ぬし 2015-04-30 23:53:00 ID:9135727f3 |
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す、すみません…主上
皆さんに食べてもらいたくて
(その晩、部屋に来るように言われ、主上の部屋をいつものようににこやかに訪れたが、昼間の事に怒りを爆発されればぎゅっと身体を強ばらせ目をつぶり鬣である長い金色の髪を逆立てたかと思えばしゅんとして、きっと獣の姿ならば耳を下げ尻尾を下げて居るだろう、そんな感じで謝り)
大丈夫ですよ!
わからないでもないわ、その気持ちは
だって私が育てたお野菜ですもの、とても美味しそうに見えるし、実際、我ながら美味しかったわ!
(うんうんと、頷きながら、さも当然の事のように自分の力作を誉める。200年前に父母から習った畑作りの基本は、その200年の間に青花の手でさらに洗練され、自他共に認める技術となっていた)
はい!
主上のお野菜はとても美味です
逢山公も喜ばれてました
んっ…!!
(力作の野菜の話をする主上に嬉しそうに美味しいと言っては、逢山に行く際に収穫している事をつい漏らし、とっさに口を押さえ)
(その言葉と反応を見て、首を落として呆れたようにはぁーあと大きなため息をつき)
まあ、蓬山公のお口に合ったのなら、それはそれで光栄だけど…
(一度言葉を切って鋭い視線で見上げ)
論点はそこじゃないわよ、私は毎日忙しく仕事してるのに、唯一の楽しみを奪っておいて…!
(怒鳴りはしないものの、完全に怒りを露にして)
えぇ、逢山公も喜ばれて下りましたよ
も、申し訳有りませんっ…
(人の姿になるようになったばかりの逢山公の喜びの笑みを思い出し嬉しそうにするも、論点はそこでわないと鋭い視線を浴びせられ深いため息をつかれあたふたし、自分の主である相手から大切な物を奪っている事に気づけば、相手の前にひざまずいて頭を下げ自分の愚かさに泣きそうになり)
(座っていた椅子の上で、身体ごと角度を変えてその姿を視界から追い出し、机の上に頬杖をついて)
貴方ねぇ、私と組んで何年目よ…、いい加減学習なさい…、漣国や才国、範国をご覧なさいよ、どこも王と台輔の仲がよろしいわ、本当に羨ましい…
(その姿が見えなくなったことで、止めどなく流れる文句の数々が、抑揚のない声で紡がれる)
はい…
申し訳有りません…
以後気をつけます…
(主から止めどなく上から降り注ぐ文句に何も言えず、頭が上がらず他の国の話になればひざまずいて頭を下げたままビクッと肩を跳ねらせ、顔を強ばらせ顔を上げれば私の事、お嫌いですか…?と瞳は涙で溢れていて)
(涙に掠れた声で問われ、はっとして徇麒の方を向けば、その瞳からは涙が溢れていて)
っ、ち、ちがうの、言い過ぎたわ、ごめんなさい…!
(先程の怒りが嘘のように慌てだし、ガタンと椅子を倒しながら立ち上がると、着ていた衣服の裾に足をとられながら駆け寄って膝をつき)
いいえ、私こそ勝手な事ばかり
申し訳有りませんでした
良かった…
(慌てて駆け寄り嫌いでない事が分かればお詫びと共に瞳に涙を溜めながら微笑んで)
ごめんね…、海李ごめんね……
(急にしおらしくなって此方も泣きそうになりながら、豪奢な着物が涙に濡れるのも気にしないような素振りで、海李の頭をかき抱き)
いいえ、お気になさらないでください
(抱きしめられればびっくりするも嬉しそうに頬を赤らめ、金色の髪と舜極国の宝である首飾りが麒麟の首に下げられながら月明かりで光り)
さあ、…立てる?
(床にの上に膝立ちになっていたが、ゆっくりと身を起こし、心配するようにその瞳を覗きこみ)
もう落ち着いたかしら?
はい!
あの、また畑仕事手伝っても
宜しいですか…?
(心配そうに見つめられ、即座に立ち上がり、微笑んで遠慮がちに聞いてみて、やはり主との出会いは畑で、まだ荒れていた国に10歳で王を探しに出て、綺麗な畑を見つめて居れば盗みと勘違いされたのが出会いだった、相手が王だとすぐわかったが、芳の麒麟は首を落とされたなど王を選ぶ事に不安が有ったのかなかなか言えず7年近く正体をあかさず会いに来て畑仕事を手伝っていた)
ええ、…今度は、私の自信作を勝手に収穫しないでよね?
(ゆったりと立ち上がって首をかしげ、にっこりと微笑んだ青花は、いつもの自信ある、はっきりとした意思を持つ舜の王にかわりなく)
はい
ありがとうございます
私も畑が好きです
(恥ずかしそうに苦笑いを漏らし礼を述べ、畑仕事を手伝うといってもカマやクワは使えないが草むしりや苗や種植えを手伝える事に嬉しそうにニコニコし、きっと畑仕事が好きな麒麟はなかなか居ないだろう、気性が素直で変わっているとよく言われるようで)
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