鐐乱 2012-01-25 23:01:14 |
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第壱靈*
時々、頭の中で空を思い浮かべてみる。
ごく普通の―
そう、誰もが思い浮かべるような―
そんなありきたりな空。
絵の具でいうと、青色に白色を足して混ぜた―
そんな出来損ないの、水色。
その無限に広がる紛い物の背景の中、雲が幾つかうつらうつらと浮いている―
嗚呼...
うんざりするほど退屈だ―
『無音、の、音、』
毎日毎日同じ日々が巡り巡って繰り返される。
それこそ永遠の終身刑を言い渡された罪人のように...長く、長く。
嗚呼、僕は後どれだけこのつまらない日々を過ごさなければならないのか。
別に僕は自殺志願者ではないけれど、流石に是だけ同じ毎日を繰り返せば誰だって堪える。
僕は都合良く自分の考えに他人を巻き込んだ。
「はぁ...。」
何度聞いても鬱陶しく聞こえる溜息を吐いてみる。
つまらない...
朝の晴れ渡った空の下、僕の思考はその言葉でいっぱいだった。
学校に着くまでの時間―
学校に着いてからの時間―
そしてその後の時間でさえも僕はこの言葉を言い続けなければならないと思うと本当にうんざりしてくる。
苛々する....
だんだんと歩行速度が早くなる―。
苛々する...
更に歩行速度が増すのが分かった―。
苛々する..
歩行速度はだんだんと音を変えて行く―。
苛々.
苛々苛々苛々―
―プツンッ。
嗚呼...、何故だろう。
僕は自分の気付かぬうちに、学校へ辿り着いていた。
いや...、気付かなかったんじゃない。
そう―。
気付かぬふりをしていたんだな―
―パタンッ。
僕は今日も、
ありきたりな、
そう、何処にでもあるような、
そんな日常風景を眺めながら、特に何かを思案する風でもなく、
ただ、ただひたすらに、『つまらない。』という言葉を思い浮かべては消して―
繰り返して―
...ほんと、どうしようもないな、僕は。
口元を無理矢理吊り上げさせ、自嘲気味た笑みを零しては、自分の部屋を見回してみた。
天井を見て―
押入を見て―
勉強机を見て―
...チッ。
代わり映えのない毎日に唾を吐きたくなるような、そんな気分で僕は舌打ちを零してみた。
...が、何も変わらない...
変えようがない―
僕は一旦心を無心に戻してみた。
そのままの状態で僕は部屋を後にした。
...部屋を出たのはいいものの、さて...何処へ行こう...。
僕は部屋を出て早速躓いていた。
廊下をキョロキョロと見渡し、そして一歩、一歩、止まっていても仕方がないので歩みを進めることにした。
廊下を歩く―
無音、無音―。
嗚呼、そうだ。
思い出した。
この家には―
誰もいないんだっけ。
嗚呼、そうだ、そうだ。
思い出した。
そういえばそうだったなぁ...。
何処か懐かしくて楽しい思い出を思い返すかの如く、うっとりとした表情で遠くを見てみる。
あははっ...。
もう消していたと思っていたのに。
まだ残っているなんて。
嗚呼、本当に鬱陶しい記憶だこと。
『記憶、の、先』
嗚呼...、本当に...。
僕はその瞬間、うっとりとした表情から一変、
どうでも良さそうに、
それこそ死体が側に転がっているのを見て見ぬふりをするような―
そんな、冷たい眼差し。
嗚呼、
キモチガワルイナ。
その日僕は、学校から戻って来て早々、母共々父に呼ばれた。
また...か。
僕はこの後何が待っているのか分かっていた。
いや、『僕も』...と言った方がいいのか...。
母は何時ものように全身を震わせながら、僕へと目をやった。
いやいや、僕の方向かれても...。
僕は困ったような、呆れたような瞳で母を見た。
そして小声で一言、
「助けなんて来ないよ。」
僕は、もう諦めろ。とでも言うように母に絶望を味わせた。
母はその言葉を聞き、諦めたのか、どうでも良くなったのか、瞳に精気を宿すのを止めた。
その様子を僕は横目で見やりながら、
いい加減諦めろよ、この人は...。
と、実の母に対して溜息を洩らした。
「はぁ...。」
不意に天井へと目を向ける。
さてさて、今日は何時間なんだろう...。
〜少し休憩〜
今読み返すと結構イタイですね…。
何かこう…、狂った、情緒不安定な主人公が出来上がってしまった…。
まぁ…それでも続行しますね…。
…パチッ。
嗚呼...、僕は何時の間に気絶したんだっけ。
僕は辺りを見回し、ぼんやりとした頭で無理矢理脳を機能させた。
...が、気絶するのは何時ものことなのであまり深くは追究しなかった。
それこそ脳の無駄遣いだ...。
僕はぽつりとそんなことを思いつつ、吊された状態で、隣へと目をやる。
母さんは...と思ったが、そこに居ない理由は脳を働かす手間もなく、自ずと出ていた。
嗚呼、また延長戦か。
左程興味もなさげに、僕は冷たい眼差しで隣を見やった。
そう...、その冷たさを表現するならば、子供が興味本位で買って貰った生き物に飽きて、その生き物に目も向けないような...
そんな眼差し...。
隣を見つめているのに、何処か遠くを見ているような―
別の何かを求めているような―
そんな不思議な瞳―。
嗚呼、今回は何処まで記憶が保ったっけ...。
僕はうなだれながら、頭の隅で薄らそんなことを考えていた―。
ん、ありがとなぁ…(ニコッ
つか俺『1日5通』を最初しか守れてない…
これからはもっと書くようにしますー…
見てるかわかんないけど…
〜遡ること数時間前〜
頭の隅の記憶の回想*
僕が学校から戻るなり、『あの人』は玄関先に立って、僕を待ち兼ねていた―。
そう...ごく自然な顔で―
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