千石清純 2013-06-30 16:21:56 |
通報 |
....、何が目的だ。( 合宿の残り僅かで、確実に蓄積されていく疲労。しかし自分はそれを苦としては見ておらず寧ろやりきった証として、とくに悲観はしていない。それでも相手からの提案は、満更でもなくその誘いを肯定的に返すも、ふと頭をよぎるのは礼の事である。”貸しを作る”というと大げさだがやはりそこはきっちりとしている自分の性、前回は結局自分の連絡先だけで終わり、相手の望むものは得られなかっただろう、しかし真意は読めずにこの際直接聞くことにする。中学生の願いはたかが知れていて、己の立場であれば早急に手配することも可能、そのまま相手に視線向けると問い。しばらくして、自分の恰好を再認識すると時間の余裕がある為この服は邪魔であろう。脱ぐべきか着替えるべきか、「着替えた方がいいなら言え、」とそのまま相手に引き続き問い)
…へ、目的?そりゃ跡部君に気持ち良くなって貰う事が目的だけど、( 急に問われた内容に気の抜けた声で聞き直してから、半ば驚いた表情のまま素直な意思を告げて。過去を振り返れば前回、連絡先をマッサージの礼として貰った事を思い出して今回も同様に何かしなくてはならないと相手は考えているのだろうか。しかし自分としては報酬目当ての行為ではなく言わば己から望んだ事で、言葉の意味を理解すると軽く首を横に振り。次いだ質問に先程の思考を思い出して暫し悩んだ後「あー…っと、そのままで大丈夫だよ。」と声を掛け、良く考えてみればオイルは使え難いだろうと判断してリビングルームへ )
あとになって言うのは無しだからな。( 返された返事はやはり相手のどこかズレている性格を表している。何の報酬も要らない、マッサージをするのにもそれなりに体力は使う訳で寧ろ不利益であるのにも関わらず自ら名乗り出る精神。自分が先輩というのならまだしも、たまたま同室になっただけの事で、他校となるとじきに敵となる立場である。自分にとっては疑問のみで、しかし要らないというのなら無理して押し付ける事もなく後から言っても用意はしないと時間制限まで出す辺り面倒な節もあったのか、今日だけは相手の善意に甘えようと服はそのままで彼が来るのを待機して)
うんうん、分かってるって。俺的にはマッサージも腕のトレーニングになるから無問題だよ。( 笑みを溢しながら数度頷き相手の元へ到着、これならば納得されるであろうと思い付いた言い分を述べて。実質、生半可な遣り方は返って負担を大きくするため力は必要なのだが疲労に繋がるまで負担でない理由は、行為に慣れており圧力を掛けるポイントが何処となく察知できる事から無駄な力が必要ないので本人に害は無く。「どこが疲れてる?脚とか腕ならここでも出来るけど背中なら移動が必要かな、」と、相手の傍で立ち止まり問い掛けてみて )
つくづく変わった野郎だ、( 相手への返事はどこか砕け過ぎているか、小さく呟く。腕のトレーニングなら合宿にはそれぞれの施設も完備しており、専用の機械でも使えば簡単でより的確に筋力増加の役目は果たすもの。自分はそうしてきたが故に日常生活で他人へ奉仕も兼ねてのトレーニングなど、考えてもいなかったこと。それも1つの手としては有りだが、自分が行っている場面は容易には想像出来ない。それは彼の性格あってこそのものででいて、そのまま背もたれに持たれ「腕と脚だけでいい。」と完結に応え)
ごめんね、跡部くん。
情けない話だけど熱出しちゃってさ、結構キツくて報告出来なかったんだ。
君に会いたいな、
治るまであと少しっぽいんだけど、…待っててくれる?
あーん?情けねェ声出してんじゃねェよ。
前みてェに間抜け面晒してる方がよっぽどてめェらしいけどな。
特別に待ってやる。弱音吐く暇あんならさっさと治してみせろ。
跡部くーん!こんばんは。さっき目が覚めて、熱も身体の怠さも無くなってた。
結構時間が掛かっちゃったけど、君がいるって考えたら早く治そうと思えたよ。
今夜はもう寝る事にして明日…今日だけど、返信させて貰うね。ありがと、大好きだよー。あー、うん、言っちゃってもイイよな、久々の病み上がりって事で聞き逃して。
腕と脚ね、了解。それじゃ、ちょっと失礼するよー。( ソファーへ深く腰掛けた相手の足元へ腰を降ろし、床下へ伸ばされた片脚に触れて足首から足裏までを親指で爪を立てず抉る様に圧してマッサージを始め。ふと視界に映る雪肌が目に留まり、かかとから爪先まで指の動きを流してから「跡部君って肌白いね。」と、頭上の相手へ声を掛け。手触りの良い滑る素肌と色素の薄い体質は生まれつきなのかと興味惹かれつつも掌は止めず、窪んだ足裏中央のツボを両親指で押し上げる様に刺激し )
チッ、うるせェ。
病み上がりだと言うのに、相変わらずだなてめぇは。
ま体調が戻って良かったんじゃねェの。俺には関係ないが。
....( マッサージも始まり一時ソファへと体を委ねる。リラックスした状態での相手のマッサージは、とても気持ち良くて目下に居る彼の一連の動作を見つめ。突然の声掛け、その言葉に自分自身の体質もあるだろうが、一般的にはそう色白でも無いはず。しかしテニスをしている人物はそれなりに肌も焼けるものでその中では色白な方であるのか、実際に肌が白いことを悲観的にとらえることは無くていて。ふと相手を見ると、色黒とまでは行かないものの程よく焼けた肌はまさしく健康肌で「さぁな。..そういうてめェは、しっかり焼けてんじゃねェの。」とどこか投げやりではあるも事実なのは間違いなく一言返し)
愛想尽かされちゃったかな、と思ったから返信があったのを見てすげぇ嬉しかった。跡部君が熱出した時は俺が看病してあげるね、はは。
あ、上記の文は蹴ってくれて大丈夫。
だからかな、君の肌が余計白く見えるのかも。…ねぇ跡部君、ひとつ聞いても良い?( 己の肌について指摘され瞬きを二度三度と繰り返した後、納得した様に足へと再び向き直り。視界の中では雪肌を滑る己の掌があり、足裏のマッサージを終えると足首から脹脛へかけて指を這わせていきながら唇を開けて了承を得るための台詞を。「もしも、欲しい物が目の前にあるとしたらどうする?手を伸ばそうとしたら違う自分が“やめた方が良い”って止めるんだ。…でも、凄く欲しい物。君なら、どうする?」と、視線は脚元へ向けたまま“もしも”が前提で構成されている問い掛けを溢し )
見比べるな、...( 色白寄りの肌と健康にほどよく焼けた肌で比べたらそれは後者であり、相手に見比べるといった動作は無くとも制止の意を込めどこか命令口調であるも言葉を掛ける。相手からの問いかけに片眉を顰め何かと構えるも、その質問は考えるもなく分かることなのか比較的早くに「そこでやめる訳ねェだろ。欲しい物はなんとしてもこの手で勝ち取る、必ずだ。....ま、俺様が負ける訳もねェけどな。」と薄く自信に満ちた笑みを浮かべながら答える。まず、諦めるといった選択肢は無いのか答えは一択で”必ず勝ち取る”。1つしかないものに複数人居た場合を前提とし、”勝ち”と表現する辺り無意識にいつもの競争心も出てきているのは事実でありもっとも負ける事など考えはせず勝つ事すら前提で答え)
――そっか、うん…そうだよな。( 頭上から降る台詞に視線を上げると堂々と緩められた表情、言葉の意味に少しの間を空けて。自身の欲に素直な意見は単純かつ己にとって一番正しい選択であり、其れを迷う事無く言える姿を相手らしいと頭中で思うと同時に小さく微笑して上記を呟き。真相までは告げないものの抱えていた何かが少なからず解決した様で、脚部のマッサージも終えたのか次いで相手の片腕を手に取り「跡部君は凄いね、人の心を動かす力を持ってる。…それってなかなか出来ない事だ、」と。相手の両瞳を覗き込む様に見つめながら紡ぐ言葉は素直な感想であり、まるで想いを告げているかの如く染み渡る声色で )
はっ、当たり前だ。( 彼の様子は先程のどこかくぐもった様子では無く、つっかえていた何かが取れたような素振りを見据える。そこで紡がれた、自分に向けての賞賛の言葉を否定することなく、当たり前といわんばかりに鼻で1つ含み笑いを飛ばしながら言ってのけ。真っ直ぐに注がれる視線を数秒間見つめたあとに視線を伏せ、背凭れに凭れ掛かると「千石、お前の言葉はどれも信用ならねェが、時々今みたいに素の想いが見て分かる時がある。それを全面的に出していけば、周りもそれなりの評価はくれんじゃねェの。」と言葉を投げかける。普段の女好きな彼でも会話を交わしていけばたびたび相手の”素の想い”が垣間見えることは確かであり同性同士だからこその気の緩みもあるだろうが、その想いまぎれもない事実でそれを部活でも人間関係でもうまく出していけば周りからの評価も得られることは確かだとアドバイスとは言い難いものの自分なりの助言を柄にも無く言って)
素か…俺ね、誰かに本気を隠さないで曝け出すって事が苦手でさ。でも、君には真っ直ぐな気持ちを伝えたいって思えるんだよ。( 痛い所を突かれたと困った様な笑みを向け、誰にも告げた事など無い事実を。表面上でふざけたり騒いだりしていても一つや二つ誰にでも何かが有るだろう、テニスも同じ事で強運な体質は事実だが裏での練習姿を見られる事は避けたいと。勿論、本音を決して言わない訳ではなく欲求や不満は伝えるものの肝心な事は胸内に留める必要があると感じており、けれど目前の真っ直ぐな彼には嘘など吐けないと指の動きを再開し。台詞を思い出してみれば気になる箇所が一点、「…って、跡部君!俺って信用されてないの?」と、半ば大袈裟に眉を下げて肩を落として。確かに緩くふざけた記憶もあるが今まで自分が言葉にした数々はどれが伝わり、どれが弾き落とされたのかと唸りながら思い出し )
....、お前、友達居ねェのか?( 人間誰しも隠したい部分は多々あり、それを無理して曝け出せとは言わずに少しずつ進歩していけべ良い話。それで溜まるストレスも積み重なれば大きなものになりその都度ガス抜きも必要だが、相手の器用さを認知しているためそこは上手に乗り越えられるだろうと。しかし、自分には正直にと言う彼。たまたま同室となっただけで有り、たかが数日程度で苦手とする真っ直ぐな気持ちを伝えるという行動を自分に向けようとする姿、しかし今までプールでの天体観測や二人っきりでの食事など幾つか交流を深める部分があったのも事実。心を開こうとしたつもりはなく、どこかツボをついたのかなんて分からず取り敢えず周りに居ないのか余計な世話だろうがただただ疑問で眉を顰め尋ねる。後半の問いを否定することなくて「ほぼ、な。」と一言。実際の所は8割程度聞き流しといった所か、軽はずみな発言はそれに含まれるが残りの2割は相手の真剣な様子など先程の発言のようなものでそれを詮索させる気は無いのか完結に)
…ぶはっ、何でそうなる?!居る居る、哀れみの眼差しで見ないで!( 怪訝そうな険しい表情で問われた内容に思わず吹き出してしまい、笑い続けた儘マッサージをしていた片手を外して左右に振り。以前から感じてはいたが如何やら彼と己の会話はどこか擦れ違っており、意外にも天然と言うべきか、はたまた己の女好きである体質の所為で鋭い彼はあえて深読みしているのか。徐々に笑いも治まっていき目元を指で擦り、脳内で浮かぶ友人は部活内だけでなく其の他も多く思い出されるが本心の奥を告げる事が出来る相手は掌で数えるほどの人数で。残念そうに声を窄ませた後、「そっかー…あ、じゃあ俺が手塚君だったとしたら信じてた?」と、何気無く問いたものの言い終えてからまずかったかと息呑み、その仕草を紛らわせる様に手首から肘にかけて指先を圧し流して )
....、そうか。( 突然噴出して笑う彼の姿、それは予想外の事だったのか内心軽く驚きつつもその様子に眉を顰める。自分に対して笑う姿とは対照的に詮索をしてしまったが故に現在の状況に至り不服な感情すら持ち合わせてしまう。しかし、友人が居ること自体は相手にとってプラスとなりそもそも友人が居るという答えの方が予想の範囲内であり、徐々に笑いも治まる彼をよそめに肘掛けに肘を立てると目を伏せて。そのまましばしマッサージへて意識を委ねるも問いかけられた質問に「...,だとしたらなんだよ。」と曖昧な答えを1つ。実際の所、出された個人名の彼は他校の部長で一番のライバルである。信頼関係こそ構築されているも、相手の性格でこその言動でライバルの彼が相手の性格だとしても違和感を覚え相手以上に信頼は出来ないであろう。実際の所は気に掛けるような大差は無いもののその質問の意図を探ろうと薄く目を開くと見つめてみて)
トピック検索 |