主 2015-03-08 22:55:49 |
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早退……?そこまで貧血酷かったのか
(周りに生徒たちの声が響く中不意に携帯が振動しメールを開いてみると早退のメールということで、そこまで貧血が酷かったなら自分の保健室にいるべきだったかななどと思いながら『了解』と短く
返信しながら立ち上がって。別に自分は早退する旨を伝える理由なんてなく、ただ相手の近くに居られればいいだけの話であるため教室に言って自分の鞄を取ると先生に何も言わず校門へと向かって。校門に近づくとメール通り相手の姿があり「待たせた。何かあったのか?」と、倒れた相手を保健室に運んだのは自分などと言うつもりはなくあくまでも知らないふりを装いながら声をかけて)
ええ、どこかの馬鹿が無理をしたようだから。
(足音が聞こえれば視線を相手に向け、問いかけにはちらりと相手の腕を見遣ってから一つ頷いて。あくまで黙っている気の相手に目を細めれば「私を運んでくれたの、あなたなんですって?……腕の怪我が一番ひどかったと聞いたのだけど?」と責める様な口調で言って、壁から背を離せば校門の前に止まった黒塗りの車に向かい。「帰りましょう。いつも通り下校してまた絡まれても面倒だし、私も眠いのよ」と振り向かないまま言えば運転手の開けてくれた扉から車に乗り込み)
……了解だ
(恐らく保健医にでも聞いたのだろう、自分としては知られたくなかったのだがやはり予想通り責めるようなことを言われれば特に何かを言い返すこともなく相手に続いて車へと乗り込んで。車が走り始めて少し経ち、窓から外を見ながら「お前に何かあったら俺が耐えられないんだよ。俺にとってお前が何より最優先なんだ。腕が痛いからって放っておくわけがないだろ……だが運ぶとはいえ勝手に体を触ってすまない」護衛職なんて身体を痛めるのは当然なことであり、自分の身体より護衛対象の無事の方が遥かに大事で嘘つくこと無く本心からの気持ちを述べて。端から聞いたら何だか誤解されそうな言葉だが本人には自覚はなく)
それでいざという時に動けなかったら世話無いわよ?……あと、言葉選びにはもう少し気を付けなさい。
(シートに深く腰掛けて同じように窓の外を流れていく景色を眺めては、聞きようによっては口説き文句にも思える発言に溜息交じりに苦言を呈す。そしてふと相手の方に視線を向けてはそもそも何故相手が自分を運ぶことができたのかと考え、競技場の様子は教室からでは見えない事を思い出せば「……て言うか、あなたまた授業をサボっていたの?」と眉をひそめて非難するように見つめて)
サボる以前に、俺は授業など受ける理由がないからな。学校に来てる理由だって、お前に何かあった時すぐに対応できるから・・・・・・ってだけだ
(色々察しの良い相手ならばすぐにバレるだろうと思っていたが、まさかこんなにもはやくバレるとは思っておらず小さくため息をつくと視線を動かさず先程のように淡々と返事を返して。一般教養なら、小さい頃から戦闘術と一緒に父親に叩き込まれているし、高校程度のレベルなら完璧程ではないがテストで上位を取れるほどには理解していて。「それよりも倒れた時にどこか痛めてないか?擦りむき程度の傷なら簡単に手当てしたんたが・・・・・・」さすがに身体全体を診ることなど男である自分に出来るはずがなく、もしどこか強く打ち付けていたりしたら後々大変であるためようやく相手へと視線を向けて尋ねて)
その調子じゃ、クラスメイトとも上手くやれてなさそうね。
(相手の返答に大きな溜息を吐けばどうせ何を言っても無駄なのだろうと感じつつ、皮肉を込めて呟けば再び視線を窓の外に向けて。痛むところは無いかと聞かれれば頬のガーゼに触れ、これも相手がやったのかと思いつつ「……左肩が少し痛むけど大したことないわ」と視線を向けないまま答えて。そして口元に手を当てると呑気に小さな欠伸を零しては窓に頭を預けて目を閉じ)
……そうか、夜になっても痛みが収まらなかったら医者に診てもらえ
(相手の様子から見るに、眠気でも黙っているのだろうと理解し最後に一言だけ言うと邪魔しないように後は何も言わず先程のように視線を窓の外に戻して。車の中だからといって安全だということはなく、タイヤに向かって発砲されたり運転手を狙撃されたりなどの可能性は十分にあるためボーっと外を見ているように見えるが実際かなり神経を使って警戒していて)
ええ……どうせお風呂の時にメイドにバレるもの……大人しく先生に診てもらうわ。
(相手が警戒している事など全く気付かず、何となく気の抜けた様子でこくりと頷けばそっと左肩に触れて。確認はしていないがこの鈍い痛み方からして内出血を起こし青痣になっているだろう。となれば隠し通す事などまず無理で、気付いたメイドを慌てさせるよりは先に申告してしまった方がいい。早退したおかげで稽古までは時間があるし、診察が終わったらお昼寝でもしようかしらと考えながら襲って来る睡魔に抗えず小さく寝息をたてはじめ)
こいつの左肩、怪我してるから帰ったら気にかけるように言っておいてくれ。入口にメイドか誰かいるだろ
(車に乗り込む前、相手の歩き方や車に乗り込んだ後の様子を見るに左肩に異常があるのは目に見えていて、相手が寝ている隙に運転手に短くその事を伝えておいて。伊達に今まで多くの人間と関わってきた訳ではないため、そういう関係も見抜くことができ、後は大人しく家に着くのを待って)
んー……そうだわ、ドクターを呼んで頂戴。
(運転手の呼びかける声で目を覚ませば見慣れた自宅の門が目に入り、眠そうに目を擦りつつ車から降りれば出迎えたメイドの一人に医師を呼ぶように言って。「行くわよ、腕の怪我が悪化していないか診てもらいなさい」と自分の打ち身のついでに一緒に診てもらおうと相手のブレザーの裾を掴めば問答無用で屋敷の中に引っ張って行き)
……は?おい、お前何を勝手に……
(ようやく目的地まで着き車から降りて自分の家へと帰ろうとして一歩踏み出した途端不意にブレザーを引っ張られ、何だ?と思いつつ振り向くとそのまま引っ張られていき訳が分からず声を上げるも相手は止まること無く歩いて行き。すぐに振り払って逃げることも可能だが、今逃げてもどうせ明日またやられるだろうと思い抵抗せずに大人しくついていき。そしてふと裾を握られている手元に視線を落とせば「お前、あれだけ嫌ってた男に触れるようになったのか……。何かあったのか?」自分が知っている相手ならば、男に触れようとしないどころか近寄らないはずなのに直接ではないが普通に触れられていることに疑問の上げて)
……え?
(抗議の声を無視して屋敷の中を進んで行くが、触っても大丈夫なのかと聞かれればはたと立ち止まって手元を見下ろして。直接触れている訳ではないが、確かに今までの自分では考えられなかった行動だろう。何よりも無意識に相手の服を掴んでいたことに驚いてしまい、数秒黙り込めばいつものように高圧的に誤魔化す事も忘れて「……何だか、あなたは平気みたい」と素直に零した後に相手を見上げては直後に失言に気付いたのかぱっと両手で口元を覆って顔を逸らして)
なんだそれ……?
(てっきり何かきっかけがあって、男性に触られるようになったのだと思っていたのだが返って来た答えはかなりの予想外のもので男性は男性でも自分は大丈夫という何とも理解し難いことであり、そんな言葉にため息混じりに聞き返すが相手の様子を見るに恐らく失言だったのだろう。素直に答える相手は何だか相手らしくないなどと思いながら「まぁいい、引き続き案内頼むぞ。俺はこの家の中のことは何も知らないからな」気になったがこれ以上気候とはせずに会話を切り、掴まれた手を振り解こうとはせずに掴まれた状態のままで。)
う……な、何だっていいじゃない!あなたもその方が仕事しやすいでしょう?!
(訝しげな相手の問いに再び黙り込めばやや赤くなった顔で恨めし気に相手を睨んで。無意識の行動だったのだから理由を求められても困る。半ばやけになって叫ぶように別に不利益でもないのだからいいではないかと言い切って、案内を求める声に掴んでいた手を離してくるりと前を向けば「こっちよ」と一言だけ言って応接室に向かって歩き出し)
……はいはい、分かった
(こっちはただ疑問をぶつけただけなのに、何故睨まれてそれして怒鳴られ何だか理不尽に感じたが確かに相手の言うとおり仕事しやすいのは事実であり前までの相手よりは遥かに好感を持てる。先に歩き出した相手の背中に付いていくように歩き「相変わらずお金持ちの家ってのは大きいよな……。何回見ても慣れない」大きな屋敷を見上げ、今まで護衛してきた人物たちの家も同時に思い浮かべながら小さく呟くように述べて)
"はい"は一回でいいの!
(かつかつとヒールを鳴らしながら足早に歩き、相手の反応に不貞腐れた様な口調で言葉を返せば真っ直ぐに応接室に向かって行き。途中で相手の呟きを耳にすれば歩調は緩めないままで「家の力を示すのに屋敷大きさっていうのは丁度いいのよ。だから権力者の家は無駄に広くて豪華なの」とやや皮肉交じりに疑問に応え、応接室に着けば控えていた医師たちに「あなたは彼の怪我を。そっちのあなたは私を診て頂戴」と言って自分は女医を一人連れて隣室へと入り)
家の力……か。そういうものか
(自分の家はお金持ちとは程遠く、ましてや権力者ですらなかったため相手が言う家の力がどうこうという話は理解できないが確かに相手の言うとおり今まで自分が見てきた権力者達は力が強いものほど無駄に豪華で大きい屋敷に住んでいた記憶があり。応接室だろうか、なんだかそのような部屋に着くと相手の一言を聞いた医者たちに有無を言わせない勢いで掴まれると「おい待て、おとなしくついていくから引っ張るな!」こちらの言い分など聞こえていないのかそのまま別の部屋に連れて行かれると実に手際よく次々に色んな場所を診られて。ただ大人しく診られていると不意に『凍華様の事をどう思ってます?』という質問に疑問を抱くも、少しの間考えて「まぁ正に今どきのお嬢様って感じだ。まだ現実を分かっていないし、甘い部分もかなりある。だけどまぁ……根は良い奴だし、ただ素直になれないだけの実際は年頃の可愛らしい奴なんじゃないのか?いつアイツの護衛を辞めるかは分からないが、それまでは命をかけて護ってやる。……こんな答えで満足か?」普通に人間なら恥ずかしくて言えないようなことなのだがそこはさすが自分というべきか、思っていたことをさらっと何も気にすること無く述べて。本人に聞かれたら『あんた私が好きなの?』などと面倒なことを言われそうで、この部屋にいる医者が彼女に言わないように願って)
そこのあなた、応接室にお茶をお願い。
(倒れた時にぶつけた左肩を診てもらえばやはり予想した通り軽い打撲だったようで、薬を塗ってもらい服を着込めば早々に部屋を出て応接室に戻ろうとして。恐らく相手の方が時間が掛かるだろうと考えて控えていたメイドにお茶の用意を頼めば、通りかかった部屋の中から医者の質問する声が聞こえてその内容に思わず立ち止まり「なんてことを聞いているのよ……!」と小声で毒づけばしかし答えが気になるのかそのまま聞き耳を立て。相手の返答を聞けばてっきりもっと辛辣な事を言われると思っていたので驚いたように扉を見て、そっとその場を離れれば「他意…は、無いのよね、きっと。言葉を選べとあれほど……」と呟きながら応接室に入り、ソファに腰かければ置いてあったクッションに顔を埋めて)
手間をかけさせて悪かったな、助かったぞ
(そしてしばらく経ち、ようやくひと通りの手当てが終わると軽くお礼を一言だけ言ってから部屋を出こうとドアノブに手を掛けて。自分が見た感じ、相手は寝不足から貧血のように思えたためそれほど時間は掛かっていないだろう。手当てが終わり、これ以上ここにいる理由はないためもう一度医者の方へと向いて「俺は帰るから北御門に何か聞かれたら帰ったって伝えておいてくれ」自分で言いに行ってもいいのだがこの広い屋敷の中相手を探すのは大変そう思えて、医者に伝えると今度こそ部屋から出て行きここに来るまでに歩いてきた道を戻っていって)
……帰ったの? 私への挨拶も無しに?
(そのまま応接室のソファで気を紛らわせるためにクッションをぼすぼすと殴りつけていれば、扉が開いて医師が姿を見せる。しかしその後ろに相手の姿が無い事を見て取ればどうしたのかと医師に問いかけ、伝言を聞けば眉を寄せて紅茶のカップを手に取って。己の反応にやや慌てた様子で相手を呼んで来ようとする医師を引き止め、ゆっくりと息を吐き出せば紅茶を一口飲んでカップをソーサーに戻し。どんな顔をして会えばいいのか分からなかったので、ある意味助かったと心の中で安堵して)
いいわ。…………顔を合わせずに済んだもの。
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