綾瀬 椿 2014-10-12 00:09:00 |
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――…人の神経逆撫でしてくるし、顔なんてあの人よりずっと普通なのに。
(相手に就寝を告げてから、人の家に泊まりという予想外の展開に体が疲れていたのか昼間寝たにも関わらず案外すんなりと眠りに入ることが出来たものの、やはり後々効いてきたのか夜遅くに目覚めてしまい。しかし寝なければ日中眠たくなってしまうのは予測でき、頭を掻きながら一度布団から抜け出すと台所で水を一杯飲み。それから再び部屋に戻りそのまま布団にもぐろうとしたところでふと相手の寝顔が目に入り、ただなんとなくの興味からそっとベットの傍に座り込み頬杖を突くとその寝顔をまじまじと観察し。苦々しい過去の失恋の思い出、しかし今でも思い出すと胸がぎゅっと痛むほど恋心が残留してしまっているある人物の容貌と相手の寝顔を比べれば惚れた欲目を覗いても到底似てはおらず、それなのにどこか重ねてしまうこの言い難いもどかしさに顔を相手の布団に沈め。夜という時間がそうさせるのか、はたまた慣れない環境のせいか、過去の失恋を思いだし沈んだ気持ちは次第に胸に痛みを訴え始め、胸元をきつく握りしめながらじわりと浮かんでくる涙を堪え。顔を布団に押しつけ気持ちを落ち着かせようとしても中々収まらないそれに奥歯を噛み締めると酷くか細い声でこの場に居ない想い人の名を漏らして。)
…ッ直、さん…さみしい…!
(布団が僅かに揺れる感覚に意識がゆっくりと浮上していくのがわかり。なぜ揺れたのか、現状を確認するために薄っすらと瞼を持ち上げれば暗闇に浮かぶ金色、そこでやっとプリン頭の後輩を泊めているのを思い出せばぼうっと金と黒の境目を見つめ。声でも掛けるか、と口を開きかけた時聞こえたのは誰かを呼ぶ相手の声。きっとそれが相手が言っていた自分に似ているという男の名前だというのはうまく回らない頭でもすぐに理解でき。声に出さず口の中だけでその名前を繰り返すと、何度か反芻しながら頭の中を巡る。名前と共に、震える声で零されていく言葉は誰も聞かれていないこの状況だからこその本音なのだろう。いくらかはっきりしてきた意識とはいえこのまま話を聞いてやれるほど体の疲れはとれていないし、もっとも相手もそれは望まないのではないだろうか。そんな事を考えながらも震えるこの後輩を放って置くのは胸が痛み。重い腕を持ち上げれば一度だけ頭撫で、寝起きを隠しもしない掠れた声で目をろくに開ける事もせずに「…なァにしてんだ、早く寝ろよ。」睡魔に引き摺られつつある夢うつつの意識の中、一言だけ告げればすぐに今度こそ夢の中へと落ちていき。)
…そういうとこ、ほんっと嫌い…ッ!
(人の家で深夜に一人号泣、というシチュエーションに流石に自分でもメンタルがひ弱すぎると感じつつもそれでも収まらない感情の起伏にいっそ開き直ってすっきりするまで泣いてから就寝しようとさえ思い始めた頃、不意に頭にかぶさるようにして乗せられた重みにびくりと肩を跳ねさせて。完全に寝ていると思っていた相手にこの未練がましい、あまりに無様な嘆きを聞かれてしまったと思えばどんどん顔が青くなっていくものの、最中聞き取りにくい掠れた声で口にされた言葉にその可能性は薄いと判断すれば思わず安堵の息を漏らし。しかしならば尚更まともに意識のない相手にこんなにも簡単に慰められてしまったことに悔しさにも似た思いを抱きつつ頭に乗った相手の手を退かそうとするが、過去の人物に唯一似ている掌の感触に別人だと分かっているのに離れがたくなってしまい、もう少しだけ撫でられているような感覚を味わっていたいとそのままの体勢を維持してしまい。そうして暫くして、気がすんだらきちんと布団にもぐって寝なおす気でいたというのにその心地よさと泣いたことによる疲労感から次第に眠気が高まり、そのまま瞳を閉じるとベットに突っ伏したまま、頭に相手の手を乗せたまま眠りについてしまい。)
__、…体、痛くなんねぇのかよ。
(朝、日の出と共にいつもより早い目覚めを迎え。ぼんやりとはっきりしない視界の中携帯のディスプレイに表示される時間は二度寝しても充分な時刻だったのだがなぜか変に目が冴えてしまえばそんな気も失せゆったりと体を起こしたも、そこでやっと見つけたのが自分の手元で突っ伏して寝る後輩の姿。昨日の真夜中の出来事が何となく思い出されれば一人の名前が頭をよぎる。声に出さず名前を呟いたも、下手に詮索してしまいそうな感情を払うように首を軽く横に振った後、相手の頭に手を乗せ一言。相手を起こさないよう最善の注意を払いながらベットからするすると抜けだしては相手の背にタオルケットをかけた後キッチンへと向かい。食パンが丁度二切れ残っているのを見つければどうやら買い物には行かずに済みそうだと頬緩ませながら、眠気覚ましにコーヒーでも飲もうかと電気ケトルのスイッチ入れて。)
――ッい…背骨いった…。
(自分が寄りかかっていたベットが相手が起き上がることにより僅かに沈んだ衝撃に眠りへと沈み込んでいた意識を浮上させ、ぼんやりとした意識ではあるもののゆっくりと瞳を開けて。まだ覚醒しきっていない中こぽこぽと微かに聞こえる湯を沸かす音に視線を向けようと少しだけ体を動かせば一晩中同じ無理な体勢を強いられていた背骨がびきびきと痛みを訴えて。思わずその痛みに眉を潜めながら体をどうにか起こすと漸く意識がはっきりしてきたのか相手を探すように視線を彷徨わせて。まだ朝早い時間帯なのか、夏も近づいているというのに部屋は少しだけ肌寒くて肩に掛けられていたタオルケットをもそもそと緩慢な動きで体にまとわせるとまだ若干背骨が痛むからか、その場に座り込んだまま緩く首を動かし部屋の主である相手を探し。)
…先輩、起きてるんですか?
__、はよ。お前も珈琲飲むか?
(もぞもぞと動く気配を背中に感じながらも黙っていたのだが痛みに声を上げるのが聞こえれば、予想通り過ぎるそれに流石に小さく口元を緩ませてしまって。相手の問い掛けとほぼ同時にキッチンから顔を覗かせれば座り込む相手と視線絡ませ朝の挨拶を。自分が掛けたタオルケットを体にまとわせている姿はどことなく頼りなさげに見え庇護欲を刺激される。朝の特有の空気も入り混じり、普段よりいくらか柔らかい響きの問い掛けを付け足しては緩く首を傾げて。)
…余ってるなら飲みます。
(起きてから暫く経っても一晩中同じ体勢を強いられていた背骨がすぐに元に戻るはずもなく、ぎしぎしと軋む音が聞こえてきそうな鈍い動きしか出来ない自分の身体に苦々しく表情を歪めて。そんな中寝起きのぼんやりとした雰囲気を引き摺っているのかいつもよりどことなく優しい声色で此方に珈琲を勧めてくる相手の方に視線を向けると少しだけ考えるような間を取ってから、あくまで余りがないのに自分のために煎れ直す様な手間は要らないと暗に釘を刺しながら返答を口にして。ぼすりと上体をベッドに預けると少しだけ背骨が楽な気がして、猫が身体を伸ばすときのようにぐっと腕をベッドに突っ張りながら背骨を伸ばすと小さく息をついてから再び相手の方に視線を向けて。確認するなら早いうちに済ませてしまいたいという考えがあってか、自分から昨晩の話題を相手に大分軽い感じで振るとベッドに頭を預ける様に軽く首を傾げて。)
――先輩、昨日の夜って一回起きました?
ああ、一回な。起きたぞ。
(予想より早く問いかけられた質問に相手から見えないのを良いことに思わず僅かに目を丸くして。まさか一番初めに問われるとは思っていなかったのだが、声音だけはまったく動じていないように取り繕いながら平然と返事返してはいつも通りの無表情を作り上げた後相手の方を振り向く事にして。ぱちり、と合わさったこちらを見上げる瞳はいつもと対して変わらない気がするのだがそれでも少しの変化も見逃さないようにとじっと見つめ返しながらあくまで自然に、「珈琲、ミルクと砂糖はどうすんの、お前。」と全く関係のない事を問いかけて。もし相手が昨晩の事でまだ知りたい事があるならまた話題を振ってくるだろう。そうなればそうなった時に聞かなかったふりをするか素直に答えるかは考えればいい、とどこか楽観的に捉えながら急かすわけでもなく緩やかな動作で相手の返答を待って。)
――…両方、胸焼けするくらい突っ込んでください。
(一度起きたというのならどうして此方の態度を追求しないのか、それがどういう意味なのか相手のお節介な性格から何となく察せてしまい。そうして自分に不要な位気を遣ってくる相手の態度は少しだけむかつくところもあったがそれでもそんな気遣いが同情などではなく相手の純粋な優しさからくるものだと分かるからこそそれ以上この話を続けることも止めて。甘いと感じてしまうほどの相手の配慮を文字通り腹の中に甘ったるいもはやコーヒーともいえないだろう程のものを相手に要求すると漸く腰の痛みも大分引いてきたのかもそもそとタオルケットから抜け出すように立ち上がって。大きく伸びをして相手の方に近寄っていくと囁くような声で一言残し、その言葉に対する相手の反応を見るより早くそのまま洗面所へと歩いて行ってしまい。)
…先輩、拾った動物とか大事にし過ぎて肥満にしちゃうタイプでしょ。気遣ってもらった俺が言うことじゃないかもしれないですけど、そういうのほどほどにしないとそのうち手に負えなくなりますよ。――じゃ、とりあえず顔洗ってくるんでコーヒーお願いしますよ。
__…確かに、気に入ったモンは大切にし過ぎるタイプかもな。
(相手の要求する言葉に何となくざわつく胸の内。“胸焼けするくらい”なんて言っている相手だが、こちらが胸焼けするくらい甘やかしたところでそれを受け入れる事はない癖に、なんてお門違いな苛立ちすらも感じ始める。言葉としてうまく形にならない感情がうっかり溢れてしまわないように沈黙を貫く事にしては、ぽたぽたとマグカップの中に溜まっていく珈琲をじっと見つめて。相手の要求どおり砂糖とミルクを準備していれば相手の耳元で零された声にぞわり、と寒気にも似た何かに一瞬ぞわりと背を震わせれば、視線で相手の背を追いかけ。自分よりいくらも薄く小さく見える背中にからそっと視線逸らし小さく一言呟けば言葉通り甘ったるくて胸焼けするような相手の珈琲と、自分の何も入っていない真っ黒の珈琲を両手に机へ並べて。)
( / 遅れてしまい申し訳ありません!
一言掛けられれば良かったのですがそれすら難しい状況でして…。言い訳がましくなっているのはわかっているので、居なくなるつもりなどではなかったのだけ伝えさせていただきます。
まだ当分ばたつくかもしれませんが、これほど長く空けることはないと思いますので是非お相手いただけると幸いです。 )
――先輩、朝一のバスって何分発のでしたっけ。
(昨晩散々泣いたからか腫れを伴うほどではなくとも何となく熱を持っているように感じていた瞼が顔を洗ったお蔭で少しましになり、やや濡れてぺたんとなってしまった前髪の毛先を気にするように摘まみながら相手のまつ部屋へと戻ると先にテーブルに用意されていたコーヒーを手に取り。先ほどの自分の要求を実行した結果か、コーヒーというよりはあまいカフェオレと言った方がしっくりくるようなミルクブラウンのそれを息を吹きかけ冷ましてから一口飲むとマグカップを手にしたまま相手に視線を向け。バスを逃し相手の家に半ば強引な流れで泊まることとなった時より相手への警戒心は随分と薄まったがそれでもこれ程までに近い距離に長時間他人を置くのはまだ慣れておらず、そのためか早速帰りのバスのことを相手に訊ねると窓の方に視線を投げ。)
(/大丈夫ですよ、此方こそ少々お返事が遅れてしまいましたし。長くお付き合い頂いてますし、古宮様が無言でいなくなるような方とは思っていませんので無理のないペースでお相手して頂けたら嬉しいです。
此方も夏季休暇に突入すると時折返信が滞ること等あるかと思いますが、お互い様ということにして頂けたら有難いです;;)
一回帰んのか?ここから大学行けばいいだろ。
(珈琲に息を吹きかけ冷ますような動作繰り返しながらテレビの電源を入れれば朝のニュースを聞き流すようにのんびりと眺めて。昨日起きたことを淡々と伝えるそれを見つめながらある程度冷めた珈琲を口に含んだも相手の声を聞けばゆっくりと嚥下しながら緩くだが首を傾げて。携帯の電源を入れれば相手が乗るはずのバスの時刻表を引っ張りだしながらもやはり効率などを考えればここから向かうのに越したことはないだろう、と不思議そうに眉を顰めて。)
( / お優しい言葉を有難うございます…!そう言っていただけると嬉しい限りです。
もちろんゆっくりお待ちさせていただきますので、主様もリアルを優先してお体にはお気をつけ下さいね!^^ )
…俺は土曜は授業入れてないんですよ。先輩二年なのに土曜も大学行くとか、一年の時どんだけ単位取れなかったんですか?
(次の日が休日だから、と押し切られる形でこうして泊まった経緯もあり今日は世間一般的には休日のはず、しかしそれにも関わらず大学へ行こうとする相手に同じように不思議そうに首を傾げると少し戸惑ったような間を置いてから答えて。まさか平然とした顔をしているくせに寝ぼけているということはないだろう、やや相手を不審そうに見つめながらもややからかいの含まれた言葉で返答するとマグカップを一度テーブルに戻してから這うようにして相手の方にそっと身を乗り出し。)
…まさか先輩、寝ぼけてます?それともほんとに単位落としまくってやばいんですか?
……悪い、間違えた。
(完全に曜日感覚など頭の中から抜け落ちていたらしく、相手の不審気な視線と言葉から状況を正しく判断しては珈琲を一気に喉に流しこんだ後、いつも通りを装った声音で一言呟いて。寝ぼけているわけではないのだが、相手との距離感に多少はしゃいでいたのだろうか。前髪を掻き乱すように軽く崩しては乱れた髪の隙間から相手を伺うように見つめた後、「バス一時間に一本、次が15分後。」と先ほど確認した時刻表の報告だけ口にして。)
…ねえ先輩、ほんとに"寝ぼけて"ないんですか?
(どうやら本当にただの勘違いから出た言葉だったらしい先程の発言を訂正する声を聞きながら乗り出したような体勢だった体を相手の前に座り込むようにして整えるとそのまま僅かに視線を揺らして。それからおもむろに口を開くと相手から視線を逸らしたまま、掠れたような小さな声で言葉を漏らして。自分としては今までにない経験に対する不安感からこの場を後にしたい、しかし誰かから共に居るように求められるのは久しかったためか心を満たす様な満足感があって、そんな天邪鬼で面倒くさい感情を相手ならくみ取ってくれるのではないか、などという他力本願に他ならない願いの元相手に再度確認するように言葉を続けると、構われたがりな思いをプライドで外面だけ整えたような、複雑な思いを内包したような表情で相手を見つめて。)
――先輩が"寝ぼけてる"なら、もう少し面倒見てあげてもいいですよ。次のバスは見送ることにんると思いますけど…まあ一晩泊めてもらった恩もありますしね。
…“寝ぼけて”うっかり失敗しても困る、からな。朝飯、作ってくれよ。
(変に静かな相手の行動に僅かに訝しげに眉根を寄せたも、細い声で紡がれていく確認するような問い掛けに椅子に深く腰掛けてながら溜息とも笑い声ともつかない吐息零して。何となく話しの行く末は分かり始めた。しかし、相手の言葉を遮るでもなくどこか言い訳がましく重ねられていく言葉を空になったコップの底を眺めながらしっかりと最後まで黙って聞いて。あくまで‘‘お礼’’の形を崩さない相手の態度ににんまりといたずらっぽく上がった口元を隠すこともなくコップを相手に押し付け、半ば自分に言い聞かせるように同じようなもっともらしい理由を付け足しいつも通り偉そうな命令的な言葉続けて。)
__、もちろん珈琲もおかわりだからな。
――ふふ、仕方ないなぁ。今まで食べたことないような美味い朝飯作ってあげますから、目覚ましながら大人しく待っててくださいよ。
(正直いくら久しぶりに他人に干渉を許したからといえ自覚できるくらいに構って的行動に走ってしまったことを言った傍から後悔し始めていたものの、流石と言うか何と言うかあくまで自分に気を遣っている風はまるで出さず自分の望んだ応えをくれる相手に思わずきゅっと唇を噛み締めて。同情などではない、しかし此方の思いをきちんと受け止めてくれた上で返される心地よい距離感からの言葉に自然にふわりと笑みを浮かべると言葉ではあくまで仕方なしに引き受けるような口ぶりで応えて。相手に押し付けられたカップを手にしてからそっとその場から立ち上がると、自分が飲んでいた空のカップも途中で回収してからキッチンへと向かい。)
今すげェハードル上がってるからな。並大抵のモンじゃ満足しねェぞ。
(柔らかく浮かべられた相手の笑みを瞼の裏に思い浮かべながら目を閉じれば机へと伏せて。今のは最初に見た気に食わない作られた笑みではない。顔をくしゃりと崩して浮かべられるそれは派手な外見に似合わないくらい可愛らしいもので。最初、ただの好奇心だったものがどこか親が子を見守るようや純粋な好意へと形を変えるのを感じ取りながらもう一度ゆっくりと体を起こしては、「…お前、ちゃんと笑えんじゃねェかよ」と出会いを思い出しながらわざとらしく呆れたような響きを含ませながら呟いて。)
――はぁい、お待たせしましたーっと。あ、あと今更なんですけど冷蔵庫にあったの適当に使っちゃって大丈夫でした?
(相手の呟きは耳に入らなかったのか、そのことに特に声を返すこともなく調理を始めると暫くして戻ってきて。自分も空腹だったからかあまり時間を掛けることはせず、瑞々しいレタスとトマトのサラダとトーストにハムとエッグベネディクト風に盛った卵、オニオンスープと食べやすくカットしたオレンジを何度かキッチンと部屋を行き来して運んでくると相手の方にスプーンやフォーク、それと一応箸も差し出して。今更ながら大分勝手にキッチンを使ってしまったことが少しだけ気になったのかやや不安げな様子で訊ねると並べた皿の前に腰を下ろして。)
…なんつーか、お前すげぇな。
(確か長ったらしい名前だった気がするのは目の前の皿に美味しそうに乗っている本日の朝食。フォークとスプーン、それからお箸までちゃんと受け取れば感嘆の声を漏らしながらどこから手を付けようかと手を彷徨わせ。しかし、全くもって見当がつかず一度それらの食器を机の上に置けば立ち上がりキッチンへと。二つ、シンクの側に綺麗に並ぶコップへと珈琲を慣れた手順で落とし始めれば、「気遣い出来る後輩は何処へ、って感じだな。」なんてにやり、という効果音が似合うような片方だけ口元を持ち上げた不敵な笑みを浮かべて。)
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