-- 2014-01-05 23:26:33 |
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(やっぱり、痛ぇのか…。と心の中で呟き、あの野郎…。とさっきが立ちそうになり、必死に抑え込んで。どうやら、繁華街にいる女たちを怖がっているかのような瞳をしていて。礼を言われ、立ち去ろうとする相手を反射的に「…待て。」と掴まれていた方のうでを掴んでしまい。「わりぃ…」とはいうものの、今度は逆の腕を掴み、近くのカフェへ入れば、蓮さん!!こんばんは!!という声に「うるせぇ、氷もってこい…」と一言いえばVIPという札がかかっている室内へ入り、ソファに腰を下ろして、必然的に少女も座ることになり
(早く立ち去ろうとするも、腕を掴まれてびくり、とする。一瞬眉を顰めるも颯爽と近くのお洒落なカフェへと入らされ。しかもVIP用の部屋で。「...あ、あの...。何なんですか。」ソファに座るようにと促されて隅にちょこんと座るも、助けて貰ったくせに上記を述べる。すると可愛らしく元気な店員さんが氷を持って来てくれた。何だ、冷やす為に連れて来てくれたのか。悪い事言っちゃったな。
(『蓮さんっ氷いっぱい持ってきましたっ!!』、と店員である元気すぎる男は使い切れないほどの量で。「…悪いな」と言えば、『いえいえー』と出ていき。「…ここか?」と少女の腕にあてはじめ。「さっきは悪かったな」と謝り。そういや、この子の名前なんつーんだ…?と思い始めるが。痣になりそうなくらい強く握られていて。少女がいることを忘れ、舌打ちをし、眉間に皺を寄せてしまい
(冷たい氷は痣となりそうな傷痕に強く響いて心地好く。「いえ、此方こそ御免なさい...。」悪かった、等と謝られると首をふりふりと横に振りつつ上記を述べ。ふと顔を上げると整い過ぎた綺麗な顔立ちの相手に目を奪われる。黒のジャケットに黒のワイシャツ、黒のスーツズボンに黒の革靴。背も高く、雑誌から飛び出したようなスタイルだ。それに比べ己は素っぴんに自信がなく化粧もしているし、服装だって高校生を思わせない大人っぽく淡いピンクのミニワンピースに白いコートを羽織っているが身長が足りない。いくらヒールで誤魔化しているとは言え、相手と並んだ時の差は激しいであろう。
(じっと傷を見ていると、礼儀正しく謝りだした少女。そんな少女へ「なぜ謝る…?」と聞けば、相手の容姿をみて、社会人か…?いや、学生だな、とふと考え。化粧の仕方は繁華街の女たちよりはるかに上だ。大人らしい服装と容姿とは裏腹に可愛らしい背丈。そうか、さっき立ち去ろうとしていたのは、俺のせいか…。と、考えれば、視線を自分の膝へ落とすが、自信にあふれた瞳で少女を見れば、「どこに住んでいる?」といつも夜遅くまで繁華街にいる少女のところを聞きだし。
(何故謝るのかと聞かれると、己は何故謝ったのか疑問になり。「...えと、迷惑掛けたから?」そう疑問符を付けてしまい。そして亦、何処に住んでいるのかと聞かれた。別に隠す事ないよね、本当の事だし。「施設に住んでます。...私、親に捨てられたから。」はきはきと言いつつ答えると顔を上げて目を細める。今日も内緒でこっそり施設から逃げて来たのだから、施設長怒っているだろうなとかどうでもいい事を考えてみる。
(疑問形で聞いたことを疑問形で返され「俺が聞いてるのに、何で疑問形なんだ?」とつい心の音を聞いてみて。施設育ちだと、淡々と答える少女はどこか、切なげな瞳をしているように己は見えて。知らぬ間に溜まってしまった煙草の吸殻に己は吃驚しているが、こんなもんかと再び煙草をくわえれば
己のライターでカチッと付けると、己の好む香りが口の中で広がり。
(別にそこは突っ込む所では無いだろう。そう思うと、「...蓮さん、突っ込む所はそこじゃないと思うよ、」そうくすくす笑みを溢して上記を述べる。施設の事に関しては何も触れないでくれた相手の優しさを素直に受け取り己も相手と同じ様に煙草を出して吸い始めた。メンソールの味が口の中に広がる。やはり煙草が肺等に悪いとしても、此れだけは止められない。そう思いつつ、煙草を吸って吐いてを繰り返した。
(突っ込み場所がおかしいと言われ、たしかにな、と思えば此方もクスッと笑って。すると1つ疑問が浮かび「今、蓮さんっていったよな?」と少女へ聞けば、その瞳は大きくなっていて。「おい、お前何歳だ?」と慣れた手つきで煙草を吸いはじめる少女にきけば。己の煙草は少しずつ減っていき、灰皿はもう一杯になっていて。
(うわ、この人が笑ったら一瞬で怖いイメージが無くなる。とても笑い方が綺麗。するとまた質問をされ。「...あ、さっき男の人が蓮さんって呼んでたから。」そう上記を述べると目尻をきゅ、っと下げて笑みを浮かべる。たまたま前にあった灰皿にとんとん、と煙草の灰を落とせば相手の質問に対して「...16だけど...?」そう答えた。何故そんな事を聞かれたのだろう。己自身も疑問を持ちつつソファの背凭れに深く寄り掛かる。
(少女の笑みに見惚れていたが、「…そうか」と言えば、さっきの男の事を思い出せば怒りが出るが、己の名前を少女が知ってくれたことに、嬉しく思い。しかし、いつか己の事を知ってしまうのではないかと思うと、切なげな気もして。「16か…16、16!?」となんども少女の年齢を口にして、「16って煙草ダメだよな…、」珍しく心境を語って。深く寄りかかる少女の煙草を取り、自分ですいはじめて。
(そんなに16祭には見えないのか。何度も相手は己の歳を繰り返す。そして己が吸っていた煙草を奪い、我が物顔で吸い始めた。「...っちょ、それ私の煙草!それに蓮さんだって煙草吸ってるじゃん!」抗議をしてみた。頬をまるで幼い子供の様に膨らますと、横に座り煙草を吸っている相手を怨めしそうに見る。でも、こんなに感情を表したのは初めてかもしれない。これも多分、蓮さんのせいなのか。そう思うと頬をぷしゅ、と萎ませて相手の真似をして綺麗に微笑んだ。
(初めから我が物だったかのように吸っていれば抗議され、「未成年だから、だめだ」と言って隣をみれば、少女は頬を膨らました幼い子のようで、フッと笑ってしまい。すると、少女は年齢からは想像できないほど美しく笑って見せ。生まれて初めて、この子をもっと知りたいと、思いだし。「お前の名前何って言うんだ?」と今まで、お前と言っていた己に、嫌気がさしついに言葉にして見せて。
(明らかに子供扱いされているっぽい。「...蓮さんは何歳なの?」初めて此方から質問をしたかもしれない。少々俯き加減で言ってみる。あ、そう言えば名前を言ってないかもしれない。「...綾。筒野 綾。」何時もは名前を隠すがこの人になら、言ってもいい感じがした。それより睡魔が襲って来た。携帯の電源を押すと画面に時間が出る。もう深夜で、こんなに人と話したのは初めてで睡魔が襲って来たのだろう。目をぱちぱちとして1人睡魔と戦ってみた。
(俯きながら小声で言った綾の言葉をはっきりと聞き「俺は23だから、いいの」と言えば再び煙草を吸い始めて。「そうか…」と言えば興味がないわけではない、ただ少女の顔が曇ったことを見て、あえて名前について触れないようにしたのだ。すると、睡魔に襲われたのか、眠そうに瞳をぱちぱちしだした少女を見れば、帰るか?とひとこときき
(23歳か。己にとっては物凄く大人。「私も早く大人になりたい、」そう独り言の様に呟いてみる。そして帰るかと聞かれれば険しい表情をして、「嫌、帰らない」と言う。睡魔は相変わらず襲って来るものの、心は帰りたくないと否定していて。今日はどこで一夜を過ごそう。一点を見詰めつつぼんやりと考える。
(大人になりたいといった少女に「俺は学生の時の方が良かった」と言えば。帰らないと言った少女に、「綾…、繁華街で一夜過ごすとか思ってねーよな?」と聞いては、右記の言葉を言って。「施設に無理やり連れてくか、俺の家に行くか、どっちにする」と少女にとっては究極と言われる質問を投げかけ
(究極な問題を放たれた。どうしよう、無理矢理連れて行かれたら施設長に何と言われるか。うん、やはり安全な方を選ぼう。「...蓮さんの家に行く。」今夜だけ御邪魔させて貰って、朝になったら見付からない様早く出ればいい。それに、蓮さんなら今まで出逢った人と違う感じがする。最後に此の人だけ、信じてみよう。そう考えると顔に笑みを浮かべる。
(満足の行く答えが返ってきて、「そろそろいくか…。」とソファから立ち上がり、部屋を出れば、一斉に集まる視線を気にすることなく店をでようとしていて。ふとさっきの場面を思い出せば、綾はにこやかに笑っていたと思えば、自然に笑みがこぼれてきて。携帯を取り出せば、店にいる男らのトップから何通もの着信が来ていることを、確認したが、折り返さずに再びしまい。
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