審神者さん 2015-05-09 22:42:53 |
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…おや、気づいたかい?( 転寝していると勘違いした侭、何事も無かったかのようにもう一回彼の髪なでるも目線は動揺からかあちこちへと動いており。不意に撫でていた手をそっと離し背中へと回せばゆったりと此方に顔をあげた相手。どうやら起こしてしまったようで何をしたかは明記せず笑顔で首傾げ。 )
はは、確かにお前には俺をもっとよく知ってもらわんとな( 先程の会話からも分かるような内容に軽快な笑い声あげては上記。瞳瞠り見た事の無い彼の表情に内心くすり、と笑えば自然と笑みが顔に出。己の息が続く限りの所まで続ければ不意に口離し何も言わず頬緩めたまま彼見、 )
( 目が合えば羞恥心からさっと身を引き、一定の距離を保ち所謂体育座りを。俯きがちに「…卑怯だ」と呟き襤褸布を被り直しては。時折ちらちらと相手見遣り、視線が交わる度目を逸らして。案外自分はこういう事に耐性がないのかも知れない、と第三者の意見が通るのであれば何を今更と突っ込まれそうな思考を巡らせ )
…っ、な、何を_( 顔中を赤く染める様は宛ら林檎。反射的に「_あんたよくも……っ」と掴み掛ろうとするもその笑みに絆され、思わず熱くなった顔背ければ唇噛み締め。決して嫌悪感を抱いた訳ではないものの、元々免疫の無い身に不意打ちは刺激が強過ぎた様で。 )
…!ははは、いやなにすまない。何せ可愛らしかったものでなあ( 行動から察するに彼は気づいたのだろう。いじけた様な恥ずかしがっているような言葉と其れに若干眉上げ意外そうな顔するも笑み絶やさずに謝罪を。己は彼から視線外下手に近寄ろうともせず着物の裾口元へもっていき口元隠すような素振り見せたものの内心では嫌われたのではないかとひやひやとしており。先の会話からすぐにこんなこと考えてしまうのはきっとそれだけ彼を溺愛している事であろうがそこまでは考えず。 )
…はは、悪い悪い( 羞恥により赤く染まった彼の表情の変化と行動見ているにそう言った事には余り耐性がないらしい。軽い謝罪述べ申し訳なさげに眉下げては子供あやす様に彼の頭軽く撫で、「悪かった」と )
…其れは女性に言ってやれ、俺なんかに言うことなんかじゃない( 俯いたまま遠慮無く胸中の考えを述べると肩竦め。ちらりと横目に視線を遣れば相も変わらぬ彼の笑みが視界に入り、然しその微笑は何処か違和感を抱かせるもので。流石に言い過ぎたかと今更ながらに反省、と困惑の色表情に湛えては立ち上がり。そっと相手に歩み寄れば隣に座り込み、手を伸ばし先程己がされたものと同様に優しく髪撫でては「…別にお前のことは嫌いじゃない、」と苦笑して )
違う_その、嫌な訳じゃない( 謝罪の言葉耳にすればかぶりを振り呟く様にして否定。事実苦ではなかったものの、持ち前の無愛想さと人見知りで触れられる所か他人を寄せ付けなかったが為に慣れておらず。そんな己を鑑み恥じては自己嫌悪から溜息一つ、 )
…綺麗とも言わせてくれないんだ、可愛いとも言えないし…如何すれば( 確かに男に可愛らしいというのはいささか違うものかも知れない。だが彼は綺麗と言われる男女関係なく告げることのできる褒め言葉を好むことを己は知っており。眉下げて仕方なしというような表情。急に立ち上がった彼が何処かへ行ってしまうのかと焦りを余計募らせれば此方へ近づき、頭へ柔くなにかの感触。笑顔は変わらぬままだが何処か暗かった表情に明かり差し、次の言葉に瞳丸くしては、 )
_なら、良かったんだが( 溜息に気づいてはきっと己を気遣ってのことなのだろう、だなんて考えてしまう自分。基本的に思考は前向きではあるものの彼の表情一つ一つを見るたびに負な思考が入ってしまう事気づいては此方も溜息と苦笑い漏らし、 )
_それに、本心から嫌だと思っている訳でもない( 彼の言葉一つ一つが己を心から愛でるべく紡がれたものであることは重々承知している為、然程嫌悪感は抱かない。然し羞恥心がそれを上回り、つい拒否してしまうのだということは自覚しており。其れが自分自身の欠点の一つ、だが彼の傷付いた顔をこれ以上見たい筈がなく。今一度己を戒め、指の隙間からさらさらと毀れる彼の髪を撫で梳かしては「…言い過ぎなきゃ良い、」とある種相手の行為を肯定する様な言葉を、 )
( 流れる沈黙に耐え兼ね、やや青みがかってきた夕空を見遣れば立ち上がり。くい、と相手の狩衣を引けば「_日が沈む、中に入るぞ」と促して。先程のことは改めて謝ろう、そう心に決めると広間へ続く廊下へ歩を進めようと )
…其れなら、良いんだが( 態度こそ素っ気ないものの心優しいことを知っている故にも関わらずの己の今までの言葉に少々冷静になって見返せば何て子供っぽいのか、と苦笑いを漏らし。すまなかった、と溜息と一緒に告げれば。髪梳かされる手に心地よさ感じてはそっと瞳閉じ、大人しくして。後に独り言のようにつぶやかれたその言葉に薄く瞳細めて破顔しては暫く彼を見つめ、そっと上記を。 )
…!嗚呼、そうだな( はっとして辺り見回せば彼の言うとおり、空が夕闇に包まれる頃。己も彼についていくように歩み進めば不意に疑問感じ。帰城するまで一緒であった刀剣は手入れ部屋等に居るのであろうが、その他の者の姿が見えなかった、一人くらいは会話中に見えてはいいものを、だなんて考察するもきっと己が気づかぬだけであったのだろう。暫く歩き若干に人の声がする部屋の前へついては自己解決を )
( すっと襖を開けば夕餉の準備中なのか、縦長に並べられた座卓へ見慣れた面々が盆を運んでいて。手伝おうかどうしようか、躊躇している間に仕度は終わってしまった様で。上座は審神者、次に端から近侍、そして刀帳の番号順に座っていく決まり。彼の隣であるこの席順にそっと感謝しつつ自席に向かい、座布団へと腰を下ろして )
…おい、三日月宗近( まじまじと盆に並べられた鮮やかな料理を見詰めていると、馴染み深いものの中に混じる洋食が。狐色に焼き上げられた満月形、淡黄色の塊の乗った其れは以前口にしたしょくぱん、とやらに似ている気がしないでもない。真新しい食べ物に首を捻れば「_これは何だ?」と傍らの彼に率直な疑問を投げ掛け。 )
( いそいそと皆が夕餉の用意を済ませると数人がこの部屋に居ない刀剣達を呼びに大広間を出たり入ったり。手伝いたいが不器用な己では足手まといになるのみ、そう考えては忙しそうな彼らの邪魔しないよう支度終わるまで彼ら見ており。支度が終われば皆と同じように自分の席へと。其処で彼と隣であること漸く思い出せば僅かに表情緩めるも、何事も無かったかのように彼に習い腰下ろし )
何だ、山姥切の( 問いかけへ首傾げ、彼の見ている方向に視線向けては己の席にもあるその食べ物。少なくとも今まで自分が見た記憶は無い物だ、ということを考えること数秒後思い出せばより首傾げ「…何であろうか」と独り言。見たことがないから『現代』の食べ物なのだろうか、其れ聞くため遅れやってきた審神者へ質問投げかけようと、 )
…ぱんけえき、というらしいな。( 審神者がやって来るや否や、彼より幾許か早くこの食べ物の名を聞き出して。主が言うには如何やらこれは食後に食べるものらしい。きちんと歯は磨けよ、と言われたことから、水差しに良く似た銀色の容器に入る蜂蜜は此れにかける様子。「好みに合わせて蜂蜜を使うらしいな」と言い添えた直後号令が掛かり。夕餉時恒例、審神者からの労いの言葉が済めば律儀に手を合わせ食前の挨拶を、 )
( 告白の衝撃で吹き飛んだ空腹が急速に蘇ったのか、皿に盛られた焼き魚やら豆腐やらを瞬く間に口へ運んで行き。本来なら黙々と食事を進める所だが、傍らの彼の存在を思い出し「…甘いものは好きか?」なんて何となしに問い掛けてみたり。 )
…ふむ、なかなかに旨そうだ( 主への質問を己より早くあてた彼。答えと相手の推測聞いてはもう一度其の食べ物へ目を向けて一言ぼそりと紡いだ後軽く瞳瞑って食前の挨拶。雑談で埋まる大広間に嗚呼、今日もいつもどおりで平和だった、なんてしみじみと変なこと思っては、ため息一つ。もう一度己の告白だのなんだのどたばたとしていた今日思い出しては「_平和、だったか?」とひとりごちて、 )
__嫌いじゃない。唯食べ過ぎは飽きるかな( 一つ一つの料理を少し箸にとって眺め、口に運ぶ作業しては隣の彼に何か話しかけようかと思うもののなかなか話し掛けられずに。ちらりと奥の方で何やら騒がしげな刀剣達いつものように見つめていれば、掛けられた質問へ暫し箸を休め首傾げては上記をぽつりと。少ししては己の箸動かし始め「…山姥切は、甘いものは好きなのか?」と同じ質問返し、 )
…ああ、嫌いじゃないな。近頃は食べる機会こそ減っていたが( 彼から返された問いに数秒程考え込んでは左記。すっかり空になった器が並ぶ盆の上、残っているのは例の甘い洋食唯一つ。口に合わない場合を考え渋りつつも、覚悟を決めたのか蜂蜜瓶を手に取り狐色の其れにかけて。どの位かければ良いのだろう、と思案している間にどんどん蜂蜜は広がっていき。はっと気付き慌てて手を引いた頃には最早手遅れ、皿の底に蜜が小さな池を作っており )
( 焦りを悟られぬ様そっと辺りを見回すも、唯一助けを求められそうな兄弟の席は遠く離れていて。その状況に観念し、脇に置かれた突き匙に目を遣ったは良いものの抑々使い方がよく解らない。黄金色に塗れたパンケーキを仕方なく箸で切り分けるも四苦八苦、 )
忙しいとあまり食べる機会は無くなるものだろうな( ほう、と彼の答えに頷いては行動見つめ。此方も別の蜂蜜瓶とって取り敢えず少し掛けて戻し、視線相手の皿へと移せば皿に溜まる黄金のそれ。己が目を遣ると同時にそのことへ気づいたのか慌てた様子の彼に気づかれぬようそっと苦笑い向けては )
_主、この食器は如何にして使うのか( 箸を使い四苦八苦するその姿は幼子の様で何処かそのまま見ていたい気もあるが其れよりかお節介心が先に働き。箸除けるように、と彼が苦戦している食べ物の前そっと手翳しては蜂蜜の溜まった其方の皿と蜂蜜少しだけ掛けた己の皿入れ替え。何事もなかったかのように己の脇にある銀の食器握っては主へと質問投げかけ、二つの見慣れないもの見比べて )
ああ、それもそうだが――…おい、あんた( 身振り手振り交えながらの説明に聞き入るも、いつの間にか挿げ替えられていた器見遣れば非難の声上げて。真逆失敗した自分の物を食べる気なのでは、と危惧すれば表情に焦りの色滲ませ、此れといった考えも無しに突き匙握れば身を乗り出して。彼の下へ渡った皿の上、その洋食の内一切れを口に放り込むや否や一口、また一口と一心に運び続け。数度咀嚼した後残す所あと数片となった器を見下げては「…甘い」と露骨に顔顰め、 )
…無理はするんじゃない、俺は其の程度の甘さがちょうどいいんだ( 漸く相手が気づいたのか聞こえた非難の声を聞こえぬふりするもちら、と皿に目をやればそこには先程まで殆ど完全な形で残っていた甘味が数切れとなっていて。吐き出された言葉へまゆ潜めながら上記、入れかれた皿そっと此方へと寄せればこれは俺が食べる、と独り言のように呟いた後銀食器握って少なくなった其れ一切れを差して口に運んでは甘すぎるな、とは思うものの黙っており、残り食べきろうと幾回か一切れの食べ物口に運び咀嚼する作業していては、 )
( 皿の上が綺麗に片付けられていく様を恨めし気に見遣れば嘆息、己が為彼の残した分も口内に広がる甘さ故か手を付ける気も湧かず。如何したものかと考え込む内にちらほらと夕餉の片付けを始める者を認め、仕方なしに残してしまおうか、然し其れは彼に悪いのでは、と躊躇し眉を顰めて )
…ん、( 然れど考え込んでも始まらない。一つの案を導き出しては意を決し、突き匙を不器用に使い未だ手の付けられていない其の分を彼の口元に運べば視線を以って"食べろ"と暗に訴えかけ、 )
…おや?( 辺り見渡せばいつの間にか時間は刻々と過ぎ去っていった様で。入れ替えた手付かずである元の己の皿一瞥しては苦笑い。まあ仕方ないなと彼にそう声かけようとすればひと切れが彼によって取られ。食べるのかと視線やっては己の口元に運ばれた其。視線で訴えかけられれば抵抗する理由もなしのため口開き咀嚼 )
…美味い、のか?
( 存外あっさりと口に運ばれた其を頬張る彼、然し甘味に甘味を重ねては流石に胸焼けでも起こりそうなもの、不安気に上記問えば首傾げて。元はと云えば折角自分の為に残してくれた物、食べさせてばかりでも勿体無い。先程同様恐る恐る一切れを口に含めば数秒の沈黙の後「…悪くない」なんてぽつりと。言うが早いか二切れ目を口に運ぼうと皿に匙向けて )
嗚呼、…此方の方が甘さは控えられているからな
( いつもならば己の食後の甘味を二三口食べただけで胸焼けする程なのに何故か今日は無い。何故だろうかと考えるもきっと彼が其れを食べさせてくれたから、なのであろうだなんて完全に惚気けているような具合の考え残してはふと手に持っていた銀食器に此方も同じように一切れ刺しては同じように彼の口元へと、 )
( 此方に運ばれた其の一切れ目にしては不思議そうに瞬き、数秒後その意図に漸く気付いたのか素直に口に含んで。数度咀嚼の後飲み込めば「全く、アンタって奴は__」と目逸らし視線落としては気恥ずかしげに。時計盤を見遣れば短針はとうに八を回り、若干の物足りなさを感じつつも立ち上がれば食膳を手に「…そろそろ片付けるか、時間だ」と切り出し厨へと足を進め、 )
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