リミット 2015-03-18 10:29:10 |
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小学生の頃。俺は人のことを幼稚だと思い、誰とも会話せずに一日中本を読んでいることも珍しくなかった。
やがて自分は他の奴とは違うんだと自覚し、手に黒い包帯をつけ。表情はマスクに少し傷を付けて隠していた。
当時。デスノートやルパンなどアニメにハマっていた俺はわざと人の多い場所で胸を抑え苦しんだりしていた。
目には眼帯を付けたりして。学校意外でも常に眼帯と包帯。マスクはかかせなかった。
しばらくそんな事を続けていたら、面白がって話してくる連中も少なくなり。誰も俺に近づかなくなっていた。
この頃は俺のオーラに恐れて誰も寄れないのだと感じていた。
そして中学への進出。
思春期に突入した俺は女子に興味を持ち。女子全般を「キューピッド」と呼んでいた。
だが日に日に闇の力を強めていた俺はもはや誰も近づかなかった。そんな時だった。
クラスでも可愛くて明るい女子が俺に話しかけてくれたんだ。「○○君ってミステリアスで面白いね」
その一言は俺の中で一週間はエコーされていただろう。当時の俺は普段キューピッドたちと話さないため、その時俺は彼女に「俺はタイムリミット。キューピッドとは違う世界の住民なんだ。悪魔と天使は分かり合えない」なんてことを言って自慢げに笑っていた。
それでも話してくる彼女に俺は「ミカエル」と名付けた。俺は彼女を守るため、帰り道を尾行したり、リコーダーをチュパチュパして消毒した。時には彼女の体操服を着ながら自分を慰めた事もあった。
今でも俺の部屋には彼女の写真がいくつかある。
そんなある日の事。事件は起こった
ミカエルは普段から皆に優しく。男子からも人気があった。そのためキューピッドからは妬まれ地味な嫌がらせにあっていた。
ある日俺がいつもの如くミカエルを尾行していたら、数人のキューピッドにミカエルが絡まれているのを目撃したんだ。
キューピッド達はミカエルに何か言っているようだが、距離もあり、何を言っているのかは聞こえなかった。それはしだいに怒鳴っているようになり、数人のキューピッドはミカエルをひと気のない場所へ連れていったのだ。
俺はなにか嫌な気がし急いで彼女達の後を追った。
そして見たのはミカエルがキューピッド達に迫られ怯えている姿だった。
俺は無意識に飛び出した。そして叫んだ
「俺の女神に手を出すな!貴様達は俺を怒らせた。俺の暗黒拳をくらうしかないよだな」
大声で叫んだ。キューピッド達は驚いていた。
それは、普段喋らない俺が突然叫んだからだろうか。俺のオーラに恐れたからだろうか。そんな事はどちらでもよかった。俺はただ後ろの彼女を守る事に必死だった。
数時間に及ぶ戦いの後。俺は下着姿のボロボロで家へ帰った。腕には戦いの跡があり、闇のオーラを発していた。俺はなにも言わずにベッドに倒れこむと闇を放出しすぎて腫れた目の眼帯を取り。あいつらは俺を本気にさせたようだな、次に会ったときは俺の真の力で炎の餌食にしてやろう…ククク…と。小さく呟いた。
次の日。俺はそのキューピッド達の机に俺のアドレスを仕込んでやった。
その夜、見事にキューピッド達全員からメールが届いた。それは、誰ですか?とかもしかして武田君!?(クラスで一番モテる男)とかそのようなことだった。
俺はキューピッド(3人ほど)に同じメールを送った。
「邪悪なキューピッドへ
君達は我の餌食となった。
大人しく、我のいう事を聞くんだ。さもなければどうなるか…わかるよな?
まず、同じクラスの○○(ミカエル)に手を出さぬ事。
彼女は我の大事な生贄だ。
次に。○○(俺の名前)あいつの本名は【タイムリミット】我々の敵で世界を守るスパイだ。奴は不思議な力で世界を支えている。
我々は奴について興味がある。これから奴のことを観察し、情報を求む。言っておくがコレは命令だ。
闇の使者アークエンジェル」
とのことだ
俺がこのメールを送った理由は次の日俺に恐れるキューピッド達を見たいのと、ミカエルが俺に恰好いいと思って欲しかったである。
次の日。俺ウキウキして学校へ向かった。
その日。学校で臨時集会が開かれた。学年ではなく、全生徒が集まった。デカすぎるほど盛大なスクリーンには、昨日俺が送ったメールが映し出された。
途端にざわめきだした。
「wwwなにあれww痛いwww」
「きもーwwwてか○○(俺の名前)って誰www」
などと様々な言葉が聞こえた。当然俺の事を知っている奴は俺の方を見たが、俺は冷や汗を垂らしながらただ俯いていた。強烈な吐き気に襲われた。
なんせ、そのメールアドレスには
俺の誕生日と名前が数字ろローマ字で書かれていたからだ。ミスをしてしまった。全員にばれた。誰も俺に話しかけづある生徒がコイツじゃね?と俺を指した時には俺は盛大にリバースしていた。
体育館に悲鳴が渡った。
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