主 2015-02-01 22:01:34 |
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ん…だ、大丈夫…です。
(昨日からの相手の発言は嘘ではなかったのだと実感し、安堵から思わず一筋涙を流し。それを袖で拭ってから差し伸べられた手を握って立ち上がり、悪態をついているいじめっ子たちの言葉に相変わらず萎縮したようにびくびくとするものの、恐らく今は何もしてこないだろうと考えるとそのまま保健室へ向かおうと歩き)
よし、しかし無理はするなよ?怪我をしている時に重ねて負う怪我は長引くからな
(握った手を離そうかと思ったが、もしかしたら無理をしている可能性を感じて手を離すこと無く繋いだ状態で保健室へと向かって。女子と手を繋ぐなんてことは普通の男子からしたら恥ずかしいものなのだがそこは相変わらずの自分であり恥ずかしさを感じるどころかむしろ堂々といていて。歩く速さは極力抑えて、相手に怪我を負わせないように歩幅を合わせ相手が無理をしていないかどうか横目で様子を見ていて)
大丈夫、です…。ありがとうございます。
(自分を気遣う相手の発言に相手の方を向くと微苦笑を浮かべて頷き。先程の暴行によって痛みを感じて時折表情を歪ませるものの歩けなくなるほどというわけでもなく、ゆっくりとしたペースで保健室へと向かい。繋いだ手から相手の温度を感じ、悪意以外に人と触れるのはどれほどぶりなんだろうかなどと考えていて)
待て・・・お前、俺の背中に乗れ。お前の痛そうにしている顔は見たくないし無理をさせたくない
(相手の微苦笑を見て、体が痛んでいるのだと察し足を止めると相手に背中を向けて背中に乗ることを促すように言って。今でも間に合うことができなかった自分に対して怒りを感じているのだがそれを表情に出すと相手に余計な心配を与えてしまいそうな気がして表情には出さずに)
え…い、いいです。いつものことだし…いつもよりずっと平気、です。
(実際、普段であれば意識が飛ぶほどの暴力を受けており、今日はそこまででもなかったためにいつもより痛みは甘い方で。相手に心配をかけてしまったのだろうかと慌てて首を横に振って否定をして。放課後の時間帯とはいえ校舎内にいる生徒の姿は少なくないため、いくらなんでも目立ってしまうだろうという考えが一番ではあるものの、やはり恥ずかしいという感情もあり)
ふむ、なら仕方ないか・・・。まぁいずれお前は一番の美少女して目立つんだからこの程度の事で恥ずかしがるなよ?
(本当は痛みが弱くても無理してほしくなかったのだが、とりあえず今は相手の意見を尊重し珍しく何も言わず素直に相手の言葉を受け入れると立ち上がって向かい合うような形になりいつもの不敵な笑みを浮かべ目立つのが嫌いな相手にとっては色々辛い言葉をかけ「それで保健室までまだ距離はあるが・・・手、繋ぐか?」校庭の隅っこから歩いているため当然保健室までの距離は遠く、相手の状態も考慮して恥ずかしがること無く手を差し出し普通に聞いて)
だ、大丈夫です…。その…ごめんなさい…。
(目立つのが苦手な自分にとっては試練ともとれる相手からの発言に一瞬憂鬱そうな表情になり。しかし、相手に今更嫌だと言ったところで無駄だとはわかっているため反論することを諦め、代わりに小さく嘆息し。それまで手を繋いでいることに対して何も考えてはいなかったものの、改めて相手から言葉として言われると恥ずかしさと、自分のような人間が雲の上の存在のような相手の手に触れていたことを思い出し慌てて傍を離れて)
分かった・・・なんて言うはずがないだろう。俺はお前が心配、理由はそれだけで十分だ
(相手に言われて引き下がるなんてことはせずに離れていく相手の手を捕まえてしっかり握るとそのまま先ほどのようなゆっくりとしたペースで歩いて。どうやら自分は相手から見たら立場の違う人物だと感じているのだろうか、相手の様子からしてそう思われていることは明白で歩いていた足を止めて少し考える素振りをし「もしお前が俺と同等の立場だと思えないのなら・・・。そうだな、今この瞬間から俺とお前は友達だ。友達なら心配して手を貸すのは当たり前だろ?」仮に友達になれたとしたら自分にとって初めての友達という存在なのだが嫌な感じはせず、むしろ不思議な気分で軽い口調で聞いてみて)
と、友達…。私なんかと…ですか?
(結局手は繋がれ、恐らく目立ってしまっているのだろうと思うと顔を上げることができずに開いている手で前髪をさらに下ろし、視線を下げて。相手から発された“友達”という単語に驚き、相手の軽い口調とは裏腹に迷うようにしどろもどろになりながら尋ね。放課後ということもあって保健医の姿の見られない保健室へと辿り着き、誰もいないことに安堵しながら中へと入り)
お前なんかと・・・ではない。お前だからこそいいのだ
(どこまでも自分の価値を見出だせない相手に軽くため息をついたがすぐに相手の隠れた目をじっと見下ろしたながら真剣な口調で言い。気付けば保健室に着いており中には予想通り保険医の先生は不在で中に入って行き「じゃあ座ってくれ。それと一応腕とか捲ってくれ、傷の手当をするからな」まるで自分の家かのような感じで医薬品を漁っていき必要な物を取ると慣れた手つきでなるべく傷口などにひみないように繊細に手当を始めて)
あ、ありがとう…ございます。…慣れてるんですね、手当て。
(なぜ自分なんかで良いと言ってくれるのだろうか、という疑問が湧き上がってくるものの、相手にその答えを求めたところで自分自身が完全に納得するには至らないだろうと考えて口を噤み。慣れた手つきで保健室の医薬品を探し当てては手当を施してくれる相手の姿を見つめながら、「…あなたのことは悪い人、とは思ってないです。だ、だから私に関与しないほうがいい…と思います。あの人たちは必ず痛い目見せるって…あなたのことを、そう言ってました」と先程の空き教室での出来事の端々で聞こえてきたいじめっ子たちの言葉を思い出し、震える声でそのことを伝え)
まぁな、色々とあってな。それに天才のこの俺にできない事はない
(今まで育ってきた環境のせいか傷の手当というものには慣れていて、今ではよほど大きな傷でなければある程度の応急処置はできるほどの技術をもっているのだが詳しいことは話さずいつもの言葉で誤魔化し手当を施していると震えた声で言う相手の言葉に特に何も返事を返すことはせずに黙々と傷の手当をしていて。そして十分な処置が終わり医薬品を元あった場所に戻し自分も近くの椅子に座ると「周りなど俺は興味ない、俺のやることは俺が決める。お前の素顔を知ってしまった以上、俺はお前を放っておくことはできないからな。まぁ見ていろ、久城誠也という人間はお前が思っている以上に優れた人間だぞ」ようやく先ほどの言葉に対して、色々心配しているであろう相手を安心させるように力強い言葉で最後は得意の不敵な笑みでどこから来るのか分からない自信満々っぷりで述べて)
…本当に不思議な人、ですね。
(自分とはまったくといっていいほどに対称的な相手の自信に満ちた言動を聞いていて。しかし、その言動に嫌な気分になることはなくむしろそのテンポのよさに心地よさすら覚えていて。手当が終わったことに気がつくと頭を軽く下げて礼を述べ、相手の言葉が誤魔化しだということに気づくこともなく病院間連の家柄なのだろうと納得し。座っていた椅子から立ち上がると、「そ、それにしても…大丈夫、でしょうか。あの人たち…」と動けなくなっていたいじめっ子たちの姿を思い出し)
ああ、あいつらなら大丈夫だろう。動けなくしたとは言っても一時的なものだ、そのうち普通に歩けるようになる
(今まで忘れていたのか相手の言葉でようやくあのイジメてっ子たちを思い出し、本当は少しやりすぎてしまったのだがそれを言っても相手を余計に困らせるような事になるためそのことは言わずに軽く嘘をついて。手当も終わればこれ以上保健室にいる意味がなく、使った医薬品を使う前とほぼ同じような状態で置いて勝手に使った痕跡を無くし「それでは帰るとするか。何かあったら連絡を来れ、気を付けて帰れよ。また明日・・・な」本当は今の状態の相手を1人で返すのは危険なことだと思うのだが、1人で居たい時もあるのだろうと判断し保健室のドアに手をかけて念を押すように言うとそのままドアを開けていき保健室を出て行って。また明日、なんて言葉は生まれて初めて使ったような気がするのだが自然と口に出ていて)
は、はい。今日は、ありがとうございました。また…明日。
(相手の心の内で考えていることなど露知らず、大丈夫だろうといった主旨の言葉にほっと胸を撫で下ろし。相手に合わせて自分も保健室から出て行き、相手の進行方向とは逆方向へと歩いて行きながら軽く頭を下げてから再び自宅の方向へと歩いて行き。本や自分以外の他の生徒が普段自然と行っていることを自分もしたという実感から、嬉しさではにかみ)
まさかこの俺が起きる時間を間違えるとは・・・不覚だ
(次の朝、今日は珍しくいつもの時間よりも遅く起きてしまい、普段はすでに学校に着いて寝ているであろう時間に登校をし下駄箱を開けると入っているはずの上履きがないのだが特に気にすることもなく何事もなかったかのように靴下のまま教室へと向かい。昨日の出来事から考えて何かしらはやってくると思っていて「さて、潰すか」上履きを隠したのか捨てたのかは分からないが、こんなことをした人物はもう心当たりがあり酷く冷たい声で小さく呟き)
……?
(普段通りの時刻に登校してきていて。大抵、朝の時間帯は靴箱や教室の自分のものに悪戯されたあとのものを見つけるのだが、今日はまったくとしてその悪戯が見られず、安堵半分不安半分で自席についており。その間も自分へ何かしてくる生徒の姿はなく、珍しすぎる朝に逆に呆然となってしまい。しかし、いつも自分に嫌がらせをしてくるいじめっ子たちの会話の中に相手の名前を聞き、しかもそれがどう考えても悪意を持ったものであることがわかり。昨日の言葉は本心だったのだと知ると同時に相手が教室ヘとやってきたのが視界に入り、しかも上履きを履いていないのがわかると胸騒ぎを覚えて相手を見ていて)
・・・
(いつも通り朝堂々と教室に入り、いつもは席にまっすぐ向かうのだが今日はまず教室内を見回し明らかに自分のことをニヤニヤとした笑みを浮かべて見ている明らかに怪しい男子生徒の元へと近付き何も言わず胸ぐらを掴み上げると「1回で答えろ、俺の上履きをどこへやった?お前ごときが触れていいものではない」冷静な声だが、低く鋭い声音で普段の雰囲気とは違い明らかに敵意を持った目で相手の男子生徒の力強く掴みそのまま壁へ押し付け)
……!なっ、なにするんです…か…。
(言葉こそ冷静さを装っているものの、雰囲気からしてどう考えても相手が怒っているのが手に取るようにしてわかり。たとえ相手が自分より強い立場にあるとはいえ、自分をいじめていた人たちのことはそれ以上に怖いようにしか映らず、自分に関わったせいで相手に迷惑をかけてしまっているのが目に見えていて。せめて相手が今まで過ごしていた日常に戻してあげることくらいはしなければならないと考え、いじめっ子たちにその願い出をしようと相手のいる方へと踏み出し。しかし、それを逆手に取るようにして他のいじめっ子たちに取り囲まれ、恐らく教室においてあったのであろうハサミを向けられて)
・・・いいかお前ら!一応忠告だけはしておいてやる!そんなことして得するものは誰もいない、最後に全てを失うのは自分自身なのだぞ!俺はお前が俺の上履きを隠したことに対して怒っているのではない、お前がそれをしたことで幸福感を得ているのに対して怒っているのだ!
(明らかにおかしい教室の雰囲気に、掴んでいた手を離しクラス全員の方を向くとまるで実体験をしてきたかのように普段出さないような大きな声を教室内に響かせて。そして周りの視線などきにする素振りも見せずハサミを向けられている相手の元へと近寄り庇うように前に立ち「しかしこれとは話は別だ。こいつは、渡辺愛果は俺の大切な友達なのでな。仮にそのハサミで傷つけたらどうなるか保証はできないぞ」もし仮にハサミで傷つけられたとしたらいくら自分でも冷静なままでいれる自信はなく、ただでさえ鋭い目つきが敵意を持ってもっと鋭くなり)
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