匿名さん 2015-01-21 20:10:34 |
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…嗚呼。
(目の前の男と苛立ちつつも会話をしていれば背後の恋人の気配に気が付き、何故こんな時に限って出迎えなんかするのかと男を睨み。然し相手から声を掛けられれば咄嗟に呼ぼうとした相手のコードネームを寸での所で押し留め、不意に手首を掴み引き寄せると頬を緩めて見せ付けるが如く相手の額に唇を付け)
……おまえ…なぁ
(まさかこの場で額とはいえキスをされるとは思ってはいなくて、不意打ちに頰染め恥ずかさに袖で口元を隠しながら小さな声で「いってきます」と言うと、甘い空気に固まっている3位の男の背中を殴りながら走りだし、仕事場へと急行し)
…いってらっしゃい。
(これでも唇を避けた辺りよくやった、と我ながら褒めてやりたい心境で、笑みを浮かべて耳元で言葉を返すと走り去る相手の背を無言で見つめ。その背後で呆れ顔の白衣の男に向き直れば早く行くぞ、と足を蹴り)
(移動しながら赤くなった頰を冷ますように叩きながら気合をいれて、ターゲットにたどり着く頃にはいつものヨナであり愛銃に弾丸を構え慣れた動作で看守を打ち抜き、今回はあくまで依頼されたデータを持ち帰る事であり殲滅はしないのだから案外楽な仕事だったか?と思考しながら研究所らしい建物の中へと足を運び、3位の男とジェスチャーで会話しながら別れ 自分は奥への扉へと進んでいき
入った無人の部屋の中でデータをコピーしていると、落ちている書類に見知った名前を見つけ目を見開き)
………芥…せん…す…け?
(通された見慣れた実験施設は厳重なロックが施されており、広い防弾ガラスの中四肢を枷で固定された自分一人が居り。周囲からは痛いほどに刺さる視線を感じており、相変わらずの居心地の悪さに眉を寄せた所で数人の白衣の男達が目の前に現れ。脳波を測る装置を被せられ施される実験は手首やらを切り落とすと言う何とも単純な物で、日に日に鈍りつつある痛覚では以前感じていた切り落とされる際の違和感さえ無く。再生する手首を他人事のように眺めており)
なんだ…これ
(慌ててパソコンのデータを画面に出していき、レポートや報告書、検証データ どれも全て恋人のもので、冷たい汗が背中をなぞり 最後に下に書いてある組織名を見た瞬間 無意識にそのモニター越しの名前に向かってナイフを振り下ろしていて「なんで…まだこの組織がいやがるっ!」過去に恋人を瀕死に追いやり、初めて自分が許されないミスを犯してしまった仕事 ライフルをパソコンやその辺りにある電気機材にむかって乱射し、なんで、どうしてと壊滅させた部屋の中でまとまらない思考と荒い息に立ちくらみしていると、突然背中脇腹に鈍い痛みを感じ、ゆっくりと視線をやると銀色のナイフが脇腹から生えている様に存在していて熱さと倒れる視界の中「しくっ……た」と小さく呟きながら床へと倒れこみ)
(実験を粗方終え採決をしていたところ、何やら防弾ガラスの向こうで研究員が慌ただしく動き回っており。然しどうせ他人事、気にする事も無かったのだが突然現れた研究員とは異なる幹部連中に視線を向け。両手足の枷が外され、何事かと問えば出動命令との事。幹部らも大分焦っているようでこんな状態では何を聞き出そうにも無駄だろうと一先ず促されるまま用意されていた黒塗りの車に乗り込み、車内で武器の調子を確認しつつ不機嫌そうな面持ちで然して興味も無い出動理由を聞いており。然し恋人のコードネームが耳に届いた瞬間動きを止め、淡々と続けられる現状報告に聞き入っていればいつの間にか目的地に辿り着いており。組織内に潜り込んでいたのが知れてしまった為先ずは周辺の敵の殲滅を命じられるも、此方はそれどころでは無く真っ先に車を飛び出すと背後から制止の声が掛けられるのにも構わず突っ込んで行き)
いっ…てー
(ズキズキと痛む脇腹に目が覚めて辺りを見回すとどうやら密室の様な場所に隔離されているらしい、当たり前だが愛銃もナイフが隠されているコートも今は無く「くそっ……こんなとこでのんびりしてられねぇっつうのに」痛みに荒い息が収まらず、早く恋人に情報を知らせなければ恋人に何かあれば自分はお終いであり、あの日の出来事をまた繰り返す事だけは絶対にあってはならないと、身体を無理矢理起こしながら縛られた手で器用に脇腹を破いたシャツで止血しフラフラと施錠されているであろうドアへと歩きながら、自分の情けなさに唇を噛み締めて弱々しい声で小さく呟き)
……せん…す…け
…頭ブチ抜かれたくなかったら連れていけ。
(幹部の言葉も聞かず単独で組織に潜入し、相手の姿を探し闇雲に走り回っていて。進路を塞ぐ者は容赦無く撃ち抜いていたが、ふと先程までの連中よりも権力を持っていそうな中年の男を捕まえると額に拳銃を突き付け。外面はいたって冷静なものの力は暴走気味で、動転した男に数初弾丸を叩き込まれるも傷は直ぐ様塞がり。それに怯え化け物だのとわめき散らす男を冷めた目で見下ろし劇鉄を上げると、沸き上がる怒りを押し殺したような低い声で相手の元へ連れていくよう要求し)
(とりあえずドアまで来たがやはり開くはずも無く、しゃがみこみ壁に凭れながら目を瞑ると、頭に浮かぶのは愛しい恋人の事ばかりで「はやく…会いてぇな……」恋人は今は何をしているのだろう、家に帰っただろか?ご飯は食べたのかと俺も重症だと苦笑し、無事このまま帰れるかも分からないのだが、なんとしても帰ってあの組織の事を言わなければならず。むしろ帰らなければ俺の話をきいた恋人が何をしでかすか心配で、ドアを力が入らない拳で何回も何回も叩き付け)
…ご苦労さん。
(すっかり腰が抜けてしまった中年男に苛立ちを募らせつつ襟首を掴みずるずると引き摺りながら案内されるまま歩き、一室の前に辿り着き。どうやら此処に恋人が拘束されているようで、無論扉には鍵が掛かっており。仕方無い、と小さく溜め息を吐いては心にも無い労いの言葉を呟き男の頭を鷲掴みにすると軽々と持ち上げ扉横の壁に思い切り叩き込み)
…ぅおっ!?
(突然の何かがぶつかる音と男の断末魔に飛びかけていた意識が戻り、キョロキョロと辺りを見回すが特に変化は無く外からの音だと理解すると、痛む脇腹を押さえながらよろめき立ち上がると叩きつけて血が滲んだ拳を力いっぱいドアにぶつけながら、居るはずも無く確証さえも無いが期待を込めた声で自分の愛しい恋人の名前を呼び)
…仙祐?
…ヨツギ、離れろ。
(内側から扉が叩かれればどうやら無事である事が分かり、安堵で全身の力が抜けてしまいそうになるのを耐えれば扉越しに相手に向かって扉から離れるよう声を掛け。それから暫し間を置くと助走をつけて扉を蹴り、凄まじい音と共に扉が吹っ飛んで行き)
あっ…あぁ
(その言葉で鍵は持っていないという事がわかり、次に恋人がするはずであろう普通の人間では不可能な行動に慌てて扉から離れると、凄まじい轟音と共に吹き飛ぶ扉と恋人の姿に安心し力が抜け尻餅をつきながら苦笑しながら口を開き)
……ごめん仙祐 すぐに帰れなかったわ
何やってんだよ。ヘマしやがって…。
(扉の向こうに居た相手を見るなり眉を寄せると、座り込む相手の目の前にしゃがみ手の拘束を素手で引き千切り。然し敵に捕らえられてしまうとは相手らしくも無く、何処か不機嫌そうな口調で呟きつつ相手の存在を確かめるように両手で包み込み)
悪りぃ…ちょっと予想外のトラブルがあって
(バツが悪そうに眉を潜め、いつもの相手のぬくもりに安心しながら背中に腕を回そうと腕をあげるが脇腹の痛みに思わず小さく呻き、未だ血が滲む脇腹を押さえながら恋人の胸元に顔を埋め)
…お前が来たって事は殲滅か?
…刺されたのか。
(トラブルとは何か問おうとするも相手の口から呻き声のようなものが聞こえれば直ぐ様脇腹からの出血を確認し。服を捲り上げながら呟くような声色で問い掛け。胸元に顔を埋める相手の髪を優しく撫でてやりながら問い掛けに今思い出したと言わんばかりの様子で)
あー…そうだった。
…下手くそだったから外れて刺さってるから平気
(まだ動けると付け足しながら、自分に返ってきた返答に思わず顔を引きつらせるも、真っ先に自分の所に来てくれた事は嬉しく照れ臭そうに笑い、恋人に任せられた任務に対しては真顔で「徹底的に殲滅しろ 研究者は誰一人逃がすなよ」と恋人の目を見ながら伝え)
俺もいく…
嗚呼、分かってる。
(確かに致命傷ではないが恋人に怪我を負わせた挙げ句こんな所に放り込んでいたのだから放っておく筈もなく、怒りで頭の中が一杯らしく相手の言葉に小さく頷き。恐らく素早い移動は痛みを伴うであろう相手の体を抱き上げると、一先ず元来た道を引き返し)
お前は本部に戻ってろ。
…歩けるって
(抱き上げられ慌てながら言うが、次にかけられた言葉に「いや…俺も残る バックアップするから」普通なら別に任せてしまってもよかったのだが、今回が昔に相対した組織の残党でもあるため不安が拭えず。安全な場所から遠距離で撃つからいいだろ?と恋人のかおをみて)
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