緩み切った口元を隠す為手甲を宛てがい。僅かに呼気を漏らした後、後部座席に相手の荷物を預け、代わりにおにぎりの入った鞄を取り出すと助手席側の扉が閉まるのを確認してから車へと乗り込んで。アクセルに片足を添えながら鞄を開き、中からお茶のペットボトル、ラップに包んだおにぎりを三つ程出しそれぞれを見比べ。眉を顰めあー、だのんー、だの唸り声を上げ散々思案した後手にした中で一番形の良い鮭入りのおにぎりを差し出すと気恥ずかしさを紛らわせるかのように小さく笑って)はい、どーぞ。やすすの口に合うと良いんだけど。
形なんて口に入ったら関係ないだろ。…俺の為に愛情、込めてくれてるんですよね?それならきっと美味しいはずです。(言い訳めいた台詞に片眉をそろりと持ち上げると逸れた視線を追い掛けるように目線を下げ、珍しく茶目っ気を含ませた語調にて冗談半分本気半分で首を傾げ…たものの、立ち所に込み上げる羞恥心に顔を顰め。誤魔化すように短い前髪の隙間から露出した秀でた額を軽く弾くと太々しく助手席側の席に乗り込んで。程なくして運転席側の座席に乗り込んだ相手に妙な緊張感を覚えて小さく息を飲み込むと、何やら妙な唸り声を上げて思案に思案を重ねている相手の様子をさしたる興味も無さそうな風を装いながらも横目で確と観察を…手渡されたおにぎりを受け取り、粗方冷めてはいるもののほんのりと温かみの残ったそれに表情を和らげ。頂きます、と小声で告げた後器用にラップを剥がして現れた米を一口…幾度か咀嚼した後嚥下すると続けてもう一口、眦を下げて顔を相手側へと向けると思ったままの感想をば)正直、味的には普通の鮭おにぎりです。…けど、何でしょう。あんたが俺の為に作って来てくれたって思うと…すげえ美味く感じる。
……今日のやすす変。どうしたの。いつもだったらまあまあですね〜とか、内蔵助さんにしては上手く作れてる〜とか言いそうなもんなのに。…ほんと、どうしたの。調子狂う。(弾かれた額を指先で擦りつつ忙しなく相手の様子を伺い…次いで此方に向けられた顔にぱちと瞬き、彼の口から紡がれる一言一句へ徐々に情けなく眉根を垂らしハンドルに顔を伏すとそこにぐりぐりと額を押し付け恥ずかしそうに唸り声を上げ。普段のように茶化す事さえままならず暫く無言で窓の外に視線を注ぐが、再びぱっと反対側を向いて相手と目線交えると同じように間の抜けた笑顔を浮かべ。大好きな人が己の作ったものを口にして美味しいと笑ってくれている、その事実がどうしようもなく嬉しく、ついにまにまと唇を歪ませ。しかしすぐにだらしなく緩む頬を軽く叩く事で気合いを入れ直すと、背筋を伸ばしハンドルを握り。腿の上に乗せた鞄を運転席と助手席の間に置き、普段息子と出掛ける時と変わらないノリで車を発車させて)…そろそろ行くか!早いうちに着いて良い場所取っちゃおう!よーし、出発進行〜!
…そう言ったら言ったで可愛げがないだとか、もっと優しくしてよとか言うだろ。理不尽っスよ。……あんたはどうか知らないけど、俺は今日の事…楽しみにしてたんで。だからあんまり水を差すような事を言いたくないだけです。(ハンドルに顔を俯せ唸る相手を後目に涼しい顔でおにぎりを咀嚼…ほんのりと塩気の利いた鮭と白米を無言で噛み締めつつ調子が狂うのは此方も同じとばかりに口中で溜息を噛み殺して。窓の外を眺める相手とおにぎりを食す自分、暫しの間車内に無言の時間が流れたもののその沈黙を断ち切るようにおにぎりを平らげご馳走様でした、と一言。此方に向けられた破顔しきった表情につられて思わずと言った様子で唇に弧を描くも、頬を叩く相手を視界に映すと我に返った様子で誤魔化すような咳払いを。テンション高く出発の合図を上げる姿にげんなりと肩を竦めるとアームレストに肘をつき、冷めた一瞥を向けながらも程なくして動き始めた車体に姿勢を正して)…子供じゃないんでやめてください、萎えます。しっとりした雰囲気を出せとは言わないですけど…流石にもうちょっと何かあるだろ。
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