xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(相手の言葉に心の中で何度も首を横に振り声に出そうとするも其れを表に出すことは叶わず立ち去る相手を見送ることもせずに兄の手を取って相手とは反対方向に歩いて。
『…菊、どうしたの?…なんか、人が変わったみたい…』
「どうもしない。彼奴は俺を裏切ったんだ。冷たくして当然だろ。それとも女好きって分かってて俺に良いように使われろっていうのか?」
『そうは言ってないけど……』
「…なんだよ。昨日はあんなに彼奴を否定してた癖に」
『それは……』
「もう良いだろ。折角二人でいるんだから彼奴の話はやめにして観光しよう」
(感情を含まない声色で述べては戸惑う兄の腕を引き観光スポットを巡って。
(昼、自然公園内にあるテラスカフェにて兄と二人御茶をするも昨日から何故か食べ物は喉を通らず其れが能力を深く掛けやすくする物だとも気付かずきっと旅疲れだろうと軽く捉え手洗いに行くという兄を見送る。
紅茶を飲みながら広大な自然を無感情に眺めていては背後に嫌な気配を感じ振り返ろうとするも其の前に視界を塞がれ昨夜と同じように耳元で何か囁かれ頭がぼーっとして。
思考がはっきりする頃には何が起きたか覚えておらず、代わりに相手に対する激しい“殺意”が芽生えては暗い瞳で携帯を取り出す。
そして相手に《昨日は御免。俺どうかしてた。多分薬打たれて疲れてたんだと思う。…ちゃんと謝りたいから会ってくれないか? 旅行最後の夜、あんたと星がみたい》とメールを送り、能力によって植え込まれた知るはずのない森の場所を指定して。
丁度その時兄が手洗いから戻ってきては不自然なほど穏やかな微笑みを浮かべ何事もなかったかのよう振る舞い「…星見るの深夜でもいいよな?」と時間調整のため話を合わせて。
>露木
( 相手と別れた後、相手のあの冷ややかな視線と声色を思い出しては情けない表情を隠して。
これはとことん嫌われたなと客観的に思う自分と激しく落胆する自分も居ては自分の肩に頭を乗せる青年の髪に軽く触れて。
それからは青年の気遣いで色々な場所を回り心配を掛けない様にと振る舞うが相手が頭から離れず。
昼食を取ろうと一軒の喫茶店へと入れば青年と同じランチを頼み無意識にぼんやりとする。
『兄さん、兄さんってば!!!もうぼ-っとしちゃってさ。兄さんプチトマト嫌いだったよね、俺が食べて上げるね』
「ん、どうも」
『素っ気ないよ!!!あ-んってしてね』
( 緩く微笑みを浮かべては突如鳴り響いた受信音に携帯を見詰めるも相手の名前が出た瞬間飛び付く様に携帯を取り。
いきなり相手の心変わりがするなど有り得ない筈なのに都合の良いメールにまんまと騙される。
《別に気にしてない。…俺もあんたと話がしたい》
( 短い返事を打ち何処となく安心した様な表情になるのを青年が訝しげに見詰める。
『どうしたの??』
「別に」
『ふぅん…そうだ兄さん、夜一緒に出ない??町外れのビルの屋上から見る星が綺麗なんだって』
「あ-…そうだな。でも俺夜は用事があるから少し遅れるかもしんねぇ」
『良いよ-、兄さんの上着着て待ってる』
( ニコニコと微笑む青年と共に運ばれて来たランチのサラダに添えられたプチトマトを青年の更にポイポイと置く。
『あ-んは??』なんて問い掛けて来る青年に幾分穏やかになった笑顔を向けては青年の口にプチトマトを刺したフォークを入れて。
>桐崎
(約束の時間、初めての場所なのに足は自然と人気のない森に進み一本の大木に凭れ掛かって相手を待つ。
まだ空は薄明かりで木々の隙間から見える星々は疎ら。
もう少ししたらもっと綺麗に見えるのだろうと一瞬柔らかな微笑が零れるもガサリと草が揺れる音と共に相手が現れては表情を消して。
近づいてくる相手に“逃げろ”と叫ぶも言葉にならず言うことの利かなくなった身体は相手を切なげに見詰め優しく抱き締めて。
「…あんな酷いこと言ったのに来てくれてありがとう。……ほんと俺どうかしてた。あんたを信じなかった俺が悪いのに辛くあたって……御免な」
(声を震わせ謝罪しては少しだけ身を離して相手の頬を撫で、唇を奪うようにして顔を近づける。
が、次の瞬間相手を地面に押し倒しては馬乗りになり両手で相手の首を締め上げて。
「……嘘だよ。謝る訳ないだろ。あんたは絶対許さない」
(何も写さない真っ暗な瞳で相手を見下げ冷ややかに述べては喉元に爪を食い込ませ。
「あんたが生きてる限り俺は一生苦しむ。人外を愛して捨てられた惨めな思いをして……ずっと…。……だから消えてくれ。あんたが消えれば全部なかったことにできる」
(感情のない声色のまま冷酷な言葉を並べては通常では出せないような力で首を締め上げていき、苦痛に歪む表情を冷たく見据えて。
“消えろ”と低く呟きながら相手を愛する想いが泣き叫び涙を流していることは気付かずに。
>露木
( 待ち合わせの時間になり訪れた森、謝罪の言葉と共に優しく抱き締められてはそれに応える様に相手を抱き締め今回の事をちゃんと話そうと口を開く。
しかしその刹那、急に押し倒されたかと思えば強い力で首を締め上げられ必死に酸素を求める。
相手の手を離そうと弱々しく抵抗するが涙を流し苦痛の言葉を目にする相手を見た途端力が抜ける。
相手は一時でも自分を愛した事を悔いている、自分の浅はかな行動がここ迄相手を苦しめてしまったのかと眉を寄せては苦しさから生理的な涙が落ちて。
最早抵抗する力を無くした手はゆっくりと相手の頬に伸びその涙を拭う。
“ごめん、泣くな”と口を動かすも言葉にはならず段々と焦点が合わなくなって来てはそのまま意識を手放しガクリと手を落として。
( その頃、兄と青年はそれぞれ自分と相手との約束の場所に向かおうとしてたが街中でばったりと出会しては何処と無く気不味い雰囲気になり。
『赤城…これから何処行くの』
『俺は兄さんと星見に行くの。綸は露木と??』
『そう…だけど。…まだ来てなくてさ。菊が遅刻なんて珍しいな-って』
『兄さんの遅刻は毎回だから慣れたけど…確かに露木は遅刻する様なタイプじゃないもんね』
( 二人して頭を悩ませては兎に角それぞれ待ち合わせ場所へ向かおうと別れて。
>桐崎
(涙を流す相手を見てほんの一瞬催眠が解けかけるも直ぐに強い能力に侵されては、目を閉じ動かなくなった相手を何処か他人ごとのように見下げる。
力が抜け切り立てないはずの身体を能力が無理矢理突き動かしてはそのまま相手を放置して振り返ること無く森を出て。
(夜の街、フラフラとした足取りで何度も人にぶつかりながら歩いていると前方から兄が駆け寄ってきて自分の表情を見るなり息をのんで。
『菊、…泣いたの?………なにがあったのさ。…昨日から可笑しいよ』
「……………殺した」
『…え?』
「………あんたの弟、…殺してやった」
『ちょ…、笑えない冗談やめてよ』
「冗談じゃない。本当だ。……綸、邪魔者はいなくなったんだ。此れで何の悔いもなくあんたを愛せる。…あんたも嬉しいだろ?“重み”が無くなって。……なあ綸、あんたは俺を捨てずに愛してくれるよな?」
(催眠にかかり狂気じみた笑みを浮かべる自分に兄は絶句してやや後退るも直ぐ真剣な顔をしては自分から携帯を奪い取り相手に送ったメールから相手の居場所を突き止め。
『…菊…、本気じゃないって信じてるけど……もし、本当だったら……許さないから』
(微かな怒りと焦りの混じった表情をする兄が何故そんな顔をするのかも理解出来ず、青年に森の場所をメールしてすぐさま病院に電話するのを不思議そうに見詰め。
それから近くの安全なバーに押し込まれては『此処から絶対動かないで…』と強く言われ相手の元へ走り去って行くのを人事のように見る。
この時、自分の本心はショックから深い眠りに落ち能力によって作られた人格が完全に自分を支配していて。
(其の頃、青年と兄はすぐに合流して相手を見つけ出してはその蒼白な顔色に狼狽えながらも迅速な行動で相手を森の入口まで運び、呼んであった救急車である程度“事情”が誤魔化せて融通がきく病院に搬送して貰って治療が終わるのを待ち。
(薬品の香りが漂う病室、兄は青年から“事実”を聞いては言葉を失いベッドで目を閉じ力なく横たわる相手を泣きそうな顔で見詰め相手の手を握り何度も謝り。
『…今回は俺も騙されかけたから仕方ないよ。……それより本当に露木が…?』
『………分からない』
(兄は重たい声色で呟くと相手の髪を軽く撫でたあと『目が覚めたら連絡して。すぐ来るから』と言い残し病室を出て。
>露木
( 深い夢の中で見たのは幼少期の兄と自分の姿。
何時だって“普通”な兄が羨ましくてしょうがなく、それと反対に兄は自分の能力を欲しがっていて。
『繿は良いよね』と毎日の様に言う兄に怒りが沸きまだ幼い兄を殴り付け子供ながらに泣いたのを思い出しては暗闇の中で懐かしむ。
何時だったか、父の元に毎日の様に訪れる男性を箪笥の後ろから隠れ見てた所手招きをされてはおずおずとその男性の元へと駆け寄った覚えがある。
落ち着いた印象の何処と無く美しさを纏わせる男性、自分をジッと見詰めては口を開く。
『君より何歳か年上の子供が居るんだ、………母親に似て綺麗な顔をしててね。君と同じく能力を持ってる』
( 何故突然こんな事を話すのだろうかと思ったがその男性は不意に悲しそうな悔しそうな顔をしては“息子”とやらの話を止めて。
当時暴力的だった父に部屋に押し戻されてはその男性の“息子”が気になって。
自分と同じ“能力者”、ならば互いに痛みを分かち合えるのでは無いかなんて考えては「…会えるかな」と小さく呟いて。
( 段々と頭が覚醒すると共にうっすらと目を開けては本当に死んだのか、なんて考える。
しかし目前の青年の顔にハッとしてはまだ生きてる事実を突き付けられ複雑な気持ちになり。
『兄さん…良かった。やっぱ普通の薬は兄さんには強いみたいだね、効き目が直ぐに出るし。俺綸に知らせて来るね、露木も………』
「いい!!!……………止めろ」
『綸ならちゃんと事実を知ってるよ。兄さんが好きであんな事したんじゃ無いって…』
「でも………」
『心配してたから、ね??』
( 青年の優しい声色に落ち着きを取り戻すも無意識に腕を掴んでは「………露木には…会いたくない。………会わない様に仕向けてくれるか??」と。
恐怖心が合った訳では無いが自分が居れば相手はまた苦しんでしまう。
自分という存在に汚され騙された事を責めてしまう。
頷いた青年に安心した様に息を付いてはベッドへ身体を預け瞳を閉じて。
(/お久し振りの本体失礼します…!!!
今回さらっと菊君のお父様(…と、思しき人)を勝手に登場させてしまいました(汗)
イメージとか口調とか違いましたらバンバン言って下さいませ!!!
いつもお付き合い感謝です、素敵なロルと展開に携帯片手にいつもニヤニヤしてます←変態
>桐崎
(バーにてマスターに出される酒を少しずつ飲み大人しく兄を待っていては、暫くして現れた兄にその気持ちも知らず小さく微笑んでは隣に座るよう手招きして。
『……呑んでたんだ。…よく、呑めるよね』
「……?…あ、綸も呑むか?やっと二人きりになれたし…___」
(ゆっくり呑もうと続けようとするも兄に両手を取られてはきつく睨みつけられるも何故そんな顔をするのかと眉を寄せ。
「…痛いんだけど」
『菊、この手で何したか分かってるの?』
「…………人殺し?あー、正確には人じゃないか」
『…………繿は生きてるよ』
(兄の低く冷たい声色にピクリと反応しては無感情に兄を見詰めゆっくりと酒の入ったグラスに視線を戻す。
瞬間、激しい頭痛に襲われ額を押さえるも痛みは直ぐに引いて代わりに自分の中に黒い感情が蠢くのが分かって。
「…じゃあ、“消さないと”」
(兄の背筋が凍るほど薄気味悪い笑みを浮かべてはフラリと立ち上がり「どこの病院?」と当然のように兄に尋ねるも、応えが返ってくるはずもなく。
「…教えてくれないか。まあいい…、あんたの記憶に聞くまでだ」
(小さく笑んでは滅多に解放しない能力を使って兄の記憶を読み相手の居所を掴む。
そして少しの間兄がぼーっとする隙にバーを飛び出してはタクシーを使って相手の居る病院に向かい、到着するなり医者たちの制止も聞かずに病室の扉を開け放って。
驚いた青年が何かを察して自分の前に立ち塞がるも催眠によって相手を殺すことだけを目的とした身体は正常な判断力も慈悲も失い容赦なく青年を壁に突き飛ばし。
間を置かず目を覚ましかける相手の首を捉えようとするも寸でのところで追いかけてきた兄に止められ手刀を落とされては意識を手放して。
『……赤城、大丈夫?』
『う、…うん。……露木……ちょっと異常じゃない?』
『…………赤城。…俺と露木は朝一の便で帰るよ。……気は進まないけど木ノ宮の精神科病棟で看て貰おうと思う。……ごめんけど繿をお願いね』
(青年は黙って頷いては流石にこの騒ぎでは相手が起きるだろうと目を開ける前に兄と自分を室外へ出し『…兄さん、露木とは顔合わせたくないって…』と相手の気持ちを兄に伝えて病室に戻って。
(/此方こそいつもお相手頂き有難うございます!今回も展開とロルが荒ぶってます←
菊の過去については全然考えてなかった(←)ので大丈夫ですよ!
菊パパらしき人出して頂き嬉しいです。じゃんじゃん出してくださいませ。
また何か思いついたら設定上乗せしていくかもなのでよろしくお願いします_(._.)_
そして幼児繿君を妄想して鼻血出したのは内緒←
>露木
( 翌日、目を覚ましては青年が心配そうに自分の荷物と青年の荷物を持ってるのに気付いては身体を起こし青年から荷物を受け取る。
今日が帰国日なのは覚えてた為のそのそと身支度を済ませては病院を後にする。
『日本に戻ったら病院手配するからゆっくり休もう』
「いや、いいよ。…疲れたし寮に戻る。ごめんな、折角の旅行台無しにして」
『それは兄さんの所為じゃないでしょ』
「…………………………」
( 飛行機の中、手を取って来た青年に目を向ける事も無く「露木にも謝んないとなんだけど、…彼奴俺が居ると困るからな」なんて苦笑を漏らす。
まだ休みは続く、相手は寮に居る訳では無いし気を付ければ暫く顔を合わせる事も無いだろうと。
( 日本に到着するなり若頭のリムジンで病院へと訪れては相手の力を弱めるべく鎮静剤を打ち診察室の中へと連れ込んでは医師と若頭も共に相手を座らせて。
『菊お帰り。さて…話は綸に聞いたけどさ、ちょっと話聞かせてね』
( ニッコリと普段の笑顔を相手に向けては続いて白衣を来た長身の医師に委ねる。
眼鏡を上げペンを片手に相手を真っ直ぐに見詰めては精神科医特有の人を安心させる様な笑顔を向けて。
『何か辛い事とか合ったんですよね、そうでなければ人の心境などそう簡単に変わらない』
( 若頭が精神科医に自分の写真を手渡しては精神科医は相手の目前に自分の写真を置いて。
その表情の変化を見抜きつつ再び口角を上げ微笑めば『彼、自殺しましたよ。今朝あっちの病院で見付かって今遺族の元へ運ばれてます』と。
口裏合わせは既に兄にも回しており青年にもメールで伝えて有るので特に平然としてたがそれでは怪しまれるかと兄が態とらしく頭をが抱えて。
>桐崎
(帰国するなり訳も分からず精神科に連れられては微笑みを浮かべる医師を胡散臭そうに見詰める。
が、相手の写真を見せられ告げられた“事実”に衝撃を受けてはドクンと胸が脈打ち正気に戻ったように青ざめる。
“自殺”という言葉が脳裏を巡り、相手が学校の屋上から落ちる姿がフラッシュバックしては再び激しい頭痛に襲われクシャリと前髪を掴んで。
「…なんで……自殺なんて…、俺が……殺そうとしたから?……でも、俺なんて彼奴にとってどうでも良い筈……」
(僅かに上る息遣いで声を震わせては相手を“殺す”目的を失い催眠が解けかかるも、能力を打ち破ることは叶わず暗い瞳に戻っていき。
「……そっか…、彼奴死んだんだ。…で、綸はお通夜行かなくていいのか?優希も。…あー、もしかして人外にはお通夜も葬式も必要ないとか?」
(冷嘲を浮かべ最低な言葉を並べても心は何も感じず机の上に置かれる相手の写真に視線を落としては「あっけなかったな」と鼻で笑う。
しかし次の瞬間写真の上にポタリポタリを落ちる雫に目を見開いて。
拭っても拭っても目元から零れ落ちる其れに訳がわからないと歪んだ笑いを浮かべては、やってられないと席を立ち「…用はそれだけか?…だったら早く帰してくれ。……精神科は嫌いなんだ」と扉に手を掛ける。
過去に能力の使いすぎで記憶の乱れから自制心を失いベッドに貼り付けにされたことを思い出してはいち早くこの薬品臭い部屋から逃げ出したいと。
未だに溢れてくる涙を無視してはその場を去ろうとするもフと思い留まるよう足を止め。
「……あー、でも最後に彼奴の顔見ておきたいな。まあ当人を殺ろうとした殺人未遂犯なんて歓迎されないだろうけど…嫌がらせってことで。…綸は俺に付き合ってくれるよな?」
(まるで人が違う笑みを浮かべては『待ちなさい』と声を上げる精神科医に見向きもせず相手の実家へ足をすすめようとして。
>露木
( 病院を後にする相手を追い掛け手を掴んだ兄は相手をジッと見詰め腕に力を込める。
慌てて追い掛けて来た若頭が表情を困らせながら、それでも自分の首を絞めた程の力が相手にある事を思い出しては相手の額に手を翳し男よりは幾分非力な女に姿を変えさせようとして。
『…あ、あれ??何か…上手く掛からないな』
( 何度試しても変わらない様子に眉を寄せてはと兎に角相手を自分に近付けない様にしなければと。
そこで帰国した青年が兄と連絡を取り合いつつも漸く出会しては相手の元へと駆け寄る。
『兄さん、露木には会いたくないって言ってた。………約束したからそれはちゃんと守らないと』
( 悲しむ演技を続け相手の前に立ちはだかっては実家へは行かせないと言い張り。
若頭は相手の様子に疑問を持ちながら兎に角自分に話を聞こうとさり気なくその場を後にして。
( その頃、先刻幾ら寮に戻ると言っても青年は聞いてくれず結局学校近くの病院へと置いて行かれては《絶対病院の外には出ないでね》とメールが来て青年はどこかへと行ってしまい。
小さく文句を言いつつパーカーのフードをすっぽりと被っては最早それは癖となっていて。
ノック音と共に息を切らしながら扉を開ける若頭に気付き病室の扉を開けては「どうした??」と。
『露木と…露木と何が合ったの』
( “心配で仕方が無い”とでも言う様な表情に自分のした事が重く伸し掛る。
包み隠さず全てを話した所で若頭は何も言わずに俯くだけで。
『“桐崎は死んだ”って言ったの』
「へぇ、喜んでた??」
『どうなのかな…言葉は喜んでる風だったけど………泣いてた』
「別に俺が死んだから泣いてるとかそんなんじゃ無いと思う。………ま、元に生きてるけどな」
( 軽い様子で上記を言えばそれ以上自分を誤魔化せず「ごめん、煙草吸いたい」と言い訳をしては病院の屋上へと向かいポケットの煙草に手を伸ばして。
(/続け様の本体失礼します←
菊パパのお父様の件了解しました(´∀`)
どんどん上乗せした下さいませ-
そしてそしてまた設定を追加して申し訳無いのですが…既に能力が掛かってる者への能力はかかりづらいと言う設定を勝手に出してしまいました(汗)
今回は男に能力を掛けられた菊君に若頭さんの能力がかかりづらい…って感じです←
もう意味分かんなくてごめんなさい!!!(´;ω;`)←
>桐崎
(既に涙の乾いた目で兄達を見返しては相当相手に会わせたくない様子にまあ当然かと「じゃあいいや」と軽く述べ自分のアパートへと足を進める。
感情や態度が点々とする自分に兄は戸惑うも目を離すわけにはいかないため青年と若頭に相手を頼むと自分の後を追って。
(アパートにて追ってきた兄を拒むでもなく中に招き入れ御茶を入れるもそれ以上は構わずに携帯で旅行の写真を見返しては機内で撮った相手の写真を見つけスライドする手を止める。
愛おしい感情が芽生えるのは一瞬のこと。
すぐに黒い感情が湧き上がっては「…この時は可愛かったにな」と冷たく笑み画面の中の相手を指で弾いて。
それを見ていた兄は困惑気味に眉を寄せては隣に近づいてきて携帯のストラップに振れて。
『これ、まだつけてるんだね』
「…ああ…、なんとなくだよ。気に入らないなら外すけど」
『いや、そのままでいいよ。……………ねぇ、菊。誰かに何か言われたりされたりしなかった?』
「………?」
(兄の真剣な眼差しに旅行中の事を思い出すも記憶全体に靄が掛かったように何もかもがあやふやで考えれば考えるほど相手への恨みの情が深くなり「別に、彼奴に裏切られたくらい」と冷たく吐き捨てるよう述べては立ち上がって。
『ちょっと、何処行くの?』
「バイト。…さっき店長から連絡あったから」
『ダメだよ。いろいろあったし今はゆっくり休みな』
「店長に逆らうと面倒だから。………心配してくれてありがとな。それより、綸あんたは弟の通夜に出ないと」
(扉に手をかけ恐ろしいほど感情のない穏やかな微笑みを浮かべてはバイトに出かけて。
(其の頃病院の屋上、相手よりも先客がおり少し傷んだ藍色の髪を持つ男は疲れたスーツを着ていて芳しくない表情で下界の景色を眺めていて。
そして背後から相手の足音を聞いては振り返り、その姿を見た瞬間小さく目を見開き『……繿君?』と風の音でかき消されそうなほど小さな声で呟き。
しかし男は何も知らぬ振りをして相手に微笑を向けては『こんにちは』と挨拶し、相手が手に持つ煙草に目を向けては『……未成年なのに身体に良くないよ。お父さんの影響かな』と相手の年齢を知らない筈なのに優しく諭すよう喫煙を注意して。
『…君は何で此処に?どこか具合が悪いのかな?』
(気の弱い、それでも至極優しい微笑を浮かべ問うも『ああ御免。“初対面”なのに失礼だったね』と苦笑を浮かべ後頭部をかいて。
『僕はね。この病院に“心臓病”に良く効く薬があるって聞いて来たんだ。あ、心臓病なのは僕じゃなく娘なんだけど。……今更こんなことしても息子は許してくれないだろうけど…』
(唐突に自分のことを喋ってしまっては男はハッとなって『御免、廃れたおじさんの話聞かされても困るよな』とまた苦笑しては、ジーッと相手の紅い瞳を見詰め。
“こんなに立派に育って…”と穏やかに微笑みフードの上から相手の頭を撫で『本当にきれいな瞳をしてる。“あの時”と変わらない』と無意識のうち呟いて。
『じゃあ邪魔なおじさんはこの辺で失礼するよ。……煙草のことは黙っておいてあげるね』
(小さく微笑み相手に背を向けてはその場を立ち去るもその時、幼少期自分が上げたハンカチを落としたままということに気付かずに。
(/能力の件了解です!
いえいえいえいえ!!意味不なのはこちらのほうなので謝らないでくださいまし!
いつもほんと乱れロル&展開にお付き合いくださり光栄です。
今回も菊君がご乱心しておりますがもう暫く能力に掛かって酷い子&きちがいになると思います。
そして菊パパ登場です。
今の時点で菊パパは菊と繿君の接点や何があったかは知らない設定ですが変えて頂いても大丈夫ですbb
菊パパは家族や周囲の人に迷惑をかけないため姿を隠していたけど、今回ナツの病気に効く薬があると人伝てに聞いて偶々病院にいたという感じです。
そこで繿君を一目見て惚れ……((
ってのはさておき(殴)多分繿君は“能力者”の子としての興味もありますが純粋に息子のように愛でると思いますのでよろしくお願いします。
無駄に長くなってすみません_(._.)_
>露木
( 屋上にて、年齢を感じさせない印象の顔立ちと優しい声色に注意された煙草を慌てて消す。
何処と無く自分を知ってる様子の男性、しかし何と無く見た事は有る気がするのに思い出せず頭を悩ませながら男性を遠慮がちに見詰めて。
無意識に紡がれた言葉に「………綺麗なんかじゃ無い、………こんなの…気持ち悪い」と無意識に呟くも自分を知ってる事を確信させる様な物言いにハッとする。
しかし既に男性は去って行ってしまい代わりに男性が置き忘れて行ったハンカチを拾い上げて。
( 病院へと戻り自分の様子を見に来た看護婦に何気無く心臓病に関しての薬の話を問い掛ける。
『有る事は“合った”のよね。…でも無くなっちゃって…今海外から取り寄せてるの。今日来た男の人…その薬を早く手に入れたいって言っててね。自分で海外に受け取りに行くって言ってたんだけど医師免許が無いと受け取れないから手配を急ぐから待っててくれって先生がお願いしてたのよ。子供思いで素敵な方よね』
( 微笑む看護婦をぼんやりと見詰めては再び病室に一人になり溜息を漏らす。
ベッドへドサリと身体を預け“こんな能力さえ無ければ髪の色素だって瞳だって普通だったのに”と。
( 結局兄はジッとしてられずに相手のバイト先へ向かおうとするも大学の教授に足止めをくらってはバイト先まで行く事は出来ずに居て。
段々と苛々して来ては『教授、申し訳無いんですが俺急いでまして…』と珍しく強い口調で断って。
(/菊パパさんの設定了解しました(`・ω・´)ゞ
菊パパさんとのしがらみや当時の繿パパとの良くない絡みからの厚生など色々出しちゃう予定ですがもう本当に意味分からんロルになりそうで申し訳無いです。
菊君本体様の素敵な文章力下さ((黙
菊君とのシリアスな感じもう堪りません…(つω`*)
こういう感じの雰囲気大好物なので興奮です←変態
>桐崎
(バイト先にて相手が死んだと聞かされたにも関わらず表面上はいつもと変わりなく淡々と職務をこなす。
自分が自分で無くなっていく感覚に疑問すら抱くことも出来ず休憩に入るも直ぐに店頭から店員を呼ぶベルが鳴っては他のバイトは何をしてるんだと毒吐きつつレジに出る。
と、そこには忘れるはずのない男、父が立っており目を見開く。
過去、この男の金儲けの為に自分の能力を無理矢理使わされ一度多くのものを失った。
何故この街に…と真実を何も知らぬまま同じように動揺する父を見据えて。
『あ……菊、…偶然…「…どちら様ですか?人違いでは。…それで何か御用でしたか?」
『え、あ…そうだね。人違いだった。……そうそうこの近くに交番はないかな。落し物してしまって』
(あははと空笑いをする父が身の上状周囲に自分が家族と知られてはいけないと機転を利かせているとも知らず、他人行儀で冷たくあたっては黙って周辺地図を渡し「此処です。どうぞお持ち帰りください」と湧き上がる怒りや吐き気を抑えて無表情に述べて。
『あ、…ありがとう』
(すっかり垢抜けた父にあの時は散々自分を利用した癖にと軽く睨みさっさとバックルームに戻ろうとするも、兄の姿が見えてはそちらへ足を向け。
「わざわざ来たのかよ。疑い深いな」
『だって…。……なにか思い出した?……ってあの人知り合い?すっごいこっち見て話したそうにしてるけど』
「……知らない」
『っていうかあの人……』
(兄が店を出て行く父を目で追い小さく首を傾げるのには気付かず、乱れた心を整えるよう兄の腕を取って此方を向かせ「今日あんたの部屋行ってもいい?」と誘い。
『いや…でも寮はなぁ……』
「……忙しい、よな。じゃあいい。一人で帰るよ」
『い、いいよ!来なよ。うん』
(相手と鉢合うことを懸念して引きつった笑いをする兄を怪訝そうに見つつ「じゃあバイト終わりに」とまるで恋人に向けるような微笑みを浮かべバッグルームへと戻って。
そんな自分の背を見送り兄は『まあ…繿を病院から出さなければいいし大学寮だから大丈夫だよね』と少し疲れたように溜息を吐いて。
(其の頃、青年は相手の着替などを持って病室に訪れており何か思い悩む相手を心配しながらプリンを差し出し『あまり悩むと禿げるよ』なんて冗談を言いながら相手に無理をさせてはいけないと傍で見張っていて。
(/わかります。シリアスたまりませんよね←
二次元等に限り好きな子ほど苦悩する姿を見るとキュンとしま((
繿パパの登場も楽しみにしてますね。
ではではまた近いうち本体がおじゃまさせて頂くかもですがよろしくお願いします(*^^*)
>露木
( 青年がずっと病室に来てくれては居た物のやはり病院とは落ち着かない物で。
“帰りたい”と青年に何度も打ち明けるも青年は首を縦には振ってくれず不貞腐れては顔を背ける。
『兄さんまだ身体辛いでしょ、まだ駄目』
「もう平気。…自室が駄目ならあんたの部屋入れて」
『………今頷きかけちゃったじゃん。兄さんの容態が良くなったら何時でも入れて上げるよ』
「だから…もう平気っつってんじゃん」
( 溜息を付きぼんやりと薄暗がりの空を見詰めてはベッドへドサリと身体を預け天井を見詰めて。
『兄さんさ、…痩せた??………最近菊もいきなり痩せ「彼奴の話はしないで欲しい」』
『………ごめん』
「いいよ。それより赤城、お前もそろそろ戻れよ。毎日来てくれなくてもいい。…ちゃんと退院って言われるまで居るから」
『でも…兄さん一人嫌いじゃん、俺………』
「気遣いありがとな」
( 青年を髪をわしゃわしゃと撫で病室の出口まで見送っては煙草を片手に屋上へと来て。
( そこには先日会った藍色の髪の男性がおり、本人も自分を見た途端“落し物を探す”という目的を忘れ自分へと駆け寄って来て。
自分をハンカチの事をすっかりと忘れており軽く頭を下げては目前に立つ男性を見詰める。
『また会ったね、まだ入院してるの??』
「まぁ。…もう平気なんすけど」
( 煙草をしまい込み空を見てた所で男性が自分の首筋の煙草の火傷痕を見詰め悲しそうな表情をする。
『お父さんの…だよね』
「…もう、良いんです。ちゃんと分かり会えたし、………父さんの気持ちも分かったから。今は割と普通に接してますよ、変わらずあの人不器用過ぎますけど」
『…お父さんと??………そうか、良かった…本当に』
「知ってるんですか??」
『あ、…いや…ごめん。知らないよ、じゃあそろそろ行くね。探し物してたんだ、大切な物でね』
( 去って行く後ろ姿を見送ってはその暫く後にハンカチの事を思い出して深く落ち込んではまた次の機会にでも返そうと。
ジャージとパーカーという私服のまま近くのコンビニに訪れては特にする事も無く病室での暇を持て余す為に本を買おうとして。
>桐崎
(バイト終わり、此処最近食欲がめっきりなくなった自分に兄が飲み物だけでもとコンビニで栄養ドリンク等を購入する。
兄がミキサーにかける野菜等を購入する間、ふと新発売と記されたコーヒーゼリーに目がいっては“相手が好きだったな”と何となく手に取り会計をする兄の元へいきレジ台の上に置いて。
兄が何か言いかけるがそのまま会計を済ませコンビニを後にしようとしたところフと雑誌コーナーにフードを深く被った見覚えのある姿が目に止まりもっと見たいと足が前に出るも兄に立ちふさがれ『き、菊。はやく行こう』と視界を遮るよう外へ押し出される。
いきなりなんだと不満そうにするが“フードの男”の事は既に頭に無く、兄に「…寒い」と自ら身体を密着させては兄が相手の方を横目で見て『…あんな疲れた顔して…何してんだよ』と眉を下げるのには気付かずに。
(兄の部屋にて買ったドリンクをちまちま飲んではさっさとシャワーを浴びて兄の服を借りベッドに潜り込むも、ベッド脇の台に相手のパーカーを見つけては手を伸ばして。
「…これ…」
『あー…、旅行前に赤城がこの部屋泊まった時に置いていったやつ。まだ返してなかったんだ』
「……まだってもう返せないだろ?彼奴は死んだんだから」
(当然のように言うと兄は微かに唇を噛み締め『シャワー浴びてくるね』と浴室に姿を消してしまい退屈だなとベッドに横になる。
その内、眠気が襲ってきては相手のパーカーを握ったままウトウトと眠りに落ちて。
(夢の中、まだ10歳にもならない自分が当時大好きだった父に妹と一緒になって抱き着いては「幼稚園で作ったんだよー」『あたし達がお花つけたんだよね。菊がお父さんにであたしはお母さんに!!』とワッペンを貼り付けたハンカチを渡していて。
__お人好しな父はいつも誰かしらに頭を下げていたが絶えず笑顔で優しい父は自慢だった。
そんな父から笑顔が消え、自分に手を上げたのは一度きり。
毎日のように見知らぬ男達の記憶を消したり操作したりするのが嫌で反抗した時、意識を失い数ヶ月痣が残るほど強く殴られた。
本気で殴られたのはその一度だけだったがまだ少年だった自分に恐怖を植え付けるには充分で結局自分の記憶が飛ぶまで父に従った…。
__大好きな父を失いたくない…そう思った時、何故か相手の顔が浮かんでは無意識のうち相手のパーカーを抱き締め「…繿」と涙を流し。
>露木
( 翌日、駄目だと言い張る青年に反抗し“寮に戻る”と言い張っては掴まれる腕を振り払う。
何故こうも寮に戻してくれないのかと苛立ちさえ走り“戻してくれないのなら本当に死ぬ”なんて下らない脅しを掛けては漸く青年は首を縦に振ってくれて。
相手の目に触れない様に兄と連絡を取り合う青年を心の片隅で気にしながら寮へと到着し。
自室へ閉じ篭りまだ相手が居た時のマグカップや相手の衣服に眉を寄せる。
バイト先には“事故に合って入院している”と青年が口を回してくれたらしく。
ベッドへ座りぼんやりとしてた所で再び青年が勝手に部屋に入って来ては『気分転換に出掛けようか』と。
「いいよ、出て欲しく無いんだろ」
『いやでもやっぱ閉じ篭るのは良くないかな-って。そこで俺の彼女役って事で木ノ宮に…』
「嫌だ」
『……………だよね、分かってる。変装してなら出ても良いって綸から連絡来たんだよ』
「…俺が死んだ事になってるから??」
『別に…そんなんじゃ………。兎に角、引き篭もりは身体にも良くないしね。兄さんカラーコンタクト入れられるよね??…髪は…はい、黒髪スプレー』
「何でそこまでしなきゃなんだよ」
( ブスッとしたままそっぽを向くが青年がここまで気に掛けてくれてるのに尚も断るのは悪い気がして。
だけど偽った姿で誰も本当の自分には目を向けてくれないのかと悲観的になれば青年の手を軽く押し首を横に振る。
「見付からない様にするからさ、変装はしたくない」
( 微妙な顔をする青年の頭をポンポンと撫でては大きめのフレームの伊達眼鏡を装着しキャップを深く被った上にパーカーのフードを被っては青年と共に久し振りの街へと足を向けて。
>桐崎
(翌日目を覚ますと椅子に座って眠る兄の姿が目に入り自分がベッドを独占してしまったのかと申し訳なくなる。
いつもは嫌でも引っ付いてくる癖にと眉を寄せつつ朝の身支度を済ませては兄が用意してくれた服に袖を通してまだ寝息をたてる兄に顔を近づけ。
こうして眠っていると本当に相手にそっくりで、知らずのうちに兄の頬に手を伸ばしては唇に口付けようとするも寸でのところで身を引く。
兄が傍にいてくれる、なのに何故こんなにも空虚で胸が痛いのか。
昨日までは相手を思っても何とも無かったのに…。
それが能力の効果が段々薄れているからだとは知らず、ただ変な夢を見たからだと軽く考えては口煩い兄が起きる前に一人街へと出て。
(人気の少ない住宅街、子供たちが公園ではしゃぐ声を聞きながら目的もなくブラついては何となく自分の能力の事を考える。
緊急を要する場合にしか使わなくなった能力。
黙っていればただの“人間”で居られる。が、どんなに隠そうと“普通”ではない。
散々相手を“人間だ”だの“人間じゃない”だの認めたり愚弄したりを繰り返してきたがそんな事言える立場ではなかったなと自嘲の笑みを漏らす。
こんな悲観的になるのも突如現れた父の所為だと八つ当たっては足元の小石を軽く蹴り飛ばす。
その時、後方からはしゃいでいた筈の少年の泣き声が聞こえ振り返ってみれば質の悪いチンピラ達に『糞餓鬼が!』と絡まれていて。
どうやら偶々公園でたむろしていたチンピラに少年が投げたボールがあたってスーツが汚れてしまい、それにキレているようで。
少年達はまだ小学校低学年。どんだけ大人げないというか餓鬼なんだと呆れつつ迷わず引き返してそちらに向かっては少年達を背に男達との間に割って入り「もう大丈夫だから気をつけておうちに帰りな」と泣きべそをかく少年達に笑顔を向けその場を立ち去らせ。
『勝手なことしてんじゃねえよ。それともてめぇスーツ弁償できんのか?』
「…………」
(いちゃもんをつけてくるチンピラに内心“何行ってんだ此奴…”と馬鹿にしつつ、人数的にも大事にはしたくなかったため財布から数枚万札を出すとチンピラの手を取って渡し「クリーニング代、これで足りますよね」と一言言い残しさっさとその場を去ろうとして。
>露木
( チンピラ達は相手の大人な対応が気に食わず去ろうとする相手の腕を掴めば無理矢理こちらに向かせて。
青筋を立てながら相手を舐める様に見詰め『お前俺の事馬鹿にしてんだろ??ちょっくら顔貸せよ』と数人掛かりで無理矢理相手を連行しようとして。
( 青年と街に来た物の特にする事も無く適当な菓子類を買い孤児院へ向かおうと。
孤児院への道を歩きながらした所でわんわんと泣き喚く孤児院の小学生に背後から抱き着かれる。
変装をしてても少年には分かったらしく少年の目線迄屈んでは伊達眼鏡を外して。
「どうした、何で泣いてんの」
『ゆ…遊園地に…一緒に行ったお兄ちゃんが、ね。…悪い…悪い人に捕まっちゃってね………』
「遊園地に一緒に行ったお兄ちゃん??」
『き………菊、お兄ちゃんが………』
( 相手の名前を聞いた途端サッと青ざめては直ぐに走り出そうとするも青年に引き止められる。
強く睨み付け無理矢理腕を振り払うも再び腕を取られては隠し持ってた黒髪スプレーを不意に掛けられ。
上手く髪に揉み込まれ馴染まされては『まぁ兄さんってのは直ぐに分かっちゃうと思うけどさ。…どうせ行くなって言っても行くんでしょ??』と。
再び伊達眼鏡を掛けては「良く分かってる」と小さく微笑み少年に案内して貰い。
( 公園の端の公衆トイレにて、相手を二人掛かり押さえ込み一人が相手の腹部に拳を入れては『俺の事馬鹿にした事謝れよ、土下座しろ』と何とも自分勝手な意味の分からない事を言っていて。
公園に到着するなり直ぐに暴言の響くトイレに目が言っては少年を先に帰らせる。
ズカズカとトイレへ足を向けフードを深く被ったまま相手を取り囲む三人を冷たく見詰めてはバレない様にと声を発する事も無く、三人の中の一人を掴み上げては殴り付ける。
“割と喧嘩は慣れてるんだ”と男の耳元で小さく囁いては続いて二人目の男の胸倉を掴み上げて。
>桐崎
(公衆トイレにて横暴な振る舞いを受けてはだから“不良”は嫌いなんだと腹部を押さえながら暗い瞳で男達を見据えつつ逆らっては更に面倒になるため頭を下げようとする。
が、その前に颯爽と“フードの男”が現れてはたちまち二人のチンピラを震え上がらせて。それでも懲りずに『なんだお前!邪魔すんな!』と相手に二人で殴り掛かるのが見えては咄嗟に警察に電話する振りをしてチンピラ達を退散させ。
漸く煩い連中から解放されホッと息を吐いては服の砂埃を払いながら立ち上がり、立ち去ろうとする“フード男”の腕を咄嗟に掴む。
顔は殆ど隠れて見えないがどこか知っている雰囲気に胸がざわついてはジーと見詰め僅かに見える黒髪に「…綸?」と呟くも、だったら顔を隠すこともないし別人かと。
そりゃあチンピラに絡まれてる奴に顔バレなんてしたくないだろうと馬鹿な勘違いをしてはとりあえず礼を言わねばと掴んでいた手を離して。
「その、助かった…。ありがとな。…それにしても赤の他人助けるなんてあんた変わってるな。俺の知ってる奴にも似たような奴が………」
(そこまで言ってズキリと頭が痛んでは額を押さえるも直ぐに痛みは引いて小さく息を吐き「悪い、何でもない。……あ、怪我なかったか?出来れば礼させて欲しいんだけど。…お金渡すのもなんだから何かおごるとか…」
(相手は自殺したと思い込んでいるため、まさか目の前の“フード男”が相手とは思わず喋り続けるも、ずっと胸騒ぎがするのは確かで何故か“離れたくない”と思い。
様子を窺うようにジーと見るもやはりフードの下の表情は殆ど見えず少し覗きこむようにして相手を見ては「……それ、前見えてる?……もしかして人見知りとか?」と尋ねながら顔が見たい衝動を抑えきれずフードに手を伸ばそうとして。
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